2005年01月26日

ベニバナエゴノキ

ベニバナエゴノキ Styrax Japonicus


エゴノキは、国内では北海道の一部、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野でよく見られる落葉高木です。樹高はだいたい5m〜8mぐらいですが、10m以上になることもあります。それなりに大きくなる木ですが、幹はそれほど太くはなりません。樹皮はだいたい紫褐色で滑らかな感じですが、ときに浅く縦にはがれていることがあるくらいで、ちょっととらえどころがないといえるかもしれませんね。ベニバナエゴノキは日本で改良されてできた園芸品種で、花はピンク色です。

葉は互生してつき、長楕円形で先の方は少しとがっています。パッと見ると葉はほとんど全縁(ギザギザがない状態)に見えますが、近くでよく見ると縁に細かいギザギザ(鋸歯)が見られることもあります。

花期は5月〜6月、小さな花を下向きに鈴なりにつけます。花冠は5つに深く裂けて花びらが5枚あるように見えます。中央部には雄しべが10本あって黄色く、ふつうの白い花冠のエゴノキの場合は特に白と黄色の対比がとても美しいものです。

ガクは杯形で先端が浅く5つに裂けていますが、鈴なりの花の裏側にあるので、下からはよく見えません。ガクがよく目につくようになるのは、花が終わった後の果期です。果実は7月ごろ膨らんで長さ1cmほどの卵形になり、色は灰色っぽいような緑色っぽいような色(灰白色)です。9〜10月には果実の表皮(果皮)が茶色になって、縦に裂け中の種子が見えるようになります。中の種子は野鳥たちには好まれるようです。ただし、果皮には「エゴサポニン」という成分が含まれていて、石鹸の代わりにしたり、麻酔効果を利用して魚を取るために使われたそうで、食用にはなりません。

写真はベニバナエゴノキの果実ですが、果実はふつうのエゴノキと特に違いはなく、長さは1cm程度、色は灰白色です。

【品種名】ベニバナエゴノキ
【和名】エゴノキ
【別名】チシャノキ [萵苣の木]、ロクロギ [轆轤木]
【学名】Styrax Japonicus (Styrax Japonicus 'Roseus')
【科名】エゴノキ科 STYRACACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市(植栽)

posted by hanaboro at 18:22| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コブシ

コブシ Magnolia kobus


コブシは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野に生える落葉高木です。樹高は10mほどまでなります。花は3月〜5月、枝先に直径10cm程度の白い花をつけます。芳香があります。花の下には若葉が1枚つきます。花弁は6枚。花の中心に近い部分は紅紫色を帯びています。ガクは3枚で花弁と同じような色や形ですが花弁より小さいです。モクレン科の植物には原始的な植物だといわれるいくつかの形質がありますが、花の構造も独特です。例えば、多数の雄しべや雌しべは花の中央部でかたまって円錐形になっていて、その部分で雄しべや雌しべがらせん状に並んでついているんです。

果実はたくさんの果実が集まってつく集合果で、秋に熟して中の種子は赤くなります。果実が裂けると中の赤い種子が見え、それが白い糸でたれ下がるという変わった形状になります。それはまた次の秋までのお楽しみです。

名前は、コブコブとした変わった果実の形、または蕾が開く前の形が子どもの握りこぶしの形に似ているということで「コブシ」とつけられたといいます。まあ、どちらかといえば、果実の形の方が近いかなとは思いますが、名前の由来について調べてみるのも、自分の目でいろいろ観察してみるきっかけにはなりそうですね。また、コブシの学名はMagnolia kobusです。種小名は「kobus」ということで、コブシの名前がそのままつけられています。

よく似た種の「タムシバ (Magnolia salicifolia)」は日本海側に多く見られますが、こちらは花の下に「1枚の若葉」というのはなくて、やや花数が少なく細身の樹形です。ただし、正直に言いますと、1枚の葉も、遅い時期に見ると、それなりに葉が展開してきてしまって、えっ?と思ってしまうこともあるんですよね。花の咲き始めのころだとこの見分け方は結構精度が高そうですけど。

冬の間見られる芽にはふつう花芽と葉芽があって、厚い鱗片に包まれています。コブシの場合、葉芽にも毛がありますが、特に花芽の毛は長い軟毛でボサボサと立っています。これに対して、ハクモクレンの花芽の毛はぺったりくっついた感じで寝ています。また、タムシバは花芽の毛はちょっと立ちますが、葉芽には毛がありません。

花が終わって、結実に成功していれば夏には果実が膨らんできますが、そのころにはすでに次の年の花芽ができています。その後、秋に落葉が始まるころにはかなり花芽の冬芽は大きく膨らんできます。ソメイヨシノよりは数日早く咲いて春の訪れを告げる花ということで、農作業の基準としている場合も多いそうです。特に東北では、「タウチザクラ(田打ち桜)」「タウエザクラ(田植え桜)」などと呼ぶそうですね。

【和名】コブシ [辛夷、拳]
【学名】Magnolia kobus
【科名】モクレン科 MAGNOLIACEAE
【撮影日】2005/01/12
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:51| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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