ハハコグサ

ハハコグサ Gnaphalium affine


ハハコグサは、日本全土に分布し、田畑のあぜや道ばたによく見られる越年草です。世界的には中国を中心にアジアに広く分布し、日本へは古い時代に朝鮮半島経由で入ってきたのだといいます。日本の夏の暑さは苦手なようで夏には見かけなくなり、秋になると種子が芽生えてロゼット葉で冬を越します。チチコグサ(Gnaphalium japonicum)に比べるとロゼット葉の幅が広くやや上に立ち上がったようになるので、見分けられることもあります。ただし、近頃は「…チチコグサ」というような帰化植物がたくさんあるので、ロゼットだけではちょっと難しい場面もあります。

花は4月〜6月ごろ、高さ15cm〜25cmほどに伸びた茎の先に黄色い頭花をつけます。頭花はたくさんの総苞が集まってできていますが、その長さ3mm程度の総苞はさらにたくさんの黄色の小花からできています。また小花の中心部には雌しべと雄しべをもつ両性花があり、まわりには小さな雌花がたくさんあります。総苞の周りの鱗片状のもの(総苞片)は、乾いた膜のような質感で淡い黄色を帯びているので、チチコグサに比べるとずっと華やかな印象です。花の時期には冬を越したロゼット葉がなくなる点もチチコグサと異なっています。

全体に綿毛がたくさん生えているので白っぽく見え、柔らかそうな印象です。この仲間(ハハコグサ属 Gnaphalium)に共通するのですが、ハハコグサもまた花が終わると冠毛(綿毛)がモワモワとほうけてきます。そのため古い時代には「ホオコグサ」と呼ばれたのだそうです。また、春の七草の「ゴギョウ(オギョウ)」はこの草だとされていて、「オギョウ(御形)」とも呼ばれています。七草粥に入れて食べることができますが、年末で写真のような状態ですからね。まったく食べごたえがないですな。春の七草でダイコンとカブ以外の野草はこの時期だとどれもこんなものですよ。

【和名】ハハコグサ [母子草]
【別名】ホオコグサ、オギョウ
【学名】Gnaphalium affine
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/30
【撮影地】東京都日野市

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チチコグサ

チチコグサ Gnaphalium japonicum


チチコグサは、日本全土に分布し山野の道ばた、公園や人家周辺の芝生の中などにふつうに見られますが、特に都市部では「ウラジロチチコグサ (Gnaphalium spicatum)」や「チチコグサモドキ (Gnaphalium pensylvanicum)」などチチコグサと同属で大きめの帰化植物の方が目立ちます。名前は「ハハコグサ (母子草 Gnaphalium affine)」に対してつけられたものです。黄色い花をつけるハハコグサよりも地味な花で全体的に小さく華奢な感じもありますが、ハハコグサがボワボワして柔らかそうに見えるのに対して、葉などは細長くて硬くしまっているように見えます。

茎は15cm〜25cm程度で細長く、地際ではやや地面をはう感じになります。長く伸びる茎にも少し葉がありますが、ロゼット葉より小さく線形です。全体に綿毛がたくさん生えていて白っぽく見え、特に茎や葉の裏面には密生しています。

多年草で冬は写真のようなロゼット葉で過ごします。花期は5月〜10月と長めですが、一番目につくのはやはり春から初夏のころでしょうね。ロゼット葉は花時期にも見られ、脇から数本の茎を伸ばしてそのてっぺんに花(頭花)をつけます。頭花はたくさんの総苞が集まってできていますが、長さ5mm程度の総苞はさらにたくさんの小花からできています。小花や総苞のまわりの鱗片状のもの(総苞片)が茶褐色なのでとても地味な印象となります。

チチコグサの仲間全般にいえるのですが、花が終わって種子ができてちょっと茶色がかった冠毛(綿毛)がモワモワ出てくるとちょっと汚れた感じになり、あまりきれいな状態とはいえません。チチコグサの場合、頭花の下には細長くて綿毛が密生した苞葉が放射状につくので、花が瑞々しくまだ冠毛が見えない時期に想像力をふくらませると、ウスユキソウの仲間にも似ているところがあります。あっ、いえ、まあちょっとほめすぎましたかね。

【和名】チチコグサ [父子草]
【学名】Gnaphalium japonicum
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/30
【撮影地】東京都日野市

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クリサンセマム・パルドサム

クリサンセマム・パルドサム Chrysanthemum paludosum


クリサンセマム・パルドサムは、北アフリカ原産の耐寒性の強い越年草で、園芸的には秋播きの一年草という扱いです。「クリサンセマム」というのは本来はキク属(Chrysanthemum)のことですが、一般的には「クリサンセマム・パルドサム (パルドスムまたはノースポール)」と「クリサンセマム・ムルチコーレ (Coleostephus multicaulisまたはChrysanthemum multicaule)」のことを「クリサンセマム」と呼ぶことが多いです。最近では、「クリサンセマム・マウイ (またはRhodanthemum gayanum)」もよく見かけます。ムルチコーレの方は耐寒性があまりなく、花色も鮮やかな黄色で葉は切れ込みが少なくそれほど似ていないので、両者を間違えることはないでしょう。

