2004年11月08日

ベニバナボロギク

ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides


ベニバナボロギクは、アフリカ原産の帰化植物です。夏の花という感じがしますが、花期は8月〜11月で、初冬まで花が見られることがあります。花の時期には草丈30cm〜1mほどになり一年草です。日本国内では戦後まもなく北九州で発見され、その後は瞬く間に分布が広がったそう。今では空き地や道路脇などでふつうに見られます。

写真は幼植物で、これで草丈は15cmほどです。本格的な冬を前に果たして開花までこぎつけるでしょうか。アフリカ出身の一年草ということで、これくらいまで生長した幼植物の状態では、関東とはいえこの冬を乗り越えられないかもしれません。天候の影響か何かで、本来春に発芽するはずが、芽生える時期を間違えてしまったのでしょうか。

山火事や人の手が加わってかく乱された土地にどこからともなく種子が飛んできて、いち早く侵入するほどの高い種子分散能力を持つ帰化植物。そのたった1個体の行く末を案じることもないのでしょうが。。。どこかこの草には切なさを感じずにはいられません。それは、この草が食べられる野草で、それには、悲しい歴史があるからなのかもしれません。

葉は「シュンギク」のような香りがあって、第二次世界大戦中には「南洋春菊」、「昭和草」と呼ばれ、台湾などで実際に日本の兵士たちがシュンギクの代用野菜として食用にしていたというのです。さらに台湾の先住民の人たちは「ヒコーキグサ」とも呼ぶそうで、その理由が飛行機をたくさん目にするようになってからこの草が増えたからだといいます。そういった歴史を知ると、切なくて胸が痛みます。

以前、わたしもサッとゆでたものを食べたことがあります。「シュンギク」ほどではないですが個人的には結構好みの味でした。どこでもふつうに生えているので、すぐ手に入るかもしれませんが、都市部のものはおすすめできません。見た目もうどんこ病にかかっていることも多くて、食べようという気持ちにはなれないでしょう。目指すなら、ちょっと山の中の伐採跡地ですね(笑)。

花は筒形で下を向いて咲きます。筒の部分は緑色で、先端だけが紅色です。新鮮な花は結構きれいなものですよ。それなのに、なんで「ベニバナボロギク」なんて名前になってしまったのか、その原因は花の終わった後の姿にあるんです。花が終わると、白い綿毛(冠毛)が伸びてきます。できてすぐのときはごくふつうの綿毛ですけれど、しだいにほころびてきて、ちょっと美しくない姿になります。その様子がボロ布みたいだということで、「ボロギク」と名づけられてしまいました。ベニバナボロギクは、紅色の花をつける襤褸菊ってことですね。

【和名】ベニバナボロギク [紅花襤褸菊]
【学名】Crassocephalum crepidioides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/05
【撮影地】東京都日野市

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ダンドボロギク
同じように「ボロギク」と名づけられた「ダンドボロギク」のボロボロな姿をすでにご紹介済みです。これまでの記事の中でも一二を争うほどの「ボロボロ」ですので、よかったらぜひご覧くださいませ。

posted by hanaboro at 21:27| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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