テンニンソウ

テンニンソウ Leucosceptrum japonicum


テンニンソウは、北海道から九州に分布していて、山地の林内、林縁に生える多年草です。茎をさわると四角形で、なるほど、シソ科だなあと思います。シソ科の植物では茎が四角になっていることが多いですから、図鑑で調べるときのチェックポイントにもなりますね。また、葉の裏の「中肋(ちゅうろく:中央の脈)」に毛がたくさん生えているものを特に「フジテンニンソウ (Leucosceptrum japonicum f. barbinerve)」といって、富士山周辺に多いそうなんです。チェックしてませんでしたね〜、写真を撮ったのは山中湖の近くだったのですが、、、

草丈は30cm〜1mほど、花はちょうど今、9月〜10月ごろです。花色は淡いクリーム色で、遠目には太めの試験管ブラシのような形です。茎の先から花序が伸び、たくさん花を咲かせますが、下の方から上に咲きあがるにつれて、先に咲いた花がどんどん落ちていってしまいます。一番美しく見えるのは、やっぱり下の方の花が咲き始めてから数日間ではないでしょうか。花茎を伸ばしながら咲きあがるようで、ヒョロヒョロと花茎が曲がってしまうことも。写真の株はさらに、野生動物に踏まれたりしたのかもしれません。葉が数枚ちぎれていました。

撮影した周辺では、草丈の高い草が少なくて目に付く大きめの草といえば、タイアザミ、トリカブトとこのテンニンソウぐらいでした。登山道のところどころで、土がボコボコに掘られたような後もあり、どうやら、シカがいるんだろうなという感触でした。

【和名】テンニンソウ [天人草]
【学名】Leucosceptrum japonicum
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2004年09月29日

オケラ

オケラ Atractylodes japonica


オケラは、本州、四国、九州に分布し、日当たりがよくちょっと乾いた草地や林内に生える多年草です。草丈は30cm〜1mほど。花は9月〜10月、ちょうど今ごろです。この花の特徴は何と言っても、花のまわりを囲んでいる部分、「苞(ほう)」の形ですね。とても個性的で、山と渓谷社の「野に咲く花」なんかでは、「魚の骨のような」かたちと表現されていて、なるほどぉっと思います。次に葉です。葉は質が硬く表面にはちょっと光沢があり、縁には細かいギザギザ(鋸歯:きょし)があります。見た感じ、頑丈そうで、枯れても形が残っていることもあります。時々、ドライフラワーとして使われているのを見ます。

写真では花はすでに終わっています。「魚の骨」につつまれた中央の茶色になっているところに、もう一週間ぐらい前なら、白か少しピンクがかった花が咲いていたはずです。なかなか独特な感じがいいですよ。

さて「オケラ」という名前ですが、何だか妙な名前ですよね。昆虫の方の「オケラ」とは関係ないようで、古くは「ウケラ」といっていたものが、なまって「オケラ」というようになったという説が有名ですね。それも定かではないようですが、万葉集では「ウケラ」で登場するとか。

さらに、古くからオケラは活躍していたようで、邪気とか悪臭をとりはらうためオケラが用いられてきました。またよく知られたところでは、京都の八坂神社で大晦日から元旦にかけて行われる「朮祭り(おけらまつり)」という神事があります。このとき境内ではオケラでかがり火を焚いて、初詣に来た人たちはこの「おけら火」を持ち帰って、元旦の雑煮の種火に使うのだそうです。これで煮た雑煮を食べて新年を祝うと無病息災がかなうといいますから、ありがた〜い感じですよね。

このほかにも、根や茎は利尿や健胃剤に用いたり、正月の屠蘇にも用いられたそうです。そして若い芽には綿毛があって柔らかく食用にもなります。筆者は未経験なので、来春にでも若い芽を試してみたいと思います。オケラっていろいろ役立つ植物なのですね。

【和名】オケラ [朮]
【学名】Atractylodes japonica
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