学名の取り扱いは諸説あるようで、日本で流通する名前も含めてちょっとややこしい感じです。パルドサムは園芸店では「ノースポール」という名前で売られていることが多いですね。草丈はそれほど大きくならず20cm程度なんですが、非常に花つきがよくて株全体を覆いつくすように白い花を咲かせます。それで「ノースポール(北極という意味)」という名前がつけられたといいます。

花時期は3月〜5月。マーガレットを小さくしたような典型的なキク科の「お花」って感じの花です。直径は2cm〜3cmくらい、真っ白な舌状花と黄色の筒状花で構成されてさわやかな印象。

写真の個体はこぼれダネから勝手に芽生えたもので、すでに双葉はありませんし本葉が何枚も出ています。少々心もとない感じはありますが、耐寒性があるので何とか越冬できるのではないでしょうか。

【一般名】クリサンセマム・パルドサム、クリサンセマム・ノースポール
【和名】ノースポールギク
【学名】Leucoglossum paludosum
【異名】Leucanthemum paludosum (Chrysanthemum paludosum)
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月30日

ヒメオドリコソウ

ヒメオドリコソウ Lamium purpureum


ヒメオドリコソウは、ヨーロッパ原産の越年草ですが、東アジアや北アメリカなど日本以外でも広く帰化しています。日本では明治の中ごろの発見で場所は東京だそうです。当初は関東を中心に比較的ひっそりと生育していたといいますが、現在はほとんど全国的に見られ、春の野草の定番的存在になっています。帰化植物で畑や果樹園などでははびこる雑草ですが、その姿は比較的好まれているようです。関東では特に勢いがあるらしく、至るところで見られます。個人的には隙間に生える植物として見るたびに撮影。といっても葉っぱばっかりですが。

花期は4月〜5月、長さ1cm程度のピンク色の唇形花で、上部の葉の脇(葉腋:ようえき)に数個ずつ咲きます。花も小さくてかわいらしいのですが、この植物が注目を浴びるのは花よりも上部の葉の色や全体的な形でしょうね。上部の葉は幾重かに重なって暗紅紫色を帯び、群生している場所では紅紫色の絨毯を広げたようで、なかなかエキゾティックな光景となります。下部の葉には長めの柄がありますが、上部の葉にはほとんど柄がなくより密集してつきます。

草丈は10cm〜25cmぐらい。シソ科の植物なので茎には4つの角があり、これを4稜があるといったりします。葉は三角形っぽい卵形で対生します。縁には鈍いギザギザ(鋸歯:きょし)があって、両面に軟毛が目立ちます。もう1つ目につくのは葉脈です。葉の上面から見ると網目状の葉脈はくぼんで、葉が縮れた縮緬状に見えます。

写真は秋に種子から芽生えた幼植物が、狭い範囲に密集して生えているところです。芽生えてしばらくは、多くの個体が互いにくっつくぐらいまで同じ程度に生長しするようです。大きく生長するにしたがって、寒さの訪れや日照などいろいろな条件によって、一旦個体数が減ったりより下部の葉が枯れたりして個体同士の間が開いてきます。しかし、生育の順調な個体は茎の下部で枝分かれし、花時期にはまた密集した状態となります。

近年(1992年)、よく似た「モミジバヒメオドリコソウ(キレハヒメオドリコソウ Lamium hybridum)」が神奈川県横浜市で発見されています。その後、本州の関東以西、九州で確認されているとか。ヨーロッパ原産で生育環境もよく似ているようですね。比較的新しい帰化植物、「モミジバヒメオドリコソウ」。やはりようこそいらっしゃいましたといってあげるわけにはいかないんですね。

【和名】ヒメオドリコソウ [姫踊子草]
【学名】Lamium purpureum
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback
私のお気に入り」さんの記事「ヒメオドリコソウ」にトラックバックさせていただきました。2005年3月3日、nonohanaさんのところではもう開花しているそうです。

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2004年12月28日

冬知らず

冬知らず Calendula


フユシラズは、「キンセンカ(金盞花)」と同じ仲間で、原産地は地中海沿岸だそうです。花はキンセンカよりもずっと小さいもので直径1cmくらい。耐寒性があり真冬の間でも次々と花をつけるのでこの名がつけられたそうです。最近ではすっかり冬花壇の定番になっていますね。色もややオレンジがかった黄色で元気の出る色ですし、かわいい花だと思いますよ、冬の間は。。。

数年前、真冬の園芸店でその名前にひかれて3号ポット苗を購入。その冬は寒い中よく咲いてくれるこの植物に感激してとても大切に育ててしまいました。いえ、それはそれでよかったのだと思います。そのときはまさかそんなことになるなんてまだ知りませんでしたから。

この植物、冬の間はこじんまりと可憐なんですが、暖かくなるにつれて巨大化してきます。やがて、初夏の訪れとともにうどんこ病が発生。そして、梅雨のころ巨大な枯れ草となります。花がら摘みや摘心を怠ると大変です。鉢植えで育てているにもかかわらず、草丈は70cmぐらいになってしまいます。しかも、こぼれダネで確実に次年度以降もその姿を見ることができます。

