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ヨウシュヤマゴボウは、北アメリカ原産の帰化植物で、草丈は1.8mほどまで生長します。枝を横に広げるので、かなりの大物になります。明治期に帰化したといわれていますが、かなりの繁殖力で、今ではいたるところでふつうに見られます。
掘って確かめたわけではないですが、根は「ゴボウ」のように太く肥大するそうです。それで名前は洋種の山牛蒡ということで「ヨウシュヤマゴボウ」といい、別名を「アメリカヤマゴボウ(亜米利加山牛蒡)」ともいいます。このように名前は、根に着目してつけられていますが、この植物の見所は、やはり全体的な色の派手さと、ブドウのような実ではないでしょうか。
春、青々とした大きめの葉をつけた株が、見る見るうちに生長していきます。葉っぱだけで何の植物なのかわからなくても、その様子はすでにどこか異様な雰囲気をかもしています。そしてさらに生長し、花が咲いて実もでき始める頃には、茎の赤紫色も顕著でとても目を引く存在となります。見ていると、その色彩には毒々しさを感じるほどです。
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花期は6月〜9月で、長い穂状の花序に白花をたくさん咲かせます。花の後には黒いブドウのような実がたわわに実り、重みで花序は垂れ下がってきます。この実は、つぶして水を加えると、きれいな色水ができます。道端や空き地でふつうに見られますので、子供の頃に遊んだことのある方も多いと思います。
しかし、根や葉は有毒ですので、注意しなければいけません。特に若い新芽はやわらかくおいしそうに見えますが、食べると嘔吐や下痢を起こすそうなので、食べてはダメ!果実は無毒だという説もありますが、おすすめできません。色水遊びの後はよく手を洗ってくださいませ。
先月までは、色鮮やかな葉と実が見られましたが、11月になり実もすっかり落ちてしまいました。中には鳥が食べて、どこか別の場所に運ばれたものもあるかもしれませんね。一番上の写真の葉はもうほとんど枯れていましたが、それでもなお、そのどぎつい色は健在でした。
【和名】ヨウシュヤマゴボウ [洋種山牛蒡]
【別名】アメリカヤマゴボウ [亜米利加山牛蒡]
【学名】Phytolacca americana
【科名】ヤマゴボウ科 PHYTOLACCACEAE
【撮影日】2004/011/05、2004/09/15
【撮影地】東京都日野市
【注意】ふつう「ヤマゴボウ」といて食べられるものは、まったく別の植物です。食べられるヤマゴボウは、キク科アザミ属の「モリアザミ」の根です。ヨウシュヤマゴボウの根は食べられません。