2004年11月22日

シオガマギク

シオガマギク Pedicularis resupinata


シオガマギクは、ゴマノハグサ科の多年草で日本では北海道〜九州の低地帯〜亜高山帯の明るい草地に生育しています。世界的に見ると東アジアに広く分布していますが、特に日本国内では、形態的な変異が多くて、いくつかの変種があるといいます。

例えば、本州中部の亜高山帯には、花冠が巴状になる「トモエシオガマ(Pedicularis resupinata var. caespitosa)」、東海地方の低湿地には、葉が小さくて花や葉の色が濃い感じの「ミカワシオガマ(Pedicularis resupinata var. microphylla)」があります。

変種も含めた葉緑体DNAを使った最近の研究からは、葉緑体DNAのタイプが9種類あることがわかったそうで、タイプの分布はある程度地理的なまとまりがあるのだそうです。そして、国内のシオガマギクにしかないDNAのタイプもあることがわかったとか。つまり、葉緑体DNAのタイプだけをみると、同じシオガマギクでも地域によって違うものである場合があるわけです。DNAのお話は少々難しい部分がありますが、わからないなりにも、何となくその種がたどってきた歴史や系統なんてことにも想いをはせるのでした。その種がそこに存在していることの意味。。。う〜ん、奥深いですな〜。

シオガマギク属の植物は、半寄生性の植物で、イネ科やカヤツリグサ科などの植物の根に寄生しているといわれています。筆者としては、その様子を確かめてみたいところですが、この仲間の多くが高山植物ということで根を掘るわけにはいきません。その様子は周りの状態から想像するのみです。

いろいろと不思議な感じの植物だと思うのですが、その名前の由来も変わっています。花は薄ピンク〜濃い赤紫色で美しく、葉の形は扇風機の羽のようにねじれたようなプロペラ状で、とてもユニークです。葉の縁のギザギザ(鋸歯)も独特で、紅葉もすることから、「花が美しく葉まできれい」ということで、「葉まで」→「はまで」→「浜で」きれいなものは「塩竈」だそうで、「シオガマギク」という名前になったといいます。この植物を見て、この名前をつけるなんてまったく思いつかないですよ〜。

ちなみに、「しおがま(塩竈/塩釜)」というのは、海水を煮て塩をつくるかまどやかまのことだそうです。「かまが美しい」といわれてもピンとこないのですが、塩竈を使って製塩する光景が美しかったということなのでしょうか。

また、ときどき「宮城県塩竈市」との関連が書かれてあるのをみるのですが、この植物の名前の由来との関係はよくわかりません。ただ、この植物が高原に多くて、砂浜には生育していないということだけは明らかですね。

【和名】シオガマギク [塩竈菊]
【学名】Pedicularis resupinata
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

■Trackback
ごまのはぐさのこまごまことのは」さんの記事「しおがまぎく 塩釜菊 ゴマノハグサ科」にトラックバックのお返しをさせていただきました。

posted by hanaboro at 19:27| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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