しっかり管理すればいいのですけれど、どうも無精者でついほったらかしにしてしまってこういう事態を招きます。キク科植物では多いのですが、この植物にも独特のにおいがあるんですよね。それは芳香とはとてもいえないにおいです。しかも猛烈なスピードで開花、結実していきます。

特徴的なのはその種子の形。写真に写っているくるっと丸まっているものが種子なんです。まだ緑色のうちに落ちてしまうことも多いですが、それでもすでに発芽能力があるようで、春以降なら放っておくとすぐにでも発芽することも珍しくありません。しかし、夏の暑さには弱いようで、春や夏に芽生えたものはだいたい夏を越せずに枯れてしまいます。ここ数年は夏の終わりか秋に発芽した苗がいつの間にか花をつけ、冬の訪れを主張しているような気がします。

そして今もガーベラの鉢で咲いています。ああ、なんて小さくてかわいいんでしょう。とてもそれを抜いて捨てたりはできませんね。

【一般名】フユシラズ [冬知らず]
【別名】カレンデュラ、寒咲きカレンデュラ
【学名】Calendula
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

*農林水産省のウェブサイトでは、「冬知らず」は品種登録の出願が公表されています。それによると、出願者は株式会社ミヨシで、1997年02月の出願、1999年03月出願公表となっていました。まだ出願中ってことなんですかね、登録されてないのかな。

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イワヒゲ

イワヒゲ Cassiope lycopodioides


イワヒゲは、国内では北海道と本州中部以北の高山帯に生えるツツジ科の常緑矮性低木です。高山帯でも特に岩場の隙間に多く生えています。茎は針金状で地をはいますが、その茎には魚の鱗のような葉が対生します。といっても鱗片状の葉は重なり合うように、ほとんど葉柄がない状態で十字に対生しますから、茎や葉を全体的に見るとボコボコした細長い棒が岩に散らばっているような感じです。

花期は7月〜8月です。花柄は鱗片状の葉の間から伸びてきます。花柄はとても細くて長さは1.5cm〜3cmぐらいです。その花柄の先に1つ白色で鐘形の花を下向きにつけます。花冠(鐘に見える部分)の長さは8mmぐらいで、ときどき淡いピンク色を帯びていることがあります。花冠の先端は5つにさけて少し反り返り、チューリップを逆さにしたような形です。

生育環境などによる形態の違いがいろいろ見られるということですので、詳しく調べると何か地域的なまとまりがあるのかもしれませんね。

花の時期は下を向いているのですけれど、花が終わると花柄は直立してきて、実は上を向いてつきます。写真では、果実は赤く色づいていて、中心から突き出ている細い棒は花柱です。

【和名】イワヒゲ [岩髭]
【学名】Cassiope lycopodioides
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2004年12月27日

ウシハコベ

ウシハコベ Stellaria aquatica


ウシハコベは、北半球に広く分布し国内でも日本全土に分布しています。田畑のあぜや山野の草地、林縁、河原などやや湿り気のあるところにふつうに見られる越年草または多年草です。一般的な図鑑ではだいたい「…または多年草」という記載がされています。しっかり調べたわけではないのではっきりいえないですけど、個人的にはこの草が多年草という印象ではありません。根でも掘ってみればわかるかもしれませんね。

ハコベの仲間はよく似ていてなかなか見分けにくいことも多いのですが、ウシハコベはちょっと独特なものなのでわかりやすい種類です。芽生えや幼植物での区別は難しいかもしれませんが、ある程度生長した個体ならまず間違えることはないでしょう。

花がさく前の時期なら葉や全体の感じ見ますが、「ハコベ(Stellaria neglecta)」や「コハコベ(Stellaria media)」の葉が卵形で1cm〜2cm程度で草丈も10cm〜30cmくらいなのに対して、ウシハコベの葉は長い卵形で2cm〜大きいものでは5cm以上で草丈も30cmを越えることも多く50cmほどにまでなります。とにかく全体的に大柄なんです。それで、ハコベよりも大きいことを「牛」にたとえて「ウシハコベ」とよばれています。

花があればさらに見分けやすくなります。ナデシコ科の植物ですので、花弁やガクよりも種子のできる子房が上にある「子房上位」の花です。5枚の花弁は深く2つに裂けているので10枚あるように見えます。一番注目したいのは花の中心部です。雄しべは数本あり中央には雌しべがあって下部が丸くふくらんでいまが、これが子房です。子房の先端部分を見ると、白っぽい糸状のものが5つあるのがわかります。これは花柱です。ほかのハコベは花柱の数が3本ですが、ウシハコベは5本。そのため、ほかのハコベ属とは異なる「ウシハコベ属 (Myosoton)」と分類されることもあります。

また、北海道の山地のやや湿り気のある場所では、ウシハコベにそっくりの「オオハコベ(エゾノミヤマハコベ Stellaria bungeana)」が見られますが、オオハコベも花柱の数が3本なので区別できます。

