2004年10月13日

ヌスビトハギ(広義)

ヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum


ヌスビトハギは、山野の林内やちょっとした草の茂みに生える多年草です。日本国内では北海道、四国、九州に分布しています。花は7〜9月に咲きますが、この植物が最も目にとまるのは、写真のようにサングラス状の果実ができたころではないでしょうか。このような形の果実を「節果:せっか」といい、節のところで2つの「小節果」にわかれています。この果実の表面にはフックのように先がカギになった毛が密生しています。そのため、人の衣服や動物の体にくっついて運ばれます。つまり、ヌスビトハギの果実は、「ひっつきむし」の1つなんですね。

「ヌスビトハギ」という名前も、やはりこの果実の形に由来するようです。果実の形が忍び足で歩く盗人の足跡に見えるからとか、動物の体にこっそり果実をくっつけて運ばせているのは盗人のようにずるい!ということから、そう呼ばれているのだそうです。盗人の足跡というよりは、サングラスですけどね。

ヌスビトハギの仲間には、ヌスビトハギ、マルバヌスビトハギ、ヤブハギ(ケヤブハギ)などがあって、それもお互いによく似ているので、なかなかややこしいですよね。図鑑に従って、葉の形やつき方、毛の多少などに注目すれば、典型的な個体なら見分けはつくのですけれど、雑種もできるらしく、どちらとも決めにくい場合もありますね。また、この仲間の葉緑体DNAの解析を行った研究があると聞きましたが、さらにその研究ではいろいろと葉緑体DNAの変異があることがわかったようで、DNA解析の結果と現在の分類は一致しなかったとか。何でもないようなところにいっぱい生えている植物ですけれど、何かと難しそうな仲間なんですね。

見分ける簡単なポイントとしては、ヤブハギなら葉が茎の下の方に集まってつき、ヌスビトハギなら葉の形がややとがったようなシャープな感じになる、オオバヌスビトハギなら葉脈が葉の縁まで到達しないというところでしょうか。

これまで、この記事は、上の写真とともに「マルバヌスビトハギ」として掲載してきました。もう一度検討したところ、「ヌスビトハギ(広義)」とすべきではないかと思いましたので、訂正させていただきます。今回の個体は、写真には写っていませんが、3枚ある小さい葉(小葉)に丸みがあって、てっぺんの小葉(頂小葉)のもっとも幅広い部分が、より先端の方にあったことと、果実の柄の部分に毛があったので、「マルバヌスビトハギ」ではないかと考えています。ただし、小葉の形はとても変異が大きいため、ちょっと微妙です。いずれにしても、この写真ではよくわかりませんけどね(2005/10/04)

【和名】ヌスビトハギ [盗人萩]
【学名】(狭義) Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2004/10/11
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 18:39| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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