2005年02月25日

シナノヒメクワガタ

シナノヒメクワガタ Veronica nipponica var. shinanoalpina


シナノヒメクワガタは、本州中部の主に中央アルプスや南アルプスに分布していて、高山帯の草地や礫地に生育する多年草です。草丈は10cm〜20cm程度です。葉は長さ1cm〜2cmあるかなってぐらい、幅は1cm程度の卵形、縁の鋸歯は鈍いギザギザです。2枚対生する様子は、全体的に整った印象を与えます。

花期は7月〜8月、色は淡い青紫色で、茎の先の短い花序に数個咲きます。花(花冠)は5mmちょっとぐらいで4つに深く裂けるので、花びらが4枚あるように見えます。

「ヒメクワガタ (Veronica nipponica)」とよく似ていますが、その違いは果実の形にあります。どちらも長さ6mm程度の平べったい楕円形で、ヒメクワガタの果実は先端部分の中央ががちょっとへこんでいますが、シナノヒメクワガタの果実は、先端がほとんどへこまないのです。写真では、花序がかなり長く伸びて、すでに果実の部分も茶色くなっていて、「○○クワガタ」の由来ともなったガク片ももうほとんど原型をとどめていない状態でしたが、一番下の方の果実では何とか先がへこまないという特徴を確認することができました。

【和名】シナノヒメクワガタ [信濃姫鍬形]
【学名】Veronica nipponica var. shinanoalpina
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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タカネツメクサ

タカネツメクサ Arenaria arctica var. hondoensis


草丈が低く白い5弁の花を咲かせ、本州中部や北海道などの高山帯に生えるナデシコ科の植物はたくさんあって、花だけを見ているとどれもよく似ているので、名前を調べるのがなかなか難しいことがあるかもしれません。そういう場合は、花も大事ですが、葉の形や全体的な姿をとらえると、ある程度いくつかの候補に絞られます。今回の場合だと、「タカネツメクサ」と「ミヤマツメクサ」あたりに絞られます。ここまでは、そう大変ではありませんが、ここから先は細かいところを見ていくことになるので、ちょっと大変です。それにここの写真では、ほとんど何もわかりません。

とりあえず、両者の区別点を簡単にまとめると、

葉の脈葉の毛の様子種子の突起
タカネツメクサ葉は1脈葉の基部に毛があるか、ほとんど無毛種子には突起がなく平滑
ミヤマツメクサ葉は3脈縁に毛がある種子の周囲に長い突起がある

これらのほかに、分布域から考えると、「タカネツメクサ」の可能性が高いのですが、今回唯一まともに使えそうな形質の葉の毛について注目すると、無毛のものもあれば、比較的葉の先のほうまで毛があるものなどが混じっていて、そう簡単には決められませんでした。ただし、どう見ても3脈あるようには見えませんので、とても苦しいですがそれを決め手としました。

タカネツメクサは、主に本州中部の高山帯の岩場や砂礫地に生育する多年草です。根もとからよく分枝して、岩の隙間などにへばりつくようにマット状に広がるので、生育地では、大小いろんな塊があちこちに見られます。花期は7月〜8月ですが、8月も20日も過ぎればほとんど花は終わっています。花弁は白色で5枚、花の直径は1cmほど。緑色のガク片も5枚あって、花弁よりは短く半分ほどの長さです。写真では、花弁は色あせて縮れたものがところどころ残るのみですが、ガク片は花の後閉じてきて果実を包み込みます。

葉は細長い線形、脈は1脈、長さは5mm〜2cm程度、幅は1mmあるかどうかというぐらい細いです。花のない枝(無花枝)につく葉には、特に付け根の部分に腺毛が生えています。花のつく枝(有花枝)につく葉は多くの場合無毛ですが、花柄やガク片の外側には腺毛が密生しています。

この仲間の植物は、何だか潮臭いというか魚臭いというか、そういう独特のにおいがします。そのにおいがするのは花ではありませんが、そのことや写真を写すことに気をとられていたからなのか、その他のことが理由だったのかは別にして、筆者が種子の様子を観察していないことは秘密です。

【和名】タカネツメクサ [高嶺爪草]
【学名】Arenaria arctica var. hondoensis
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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2005年02月24日

マルバダケブキ

マルバダケブキ Ligularia dentata


マルバダケブキは、本州中部以北の主に太平洋側と近畿や中国や四国の一部に分布し、山地〜亜高山の日当たりのよい草地や林縁部に生育する多年草です。草丈は40cm程度〜1mちょっとぐらいですが、根もとから生える葉(根生葉)や花序が大きいので、草丈以上に迫力を感じることがあります。

根生葉は、長さも幅も20cm〜40cmほどもある大きく丸い腎円形で、表面にはちょっとテカテカした光沢があって、縁にはちょっと粗めのギザギザ(歯牙)があります。おなじみの「フキ(蕗)」のような形の葉で40cm以上もあるような長い葉柄があります。