写真は、すでに花は終わって果実ができている状態です。こんな状態になっても花柱はまだ残っているものなんですね。全体的にみても枯れかけている感じですけど、葉が大きく長いことやかろうじて数えられる花柱から、ウシハコベとわかりましたよ。まあ、花柱の数の話をするのにこの写真では、説得力がありませんけれど。。。

【和名】ウシハコベ [牛繁縷]
【学名】Stellaria aquatica
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/12/24
【撮影地】東京都日野市

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ヒナタイノコズチ

ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei
2004/12/08 傷んだ花序

ヒナタイノコズチは、国内では本州、四国、九州に分布し、道ばたや荒れ地など日当たりのよい場所に生える多年草で、都市部の空き地や道路脇でも見られます。本種は日なたに生えることが多いのですが、よく似た植物に「イノコズチ(猪子槌 Achyranthes bidentata var. japonica)」という種類があって、こちらは山野の林内などの日陰に生えることが多いため「ヒカゲイノコズチ(日陰猪子槌)」ともいいます。ただし、生えている場所が日陰か日なたかだけで、両者を区別できるわけではありません。

ポイントは3つあります。1つは花の密度と花序の太さ、2つ目は、葉の形と質感や毛の量、もう1つは果実の小苞(しょうほう)の付属体の大きさです。ヒカゲイノコズチに比べると、ヒナタイノコズチは花序が太くやや密に花をつけます。葉は特に裏面に毛が多く白っぽくて分厚い感じがします。全体的な印象としてはヒカゲイノコズチがスラッと伸びる感じなのに対して、ヒナタイノコズチはちょっとボテボテした感じでしょうか。

イノコズチの仲間の花は、簡単にいうと5枚の花びらと5本の雄しべ、1本の雌しべからできていてその外側に細長い針のような小苞がついています。特に果実があるときは、小苞を探してさらにその付属体に注目してみます。かなり小さいものですから、よく観察しないとわかりません。

ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei
2005/06/24 まだ若い株の葉

イノコズチの仲間は、結実すると実が下を向いて果序にピッタリはりつくようになります。実の長さは5mmぐらいです。もともと花の外側にあった針状の小苞が目立つようになりますが長さは4mm程度です。付属体は小苞の根もとの部分にあるごく小さなもので、半透明の膜のようなものです。この付属体がヒカゲイノコズチの場合は0.6mm〜1.0、ヒナタイノコズチの場合は0.3mm〜0.5mmです。おおざっぱに言えば、「付属体がめだったらヒカゲ」という具合でしょうか。

また、小苞はヘアピンのような形で2本ついていて、動物の毛や衣服にひっかっかりやすい構造になっています。秋の草むらを歩くとたくさんくっついてくる「ひっつき虫」のひとつです。

一番上の写真の個体は、急激な寒さで傷んだのか病気にかかってしまったのか、理由はよくわかりませんが、花序を伸ばして果実を正常に実らせる前に、枯れてしまったようです。こんな状態でもなんとか小苞や付属体が見えるもので、葉の裏の毛や生育地など総合的に見て、ヒナタイノコズチだとわかりました。

【和名】ヒナタイノコズチ [日向猪子槌]
【学名】Achyranthes bidentata var. fauriei
【科名】ヒユ科 AMARANTHACEAE
【撮影日】2004/12/08、2005/06/24
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月25日

オニタビラコ

オニタビラコ Youngia japonica


オニタビラコは、日本全土に分布し、道ばたや荒れ地などにふつうに見られる一年草、または越年草です。標準的な花期は5月〜10月。暖かい地方では年中開花しているようですが、真夏の暑い時期には少し開花を休むらしく、秋になって再び勢いを取り戻してたくさん開花していることもあります。写真は12月の関東で写したものですが、写っている個体のすぐ近くでは、花を咲かせ種子を飛ばしている株もありました。生育環境にもよると思いますが、春に出る花茎が太めなのに対して、秋の花茎はやや細めでヒョロリと長い感じですね。

根生葉はやや葉の先が丸くなることが多く、春に茎が生長してやや上部につく葉の先はとがる傾向があります。春の葉も紫褐色がかることがよくありますが、それにも増して冬の根生葉は写真のように全体が紫褐色を帯びていることが多いようです。毛は葉全体に多いのですが、特にロゼットの中央あたりでは白くて細かい毛が目立っています。軟らかそうで、一見弱そうな印象もありますが、都市部の人工的な塀や石垣の隙間などでもよく生育するたくましさがあります。隙間に生える植物の定番です。

花の色は黄色で、1つの花(頭花:とうか)は直径8mm程度の小さいものですが、20cm〜1m近くまで伸びる花茎の先にたくさんつけるので、最盛期にはそれなりに目につくと思います。

【和名】オニタビラコ [鬼田平子]
【学名】Youngia japonica
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/24
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月24日

カタバミ

カタバミ Oxalis corniculata


カタバミは、日本各地に分布し、道ばたや庭など人家周辺でよく見られる多年草です。種子で繁殖するほか、地面にはった茎から根を出して新しい個体をふやします。種子は先がとがった円柱形の果実の中にできますが、1つの果実の中には30個〜50個の種子が入っています。熟した果実をさわるとパチンとはじけて種子が飛んでいきます。

