2004年08月24日

ヒメカワズスゲ

ヒメカワズスゲは、北半球の寒地に分布し、日本では北海道、本州中部以北の亜高山帯〜高山帯に見られます。茎(稈)はそう生し、細長く高さは15cm〜35cmほど。高層湿原に生えるカヤツリグサ科スゲ属の多年草です。葉は鮮やかな緑色で幅は1mm〜1.5mm、長さは茎よりは短め。縁はざらつきます。

小穂は5mmくらいで、2つ〜6つ。長くのびた花序の軸にまばらにつきます。頂小穂、側小穂ともに雄花と雌花がつくか、側小穂は雌花のみ。雌の小穂の鱗片は楕円形で淡い色。苞はトゲ状。果胞は長さ2mmくらいの卵状楕円形で、短めのくちばしがあります。はじめ淡い緑色の果胞は、後に褐色がかってきます。くちばしの上部には小さな突起があってザラザラ。くちばしの先は2つに裂けます。

【和名】ヒメカワズスゲ [姫蛙菅]
【学名】Carex brunnescens subsp. pacifica
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE

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ヌマガヤ

ヌマガヤは、日本では北海道〜九州の山地帯〜高山帯に分布し、主に日本海側の湿地や湿原に生育する多年草です。茎(稈)はまっすぐのび、草丈は30cm〜1m。全体的に無毛。特に高層湿原と低層湿原の中間的な湿原に多く、しばしば群生しています。イネ科ヌマガヤ属(Moliniopsis)に分類され、ヌマガヤという名前は、漢字で書くと「沼萱」で、文字通り生育する環境からきています。

葉は長さ30cm〜50cm、幅1cmくらいの線形。質は堅めで、葉の表面は白っぽく、裏面は濃いめの緑色で光沢があります。特に亜高山帯の高層湿原では、穂があまり開かず細い穂になっています。草丈は30cm〜50cmくらいのことが多いです。それに比べて標高が低く、暖かい地域の湿地に生育する場合は、より草丈が高く、花穂は大きな「散形花序」となって開きます。

花期は8月〜10月。花序は長さ10cm〜40cm、「小穂」はたくさんつきます。そして1つ1つの小穂には2つ〜5つの「小花」がついて、長さは1cm前後。小花は淡い緑白色、小花の基部に毛があります。外花頴に芒はありません。柱頭は白色で羽毛状。雄ずいの先は濃い紫褐色。包頴の縁は膜質、中心部分は紫褐色を帯びていることがあるような気がするのですが、気のせいでしょうか。図鑑ではだいたい白っぽく見えるようなことが書いてありますね。

秋も深まってくると、ヌマガヤも枯れ、特に群生しているところでは湿原を黄金色に染めます。

【和名】ヌマガヤ [沼茅]
【別名】カミスキスダレグサ
【学名】Moliniopsis japonica
【科名】イネ科 POACEAE (GRAMINEAE)

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2004年08月23日

チングルマ

チングルマ Sieversia pentapetala


チングルマは、日本では北海道、本州中部以北の高山帯に分布し、砂礫地や雪渓の縁などに生育しています。バラ科チングルマ属の落葉矮性の低木です。同属の植物は世界的に見ると北半球の温帯〜寒帯にかけて25種ほどが知られていますが、日本に分布しているのは、このチングルマ1種だけ。

高さは、花が終わって花柄がのびた状態で10cmくらい。花の最盛期には花柄は5cm程度です。枝はよく分かれて、横に広がります。葉は長さ2.5cm〜5cmの奇数羽状複葉。小葉の数は7つ。表面には光沢があります。

花期は7月〜8月。花は枝の先に1つずつ上向きに開きます。直径2.5cmくらいの白色の5弁花。花弁の長さは1cm前後。中心付近は黄色です。

8月の第一週ぐらいにまでに、北海道や中部以北の高山へ行くことができれば、チングルマの花も見られるかもしれませんね。ただし、新鮮な花はやはり梅雨時なのでしょう。お盆が近づくころにはおなじみの果実が羽毛状に伸びた姿になります。

