コツマトリソウ

コツマトリソウ Trientalis europaea var. arctica


コツマトリソウの国内での分布は、北海道と本州中部以北で、主に亜高山帯の湿原に生える多年草です。よく似た種類に「ツマトリソウ(Trientalis europaea)」がありますが、こちらは亜高山帯〜高山帯の針葉樹林の下や林縁に生えています。両者を見分けるには葉の形に注目します。ツマトリソウの葉の先がスッーととがるのに対して、コツマトリソウは葉の先が少し丸くなります。

写真の個体では、やや葉の特徴がつかみにくいですが、一枚の葉をじっくり見ると幅が一番太くなっているところが葉の先端近くにあります。形としては(細長いですが)卵をひっくり返したような形(倒卵形)ですね。近くの別の個体では、もう少し、コツマトリソウの特徴がでているものもありました。

植物は同じ場所に生えている同じ種類でも、個体によって見た目が違うこともよくあります。一個体だけ見ていてもよくわからないときは、周囲をよく見て同じ種類の個体をたくさん観察してみましょう。よく見るとある程度近くにある個体の中で、どういうものが標準的なものなのかわかるようになると思いますよ。あとは図鑑と見比べたら、案外種類がわかるかもしれませんね。

ところで、「ツマトリソウ」という名前ですが、これは白色の花の縁が少し紅紫色に縁取られることからきています。「コツマトリソウ」は全体的に「ツマトリソウ」よりやや小型の傾向はありますが、両者は大きさという点だけでは完全に区別できないように思います。葉の形、生育環境を見る方を優先して、名前の「コ」にこだわりすぎない方がいいかも。

花の部分(花冠)は深く7つに裂けているので、7つの花弁があるように見えます。7つが多いようですが、6〜8つに裂けることもあります。真上を向いて開く花は直径1.5cmほどで、ふつうは1つだけ咲きます。純白の花に、裂片と同じだけある雄しべ、、、とても、整った姿ですから、この花を一目みたいと思う方も多いのではないでしょうか。花時期は、6月〜7月ですから、本格的な夏山シーズンのころは、旬を過ぎていることが多いですね。来夏はぜひお早めに。

写真は、その美しいはずの花はもう終わり、ガクだけが残っています。中央の白っぽい塊はふつうなら種子ができている部分ですが、この個体の場合は種子ができかけたけれど、熟し切れずにダメになってしまったのではないかと思います。

コツマトリソウは、もともと葉の周辺も赤みを帯びているのですが、秋に紅葉するとまたとても美しいものですよ。草丈5cm〜20cmの小さな草ですが、花の時期と紅葉の時期はその存在をしっかりアピールしているようです。

【和名】コツマトリソウ [褄取草、端取草]
【学名】Trientalis europaea var. arctica
【科名】サクラソウ科 PRIMULACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

posted by hanaboro at 19:07| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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