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2004年09月28日

ハマオモト

ハマオモト Crinum asisticum var. japonicum


ハマオモトは、別名を「ハマユウ(浜木綿)」ともいいます。万葉集では「ハマユウ」の方の名で多く詠まれているそうです。初秋の野を赤く染めるヒガンバナと同じヒガンバナ科の植物ですが、ヒガンバナが花時期に葉がないのに対して、ハマオモトは年中葉を絶やさない常緑の多年草です。花は、7月〜9月、暖かい地方の海岸で見られます。白色でかなり太めの茎につき、昼間も咲いていますが、夕方ごろから開花し始めて夜には開ききって芳香をただよわせるので、この時間の方が昼より花が新鮮です。

もともと種子が成熟すると花茎は倒れるのですが、写真の個体はまだ種子は熟しきれていませんね。台風の影響で今夏の海浜植物の生育環境は、かなり厳しいものだったのでしょう。種子の重みで倒れたというより風雨によるダメージや砂に埋もれたため倒れているような感じもします。

種子は成熟すると直径2〜3cmの球形のものになり、これが水に浮くので、海流にのって運ばれ、偶然流れ着いた先で芽生えることもあるそうです。暖かい地方のものだというイメージが強いハマオモトですが、温暖化による気温の上昇に伴って、この植物の分布域が少し北の地方に拡大することもあるのかもしれません。

【和名】ハマオモト [浜万年青]
【学名】Crinum asisticum var. japonicum
【科名】ヒガンバナ科 AMARYLLIDACEAE
【撮影日】2004/09/21
【撮影地】静岡県新居町

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2004年09月27日

ヒヨドリバナ

ヒヨドリバナ Eupatorium chinense


和名の「ヒヨドリバナ」は、ヒヨドリ(鵯)の鳴く頃に花が咲くからということでつけられています。でも、ヒヨドリは年中、鳴いているような気がしていたので、この機会に調べてみました。

すると、山本リサーチ研究所さんで次のように紹介されていましたよ。
ヒヨドリは、繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、主に樹木に営巣する。特に、移動時には群れを作る習性があり、もう喧しい程の甲高い声をあげて鳴き交わすのには閉口する。

山本リサーチ研究所さんトップはこちら

また、ヒヨドリの繁殖期は5〜7月ごろ、特によく鳴く渡りの時期は9月半ば以降だとか。ヒヨドリバナの花期は7〜10月。微妙に合わない感じもしますね。

さて、ヒヨドリバナですが、この植物は日本、朝鮮半島、中国にかけて広く分布する草丈1m〜2mの多年草です。秋の七草の一つになっている「フジバカマ Eupatorium fortunei」に近縁です。ほかにも、サワヒヨドリ、ヨツバヒヨドリという種類もありますね。

ヒヨドリバナは、低山の草地や林内、林縁でふつうに見られますが、葉の形や大小など見た目の変異が非常に大きく、とても同じ種には見えないこともありますね。
また、西日本では2倍体と倍数体があって、両者は見た目の形、繁殖の仕方、種子の数、分布の仕方に明らかな違いがあるのだそうです。今なら、まだ間に合う地域もあるかもしれません。お近くの野山で観察してみてはいかがでしょう。

写真はヒヨドリバナの花が終わり、すでに種子が成熟して綿毛(冠毛)とともに飛びだしはじめている状態ですね。この個体は撮影地が東日本で、日当たりがよく丈の高い草の多い草原に生え、丈が1.3mぐらいあったので、倍数体の方ではないかと思います。

ちなみに、2倍体の方は西日本の限られた地域に分布していて、標高は500〜1500mの場所に多く、岩地や斜面なんかで見られます。

【和名】ヒヨドリバナ [鵯花]
【学名】Eupatorium chinense
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