チングルマはバラ科で、花の中心部分にはたくさんの雄しべと雌しべがあります。通常、「柱頭」、「花柱」、「子房」をあわせて雌しべといいますが、チングルマの果実の時期に羽毛状に伸びているのは「花柱」の部分です。この部分は長さが2.5〜3cmほどで、赤みを帯びています。その付け根の方に「そう果」があります。そう果はたくさん集まって「集合果」となっています。

果実の時期の風情ある姿は、花の時期以上に好まれるようですが、写真の個体はちょっと一番よい時期を過ぎていたし、その場所は個体数もちらほらで、人々はだいたい素通りしていってしまいました。

【和名】チングルマ [稚児車]
【学名】Sieversia pentapetala
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月22日

モウセンゴケ

モウセンゴケ Drosera rotundifolia


モウセンゴケは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布しているほか、北半球の主に温帯〜寒帯に広く分布し、低山〜亜高山の湿地や湿原に生える多年草です。

葉は根生。根元の方に集まってつき、葉には長い腺毛があります。腺毛の先は丸くなっていてそこから消化酵素を含んだ粘液を出し、昆虫を捕らえます。いわゆる「食虫植物」の一種ですが、根や葉がありますから光合成によって栄養分を作り出せるので、虫を捕らえることができなくても生育できます。もともと栄養分の少ない湿地などに生えますから、虫を捕らえることで、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)などの栄養分が補給され、開花、結実が促進されます。

花期は6月〜8月、15cm〜20cm程度の花茎に直径1cmぐらいの白い5弁の花を咲かせます。花序は咲き始めのころは先がくるりと巻いた渦巻き状になっていますが、咲き進むにつれて徐々にまっすぐに伸びてきます。写真は花が終わった後の花茎です。

葉や葉柄、腺毛など全体的に赤みを帯びているので、群生しているところでは地面が赤く見えます。その様子がまるで赤い毛氈を敷きつめたように見えることから、そう呼ばれています。「苔」とつきますが、いわゆるコケの仲間ではなく被子植物です。

ちなみに、学名の「Drosera」は「droseros」に由来し、「露を帯びた」という意味です。葉の腺毛から出る粘液の様子が露のようだから、そのようにつけられているそうです。また、種小名の「rotundifolia」には、「円形の」という意味があります。

【和名】モウセンゴケ [毛氈苔]
【学名】Drosera rotundifolia
【科名】モウセンゴケ科 DROSERACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

■当ブログ内関連記事
モウセンゴケ(No.2)
葉の様子などは(No.2)の方でチェックしていただけるとうれしいです。

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2004年08月21日

コイワカガミ

コイワカガミ Schizocodon soldanelloides f. alpinus
2004/08/27 長野県

コイワカガミは、主に本州中部の高山帯に分布し、岩場やハイマツ林の縁などに生育する常緑の多年草です。イワウメ科イワカガミ属の植物。北海道〜九州まで分布し、低山帯〜亜高山帯まで幅広く見られる「イワカガミ (Schizocodon soldanelloides)」の高山型といわれています。ふつうイワカガミよりは小型で花数も少ないです。

葉は長めの柄があって、茎には葉はなくすべてが根生葉です。幅が1.2cm〜3.5cmほどの円形で、先端の方には丸みがあります。表面はテカテカとした光沢があって、質はかなり分厚いです。縁のギザギザ(鋸歯)は両側に8つずつ。イワカガミの方はもう少し多めに入ります。「イワカガミ」という名前は常緑の強い光沢のある葉を鏡に見立てたものです。赤みを増した葉が高山の朝日をあびて輝く姿は、筆者がカメラを向けるのが申しわけなくなるほど、まぶしく美しい。

