2004年10月09日

チチコグサモドキ

チチコグサモドキ Gnaphalium pensylvanicum


チチコグサモドキは、熱帯アメリカ原産の帰化植物です。草丈は10〜30cmほど、花の時期は5月〜9月ぐらいまで、道端や芝生の間、畑地などでよく見られます。葉の両面には長い毛があって、特に裏面は白っぽく見えますが、表面は緑に見えます。葉の形が「へら形」という特徴があるので似た種類と見分けるときのポイントとして有効なのですが、写真の個体ではちょっとその特徴がわかりにくいですね。

見分けるポイントとしてもう一つ有効なのが、花のつき方です。写真ではすでに花は終わり、果実ができた状態で、ボワボワとした冠毛(かんもう:タンポポでよくいう綿毛)が目立っています。そのボワボワとした塊が、茎の上の方にある葉っぱの付け根(葉腋:ようえき)の数か所から出ています。これもチチコグサモドキの特徴です。

典型的な個体なら、花の咲き始めのころ、一番上に花の塊がまとまっているように見えるのですが、花が咲き進むのとともに茎もどんどん伸びていくので、それぞれの葉腋につく花の塊が縦にバラけて見えるようになります。特に咲き進むと、茶色っぽい花と白い冠毛がまじりあった状態で、見た目がよいものとはいえないでしょうね。しかも写真のものは、自転車置き場の屋根の端っこに生えていて、思いっきり泥はねしていましたし。ふつうなら花時期にも残っていそうな、根生葉(こんせいよう:根元の地面を覆うようにつく葉)もなくなってしまっていましたね。写真後方には別の個体の根生葉はありましたが。

【和名】チチコグサモドキ [父子草擬き]
【学名】Gnaphalium pensylvanicum
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/15
【撮影地】東京都日野市

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2004年10月08日

クララ

クララ Sophora flavescens
2004/10/07 熟した果実

クララは、日当たりのよい山野の草地に生える草丈80cm〜1.5mぐらいの多年草です。本州、四国、九州に分布します。葉はマメ科に多い形状をしています。フジやカラスノエンドウなんかを思い浮かべるとわかりやすいと思いますが、一枚の葉にたくさんの小さい葉(小葉)がついています。こういう葉を「羽状複葉(うじょうふくよう)」といいます。また、羽状複葉のように複数の小葉によってできた葉を「複葉」、それに対して小葉にわかれず一枚の葉からなる葉を「単葉」といいます。

花期は6月〜7月。茎や枝の先から伸びる「総状花序」にたくさんつきます。花序の長さは20cmくらい。淡い黄色の「蝶形花」です。蝶形花というのは、マメ科の花に多く特徴的な形で、「旗弁」、「翼弁」、「舟弁(竜骨弁)」からできています。ふつうは蝶が羽を広げたような形になることが多いのですが、クララの場合は筒型になっていて、羽が広がった感じはあまりしないです。

上の写真は、花の後にできた長い「豆果」、つまりお豆さんの袋がたくさんぶら下がっているところで、すでに袋がやぶれ中の種子が見えています。

クララ Sophora flavescens
2004/07/02 若い果実

「クララ」という名前を聞いて、はじめにイメージするのはやっぱり「アルプスの少女ハイジ」のクララでしょうね。でも、この植物、クララの名前の由来は、そのイメージとは程遠いものです。何でも、この根をかんだり、汁を飲んだりすると目がクラクラするほど苦いことから、この名がついたらしいのです。漢方薬にも使われるそうですが、中枢抑制作用のあるアルカロイドを含んでいるということで、注意が必要だといいます。これでは、適当に試すわけにはいきません。

【和名】クララ [眩草、苦参]
【学名】Sophora flavescens
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/10/07、2004/07/02
【撮影地】東京都日野市

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2004年10月07日

ナンバンギセル

ナンバンギセル Aeginetia indica


ナンバンギセル。まず、やっぱり「ナンバンギセル」というその名前が変わっていますよね。長さ10〜20cmほどの長い柄の先に一つ、下向きかげんについている花の様子を煙管の先に見立てて、その姿の不思議な雰囲気とあわせて「南蛮煙管」と名づけられています。オランダギセル、キセルソウという別名も。さらに万葉集では「オモイグサ(思い草)」で登場。

ナンバンギセルは、山野の草地に生える一年草です。日本全土に分布するほか、東アジアにも広く分布しています。葉緑素を持たず自分で光合成をせずに生活している寄生植物です。写真の場所では刈り込まれたススキの脇から出ていたので、寄主(寄生されている方)は「ススキ」でしょう。地下を掘り起こせば、きっとススキの根にナンバンギセルがくいこんでいるはずです。他にもサトウキビやミョウガ、ショウガなどにも寄生するそうです。