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2004年09月26日

ヘクソカズラ

ヘクソカズラ Paederia scandens


ヘクソカズラ。。。一度聞けば忘れないすさまじい名前ですね。独特の臭気があるため、そう名づけられてしまいましたが、それが本当にすごいニオイなのです。それをあらかじめ知っていたので、今回の実の写真撮影のときも絶対に触さわるものか、という気持ちでいたのですがさわったはずはないのにこ、このニオイは、、、うぎゃあああ。我慢の撮影でした。

ふつうは、葉や、花、実などをもんだりしないとにおわないはずなんですけれど、知らずに踏んだりしたんでしょうか。日本全土に分布する雑草ですので、気をつけてください。

別名は、花の中央が赤くてお灸(ヤイト)の跡に似ていることから「ヤイトバナ」とか、花の姿を早乙女がかぶる笠にみたてて「サオトメカズラ」などといいます。というように、花の姿も個性的です。国内では、この植物と見間違えてしまうものはまずないでしょう。

花のつくりも独特な感じで、筒状の花の内部や入り口にはたくさん毛があり、雄しべは奥の方にあります。こういう構造は花を訪れる昆虫による受精を確実にするためにあるらしいのですが、今のところ、私にはこの花の受精の仕組みを調べる勇気がありません。この臭気が平気な方は来夏にでもチャレンジしてください!

【和名】ヘクソカズラ [屁糞葛]
【別名】ヤイトバナ、サオトメカズラ、サオトメバナ
【学名】Paederia scandens
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影日】2004/09/15
【撮影地】東京都日野市

[追記]
別名は、ヤイトバナ、サオトメカズラの他に、「サオトメバナ(早乙女花)」ということもあります。

■当サイト内関連記事
ヘクソカズラ(No.2)
ヘクソカズラ(No.3)

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2004年09月24日

コウボウムギ

コウボウムギ Carex kobomugi


コウボウムギは、海浜の砂浜に生える多年草で、北海道西南部〜九州で広く見ることができます。しかし、地域によっては海岸の開発や車による踏みつけなどで生育地が減少し、「絶滅のおそれのある野生生物の種」としてレッドリスト入りしている場合もあります。

別名をフデクサ(筆草)といいますが、これは、地中に埋もれている古い葉の鞘の繊維が筆として使われたことがあるといわれていることから、そう呼ばれているそうです。また、これを弘法大師の筆にたとえて、雌小穂や果実の形が、ムギに似ているのでコウボウムギと呼ばれています。

また、海浜植物の中でも最も海に近い位置に生育する植物で、たとえ砂に埋まったとしても、再び地中の根茎から地上に伸び出してくる生命力を持ちます。風による砂浜の侵食を防ぐ効果もあるとか。多くの場合、雌株と雄株が別の個体で存在する、雌雄異株。写真はおそらく雌株が風化した状態なのでしょう。先が細長くとがった「鱗片」というものが残っています。

【和名】コウボウムギ [弘法麦]
【学名】Carex kobomugi
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2004/09/21
【撮影地】静岡県新居町

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2004年09月22日

タニソバ

タニソバ Persicaria nepalensis


地上4cmの紅葉。

タニソバは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の湿り気の多いところに生える一年草です。草丈はそれほど大きくならないことも多いですが、茎がよく枝分かれするので、横に広がった状態になります。葉は互生。長さ1cm〜3cmくらいの卵形。葉柄の部分には横に出っ張ったような「翼」があります。そして茎を抱きこむような形でついています。

さらに葉柄の付け根のあたりを見ると、「托葉鞘(たくようしょう)」という短い筒型の托葉があります。そこには軟毛が生えていることもあります。

タニソバは、もともと茎が赤く、秋になる前から下の方の葉が紅葉していることもしばしばですが、秋になるとよりいっそう赤みが増すのは確かなようです。写真の場合だと、秋の夕日を受けて、かなりの秋色ですね。通常は山地や畑地のやや湿り気のあるところに多く、草丈も10〜30cmぐらいにはなりますが、ここでは、2〜4cmほどでした。

【和名】タニソバ [谷蕎麦]
【学名】Persicaria nepalensis
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2004年09月17日