たくさん弾き飛ばされる種子は発芽に適した場所に到達できれば、すぐに発芽し新しい個体ができますが、種子の寿命は短くよい条件に恵まれなければ発芽することできずに終わってしまうのだそうです。庭ではびこってしょうがない雑草。旺盛な繁殖力の持ち主で、ほとんど一年中開花し種子を飛ばしているにもかかわらず、野山では大群落となっていない理由のひとつなのかもしれません。

夏草が枯れ冬を迎える前のころにも、日の光を十分得られるようになるので、よく目に付く存在となります。花が開くには日光を浴びることが条件で、日が当たってからのたった4時間だけしか開いていないのだといいます。しかも一回閉じた花はもうそれで終わりです。開いているその花に出会うということは、それなりに貴重な出来事なんですね。

花は黄色の5弁花、ガクも5枚、雌しべには5個の柱頭があり、雄しべは長いものが5本短いものが5本というように、「5」というのが基本的な単位となっています。葉は3つのハート形の小葉が葉柄の先についていますが、この葉は夜になると折りたたまれる就眠運動をします。

【和名】カタバミ [傍食]
【学名】Oxalis corniculata
【科名】カタバミ科 OXALIDACEAE
【撮影日】2004/12/24
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月23日

ミチヤナギ

ミチヤナギ Polygonum aviculare


ミチヤナギは、日本全土に分布し、道ばたや荒れ地などでふつうに見られる一年草です。ほとんど葉柄のない細長い楕円形の葉は1.5cm〜2.5cmほどです。名前はこの葉が樹木の「ヤナギ」の葉に似ていることからきています。庭にも生えることから別名は「ニワヤナギ(庭柳)」です。

花期は5月〜11月で、葉の脇に1個〜数個の花をつけますが、ごく小さいもので花びらに見えるものはガクです。ガクは5つにわかれているので、5弁花のように見えます。ガク片は長さ2mm程度で、色は緑色に白の太めの縁取りなので、パッと見たところは白色です。蕾のときなどは特に縁取りが紅紫色を帯びることが多いので、目を引くことがあります。

図鑑によっては、花びらに見える1枚1枚の呼び方が「ガク片」となっていたり、「花被片(かひへん)」となっていたりします。呼び方の違いは花の基本的な構造のとらえかたの違いによるものですからどちらでもよいので、特に気にしなくてよいのですが。まぁ、まぁ。

ということで、花の基本構造を見たときに、ガク片と花弁の区別が明瞭でない花の場合にはガク片と花弁をまとめて「花被」と呼んで、花被の1枚1枚を「花被片」と呼びます。この花被片の構造も植物によってさまざまですが、タデ科の場合だと花被片が内外の2種類にわかれるわけではなくて、小さく地味なことが多く単に「ガク」ということもあります。

タデ科の植物ですので、花や托葉鞘の話もいろいろとあるわけですが、個人的にはミチヤナギの大きな特徴は、その生育している場所ではないかと思うのです。草丈は20cm程度のことが多く一見そんなに強靭な感じはしません。でも茎が木質化し踏みつけにめっぽう強いのです。道のすぐ脇の草地と道の境目、いってみれば草地の最前線に生えているような草です。そういう場所は他の植物にとっては過ごしにくい場所なわけで、それに適応できたミチヤナギにとっては競争相手が少なくて過ごしやすいのでしょうね。といっても木本ではなく一年草ですから、冬が来るころには枯れてしまうのですけれど。

【和名】ミチヤナギ [道柳]
【学名】Polygonum aviculare
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月22日

スイセン

スイセン Narcissus tazetta var. chinensis


国内で野生化しているスイセンは、もとは地中海沿岸が原産地で、古い時代にシルクロードを経て日本へ入ってきたものといわれています。この各地で野生化している1本の茎に数個の香りのある花をつけるスイセンは「ニホンスイセン」または「ニホンズイセン」です。現在は関東以西、四国、九州の主に海岸部に多くみられ、早春の代表的な花の1つとして定着し、群生地は観光の名所ともなっています。

個人的によく思い出すのは、真冬の日本海と北風の中でも凛として咲くニホンスイセン、雪も少し積もっているという構図。どちらかというと春というよりは冬の花だというイメージです。とはいうもののニホンスイセンの一般的な花期は11月〜4月とかなり長い。暖かい地方なら年内に開花するのは珍しいことではないですし、もちろん春にも見られます。とくに気温の低い時期に咲いたものはかなり花持ちもよくて長く楽しめます。

いわゆる「スイセン」の園芸品種はとても数が多いのですが、植物分類学的な分け方とは別に、花の形などによって園芸的な分類がなされています。例えば、ラッパ、大杯、小杯、八重咲き、トライアンドラス系、シクラミネウス系、ジョンキル系、タゼッタ系、ポエティクス系、野生種、スプリットコロナなどの区分があります。ニホンスイセンはこのうちタゼッタ系(あるいは房咲き水仙)に入ります。

