2004年10月26日

ヒヨドリジョウゴ

ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum


ヒヨドリジョウゴは、日本全土の山野に分布しているつる性の多年草です。全体に軟らかい毛がたくさん生えていて、パッと見た感じ、フサフサと軟らかい印象を受けます。特に茎に生える軟毛は長くてよく目立ちます。

つる性植物といっても、いろんなタイプがありますよね。例えば、「アサガオ」のように茎自体が他のものにからまって伸びるもの、「ヘチマ」や「キュウリ」のように巻きひげを出してからまるもの、「クレマチス」のように葉っぱの柄の部分(葉柄)をからめて登っていくものなど様々です。「ヒヨドリジョウゴ」は、巻きひげは出さず、茎自体を他のものに絡めて伸びていくタイプなんです。

下の方の葉には、アサガオのような切れ込みがありますが、上の葉になるにつれて切れ込みは少なくなります。花は、8月〜9月、茎から花序が垂れ下がるように出て、直径が1cm程度の白い花をいくつもつけます。花序は何段階か枝分かれしますが、それが、二又になったものがまた二又になるっていう感じで、分かれ方も面白いですよ。

ナス科の植物は花序のつけ方や花がユニークなものが多いですが、ヒヨドリジョウゴの花もまた、個性的で楽しい花です。五つに深く裂けた花冠(かかん:白くて花びらに見える部分)の裂片は、後に反り返ってしまい、前方には、雄しべと雌しべが突き出した格好になります。1本の雌しべは、くっついて束になったように見える黄色い5本の雄しべの中央から、長く飛び出します。雄しべの先は、茶色みを帯びることがあり、形も色彩もとても個性的です。

結実率はとてもよさそうで、花が終わるとすぐに写真のような青々とした、すがすがしい感じの実が目立つようになります。秋も深まると、この果実は真っ赤に熟してツヤツヤしています。その様子を見るととてもおいしそうに見えますが、有毒なので注意しなければいけませんね。皮膚病などには煎じた煮汁を塗るなど、薬効があるそうですが、実を食べるのは危険です。

「ヒヨドリジョウゴ」という名前は、ヒヨドリがこの赤い果実を好んで食べることからきていますが、実際にヒヨドリが食べている様子はあまり観察されていないといいます。1つの果実の直径は7〜8mm程度ですが、冬、葉が枯れた後もこの実は残っていますので、よく目立ちます。ぜひ、その美しさとともに、実のつき方にも注目してみてはいかがでしょうか。

写真の個体は、草刈が行われたらしくすっかりなくなっていましたので、まだ、今年は赤い実にお目にかかっておりませぬ。

【和名】ヒヨドリジョウゴ [鵯上戸]
【学名】Solanum lyratum
【科名】ナス科 SOLANACEAE
【撮影日】2004/10/07
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:34| 東京 ☔| Comment(4) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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