ヤマホタルブクロ

ヤマホタルブクロ Campanula punctata var. hondoensis


ヤマホタルブクロは、山地の林縁などに生育する多年草です。キキョウ科ホタルブクロ属の植物で、草丈は40cm〜80cmほど。花冠は長さ4cm〜5cmの釣鐘形で、紅紫色〜白色。筒状のガクは先が5つに裂けます。雄しべは短くて5本、雌しべは長くて1本です。

ヤマホタルブクロとホタルブクロはよく似ています。この2つを見分ける大きなチャンスは二度訪れます。一度目は蕾から開花、結実する、一般的な花の時期です。ぶら下がって咲く花の付け根あたりにある「ガク片」に注目します。典型的なホタルブクロではガク裂片の間に反り返る「付属片」というのがあって、典型的なヤマホタルブクロにはその反り返る付属片がなく、そのかわりこぶ状にふくらんでいます。ただし、変異が大きくて区別しにくい場合もあります。

二度目のチャンスは、種子ができたときです。種子のまわりに翼が発達していたらヤマホタルブクロの可能性が高いといえるでしょう。また越冬時の地上部の葉(根生葉)の有無も区別点となるようです。写真の個体では、ガク片はとっくになくなっていますし、種子も飛散した後のようですから、付近の個体などからの予測で、ヤマホタルブクロとしています。

ヤマホタルブクロとホタルブクロは、ふつうなるべく「自家受精」をしないように、同じ一つの花の中で雄しべが雌しべよりも早く成熟し、雌しべが成熟するころには雄しべがしおれるという具合に、自分の花粉が自分の雌しべにつかない仕組みになっているようです。写真の個体は果たして、他家受精には成功したのでしょうか。自家か他家かはわかりませんが、受精には成功したようですね、子房の部分が丸く膨らんでいます。

【和名】ヤマホタルブクロ [山蛍袋]
【学名】Campanula punctata var. hondoensis
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2004年09月15日

クズ

クズ Pueraria lobata


クズは、北海道〜九州の山野にごく普通に生育し、大型のつる性植物ということで、真夏の暑苦しいブッシュの構成要員として活躍します。8〜9月、赤紫色の花を穂状につける様子はなかなかの見ごたえ。秋の七草の一つとして取り上げられ、『万葉集』でも数多くの歌が詠まれたほどの植物。身近な植物だけに、この花を見ると親しみがわくのはいつの時代も変わらないということでしょうか。筆者でさえ幼い頃、家で飼っていたウサギにこの葉を食べさせたこと、父が出張の土産に買ってきた葛湯のこと、そんな昔を思い出したりしましたが。。。

しかし、現在の筆者が写したものといえば、ボロボロになったクズの花。秋の野山に感じる郷愁はどこへやら。かなり傷んでしまった花は、どうやら、吸汁性の虫にやられてしまったようですね。一番上の蕾までは咲ききれないかもしれません。この房一つにゾウムシらしき昆虫が3匹、アブラムシ多数、それにアリも。ここだけでもちょっとした生態系が営まれておりました。

【和名】クズ [葛]
【学名】Pueraria lobata
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/09/15
【撮影地】東京都日野市

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2004年09月14日

キバナシャクナゲ

キバナシャクナゲ Rhododendron aureum


キバナシャクナゲは、国内では北海道、本州中部〜上越の高山帯に生える常緑低木です。10cm〜30cm。茎は鱗片におおわれていて、黒褐色。砂礫地にハイマツとともに生育していることが多く、茎の下部は地面をはいます。葉は互生ですが、枝先に集まってつきます。長楕円形で分厚く、長さは5cm前後。表面はシワシワしています。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。

ツツジ科ツツジ属の植物で、花冠やガクより後に果実になる子房が上にある「子房上位」です。雄しべは10本、先の方はやや上向きに曲がります。雄しべの長さはまちまちです。雌しべは1本。シャクナゲといえば、おなじみの花木で、とても人気が高い植物ですよね。ふつう庭によく植えられる「ホンシャクナゲ」や「西洋シャクナゲ」などの多くはピンク色の花ですが、キバナシャクナゲの花(花冠)はクリーム色です。花冠は直径3cm前後。果実は長楕円形の「さく果」で、長さ1.5cmくらい、まっすぐ上を向きます。