熱帯のサトウキビ畑では、ナンバンギセルが大量に出て、被害が出ることがあるそうで、害草として嫌がられているそうです。国内ではどうなのでしょうか。姿が変わっているので、園芸用に栽培されたりもしますが。。。

花は8月〜10月で、色は紅紫色です。写真ではすでに濃い茶色になっている部分が花。その茶色の部分に、かぶさったようになっているところがガクです。ガクはボートをひっくり返したような形で先はとがっています。ガクには紅紫色のすじ状の模様がはいっていて、さらに、異様な雰囲気が漂いますね。

【和名】ナンバンギセル [南蛮煙管]
【学名】Aeginetia indica
【科名】ハマウツボ科 OROBANCHACEAE
【撮影日】2004/10/07
【撮影地】東京都日野市

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ヤセウツボ

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2004年10月06日

イヌノヒゲ

イヌノヒゲ Eriocaulon miquelianum


地上10cmの秋の野

イヌノヒゲは、国内では北海道〜九州に分布する一年草です。草丈は5cm〜20cmほど。多くの場合、水田や湿地などに生育しています。葉は幅数mmで細長く、根元の方からたくさん出て(そう生して)横に広がる感じです。花は一本の花茎の先に一つ付き、大きさは直径3〜4mm程度です。花の外側には苞(総苞片:そうほうへん)があって、イヌノヒゲは花の部分よりもその総苞片が長くて突き出ています。その様子を、犬のヒゲに見立ててこの名前がつけられたそうです。

写真では、花は茎のてっぺんで白っぽいような灰色っぽいような感じに見える部分です。葉はほとんどわかりませんね。

【和名】イヌノヒゲ [犬の髭]
【学名】Eriocaulon miquelianum
【科名】ホシクサ科 ERIOCAULACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2004年10月05日

ハマニガナ

ハマニガナ Ixeris repens


ハマニガナは、日本全土の海岸の砂地に生育する多年草です。同じニガナ属(Ixeris)の植物は国内で10種ほどしられていて、特に4月〜5月ごろ、「ジシバリ (Ixeris stolonifera)」、「オオジシバリ (Ixeris debilis)」、「ニガナ (Ixeris dentata)」のあたりは、黄色い花をたくさんつけてよく目立ちます。ハマニガナの花もやはり黄色で、花期は春と秋。夏は生育を休むのでしょうか、一旦地上部が枯れてしまうようです。そして、秋になると再び地上に葉を広げて花も咲きます。

砂が激しく動く海岸に生育するので、地上部はほとんど上には伸びず、葉だけが広がって、ほとんど地面にへばりついた状態です。砂の下に長く伸ばした地下茎でふえ、砂に埋まってしまっても再び地上まで伸びてくる性質があります。

写真は9月に撮影したものでちょうど秋の葉が出たところなのでしょう。幅はこれで2cmぐらいです。葉は分厚くて手のひらのような形をしていますね。このときは地上に見えている数が少なくて、花を見つけることはできませんでした。花後にできる果実の先がくちばし状になるのが、ニガナ属の特徴ですが、ハマニガナの果実の場合、くちばしは短め。

名前は、海岸に生えていて、ニガナに似ているところからきています。ちなみに、ニガナの方は、葉や茎に苦味があることに由来しています。

【和名】ハマニガナ [浜苦菜]
【別名】ハマイチョウ
【学名】Ixeris repens 
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/21
【撮影地】静岡県新居町

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ジシバリ
オオジシバリ

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2004年10月04日

コウゾリナ

コウゾリナ Picris hieracioides


コウゾリナの葉や茎にはたくさんの硬い毛(剛毛)があります。これが、ざらざらして肌に触れたりすると切れてしまいそうな感じがするので、剃刀(カミソリ)に見立てて、「剃刀菜(カミソリナ)」、あるいは、「顔剃菜(カオソリナ)」とよばれ、それがなまって「コウゾリナ」となったそうです。

北海道〜九州に分布し、山野の道沿いなんかでごく当たり前のように生えていますが、剛毛が赤褐色なので、茎や葉の縁は赤みがかって見え独特の雰囲気をかもしだしていますよ。草丈は30cm〜80cmほど。花は黄色で開花時期は長く、初夏から秋まで見られます。写真では、すでに花は終わり、タンポポでよくいう綿毛(冠毛:かんもう)が広がっている状態です。