花期は7月〜8月で、花(頭花)は、2個〜数個が散房状(さんぼうじょう)につきます。「散房状」というのは、たくさんの花が散房花序のようについている状態のことです。そして、「散房花序」では、長い花柄(花軸)にさらに柄のある花がたくさんつきますが、より下の花の柄が長くて、より上部の花の柄が短いので、花がちょうど同じくらいの高さで咲きそろいます。マルバダケブキもその散房花序のように、数個の花がだいたい同じくらいの高さで咲きます。

花の色は濃い黄色で、いわゆる花びらに見える舌状花は10枚ほど、やや後ろに丸くカーブするように反り気味になっていることが多いです。直径は8cmくらいになるのでかなり大型です。比較的オーソドックスなキク科植物の花に見えますが、ちょっと独特なのは、その花の下の部分の「総苞」です。マルバダケブキの総苞は濃い紫褐色をしていて、そこには10枚前後の細長い総苞片がぴったりくっついて並んでいます。といっても、写真にはちゃんと写ってはいませんけど。

「大きな丸い葉と紫褐色の総苞」という組み合わせで覚えておけば、同属の「トウゲブキ (Ligularia hodgsonii)」などと区別できると思います。もっともトウゲブキの頭花の柄にはすごく目立つ苞葉があるので、花があれば見間違うことはないかもしれませんね。

学名の「Ligularia」はメタカラコウ属、つまりマルバダケブキが分類されている属の学名で、「ligula」は「舌」という意味なのだとか。「dentata」は「歯の」という意味で、葉の縁に歯のようなギザギザ(歯牙)があるところからきているそうです。また、別名は「マルバノチョウリョウソウ」となっているのですが、この植物をこの名前で呼んでいる人にまだ出会ったことがありません。

【和名】マルバダケブキ [丸葉岳蕗]
【別名】マルバノチョウリョウソウ
【学名】Ligularia dentata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/08/26
【撮影地】長野県長谷村

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ヒヤシンス

ヒヤシンス Hyacinthus orientalis


ヒヤシンスは、20cm〜30cmほどの草丈で、甘いかおりのあるロウ細工のような花を穂状につける、おなじみの秋植え球根ですね。鉢植えや庭植えのほか、水栽培にも適していて、きっと子どものころ学校でみんなで育てた経験ある方も多いのではないかと思います。あの紫色っぽい玉ねぎのような球根(鱗茎)から、あんなに根がたくさん出て、あんなに派手な花の塊が出てくるなんて、すご〜い!と思ったものです。

同じ属の仲間は、主に地中海沿岸〜中央アジアに30種ほどが知られています。現在ふつうに見られるヒヤシンスは、もともとはギリシャ原産の「Hyacinthus orientalis」を改良したもので、日本に入ってきたのは1800年代後半、江戸時代末期のことだったそうです。現在、ヒヤシンスの品種は「ローマンヒヤシンス」と「ダッチヒヤシンス」という2つの系統に大きくわけられていますが、園芸品種として栽培されているのは、花の美しいダッチヒヤシンスの方が多いということです。ダッチヒヤシンスの方が、より大きな花がたくさん密につきます。

花色は白、ピンク、赤、黄、紫、青など、どちらかというと強烈なイメージでしたが、最近では、「シティーオブハーレム」とか「ジプシークイーン」など、オレンジやクリーム色の中間的なやや淡い色合いのものも見かけますね。逆に「ウッドストック」のような真っ赤なものや豪華な八重咲きもあって、正直もう覚えきれません。

ふつう、ヒヤシンスの球根は自然に分球しにくいので、ふやしたい場合は球根に傷をつけるといいます。しかし、一番上の写真のものは、どうやら勝手に分球してたくさんの芽が密集して、1つ1つの芽が小さくなっています。今のところ、まだ蕾は見えていません。

ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
2005/01/20 撮影
ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
2005/02/22 撮影


左は、ほぼひと月前の状態です。まだ、地面からようやく先が出てきたところですね。多肉植物を思わせるような分厚い芽の先には、独特のツヤツヤとした光沢があって何ともいえない形状です。植えてある場所は、とある広場の花壇なのですが、特に霜よけなどの対策はされていませんから、その後、ちょっとだけ雪がふったり、霜が降りたりで、芽の先は次第に傷んでしまったようです。葉は肉質の幅の広い線形で、長さは20cm程度。球根から叢生(そうせい)します。「叢生」というのは、茎や葉などが、地ぎわから束のように集まって出ている状態のことです。右の写真では、叢生している葉の先は傷んでしまったものの、中央からはちゃんと蕾がのぞいています。花開くまで、あともうちょっと。

【一般名】ヒヤシンス [風信子]
【学名】Hyacinthus orientalis
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/02/22
【撮影地】東京都日野市

■Trackback
はなだより」さんの「4年もののヒヤシンス」にトラックバックさせていただきます。濃いピンクのヒヤシンス「ヤンボス」が紹介されています。同じ植物を長く育てることの素晴らしさが感じられます。

posted by hanaboro at 13:10| 東京 ☁| Comment(10) | TrackBack(4) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月23日