花期は6月〜7月。高山のハイマツ林の中などで咲いています。普通シャクナゲは花が漏斗のような形をしていてあまり平たく開きませんが、キバナシャクナゲは、割と花びらを開かせます。この花を見たくて高山まで登る人もいるかもしれない、高嶺の花です。ただ、筆者が見るのはだいたい花の終わった、写真のような状態ばっかりですけどね。来年はぜひ、梅雨の晴れ間に高山へ。。。

【和名】キバナシャクナゲ [黄花石楠花]
【学名】Rhododendron aureum
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月13日

ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ Solidago virgaurea var. leiocarpa


ミヤマアキノキリンソウは、平地〜山地に普通に見られる「アキノキリンソウ」の高山型で、北海道、中部以北の夏の高山ではよく見かけます。ただし、アキノキリンソウとの区別はややはっきりしないことも多いですね。区別するポイントとしては、ミヤマアキノキリンソウの方が花がやや大きめで茎の上のほうにかたまってつくこと、花びらの下の緑っぽい部分(総苞)にある「総苞片(そうほうへん)」という鱗片の列の数が3つだということです。ミヤマアキノキリンソウは別名を「コガネギク」というほど鮮やかなものですが、実は嫌われがちな「セイタカアワダチソウ」と同じ属の植物です。よくよくみると花のつくりはそっくりです。

と、いろいろ書いていますが、写真ではそのよさはわかりませんね。アキノキリンソウなら、そろそろ低地でも咲き出すので、どうぞ最寄の山野で確かめてください。

【和名】ミヤマアキノキリンソウ [深山秋の麒麟草]
【学名】Solidago virgaurea var. leiocarpa
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

■当ブログ内関連記事
アキノキリンソウ
セイタカアワダチソウ

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2004年09月11日

シコタンソウ

シコタンソウ Saxifraga bronchialis ssp. funstonii var. rebunshirensis


国内では北海道、本州中部以北の高山帯に分布する、いわゆる高山植物の一つ、シコタンソウ。バックで赤く見えるのは、9/9の記事のウラシマツツジ。8月下旬のこのときは、シコタンソウは花は終わっているものの、まだ紅葉はしていませんでした。草丈は花茎をあわせて10cmほど、このあと下部の葉から少しずつ紅葉してくるはずですが、落葉してしまうわけではなく、地上部を残して越冬する多年草です。2000m〜3000mの高山で、地上部を残して冬を越せるのは、すごいなと思います。やはり、積雪によって冬芽が守られるからなのでしょうね。花は7月〜8月上旬、5枚の白い花弁に赤や黄色の点々がつき、なかなかかわいいんですけれど。。。

【和名】シコタンソウ [色丹草]
【学名】Saxifraga bronchialis ssp. funstonii var. rebunshirensis
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月10日

コナスビ

コナスビ Lysimachia japonica


今回のコナスビは、秋味ぶろぐにアップさせてもらおうかなあと思って、選んだものなんですが。。。お題の「秋茄子」→「茄子」→「小茄子」ってことで、しかし、「コナスビ」は「秋」ってわけではないし。やっぱり、かなり無理があるかなあと、思いとどまりました。

さて、コナスビですが、写真ではわかりにくいかもしれませんが、果実の形がナスに似ていて小さいので、「コナスビ」といいます。「ナス」とつきますが、ナス科の植物ではなくサクラソウ科の植物です。5月〜6月ごろ黄色い花を咲かせます。北海道〜九州の平地や山地の草地、道端、人家の庭なんかにふつうに生えています。ガクの部分は5つに裂け先はとがっていて花が終わった後も残るので、「ナス」のへたのようにも見えますよね。小さいナスがいっぱいぶら下がっている感じ。写真を写したのは梅雨の合間で、この頃は、背丈の低い草花だとよく泥はねして泥まみれになって、ちょっとかわいそうでした。

