2004年10月27日

イワショウブ

イワショウブ Tofieldia glutinosa ssp. japonica


イワショウブは、本州の低地〜高山の湿地に生える多年草です。名前に「いわ」とつきますが、生えているのは岩場ではなく湿地です。花は標高の高いところでは8月、低地では9月です。30cm〜50cmぐらいの花茎の先に直径5mm程度の白い花がたくさんかたまってつきます。花の中央にある花柱の根元(雌しべの根元)の部分が緑色で、雄しべの先は黄色か、赤みを帯びています。その色の組み合わせもさわやかで、特に高原の湿原によく似合っています。花の後は赤く染まり、それもまた美しいものです。

写真は、イワショウブの花茎の上の方を写したものです。細長い茎に白い毛がまとわりついていますよね。この毛はイワショウブのものではありません。近くにたくさん生えていたワタスゲの綿毛です。尾瀬などの湿原でワタスゲの穂が一面に広がるのは、だいたい7月上旬ごろですが、イワショウブの花は8月です。イワショウブが最盛期を迎えるころにはワタスゲの綿毛はほとんど飛んでいってしまっています。

時にワタスゲの綿毛は、周りの植物にまとわりついていることがあります。その中でも、イワショウブの茎にくっついている光景が目に付きます。それは、イワショウブの花茎の上部にはたくさんの腺状の突起があるからなんです。突起は大小さまざまな大きさでプツプツしています。そこからは、粘液が出ているので、コバエなど小さい昆虫が引っかかっていることもあります。ワタスゲが終わった後の湿原をさわやかに演出するイワショウブのちょっと意外な一面を見たような気がしましたね。

【和名】イワショウブ [岩菖蒲]
【学名】Tofieldia glutinosa ssp. japonica
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

posted by hanaboro at 20:33| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 茎など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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