葉は20cm〜40cmの細長い線形で平たく白い粉をふいたようになります。その葉の間から花茎が伸びてきて、数個の花を横向きに咲かせます。花の直径は2.5cm〜4cmほどです。白く花びらのように見える部分は「花被片(かひへん)」といい、6個に分かれているように見えますが、もとの部分ではくっついて(合着して)いて筒状になっています。そののどの部分に黄色で杯形のカップがついていて、これを「副花冠(ふくかかん)」といいます。

【和名】スイセン [水仙]
【学名】Narcissus tazetta var. chinensis
【科名】ヒガンバナ科 AMARYLLIDACEAE
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月21日

メマツヨイグサ

メマツヨイグサ Oenothera biennis


メマツヨイグサは、北アメリカ原産の帰化植物で、日本には明治の終わりごろ渡来したといわれています。現在は、日本各地の道ばたや荒れ地に見られるほか、世界的に見てもヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど広く帰化しているそうです。図鑑などでは二年草あるいは越年草となっていることがほとんどです。

メマツヨイグサの生活史についてはよくわからないのですが、同じ仲間のオオマツヨイグサ(Oenothera erythrosepala)の場合、栄養分の豊かな土地ならロゼット葉で冬を越し翌年の秋に開花結実して枯れ、栄養分の少ないやせた土地では開花結実するまで数年かかるのだそうです。

マツヨイグサの仲間は他にも数種が日本に帰化していて、最初のころに入ってきたのは、「マツヨイグサ(Oenothera stricta)」と「オオマツヨイグサ」だといいます。これらが、河川周辺で群落を作っていたところに、後から「メマツヨイグサ」が入ってきて勢力を拡大していったといいます。帰化植物同士でも勢力争いがあるものなのですね。このことから、勝手に想像すると、メマツヨイグサはやせた土地でもどんどん生育し開花結実までスピーディーにこなして、あっという間に子孫を増やして分布を広げていったのではないかという気がします。

写真は、メマツヨイグサの根生葉です。とてもきれいに葉っぱが並んでいます。マツヨイグサの仲間でメマツヨイグサと根生葉が似ているのは、オオマツヨイグサですが、オオマツヨイグサの場合は葉の先が丸くなる感じで、メマツヨイグサの方はスッーととんがる感じになります。

[注]花弁の間に隙間があるタイプを「アレチマツヨイグサ(Oenothera parviflora)」として区別する場合がありますが、ここでは区別していません。

【和名】メマツヨイグサ [雌待宵草]
【学名】Oenothera biennis
【科名】アカバナ科 ONAGRACEAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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ユウゲショウ

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ヤマグワ

ヤマグワ Morus australis


ヤマグワは、日本全土に分布し、朝鮮、中国など東アジアに広く分布しています。名前は「クワ」と呼ぶ方が一般的でしょう。カイコの餌として栽培されることで有名なので、栽培植物の印象が強いですが山野でふつうに見られる落葉高木です。学名は「Morus bombycis」となっていることも多いです。

栽培されるものにはいろいろと品種があるようですが、カイコ用の栽培ではヤマグワがもととなった品種の他にも中国原産の「マグワ (Morus alba)」も多いのだとか。人里近くではヤマグワとマグワの両者とも見られるようです。

葉は互生しますが形には変異が多く、広楕円形のものから切れ込みが入って3裂または5裂しているものもあります。花期は4月〜5月、葉腋(ようえき)から花序を出します。花序は緑色の球状です。花弁がなく地味ですが、雌花からは先が2つに裂けた花柱がヒラヒラでていてなかなかおもしろいです。7月〜8月にはたくさんの果実がツブツブに集まった集合果ができます。このような果実を「クワ状果」または「桑果」といいます。

赤や黒に熟したクワの実はジャムやジュースとしても利用することができます。最近人気のいわゆる「ベリー」の1つ「マルベリー」の木です。雌雄異株のことが多いので果実を楽しむためには、雄株と雌株の両方を植えておく必要があります。

写真の個体は高さ20cm程度です。これは自生のものなのでしょうか。この個体がある場所は人家周辺の道路の法面で、年数回定期的に草刈が行われています。管理されない状態で放置されれば10m以上にまでなる高木も、冬の時期ここではこの小ささです。

ここまで書いてきて今更なのですが、花や実のない現段階では写真の個体は「ヒメコウゾ(Broussonetia kazinoki)」である可能性を否定できません。個人的にこの仲間の区別は今後の課題としています。

【和名】ヤマグワ [山桑]
【学名】Morus australis
【科名】クワ科 MORACEAE
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月20日

モミジバスズカケノキ

モミジバスズカケノキ Platanus x acerifolia


「モミジバスズカケノキ」…この名前よりも「プラタナス」といった方がおなじみでしょうね。もともと「プラタナス」というのは1つの樹種をさすのではなく、この仲間の総称でモミジバスズカケノキもプラタナスの一種です。

プラタナスは国内の自生種ではなく、明治の終わりごろ持ち込まれて公園や街路に植えられるようになったそうです。現在、日本に植えられているプラタナスはだいたい「スズカケノキ (Platanus orientalis)」「アメリカスズカケノキ (Platanus occidentalis)」「モミジバスズカケノキ (Platanus x acerifolia)」の3種類だと考えていいようです。これら3種を見分けるポイントは、樹皮、葉の形、果実の数です。

