2005年01月14日

カラスノエンドウ

カラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigra


カラスノエンドウは、本州、四国、九州、沖縄の日当たりのよい草地や道ばた、畑などにふつうに生える越年草です。秋に種子から芽生え冬を越し翌年の春に開花結実します。花期は3月〜6月ですが、パッと咲いていつの間にかなくなっているという感じで、ほぼ春のうちに一生を終える短い生活型といえます。小葉の先が3つほどに分岐した巻きひげになる一応「つる性植物」なんですが、夏のころ大繁茂するつる性植物のようにどこまでもからまって伸びていくようなことはありません。

花は葉の脇(葉腋)に1個〜3個つき、紅紫色のマメ科植物らしい蝶形花です。花が終わると長さ2cm〜5cm程度の豆(豆果)ができ、中には5〜10個の種子が入っています。豆果は熟すと黒色になって2つにさけ種子がはじき出されます。草むらで一人ごそごそやっていたとき知らないうちに触ってしまっていて、これがパチンとはじけてビックリしたことがあります。

秋も深まり冬を迎えるころには夏草はすっかり枯れ、草刈も終わると、いろんな越年草の芽生えが見られるようになります。その中に何やらマメ科らしい幼植物があるんですが、その小葉の形が何だかいろいろあってそれが同じものだと判明するまでは、少々首を傾げたくなります。

カラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigraカラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigra


葉は互生してつき、小葉が4対〜7対(枚数にすると8枚〜14枚)ほどの羽状複葉です。花が咲くころの上部につく葉の小葉は細長く幅の狭い形(狭倒卵形)ですが、幼植物のころの葉はより丸い傾向があるようです。だいたい丸っこい葉が目立つのですが、ところどころに右上の写真のように先のとがった葉が混じって見えるんですよね。これは何なんでしょうか。幼植物のときはこういう葉の形みたいですね。

検索表つきの図鑑などでは「ヤハズエンドウ」となっていることが多いようですが、一般的なフィールド図鑑では断然「カラスノエンドウ」で登場していることが多のではないかと思います。日本の野生植物の標準和名については、現段階では鳥類のように1つの学名に対して1つの標準和名を定めるというような決まりがあるわけではないので、今回は個人的により一般的だと思う「カラスノエンドウ」の方で表記しました。

「カラスノエンドウ」は、豆果が黒く熟すので「カラス」に例えてつけられ、「ヤハズエンドウ」の方は、小葉の先端が矢筈のようにくぼむところからつけられています。

また、学名は一般的な図鑑では「Vicia angustifolia」や「Vicia angustifolia var. segetalis」となっているのを見ますが、
米倉浩司・梶田忠 (2003) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/bgplants/ylist_main.html
(2005年1月14日).
によると「Vicia sativa L. subsp. nigra」が標準だとされています。こちらでは和名は「ヤハズエンドウ」となっていました。

【和名】カラスノエンドウ [烏野豌豆]
【別名】ヤハズエンドウ
【学名】Vicia sativa subsp. nigra
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:38| 東京 ☁| Comment(20) | TrackBack(1) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シュウメイギク

シュウメイギク Anemone hupehensis


シュウメイギクは、人家近くに多く見られる多年草で、古い時代に中国から観賞用として入ってきたものが野生化したといわれています。半日陰の湿り気のある場所を好む傾向があって、沢沿いや林縁部で見られるほか、石灰岩地にも生育しているといいます。

草丈は50cm〜1mほど。根元の方には長い柄を持つ根生葉がありますが、上部の葉は柄がごく短く小さくなります。その葉がつく節の部分から2〜3本枝が分かれて花茎もそこから伸びてきます。より下部から出た花茎はより長く伸び、上部から出た花茎は短いうちに開花する傾向があるのでしょうか。花茎の長さだけを見ていたら長短いろいろあるのですが、比較的同じくらいの高さで花が咲いていたりします。

秋に花が咲きキクに似ていることから「秋明菊」といいますが、キク科ではなくキンポウゲ科の植物で、花びらに見えている部分は「ガク」です。花が開く前の蕾のときも真ん丸ですが、ガクが散った後の形も真ん丸です。主だった品種の花色は白、赤紫、薄いピンク色で、ガクが幅広い一重咲きや細長いガクが30枚ほどある八重咲きなどがあります。

ガクが散った後にも残る花の中央部の丸いものは、雌蕊群です。その周りには黄色いリングをつけたようにたくさんの雄しべがあります。

シュウメイギク anemone_hupehensis03.jpgシュウメイギク anemone_hupehensis02.jpg
生育が遅かった株でしょうね。丈は30cmぐらいでしたが、開花した形跡がありました。


独特の草姿から立ち枯れていても、それとわかるものですね。

また、スプリングエフェメラルなどと称される春植物の代表種、「イチリンソウ (Anemone nikoensis)」や「ニリンソウ (Anemone flaccida)」などと同じアネモネ属(イチリンソウ属 Anemone)の植物です。シュウメイギクの花は秋ですし背丈が1mほどになるので、小さい春植物とはまったく違うイメージですが、特に白花で一重咲きのタイプなどは、花の部分だけを見るとやはり似ているところがありますね。

【和名】シュウメイギク [秋明菊、秋冥菊]
【別名】キブネギク[貴船菊]、アキボタン[秋牡丹]
【英名】Japanese anemone
【学名】Anemone hupehensis var. japonica (Anemone hupehensis)
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2005/01/01
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 13:08| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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