コイワカガミ Schizocodon soldanelloides f. alpinus
2004/08/12 福島県

花期は6月〜7月。花は長さ5cm〜10cmほどにのびた花茎に、1個〜5個、総状につきます。花は横向き〜やや下向きに開き、だいたい一方向に片寄って咲きます。

花冠は紅紫色で、長さは1.5cm〜2cmくらい、直径は1cm程度の釣鐘形。5つに中裂して、さらにその先の方は半分ほどまで細かく裂けます。雄しべと仮雄しべがそれぞれ5つずつあります。ガクは5つに裂けて、各裂片の長さは5mmくほど。果実は球形の「さく果」で、上向きにつきます。

2枚目の写真は、花茎が長く花数も多いので、イワカガミの方かもしれません。

【和名】コイワカガミ [小岩鏡]
【学名】Schizocodon soldanelloides f. alpinus
【科名】イワウメ科 DIAPENSIACEAE
【撮影日】2004/08/12、2004/08/27
【撮影地】福島県檜枝岐村、長野県長谷村

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2004年08月20日

サワギキョウ

サワギキョウ Lobelia sessilifolia


サワギキョウは、北海道、本州、四国、九州の山野の湿地に生える多年草です。草丈は50cm〜1mほどになり、群生することも多いので、開花しているととても目立つ存在です。まっすぐに伸びた茎は、他の同じくらいの草丈の植物に負けないようなしっかりとした印象を受けます。

花期は8月〜9月で、茎の上部に濃い紫色の花をたくさんつけます。キキョウ科の植物ですし色もキキョウのような色ですが、花の形はぜんぜん似ていません。キキョウの花(花冠)は広く開いた鐘のような形(広鐘形)ですが、サワギキョウは5つに裂けた「唇形花」をつけます。唇形花は、花冠がくちびるのように上と下にわかれていて、それぞれ「上唇」、「下唇」といいます。上唇、下唇はさらに裂けることがあって、サワギキョウの場合は、上唇が深く2つに裂け、下唇は浅く3つに裂けています。

写真は、花が終わった後の若い果実です。先に細長い針状のものが飛び出ていますが、これはガクの裂片で5つあります。茎についてよじれたようになっているのは、「苞(ほう)」です。サワギキョウの葉には柄がなく、茎の上部にいくほど小さくなり苞になります。

学名の「Lobelia」はイギリスの植物学者M.de Lobelという人への献名で、種小名の「sessilifolia」は「sessilis(無柄の)+folia(folium:葉)」ということで、「無柄葉の」という意味です。

【和名】サワギキョウ [沢桔梗]
【学名】Lobelia sessilifolia
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月19日

ミズバショウ

ミズバショウ Lysichiton camtschatcense


ミズバショウは、誰もが認める「夏」の尾瀬を代表する花。でも実は夏ではなくて「春」の代表花なんです。燧ケ岳や至仏山は残雪を冠し、拠水林の緑はまだ疎らなころ、真っ白な苞に包まれた花を咲かせます。ふつう花に見えている白い部分は苞です。花は中心の黄色っぽい棒状の部分(肉穂花序)にたくさんついています。花は霜に弱く美しい姿が観賞できるのは、ほんの数週間。花後は葉が巨大化し、夏山シーズンのころには、それがあのミズバショウだとは。。。と初めて見る人はわが目を疑うかもしれないですね。

写真の状態はその中でも著しく不気味な状態。ミズバショウの果実は何かの野生動物に食われたのでしょうか、あるいは種子が成熟して自然に落下したのでしょうか。残骸が水辺に浮かび高温でブクブクと。。。気持ち悪くなりながらの撮影でした。

【和名】ミズバショウ [水芭蕉]
【学名】Lysichiton camtschatcense
【科名】サトイモ科 ARACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月18日

ワタスゲ

ワタスゲ Eriophorum vaginatum


ワタスゲは、北海道と本州中部以北の「高層湿原(こうそうしつげん)」に生えています。高層湿原とは、雨や雪などのほとんど肥料となるような栄養分を含まない水によって、水分が得られている湿原のことで、気候が涼しく植物の枯れたものも分解されないので、栄養分が非常に低い場所になっています。そういう場所で生育できる植物は限られていて、「ヒメシャクナゲ」、「ツルコケモモ」、「モウセンゴケ」、「ホロムイソウ」などが見られます。