【和名】コナスビ [小茄子]
【学名】Lysimachia japonica
【科名】サクラソウ科 PRIMULACEAE
【撮影日】2004/06/14
【撮影地】東京都八王子市

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2004年09月09日

ウラシマツツジ

ウラシマツツジ Arctous alpinus


登山者でにぎわう夏の高山も、お盆の頃を過ぎると、多くの高山植物の花も終わりを告げ、早くも秋が訪れます。そのころ、いち早く紅葉し始めるのが、ウラシマツツジです。北海道と本州中部以北の高山に分布。乾いた草地や砂礫地に生えます。草丈は5cm程度なので、紅葉すると地面が真っ赤に染まり、とても美しいものです。

【和名】ウラシマツツジ [浦島躑躅]
【学名】Arctous alpinus
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月08日

ウサギギク

ウサギギク Arnica unalaschkensis var. tschonosyi


ウサギギクは、日本では北海道、本州中部以北に分布し、高山帯の草地や砂礫地に生育するキク科ウサギギク属の多年草です。草丈は5cm〜大きいものでは30cmくらいまでなります。全体に縮れた毛が密生しているので、少しゴワゴワした感じもあります。上にのびた茎につく茎葉は2対〜3対。ヘラ形で質は厚め。

ウサギギク Arnica unalaschkensis var. tschonosyi


花期は7月〜8月。ウサギギクの花は、ヒマワリをずっと小さくした感じで、一目でキク科の植物だと分かるような頭花です。色は黄色で、長さ10〜20cm程度の茎の先に一つだけ咲かせます。直径は3.5cm〜5cmほど。茎につく葉は2枚向き合ってつく、つまり「対生」することが多いので、その形を兎の耳に見立てて「ウサギギク」と名づけられています。ということで、名前も花も本当はすごくかわいいものなんです。

花期も終わりに近づくと、まず、先が3つ〜5つに裂けた黄色の「花びら(舌状花)」がだんだん落ちていき、中心部の「筒状花(管状花)」だけが茎の先に残る感じになります。受粉に成功していると、やがて茎を伸ばしながら果実を成長させ、茶色く小ぶりな葱坊主のような状態になります。

一番上の写真では、さらに果実の時期も終わりに近く、すでに果実が成熟し、その半分ぐらいがなくなっていました。分かりにくいですが、茎にくっついている茶色い部分が果実(そう果)で、ちょっと白っぽい糸状に見えるのが、タンポポの綿毛に当たる「冠毛」という部分です。果実は長さ4mmで、冠毛は1列。

【和名】ウサギギク [兎菊]
【別名】キングルマ
【学名】Arnica unalaschkensis var. tschonosyi
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月07日

イワスゲ

イワスゲ Carex stenantha


カヤツリグサ科やイネ科の植物は、ほとんど雑草という印象があるのではないでしょうか。しかし、このイワスゲは、本州中部以北の高山帯に生えるれっきとした高山植物なのです。このほかにも高山にはイネ科、カヤツリグサ科の植物が多く生育しています。ただ、夏の高山では圧倒的に華やかな花が咲き乱れていて、なかなかその存在には気づかないものですよね。名前を調べるのもちょっと大変なことも多いので、つい素通りしてしまいます。

その中でもイワスゲは高山帯のスゲ属としては、けっこう普通種で砂礫地なんかではあちこちで見られます。最もこれは山岳によっても違うかもしれませんが。草丈は30cm内外。全体的に線が細く、長い枝の先に細長い小穂[花の部分]をつけます。長い枝は弧を描くような感じで垂れ下がります。写真ではすでに花の部分は茶褐色に変色し、そろそろその役目を終えるところですね。

【和名】イワスゲ [岩菅]
【学名】Carex stenantha
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月06日

