2004年12月27日

ウシハコベ

ウシハコベ Stellaria aquatica


ウシハコベは、北半球に広く分布し国内でも日本全土に分布しています。田畑のあぜや山野の草地、林縁、河原などやや湿り気のあるところにふつうに見られる越年草または多年草です。一般的な図鑑ではだいたい「…または多年草」という記載がされています。しっかり調べたわけではないのではっきりいえないですけど、個人的にはこの草が多年草という印象ではありません。根でも掘ってみればわかるかもしれませんね。

ハコベの仲間はよく似ていてなかなか見分けにくいことも多いのですが、ウシハコベはちょっと独特なものなのでわかりやすい種類です。芽生えや幼植物での区別は難しいかもしれませんが、ある程度生長した個体ならまず間違えることはないでしょう。

花がさく前の時期なら葉や全体の感じ見ますが、「ハコベ(Stellaria neglecta)」や「コハコベ(Stellaria media)」の葉が卵形で1cm〜2cm程度で草丈も10cm〜30cmくらいなのに対して、ウシハコベの葉は長い卵形で2cm〜大きいものでは5cm以上で草丈も30cmを越えることも多く50cmほどにまでなります。とにかく全体的に大柄なんです。それで、ハコベよりも大きいことを「牛」にたとえて「ウシハコベ」とよばれています。

花があればさらに見分けやすくなります。ナデシコ科の植物ですので、花弁やガクよりも種子のできる子房が上にある「子房上位」の花です。5枚の花弁は深く2つに裂けているので10枚あるように見えます。一番注目したいのは花の中心部です。雄しべは数本あり中央には雌しべがあって下部が丸くふくらんでいまが、これが子房です。子房の先端部分を見ると、白っぽい糸状のものが5つあるのがわかります。これは花柱です。ほかのハコベは花柱の数が3本ですが、ウシハコベは5本。そのため、ほかのハコベ属とは異なる「ウシハコベ属 (Myosoton)」と分類されることもあります。

また、北海道の山地のやや湿り気のある場所では、ウシハコベにそっくりの「オオハコベ(エゾノミヤマハコベ Stellaria bungeana)」が見られますが、オオハコベも花柱の数が3本なので区別できます。

写真は、すでに花は終わって果実ができている状態です。こんな状態になっても花柱はまだ残っているものなんですね。全体的にみても枯れかけている感じですけど、葉が大きく長いことやかろうじて数えられる花柱から、ウシハコベとわかりましたよ。まあ、花柱の数の話をするのにこの写真では、説得力がありませんけれど。。。

【和名】ウシハコベ [牛繁縷]
【学名】Stellaria aquatica
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/12/24
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:48| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒナタイノコズチ

ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei
2004/12/08 傷んだ花序

ヒナタイノコズチは、国内では本州、四国、九州に分布し、道ばたや荒れ地など日当たりのよい場所に生える多年草で、都市部の空き地や道路脇でも見られます。本種は日なたに生えることが多いのですが、よく似た植物に「イノコズチ(猪子槌 Achyranthes bidentata var. japonica)」という種類があって、こちらは山野の林内などの日陰に生えることが多いため「ヒカゲイノコズチ(日陰猪子槌)」ともいいます。ただし、生えている場所が日陰か日なたかだけで、両者を区別できるわけではありません。

ポイントは3つあります。1つは花の密度と花序の太さ、2つ目は、葉の形と質感や毛の量、もう1つは果実の小苞(しょうほう)の付属体の大きさです。ヒカゲイノコズチに比べると、ヒナタイノコズチは花序が太くやや密に花をつけます。葉は特に裏面に毛が多く白っぽくて分厚い感じがします。全体的な印象としてはヒカゲイノコズチがスラッと伸びる感じなのに対して、ヒナタイノコズチはちょっとボテボテした感じでしょうか。

イノコズチの仲間の花は、簡単にいうと5枚の花びらと5本の雄しべ、1本の雌しべからできていてその外側に細長い針のような小苞がついています。特に果実があるときは、小苞を探してさらにその付属体に注目してみます。かなり小さいものですから、よく観察しないとわかりません。

ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei
2005/06/24 まだ若い株の葉

イノコズチの仲間は、結実すると実が下を向いて果序にピッタリはりつくようになります。実の長さは5mmぐらいです。もともと花の外側にあった針状の小苞が目立つようになりますが長さは4mm程度です。付属体は小苞の根もとの部分にあるごく小さなもので、半透明の膜のようなものです。この付属体がヒカゲイノコズチの場合は0.6mm〜1.0、ヒナタイノコズチの場合は0.3mm〜0.5mmです。おおざっぱに言えば、「付属体がめだったらヒカゲ」という具合でしょうか。

また、小苞はヘアピンのような形で2本ついていて、動物の毛や衣服にひっかっかりやすい構造になっています。秋の草むらを歩くとたくさんくっついてくる「ひっつき虫」のひとつです。

一番上の写真の個体は、急激な寒さで傷んだのか病気にかかってしまったのか、理由はよくわかりませんが、花序を伸ばして果実を正常に実らせる前に、枯れてしまったようです。こんな状態でもなんとか小苞や付属体が見えるもので、葉の裏の毛や生育地など総合的に見て、ヒナタイノコズチだとわかりました。

【和名】ヒナタイノコズチ [日向猪子槌]
【学名】Achyranthes bidentata var. fauriei
【科名】ヒユ科 AMARANTHACEAE
【撮影日】2004/12/08、2005/06/24
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 13:43| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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