スズカケノキはアジア西部〜ヨーロッパの原産で樹皮ははがれてまだら模様、葉は掌状に5〜7個に中裂します。プラタナスの果実はたくさんの果実が集まって1つの球状の集合果になります。集合果は直径3.5cmほどです。スズカケノキは1つの柄(果軸)に3個〜5個の果実がつきます。

アメリカスズカケノキは北米の原産で樹皮は暗茶褐色で縦に割れ目が入り、はがれてまだらになるという感じではありません。葉は3〜5個に浅く切れ込みます。果実は1つの柄(果柄)に1つです。

モミジバスズカケノキは「スズカケノキ」と「アメリカスズカケノキ」の交配種で、学名にはPlatanus x acerifoliaのほか、Platanus x hispanicaとなっていることもあります。見た目はスズカケノキとアメリカスズカケノキのだいたい中間的なものとなります。樹皮ははがれてまだらになり、葉は3〜5裂しますがアメリカスズカケノキよりは深く切れ込み、果実はほとんどが1つの柄に2個〜3個で、時折1個や4個のときがあります。

スズカケノキという名前は、丸い球状の果実が鈴のようにぶら下がっているところからきています。

花はいずれも4月〜5月で、15m〜35mぐらいまでなる落葉高木です。これから春になるまで、葉のなくなる落葉樹ですが、樹肌や冬芽、葉痕にもそれぞれ個性があるものです。春までの間、こういうところも観察してみてはいかがでしょうか。もし果実や葉がまだ残っていたら、公園などのプラタナスがどの種類なのか調べてみてもいいかもしれませんね。

【和名】モミジバスズカケノキ [紅葉葉鈴懸の木]
【学名】Platanus x acerifolia
【科名】スズカケノキ科 PLATANACEAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

■3種の見分け方のポイント
スズカケノキアメリカスズカケノキモミジバスズカケノキ
はがれてまだら暗茶褐色で縦に割れ目はがれてまだら
5〜7個に中裂3〜5個に浅裂3〜5個に中裂
果実3個〜5個果実1個果実2個〜3個


posted by hanaboro at 15:09| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 樹皮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月18日

クワクサ

クワクサ Fatoua villosa


クワクサは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、畑や道ばた、荒れ地などに生える一年草です。和名は葉が「クワ(桑 Morus bombycis)」に似ていることからきています。クワはヤマグワ(山桑)とも呼ばれ日本各地や東アジアに分布していますが、山地の自生地だと高さ10mほどにもなる落葉高木です。カイコの餌のほかにもいろいろと利用され栽培が行われています。そのクワとクワクサは同じクワ科の植物ですが、こちらは草丈20cm〜50cmくらいの草本です。

葉は質が薄く表面や裏面の葉脈状に毛があるのでカサカサした感じがします。長さ5cm前後の卵形でふつうだと先端のほうがスッととがります。縁のギザギザ(鋸歯:きょし)は、とがらず丸い感じでそういう鋸歯の先の様子を「鈍頭(どんとう)」といったりします。

花期は9月〜10月、雄花と雌花がありますが、どちらも同じ株の葉の脇(葉腋:ようえき)に混じってつきます。花序や茎、葉柄は紫褐色になることが多いですが、葉はふつう緑色です。

写真に写っているのは、時期が12月ということもあって生育のよくない個体で、全体が紫褐色に染まっていました。葉は傷んでいますし先がとがる様子はよくわかりません。中央の紫褐色のかたまりが花序ですが、わずかに白っぽく見えているものが雄花の雄しべで、紫褐色の糸状でところどころ飛び出しているのが雌花の花柱です。

【和名】クワクサ [桑草]
【学名】Fatoua villosa
【科名】クワ科 MORACEAE
【撮影日】2004/12/18
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 14:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月17日

オヒシバ

オヒシバ Eleusine indica


オヒシバは、日本国内の各地に分布し、世界的に見ても熱帯や温帯に広く分布する一年草です。道ばたや荒れ地など日当たりのよい場所にごくふつうに見られます。地上部も地下部もとても丈夫で引き抜きや踏み付けに強いため、畑や公園ではやっかいな雑草の1つとなっています。草丈は30cm〜50cm程度、踏み付けがない場所では株立ちになった根元から茎は立ち上がってきますが、踏みつけにあうような場所では斜め上に茎を伸ばします。

細長い葉は幅5mm内外、長さは10cm〜20cmくらいの線形で、葉の中央がくぼんでいるので、葉の断面を切ってみると「V字形」に見えます。まあ、実際に切ってみなくても、V字形に見えそうなことは想像できると思います。

花期は8月〜10月、茎の先にでる花序の枝は2本〜6本で、枝は傘を開いたようにパッと広がります。枝の片側に2列になってびっしりと小穂(しょうすい)をつけます。小穂の長さは3mm〜4mmで2苞頴(ほうえい)の上に4〜5個の小花がついています。

写真に写したものは、駐車場のアスファルトの脇にあったもので、すでに花の時期も実の時期も終わって、全体がほとんど枯れてしまって白っぽくなっていました。花序に残っているのは、ほとんど苞頴ばかりだと思います。葉はかろうじて根元の方が黄色っぽくなった状態で原型をとどめていました。

