2004年12月06日

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ Solidago altissima


セイタカアワダチソウ。これほど名の知れた雑草が他にあるでしょうか。北アメリカ原産の多年草で、もともとは、観賞用に栽培されていたものが野生化したものだといわれています。

花は10月〜11月、茎の上部からたくさん枝を出し円錐形の花序となって、そこには直径5mm〜6mmの黄色い花(頭花)を大量につけます。頭花の数は小さい個体で数百個、大きい個体では3〜4万個だといいます。受精は昆虫の訪問によるものが大部分を占めるので、虫媒花(ちゅうばいか)といえますが、これだけ大量の花をつけますので、花粉が空中を舞うこともあり風媒花(ふうばいか)のような部分があるのも事実のようです。

大量の花からは1個体で5万個もの種子がつくられるとか。種子には少しにごった色の綿毛(冠毛)があって、風にのって種子が運ばれ分布を拡大します。そして、1つの種子から発芽した個体は、長い地下茎を伸ばして数十個ものロゼットを出して冬を越すのだといいます。

さらに、根からは植物の発芽を抑える物質を出して、他の植物が生育できなくなる「他感作用(たかんさよう:またはアレロパシーという)」によって、他の植物を寄せ付けず旺盛に繁殖します。そのため、広範囲に裸地化し放置されている場所で種子が発芽すれば瞬く間にセイタカアワダチソウの大群落ができてしまうわけです。

しかし、大群落も長くは続きません。セイタカアワダチソウの他感作用は自分の種子の発芽まで抑えてしまいます。今そこにある個体の寿命がくればその場所では、それ以上新しい個体が作れずに消えていくことになります。そしてまた別の裸地に種子が到着すれば、そこで一旦は定着して大群落を形成し、また消えていくということを繰り返す、そんな放浪する旅人のような植物なのです。

その生き方はしたたかというのでしょうか、それともひとつの場所に定着できない哀れな存在というのでしょうか。いずれにしても旺盛な繁殖力をもつ帰化植物。養蜂業に利用する場合以外は、やはりウエルカムな存在ではないということでしょうか。

【和名】セイタカアワダチソウ [背高泡立草]
【学名】Solidago altissima
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:27| 東京 ☀| Comment(26) | TrackBack(6) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アカザ

アカザ Chenopodium album var. centrorubrum
2004/11/23

アカザは、古く中国から食用として渡来し、栽培されていたものが野生化したといわれている一年草です。ユーラシア原産で同じく日本にも帰化する「シロザ (Chenopodium album)」の変種で、一般に個体が若いときには、新しく出た葉が紅紫色になることや、やや葉が大きくて縁のギザギザがとがる感じがすることで区別します。

しかし、花が咲くぐらいに生長した個体では、上部の葉は幅が狭くなって「特にシロザより大きい」というわけでもないようですし、葉の赤みもなくなってきますからわかりづらいことがあります。もともと変種関係ですし、中間的なものもあるようです。そういう点では本来は「シロザ」とするべきだったかもしれません。

現在、日本各地の道ばたや畑、荒れ地などでふつうにみられます。よくシロザよりは少ないといわれていますけれど、個人的には幼植物のころでも若いアカザはよく目につくため、特に少ないという印象はありません。草丈は30cm〜60cmぐらいのものをよく見かけますが、1m以上になることもあります。

アカザ Chenopodium album var. centrorubrum
2004/12/08

花期は8月〜10月。咲き始めはまず雌しべが先に成熟して、その後から雄しべが成熟してきます。つまり雌しべと雄しべの成熟時期をずらすことで、1つの同じ花の中で雌の時期と雄の時期ができて、同じ花どうしの受粉が避けられるというわけです。花は目立ちませんが、秋には葉が紅葉しますし、果実は赤い五角形をしているので、目にとまることもあるでしょう。写真のものはまだ色づき始めの状態ですけれど。

アカザやシロザは、属は違いますがアカザ科の野菜「ホウレンソウ (Spinacia oleracea)」の仲間で、ビタミン類が豊富なため食用になるようですけれど、シュウ酸が多く含まれているそうで、大量に摂取することは避けたほうがよいのだそうです。

【和名】アカザ [藜]
【学名】Chenopodium album var. centrorubrum
【科名】アカザ科 CHENOPODIACEAE
【撮影日】2004/11/23、2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:23| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

モミジルコウ

モミジルコウ Ipomoea x sloteri
2004/11/23 わずかに残った紅葉

モミジルコウは、もとは「ルコウソウ(縷紅草 Ipomoea pennata)」と「マルバルコウ(丸葉縷紅 Ipomoea coccinea)」の交配種といわれているつる性の一年草です。ルコウソウの葉が魚の骨のように線状に深く切れ込むのに対して、マルバルコウは先端がとがったハート形をしています。モミジルコウはその中間的な葉で、モミジのように手のひら状に裂けた形をしているので、その名があります。ちょうど秋には紅葉するので、細くて小さいモミジみたいにみえます。

花期は夏〜秋。葉の脇(葉腋:ようえき)から長い柄のを出して、赤いロート状の花を咲かせます。ロート状の部分の直径は2cm〜3cmほどで、大きな花ではありませんが、赤色は濃く鮮やかなもので目につく花だと思います。

モミジルコウ Ipomoea x sloteri
2005/06/30 双葉と本葉

栽培されているものが逸出して野生化していることも多いのですが、写真を写した場所は月極駐車場の脇で、他の栽培種の姿もいくつか見えましたから、もしかすると野生化したものではなくて栽培されていたものかもしれません。だとしたら、勝手に撮影してはいけませんでしたね。すみません。

学名についてですが、属名は図鑑によってはサツマイモ属(またはイポメア属:Ipomoea)となっていたり、ルコウソウ属(Quamoclit)となっていたりします。これは、IpomoeaCalonyction(ヨルガオ属)、Pharbitis(アサガオ属)、Quamoclit(ルコウソウ属)を分ける場合とこの4つの属をIpomoeaに含める場合があるためです。

モミジルコウの学名としては、ここでは「Ipomoea x sloteri」としていますが、Ipomoea multifidaQuamoclit cardinalisQuamoclit x sloteriとなっていることもあります。

【和名】モミジルコウ [紅葉縷紅]
【別名】ハゴロモルコウソウ [羽衣縷紅草]
【学名】Ipomoea x sloteri
【科名】ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE
【撮影日】2004/11/23、2005/06/30
【撮影地】東京都日野市

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この秋といっても、もう冬ですが、これが筆者が写した唯一「紅葉」と名のつくものです。一体、何をやっていたのでしょうね。

posted by hanaboro at 11:29| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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