ワタスゲは、6月〜7月に白い穂をつけますが、大きな株となり群生することも多く、辺り一面が真っ白になっていることもあります。草丈は30cm〜50cmぐらいで、湿原に吹く風にゆれる光景は、とてもさわやかなものです。

よく似た種類に、「サギスゲ」というのがありますが、ワタスゲは白い穂が茎のてっぺんに1つだけつくのに対して、サギスゲは白い穂が3つに分かれているので、区別は簡単です。

とはいうものの、写真ではすでに、白い綿毛はほとんど飛んでいってしまっていますね。こんな状態だと、「これが、あのかわいいワタスゲか?」とビックリしますね。使い終わったマッチ棒の先に羽毛ががくっついているような。。。しかも、この近くに生えているイワショウブの茎に、綿毛のカスが付着していて、よくよく見ると、ちょっと奇妙な光景が広がっていました。

【和名】ワタスゲ [綿菅]
【学名】Eriophorum vaginatum
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月17日

オゼミズギク

オゼミズギク Inula ciliaris var. glandulosa


オゼミズギクは、「ミズギク(Inula ciliaris)」の変種とされています。ミズギクは、九州と本州に分布し、山地の湿地に生える多年草です。そのうち、尾瀬や東北の湿地に生え、茎の上の方につく葉の裏側に「腺点(せんてん)」がたくさんある(葉の裏にたくさん点々がある)ものを「オゼミズギク」といいます。

オゼミズギクの草丈は、20〜50cm程度で、花期は8月。直径3〜4cmの真っ黄色の花で、とても鮮やかです。長く伸びた枝の先にふつう一つ真上を向いて咲いています。尾瀬でこの花が咲きはじめるころは、すでに夏の盛りは過ぎて、早くも秋の気配が感じられますね。

オゼミズギク Inula ciliaris var. glandulosaオゼミズギク Inula ciliaris var. glandulosa


一番上の写真の個体は、咲くまでに虫にやられたか、何かのアクシデントに見舞われたようです。ちょっと開きかけていますが、花の外側を囲んでいるはずの「総苞片(そうほうへん)」の部分は、すでに茶色く変色してバラけてしまっていました。

【和名】オゼミズギク [尾瀬水菊]
【学名】Inula ciliaris var. glandulosa
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月16日

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ Heloniopsis orientalis


ショウジョウバカマは、北海道、四国に分布する常緑性の多年草です。分類学的にはいろいろと見解があるそうですが、九州、四国や関東の一部にはツクシショウジョウバカマ、近畿と四国の一部にはシロバナショウジョウバカマが分布しているといいます。また、ショウジョウバカマの生える環境はさまざまで、低地の雑木林〜高山帯まで幅広く生育しています。

花は、低地では4月〜5月、標高が上がるにつれて開花時期は遅くなり、高山帯では7月〜8月です。色は紅紫色で個体によって濃淡があります。花は10日間ほどですが、開花中も受粉後も花茎はどんどん伸びていき50cmぐらいにまでなってしまいます。写真は、花が終わり、結実した種子もすでになく50cmになった花茎は折れ曲がっていました。これだけを見たときは何者なのかわかりませんでしたが、茎をたどっていくと、ちょっと光沢があってベロベロと地面に広がる根生葉(こんせいよう)が。それで、ショウジョウバカマとわかりましたよ。

実はこの地面にへばりついている葉っぱが、ショウジョウバカマの繁殖にとっても重要なのです。葉の先に小さい芽を発見したことや大きな株の周囲に小さい株がいくつかあるのを見かけたことはありませんか。これはショウジョウバカマが、種子でふえるほか、葉の先にできる芽(葉状不定芽)によっても殖えるから見られるのですね。特に暗い林の中に生えている場合に、葉状不定芽によって栄養繁殖することが多いのだそうですよ。そんな巧みな方法で、いろんな環境にも適応しているのでしょうね。

