2004年12月07日

ウメバチソウ

ウメバチソウ Parnassia palustris var. palustris


ウメバチソウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、低山〜亜高山の湿り気のある草地に生育している多年草です。白く端正な花は夏の湿地によく似合い、とても美しいものです。ウメバチソウという名前は、花の形が家紋の梅鉢紋に似ていることからつけられたのだそうです。

上の方につく葉は柄がなく、幅の広い卵形で長さ2cm〜3cmぐらい、基の部分は茎を囲むように丸まってつくのでハート形に見えます。根もとの方にある「根生葉(こんせいよう)」は、形は同じようなものですが、やや小さく数枚が束になってつき長い柄があります。

花期は7月〜10月、長さ10cm〜30cm程度の花茎をすっと伸ばして、そのてっぺんに1つだけ真上を向いて咲きます。直径2cmぐらいの真っ白な5弁の花です。写真は蕾の状態ですけれど、周りにピラっと出ている緑のへらのようなものはガクです。ガクも5枚あります。ウメバチソウは「5」というのが基本のようで、雄しべの数も5本です。さらには、花粉を作らない仮の雄しべ(仮雄しべ)というのもあって、その数もやはり「5」です。仮雄しべは細かく15個以上に裂けて先端には小さい球形の腺体がポチっとついています。

一見白い5弁の花が開いているだけなのですが、雄しべ、仮雄しべ、雌しべは、いずれも花弁の上に突き出ているので、とても立体的な花になっています。その中央にある雌しべの下の部分はクリクリとしていますが、これは「子房」という部分で、中には後に種子になる「胚珠」が入っています。このように子房がガクや花弁より上にあるものを「子房上位」といいます。

【和名】ウメバチソウ [梅鉢草]
【学名】Parnassia palustris var. palustris
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

posted by hanaboro at 18:54| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シロヤマブキ

シロヤマブキ Rhodotypos scandens


シロヤマブキは、主に中国、朝鮮に分布する落葉小低木です。国内でも中国地方の石灰岩地などでごく稀に自生が見られるといいますが、国内の自生は貴重なもので環境省や地域ごとのレッドリストにも絶滅が心配される植物として掲載されているほどです。どちらかといえば、野生というよりは公園や庭に植えられる花木としておなじみなのではないでしょうか。

同じ科の植物で黄色い花の「ヤマブキ(Kerria japonica)」の仲間に花や葉が似ているところもありますが別属の植物です。シロヤマブキは「Rhodotypos(シロヤマブキ属)」で、ヤマブキは「Kerria(ヤマブキ属)」です。

パッと見た感じでは両者は似ているのですが、よく観察すると違ったところがたくさんあります。花に注目した場合は、ヤマブキの花弁やガクが「5枚」なのに対して、シロヤマブキは花弁もガクも「4枚」で、実もヤマブキは5個、シロヤマブキは4個です。さらに葉のつき方がぜんぜん違っています。八重咲きの品種では葉の観察の方がわかりやすいかもしれません。ヤマブキは葉が各節に1枚ずつ互い違いに「互生(ごせい)」しますが、シロヤマブキは葉が各節に2枚ずつつく「対生(たいせい)」です。

いずれもバラ科の植物なので、ヤマブキの方は一般的なバラ科の特徴を持っているといえますが、シロヤマブキの方はバラ科の中ではかなり特殊な存在です。

5月ごろ一斉に咲いて、あっという間に花を終えてしまいます。果実は花後からふくらんでそこにたくさんついているのですが、緑の葉っぱにかくれて夏の間はあまり目に入らなくなります。秋になると実が熟してまだあおい葉の間から黒くて光沢のある実が見えて、そういえば、ここにはシロヤマブキがあったんだと思い出します。

実は落葉したあともなかなか落ちずによく残っているので、冬を越え春になっても枝先に黒い実がぶら下がっているのを見ることもあります。しかし、なぜこんなにも長い期間実を落とさずにいるのでしょうか。鳥に食べてもらうのを待っているのか、より発芽に適した条件を待っているのか。。。

【和名】シロヤマブキ [白山吹]
【学名】Rhodotypos scandens
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 12:15| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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