2004年11月29日

フジオトギリ

フジオトギリ Hypericum erectum var. caespitosum


フジオトギリは、「オトギリソウ(Hypericum erectum)」の1変種で、その名のとおり富士山や周辺の御坂や秩父山地に生える多年草です。オトギリソウが草丈30cm程度までなるのに対して、フジオトギリの草丈は10cm程度で、「そう生」します。全体にオトギリソウより小型です。ちなみに、「そう生する」というのは、茎が根もとから束のようになってたくさん出ていることをいいます。

オトギリソウの仲間には、花、葉や茎に「腺体(せんたい)」という点々に見えるものがあるのが特徴の1つですが、この特徴は似た種類を見分けるときにも使われます。ただし、いろいろと個体差があることも多くて、種類を特定するのが難しいときもあります。それも色素を含んだ黒点だけならわかりやすいのですが、色素を含まない明点の有無も見るため、葉っぱを日に透かして調べなければなりません。真夏にそれをやると立ちくらみを起こしそうですよ。

今回の写真のフジオトギリの個体では、ガクと葉には明らかに黒点があるのがわかりました。花期は7月〜9月で、色は黄色、花弁は5枚です。

写真は、フジオトギリの花が終わって、果実ができている状態です。赤くてピーナツのように見えるのが果実です。花もきれいですが、果実も観賞できる植物ですね。お花屋さんではもっと大きいヨーロッパや北アメリカ原産の種類(Hypericum androsaemumHypericum inodorumなど)がよく「ヒペリカム」という名前で売られています。もっとも、そちらの品種はずっと華やかで、果実はつやつやしていて、ぜんぜん印象が違いますけれど。

ところで、フジオトギリの学名は、「Hypericum erectum Thunb. var. caespitosum Makino」です。「Thunb.」はThunberg(ツュンベルク)で、オトギリソウの命名者、「Makino」は牧野富太郎で、変種のフジオトギリの命名者です。

「Hypericum」はギリシャ名でhyperikon(hypericon)と呼ばれた植物にちなむそうで、hypericonはキランソウなのだとか。日本にある「キランソウ」はシソ科で濃い紫色の花をつける植物ですから、ギリシャのキランソウという植物は、日本のキランソウとは別物なのでしょうね。「erectum」は直立したという意味で、「caespitosum」はそう生のという意味ですから、やはりその姿をあらわした学名がつけられていますね。

【和名】フジオトギリ [富士弟切]
【学名】Hypericum erectum var. caespitosum
【科名】オトギリソウ科 CLUSIACEAE (GUTTIFERAE)
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

posted by hanaboro at 21:02| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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