【和名】ショウジョウバカマ [猩々袴]
【学名】Heloniopsis orientalis
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月15日

コバギボウシ

コバギボウシ Hosta albo-marginata


コバギボウシは、本州、四国、九州に分布し、山野の林内の湿り気の多い場所や日当たりのよい湿地などに生育する多年草です。ユリ科ギボウシ属(Hosta)に分類され、名前は葉が小型の「ギボウシ」。「ギボウシ」という名前は、若い時期の蕾の様子が橋の欄干の「擬宝珠」に似ているところからきているといいます。

葉は根生し、斜め上にのびます。長さ10cm〜15cmくらい。先のとがった披針形〜卵状の長楕円形で、幅は細めです。先端はあまりとがらないこともあります。付け根の方は翼状になって葉柄に沿って流れます。葉脈が裏面に向かって刻まれるようにへこんで、よく目立ちます。あまり光沢はありません。

花期は7月〜8月。高さ30cm〜40cmほどの花茎をまっすぐのばして、数個〜十数個の花を総状につけます。花冠は紫色で、濃い紫色の筋が入ります。横向き〜斜め下向きに開きます。長さ4cm〜5cmの筒状の釣鐘形で、花被片は6つですが基部がくっついて細い筒状になっています。そして、そのつけ根の部分には、舟形で緑色の「苞」があります。花冠の先の方は結構パーッと開き、やや外側に反り返ります。

果実は「さく果」で、熟すと縦に裂けます。種子は黒いです。

【和名】コバギボウシ [小葉擬宝珠]
【学名】Hosta albo-marginata
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

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2004年08月10日

オオバギボウシ

オオバギボウシ Hosta sieboldiana


オオバギボウシは、北海道、本州、四国、九州に分布し山野の草地や林の中で見られる多年草です。今回は「オオバギボウシ」という名前がより一般的に使われていることから、オオバギボウシとしていますが、本種は「トウギボウシ (Hosta sieboldiana)」とした方がよいのかもしれません。本種を広くとらえた場合の学名は「Hosta sieboldiana」、和名は「トウギボウシまたはオオバギボウシ」となるようです。

これらの名前の取り扱いはちょっとややこしく、特に本州の日本海側に生育し、花茎がやや短く葉が白っぽくなるタイプのみを「トウギボウシ (Hosta sieboldiana)」と呼び、それ以外を「オオバギボウシ (Hosta montana)」というように別種とする場合や、オオバギボウシをトウギボウシの亜種や変種扱いにする場合もあって混乱してしまいます。

ここでは、個人的な見方ですが、これらの形態的な変異の大きさから1つのグループととらえて、学名は「Hosta sieboldiana」、和名はより一般的な「オオバギボウシ」を使いました。

花期は6月〜8月、50cm〜1mほどにもなる花茎に横〜やや下向きにたくさん花をつけます。色は白色〜淡い紫色で、長さ5cmほどの筒鐘形です。

葉は大きな卵形で弧を描くように走る葉脈がよく目立ちます。長さは20cm〜40cm、幅も20cmほどで、新鮮なうちは本当に瑞々しく生長するととても豊かな葉です。山里では「ウルイ」と呼んで、若い芽や茎を山菜として利用します。ある民宿に泊まったとき、ウルイのおひたしをいただきましたが、ぬめりが少しありさっぱりとした味でなかなかおいしいものでした。

【和名】オオバギボウシ(トウギボウシ) [大葉擬宝珠]
【学名】Hosta sieboldiana
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市

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オオバノトンボソウ

オオバノトンボソウ Platanthera minor


オオバノトンボソウは、本州、四国、九州の丘陵の林内などに生育する多年草です。花時期には花茎が伸びてきて、草丈は30cm〜50cmほどになります。

花期は6月〜7月。距は長さ1.2cm〜1.5cm。果実となる子房の部分よりも長く下に垂れ下がります。といっても、距はすでに茶色くなっていますけど。緑色に膨らんできているのは子房の部分で、若い果実になっています。後ろに反り返っていた「唇弁」は距よりもずっと短くて、今は距より黒っぽくなっています。かろうじて、小さい兜状に重なった「背ガク片」と2枚の「側花弁」の残骸も残ってはいます。茎の翼状の稜は健在です。

