2005年01月28日

スイセンノウ

スイセンノウ Lychnis coronaria
2005/01/27 冬の芝生の脇

晩秋のころから春の暖かくなるまでの時期、野山で越年草や多年草の小さな芽生えや大きなロゼット葉を見ることができます。でもそれは、野山の草たちに限ったことではありません。園芸植物でも同じことで、地上に芽を出して越冬している多年草もたくさんあります。写真のスイセンノウ(Lychnis coronaria)もその1つで、その姿は、「ハハコグサ」のロゼットをかなり分厚く巨大にしてよりケバケバにしたような感じです。と書いたもののあんまり似ていませんね。。。

スイセンノウは南アフリカ原産で、園芸的な取り扱いは、秋まき一年草(越年草)、または宿根草となっています。耐寒性はあるようですが、数年たった株の場合、寒い地域では冬の間、地上部は出ているのでしょうか。種子は春まきもできますが、開花は翌年になるようです。

花期は5月〜9月、最もふつうなのは赤紫色だと思いますが、他にも白、赤、ピンク色があります。花の直径は2cm〜3cmくらいで、枝の先につきます。花弁は5枚です。特に、赤紫のタイプは、白い葉や茎とのコントラストがとても鮮やかなものです。草丈は50cm〜70cmほど。花が終わり、果実がすっかり熟して茶色になったころ、茎をゆするとカシャカシャと音がします。筒を逆さにして掌の上で軽くたたくようにすると、中から細かい種子がたくさん出てきます。

ナデシコ科センノウ属の植物で、同属の植物は北半球の温帯から寒帯に30種ほどが知られていて、そのうちの数種が日本に自生しています。例えば、「フシグロセンノウ(Lychnis miqueliana)」、「マツモトセンノウ(Lychnis sieboldii)」、「センジュガンピ(Lychnis gracillima)」などです。センノウ属の花は子房がガクや花弁より上につく「子房上位」の花で、ガクはくっついて(合着して)筒状になります。花柱は5つあって果実は5つに分かれます。というように、「5」というのが基本となっていて、図鑑などでは「花は5数性」などと書いてあります。

また、ここでは、「センノウ属 (Lychnis)」としましたが、「シレネ属 (Silene)」に分類され、学名は「Silene coronaria」とされることも。

スイセンノウ Lychnis coronaria
2005/04/30 春の河原

乾燥には強く、意外と都市部の月極駐車場の脇などでもよく咲いています。原産地では岩場などの乾燥気味の場所に多いようです。一度生えると、こぼれダネからふえることも多いです。どちらかといえば、手をかけすぎて水のやりすぎで根ぐされして枯れることがあります。

全体が白い毛で覆われていてビロードのような感触があることから、フランネルという布のようだということで、「フランネルソウ」とも呼ばれます。子ども時代を過ごした家の裏庭には一時期、スイセンノウがありました。特に関連はないのだと思いますが、この花が咲くころ、近くを「アカビロードコガネ」がよく飛んでいました。小さいけど触るとキシキシいって、オレンジ色の独特の光沢のあるコガネムシ。まだ幼なかったわたしは、大人たちがビロードといっているのが、虫のことなんだか花のことなんだか、その後何年もの間ゴチャゴチャになっていましたけど、名前としては虫の方でしたね。

【和名】スイセンノウ [酔仙翁]
【別名】フランネルソウ、リクニス
【英名】Mullein pink
【学名】Lychnis coronaria (Silene coronaria)
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/01/27、2005/04/30
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:46| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スイカズラ

スイカズラ Lonicera japonica


スイカズラは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の道ばたなどでふつうに見られる半落葉性のつる性の木本です。花の筒の奥の方には蜜があってそれを吸うと甘く、つる性のカズラということで「吸葛」という名前になったといいます。

葉は対生し、花が咲くころは長さ5cmくらいの長楕円形です。しかし、季節によっては葉の形がよく変化するので、とても同じスイカズラだとは思えないほどで、ビックリさせられます。冬が近づくと葉を落としますが、完全に落葉するわけではなく、ポツポツと枝先に芽をつけて越冬します。越冬中の葉は色が濃くちょっと内巻き気味で、形は花が咲くころとあまり変わりませんが、やや小さく引き締まった感じです。冬の状態は比較的スイカズラとわかりやすいです。春には切れ込んだり、切れ込まなかったり、いろんな状態の葉が出てくるので、よくわからなくなりますが、何か意味があるのでしょうかね。

写真は地面近くに横たわっていた蔓にあった越冬中の葉ですが、表にも裏にも細かい毛がたくさん生えていて、特に葉脈上や縁の毛はよく目立っていました。主脈は赤みを帯びていて、たまたま葉がぬれていて、何となく寒い冬を耐え忍んでいるように見えました。冬でも茎の先の葉が残ることから、中国名は「忍冬(にんどう)」といいます。

花は5月〜6月、枝先の葉の脇(葉腋)に2つつきます。花は咲き始めは白色なんですが、しだいに黄色に変化します。そのため「金銀花」と呼ばれることもあります。

長さ3cm〜4cmの細長い筒状で、花冠の先はまず大きく上下2つに裂けていて、さらに上は先端が浅めに4つに裂けています。下は細長く線形で一枚ペローッと垂れ下がっている感じです。5本の雄しべと1本の雌しべが、花の前方にバッーと突き出ています。このように上下に2つに裂けることを、「唇状に裂ける」といったりします。シソ科やゴマノハグサ科の植物などを図鑑で調べるとでは、よく「唇形花」という言葉が出てきます。ふつうスイカズラよりは裂け方は小さいですが、やはり大きく上と下に2つに裂けます。

また、スイカズラはタテハチョウ科のイチモンジチョウの食草だそうで、葉を巻いてその中で幼虫が越冬するそうなんですが、今なら見つかるかなと思ったんですが、その姿はまだ見たことがありません。人の手がよく入るようなところではダメなんでしょうか。

【和名】スイカズラ [吸葛]
【別名】キンギンカ [金銀花]、忍冬
【学名】Lonicera japonica
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/01/27
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 13:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。