そういえば、道路沿いの草むらに半そで半ズボンで入って、思わず、ウギャッとなって、この存在に気づいたこともありましたね。まだその時期はそんな格好でも、ちょっとなら草むらに入れなくもなかったのですが、センダングサ類やメナモミなどの「ひっつき虫」の季節になると、もうたまりませんね。もっともその時期には、寒くてそんな格好はしていませんけど。

【和名】コウゾリナ [顔剃菜、剃刀菜]
【学名】Picris hieracioides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

posted by hanaboro at 19:37| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月02日

ヤマハハコ

ヤマハハコ Anaphalis margaritacea


ヤマハハコの分布は、北海道と本州中部以北です。本州の中部より西の地域と四国、九州には、変種の「ホソバノヤマハハコ (Anaphalis margaritacea var. angustifolia)」が分布しています。分布の境目が長野県あたりにあるとも聞きます。お近くの方は分布の状況を詳しく調べてみてはいかがでしょう。今年はもう時期が遅いですから、来夏はぜひ。

ヤマハハコという名前は、属は違いますが「ハハコグサ (Gnaphalium affine)」に似ていて山に生えるところからきています。「ハハコグサ」の方は、日本全土の道端や田などでふつうに見られ、春の七草の一つ(オギョウ)となっています。

ヤマハハコは、比較的山地の高いにところに多いですが、高山植物というほどではないですね。夏山シーズン中、高山へのアプローチのときに、岩ごろごろの崩壊地や高原の道路脇でよく見かけます。茎や葉の裏は白い綿毛で覆われていて、花も白いことから、全体に白っぽく見えるので、登山口へ向かうバスの中からでも、簡単にそれを見つけることができます。花はもともとカサカサしている感じで、よくドライフラワーに使われていますね。それから、お土産なんかのしおりやポストカードにもよく登場しています。

写真は9月の終わりごろに写したものですが、花持ちがいいだけに、白くカサカサした部分(総苞片:そうほうへん)はまだそれほど傷んでいませんでした。でも、旬の時期なら黄色いはずの中央部はかなり黒ずんでしまっていますよね。花茎もヒョロヒョロと伸びて、地面に倒れてしまいそうです。他の草たちが秋の深まりとともに赤や黄色、あるいは茶色に染まっていく中で、この白さはなかなかのインパクトでしたよ。

【和名】ヤマハハコ [山母子]
【学名】Anaphalis margaritacea
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

posted by hanaboro at 19:19| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月01日

クサボタン

クサボタン Clematis stans


クサボタンの分布は本州なのですが、四国、九州では「ツクシクサボタン (Clematis stans var. austrojaponensis)」や「オオクサボタン (Clematis speciosa)」が見られます。草丈が1m程度の多年草で、山地の林縁や草地などに生えています。写真ではわかりませんが、葉の形が「ボタン」に似ているのでこの名前がつけられたそうです。学名の「Clematis」からもわかりますが、園芸植物の「クレマチス」に近縁です。国内の野生種で同じ属の仲間には、「ハンショウヅル (Clematis japonica)」、「センニンソウ (Clematis terniflora)」、「ボタンヅル (Clematis apiifolia)」などがあります。

花は8月〜9月、茎の先や葉の葉腋(ようえき:葉の付け根)から出た枝の先に、たくさん咲きます。淡い紫色の花(ガク片)は、細長い釣鐘形で下向きにつき、先端の部分は外側にくるりと巻いたように反り返ります。道路脇の崩壊地などで群生して咲いているときは、独特の雰囲気ですよ。あたりが、白っぽいような青っぽいような感じで。

写真では、下にわずかに花が残っていますが、すでに傷んで色あせてしまっています。その代わり、上のほうにはまだ未熟ですが種子が実っていますね。この感じは、豪華さはありませんが、やはりクレマチスに似ているところがあります。周りに3本ほど立っている茎は葉っぱがついていたのでしょうか。途中で折れているようです。葉の付け根辺りで折れたとしたら、その折れてなくなった部分には、1つの茎に3枚の葉(小葉)がついていたはずなのですが。。。

【和名】クサボタン [草牡丹]
【学名】Clematis stans
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

■TrackBack
→「ごまのはぐさのこまごまことのは」さんの記事「くさぼたん 草牡丹 キンポウゲ科

水色のクサボタンの花の美しいお写真と、管理人のごまのはぐささんの観察に基づいた解説でクサボタンを堪能できます。

posted by hanaboro at 20:39| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(5) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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