花茎が伸び始めてから、開花は今か今かと待っていたら、いつの間にか咲いて、あっという間に花は終了してしまいました。その間には一応、梅雨の時期もあり、泥が跳ねて汚れてしまった蕾もあったなああ、となんだか感慨深げ。7月はじめに花は何とか見ることができたのでまあ、いいのですが、写真はいまひとつうまくいかなかったので、また来年まで待つことになりました。

【和名】オオバノトンボソウ [大葉の蜻蛉草]
【別名】ノヤマトンボ、ノヤマノトンボソウ
【学名】Platanthera minor
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事
オオバノトンボソウ(No.2)

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2004年08月09日

ジニア

ジニア Zinnia elegans


ジニアは、メキシコ原産の一年草。暑さに強く花期は長い。写真は花色が薄い黄緑色で、比較的大輪の品種です。咲き始めはほとんど一重咲きですが、咲き進むにつれて写真のように中心に近い部分から舌状の花弁がムクムク立ち上がってくることもあるようです。花期は長いとはいえ、やはり咲き始めのほうが瑞々しく美しいことは間違いないでしょう。

【一般名】ジニア
【和名】ヒャクニチソウ [百日草]
【学名】Zinnia elegans
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都立川市

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2004年08月08日

サボンソウ

サボンソウ Saponaria officinalis


サボンソウは、ヨーロッパや西アジア原産のナデシコ科の多年草です。日本に入ってきたのは明治初期のことで、観賞用や薬用として栽培されてきました。また、しばしば、人家周辺で逃げ出したものが野生化しています。草丈は40cm〜60cm程度、よく枝分かれします。茎は無毛で角ばっています。

葉は対生。楕円形で先はちょっととがっています。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。3本の平行に走る葉脈が目立ちます。葉柄はありません。

7月〜8月。花は直径2.5cm〜3cmほどの淡いピンク色〜白色で、茎の先に数個咲きます。花弁は5枚。ガクは細長い筒形、先は2つに裂けています。花弁は筒の外に見えている部分以外に、ガク筒の中にも細長く続いている部分があります。その、筒に入るのどの部分にはそれぞれ2本ずつの小さな「鱗片」があります。その鱗片は花の中央付近に見られます。

花には果物の甘い芳香があり、見た目もかわいいのですが、根は有毒。果実は「さく果」で、熟すと先のほうが4つに裂けて、裂片は少し反り返ります。種子は直径2mmほどの小さなもの。

学名の「サポナリア(Saponaria)」は、ラテン語の「Sapo (石けん)」という意味からきています。これは葉に「サポニン」という成分がたくさん含まれていて、その汁液が泡立つので洗剤や入浴剤として利用されることによります。なんでも、繊維をいためない優れた柔軟剤的な効果があるそうで、デリケートな繊維の洗濯によいとのこと。実際にこの葉が石けんの代用に使われたことから、英名では「ソープワート」といいます。

【和名】サボンソウ
【一般名】ソープワート
【別名】サポナリア、バウンシングヘッド
【学名】Saponaria officinalis
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市

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2004年08月07日

ムクゲ

ムクゲ Hibiscus syriacus


ムクゲは、中国原産の落葉低木で、公園や庭、高速道路にも植えられています。韓国の国花としても知られています。高さは2m〜4m。アオイ科ハイビスカス属の植物で、同じ属の「フヨウ (Hibiscus mutabilis)」がこんもりとした樹形になるのに対して、ムクゲはやや茎の1本1本が細長く縦に伸びています。枝は灰白色で、若い枝には白っぽい星状毛があります。