オヤマノエンドウ

オヤマノエンドウ Oxytropis nigrescens var. japonica


オヤマノエンドウは、東北南部と本州中部の高山帯の砂礫地に生えている、いわゆる高山植物の一つです。葉には白い絹のような毛がたくさん生えているので、白っぽく光って見えます。マメ科らしく羽状の複葉です。花は6月下旬〜7月上旬ぐらいが最盛期で、色は青紫色〜赤紫色。丈は低く地面を這うような形態ですが、花の時期は結構目立ちます。ふつう見る状態は大体こんな感じでしょうか。こんなに書いても写真ではまったくわかりませんね。

さてその写真はというと、これはオヤマノエンドウの種子で、とっくに花を終えて果実(豆果)が熟し地面に落ちていたものです。お豆さんの袋がパッカリ割れて中の小さい種子が見えていました。豆の袋の長さが2〜3cm、種子は2〜3mmぐらい。豆果が割れる前は下の写真のような感じです。

オヤマノエンドウ Oxytropis nigrescens var. japonica


【和名】オヤマノエンドウ [御山の豌豆]
【学名】Oxytropis nigrescens var. japonica
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月05日

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマ Pedicularis chamissonis var. japonica


ヨツバシオガマは、ゴマノハグサ科シオガマギク属の多年草です。広義のヨツバシオガマは、日本では北海道と本州中部以北の亜高山帯〜高山帯に分布しています。高山植物の図鑑を開いてみると、一般にヨツバシオガマと見られる種類のカテゴリーの中に、いくつもの変異が認められて、いろいろと名前がつけられているのがわかります。

数年前の植物分類学の研究分野で、ヨツバシオガマの葉緑体のDNAを調べた結果が発表されています。それによると、調べたDNAには2つのタイプがあって、東北の飯豊山や月山あたりの南と北で、その2つのタイプの分布が分かれているのだそうです。その後の詳しい調査結果から、何とDNAの違う2つのタイプの間には、花や葉の形の違いや生えている環境の違いまであったということです。今後、もしかすると分類学的に名前の整理がされる可能性もあるのかな。高山植物としてはポピュラーな種でもまだまだ新しい発見があるものなんですね。

ところで、写真ですが、これは大きくとらえたヨツバシオガマの南の方のタイプですね。すでに花はありませんが、葉には南のタイプの特徴が出ています。北のタイプに比べて、葉の幅は狭くて、葉の切れ込みが浅くそれによって葉っぱの軸の部分が太くなります。

【和名】ヨツバシオガマ [四葉塩竈]
【学名】Pedicularis chamissonis var. japonica
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年09月04日

クモマナズナ

クモマナズナ Draba sakuraii var. nipponica


クモマナズナは、本州中部あたりの山の亜高山〜高山帯に分布します。生育環境も限られていて、岩場の隙間やくぼみにへばりつくように生えています。草丈は10cm程度。葉にはふつうの毛、2つに分かれる毛、そして「星状毛」が密生しています。花をつける茎には数枚の茎葉が互生します。花をつけない茎は1cm〜2cmとごく短く数枚の葉がかたまってつきます。縁には細長くとがったギザギザ(鋸歯)があります。

アブラナ科イヌナズナ属の植物で、いわゆる「菜の花」と同じように、ツンツンと果実を斜め上向きに伸ばします。アブラナ科の果実の形は楕円形、円柱形、ハート型などいろいろですが、こういう果実を「角果」と呼びます。クモマナズナの場合、卵を平べったく細長くしたような形でちょっとねじれる感じです。毛はありません。花序や花柄も無毛です。

花期は6月〜8月上旬、白色の4弁花です。写真は8月下旬のもので、すでに花は終わっていて、果実は茶色味が増してすっかり成熟しているようでした。

【和名】クモマナズナ [雲間薺]
【別名】タカネナズナ、ミヤマナズナ
【学名】Draba sakuraii var. nipponica
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

posted by hanaboro at 12:31| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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