和名のオヒシバは、似たような場所に生え見た目が似ている「メヒシバ (雌日芝 Digitaria adscendens)」に対してつけられたもので、メヒシバより強そうに見えることによります。「日芝」というのは、夏の強い日差しの下でもよく生育するところからきています。

【和名】オヒシバ [雄日芝]
【学名】Eleusine indica
【科名】イネ科 POACEAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 16:38| 東京 ☀| Comment(7) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月16日

ビョウヤナギ

ビョウヤナギ Hypericum chinense


ビョウヤナギは、中国原産のオトギリソウ科の半落葉低木です。同じ属の「キンシバイ (金糸梅 Hypericum patulum)」とともに江戸時代に日本に渡来し、以来ずっと栽培さてきました。どちらも公園や庭に植えられるほか、花材としても用いられています。さらに最近では、キンシバイの園芸品種「ヒペリカム・ヒデコート (Hypericum 'Hidcote')」の栽培がふえているのだそうです。ビョウヤナギの別名は、ビヨウヤナギ(美容柳)、ミジョヤナギ(美女柳)などです。

高さは50cm〜1.5m程度でたくさん枝分かれして株立ちのようになります。葉は2枚が向き合ってつく対生で、ほぼ十字対生になるので葉のつき方は立体的です。十字対生というのは、2枚対生している葉の次の2枚が90度ずれてついていくことで上から見ると十字に見えます。キンシバイもよく枝分かれし葉は対生しますが枝は垂れ下がり、対生した葉は平面的についていきます。

花期は6月〜7月、ビョウヤナギもキンシバイも花弁は真っ黄色で5枚です。同じ仲間だということはわかりますが、印象はかなり違います。ビョウヤナギは直径5cm〜6cmぐらいの大ぶりな花で花弁が垂れ下がり長い雄しべが目立ちますが、キンシバイのほうは直径3cm〜4cm程度で花弁はふくよかに丸く開く感じで雄しべは花弁よりは短いです。

写真は12月中旬、公園に植えられているビョウヤナギの茎の上部を写したものです。半落葉性なので、葉の数は少なくなっているもののすべて落葉するわけではありません。一部分だけですが、何となく「十字対生」になりそうな雰囲気がわかるかなと思います。茶色く残っているものは、果実が熟して裂開したものです。果実は長さ7mm程度の円錐形になりますが、熟すと先が5つに裂けます。ガク片はほとんど落ちてしまっていましたが、ちょとだけ残っているものもありました。

【和名】ビョウヤナギ [未央柳]
【学名】Hypericum chinense
【科名】オトギリソウ科 GUTTIFERAE(CRUCIACEAE)
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:11| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月15日

ツメクサ

ツメクサ Sagina japonica


ツメクサは、日本全土に分布し、道ばたや人家周辺でふつうに見られるナデシコ科の一年草または越年草です。特に他の植物が生育しにくい狭い隙間で見かけることが多く、都市部の人工的な階段の隅っこや歩道の脇など、わずかな土壌で生育しています。踏みつけの少ない場所なら草丈20cmぐらいまで伸びますが、よく見るのは茎が上にはあまり立ち上がらず横に広がった状態です。したがって高さでいうなら、2cm〜5cm程度で地面にはりついた感じです。株元でよく枝分かれするのでちょっとした緑のかたまりができ、花がついてなければ「コケ」のように見えることがあります。

葉の形は細長い線形で、長さは1cm内外です。この葉の形が鳥の爪のようだということで、「爪草」といいます。「ツメクサ」というと、クローバーという呼び方でおなじみの「シロツメクサ (白詰草 Trifolium repens)」あたりを思い浮かべるかもしれませんが、まったく別の植物で「ツメクサ」という名前の由来も違います。シロツメクサの方はマメ科の植物で、オランダからの荷物の詰め物として使われたことから「詰草」と呼ばれています。

花期は3月〜7月。花はごく小さくて直径3mm〜4mm、ふつう花弁は5枚で白色、ガク片も5枚あり色は緑色です。その花柱の数も5個ですが、これはルーペで見ないとわかりにくいでしょう。ツメクサは子房が花弁やがくよりも上にある子房上位(しぼうじょうい)の花なのですが、花の中央にある丸っこい子房の上に5個のとても小さな花柱があります。結実すると子房の部分には種子ができます。種子が熟すと、果実の先が5つに裂けてごく小さく茶色の種子がたくさん見えます。

よく似た帰化種に「アライトツメクサ(Sagina procumbens)」がありますが、こちらはガク片の数が4枚で、花弁がないことがほとんどです。

写真は、12月中旬の公園の植え込みの脇で写したものです。この個体で草丈1.5cm程度です。ツメクサはほぼ年中生育しているので、他にもこの周辺には、葉っぱが4枚ぐらいで全体の幅が5mmあるかないかの本当に小さな苗もたくさんありました。

【和名】ツメクサ [爪草]
【学名】Sagina japonica
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/12/13
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:23| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(1) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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