葉は互生。長さ5cm〜10cm、輪郭は卵形〜ひし形に近い形で、浅く3裂しますが、ほとんど裂けないこともあります。縁には鈍いギザギザ(鋸歯)があり、フヨウよりも細身で小さめです。葉柄は1cmに満たない程度から長いものでは3cmくらいです。

ムクゲ Hibiscus syriacus


花期は7月〜10月。枝先の葉腋に直径5cm〜10cmの花をつけます。花弁は5枚。花の中心部はしばしば濃い紅色を帯びています。多数の雄しべがくっついて(合着して)筒状になり、「葯」がたくさん連なって見え、その筒は雌しべを取り囲んでいます。雌しべはその筒の先端から突き出ています。花色は、紅紫色、薄紫色、白色など。白い花弁に中心が赤い品種、「日の丸」などの一重咲きのほか八重咲きの品種もたくさんあります。花はフヨウよりやや小さめです。八重咲きのタイプは、雄しべが花弁化しています。

果実は2cmほどの先のとがった卵形で、熟すと5つに裂開します。秋も深まったころ、カラカラに乾燥して先が開くと、中には長さ5mmくらいの平べったい腎形の種子がたくさん入っています。種子の色は褐色、縁には淡い褐色の毛が密生しています。とても不思議な形状の種子です。

冬芽は枝先に小さなこぶのような状態でついています。白っぽい星状毛におおわれていますが、芽を包む「芽鱗」のない「裸芽」です。

一番上の写真は、八重咲き品種の花がしぼんだ様子。花は早朝に開いて、夕方にはしぼむ一日花なので、これは前日、咲いたものなのでしょう。

【和名】ムクゲ [木槿]
【別名】ハチス、キハチス
【学名】Hibiscus syriacus
【科名】アオイ科 MALVACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市

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フヨウ
ハイビスカス

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2004年08月06日

アキノタムラソウ

アキノタムラソウ Salvia japonica


ガクの形は正面から見るより、花が落ちた後や後姿の方がよく観察できたりします。

これまで、現在掲載の画像を使って、記事の内容、タイトルともに「ナツノタムラソウ」としてまいりましたが、親切な方のご指摘により確認いたしましたところ、ご指摘いただいたとおりこの写真の個体は、「アキノタムラソウ」であることがわかりました。大変失礼いたしました。お詫びし訂正いたします。また、ご指摘ありがとうございました。(2005/05/23)

今後、もう少ししっかりと学んで、詳しい記事が掲載できたらと思っております。こんな頼りない管理人ですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

【和名】アキノタムラソウ [秋の田村草]
【学名】Salvia japonica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市

posted by hanaboro at 18:45| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花の後姿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月05日

ヒマワリ・ゴッホ

ヒマワリ・ゴッホ・showa336.jpg


満開状態のヒマワリ畑にあってこの花だけは写真のように不気味な形状でした。この様子は、ただ花が終わっただけの状態ではないようだ。恐らく、開花が進む過程で何らかのアクシデントに遭遇したのでしょう。病気にかかったか、一時的な水不足と日照りによって焼けてしまったか、、、残念なことにこの花は正常に結実できず、使命は果たせなかった。

【和名】ヒマワリ・ゴッホ
【学名】Helianthus annuus
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/07/20
【撮影地】東京都立川市

posted by hanaboro at 19:29| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月04日

ムラサキバレンギク

ムラサキバレンギク Echinacea purpurea


ムラサキバレンギクは、北米原産の多年草です。花弁(舌状花)は赤紫色で、咲き進むにつれて下に垂れ下がってくる。英名はpurple coneflower。属名のエキナセア(Echinacea)は、「ハリネズミ」という意味で、中心部の盛り上がった部分の形がハリネズミのようだということから命名されています。写真の花はもう咲き終わりです。花弁は虫に食べられたのか、日照りで傷んだのか、個性的な色合いや形を楽しむには遅すぎ。ハリネズミ状の部分が残るのみ。

【和名】ムラサキバレンギク [紫馬簾菊]
【英名】purple coneflower
【学名】Echinacea purpurea
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市

posted by hanaboro at 18:22| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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