セイヨウベニカナメモチ

セイヨウベニカナメモチ Photina glabra x Photinia serratifolia


セイヨウベニカナメモチは、中国産のオオカナメモチとカナメモチの雑種といわれていて、「レッドロビン」という品種名で呼ばれることもあるようです。

ここで、まずよくわからないのは、「ベニカナメモチ」という名称です。これは、カナメモチの中でも特に新芽が赤く美しいもののことをさしているのでしょうか。カナメモチの別名としては、「アカメモチ」と「ソバノキ」があがっているだけで、ベニカナメモチは特に別名とはなっていないようです。ベニカナメモチにはどの学名を当てたらよいのでしょう。Photinia serrulataとなっているものもありますが、この学名は「オオカナメモチ」の学名あるいは、その異名となっていることもあります。

ただ、今回の写真のものは葉の大きさと形が違うので、「オオカナメモチ」ではないと思います。「オオカナメモチ」だったら、葉の幅がもっと広くてやや葉の上部に一番幅の太くなる部分があって、さらに葉の基部が丸みを帯びているはずですが、写真のものはそうなっていませんでした。

写真は公園の生垣に植えられていたもので、「ベニカナメモチ」というものが、植栽に不向きで関東では現在、あまり植栽されていないという背景と、やや鋸歯が目立つという点から「レッドロビン」なのかもしれません。しかし、これだけでは「ベニカナメモチ」である可能性を否定できません。関東では不向きで少ないそうですが、西日本では「ベニカナメモチ」もよく植栽されているといいますし、なかなか難しいですね。

となると、今度は、「カナメモチ」との違いを見なければなりません。カナメモチは、東海以西、四国、九州の山地に生える常緑小高木で、高さは5m〜10mほどになります。葉の質がやや堅めで、新芽の色は赤くなるかまたはほんの少し赤みを帯びる程度。葉の大きさは小型で、葉の縁の鋸歯もおとなしめです。こうしてみると、どの形質も簡単に見分けられそうにありません。

カナメモチ Photina glabra x Photinia serratifoliaカナメモチ Photina glabra x Photinia serratifolia


2月中旬〜下旬、ここ関東では、新芽はところどころ伸びたものもありますが、まだ赤い芽の状態のものが多いようですね。

今回は、レッドロビンだろういう思い込みから書き始めましたが、書いているうちにだんだん、「ベニカナメモチ」または「カナメモチ」ではないかと思い当たる点がチラホラと。。。レッドロビンにしては葉が小さいし鋸歯は鋭いというほどでもないと思えてきました。と、まあ、こんな感じではっきりしないんですよね。

【追記】2005/03/08
その後、「カナメモチ」と「レッドロビン」の違いはわかりました。葉柄を見て、そこに茶色っぽい点々があったら「カナメモチ」です。この点々は、葉の縁の鋸歯が葉柄にも現れたもので、「レッドロビン」にはその点々がないのだそうです。それで、この時期の写真のものは、葉柄の点々がなかったので、「レッドロビン」の可能性が少し高くなりました。

【和名】セイヨウベニカナメモチ [西洋紅要黐]
【品種名】レッドロビン
【学名】Photinia glabra x Photinia serratifolia
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月22日

タムラソウ

タムラソウ Serratula coronata var. insularis


タムラソウは、本州、四国、九州の日当たりのよい山地の草原などに生える多年草です。花期は8月〜10月。キク科の植物ですが、花(頭花)にはいわゆる花びらに見える舌状花はなく、すべて筒状花で、一番外側の筒状花は特に細く雄しべや雌しべを欠いています。直径3cm〜4cmにもなる花冠は赤紫色、総苞には瓦のように重なった総苞片があります。総苞は幅の広い卵形でボッテリした感じ、総苞片の先は糸のように細くなっています。

花だけを遠目から見ると、アザミ属(Cirsium)の植物によく似ていますが、同じような環境に生えていて上向きに花をつけるアザミ属はそう多くはありません。だいたい思い当たるのは、ノアザミとノハラアザミあたりではないでしょうか。そのあたりとの違いを押えておけば、よいと思います。葉を見れば一目瞭然で、タムラソウの葉にはトゲがありません。羽状複葉の切れ込みも深く、質が薄くて、湾曲する感じがあって、ちょっと力なく垂れ下がるように見えることがあります。

遠めに花を見た場合だと、タムラソウの上部はよく分枝します。アザミ属の花冠が整った形であるのに対して、タムラソウの花冠は咲き進むにつれてボサボサ感が出てきます。また、アザミ属のように冠毛が羽毛状にならないし、ノアザミやノハラアザミよりは草丈がちょっと高めです。大きいものでは1.5mくらいになります。見慣れてくると、その立ち姿が違うので、似ているようには見えなくなるかもしれません。

あっ、いろいろ書いてますが、写真ではよくわかりませんね。花は終わっていて、総苞、花冠ともに茶色になっていますから。撮影地は、標高1000mちょっとの草原なんですが、9月下旬でもうすでにこんな状態でした。アザミ属ならこんなに茶色になってくると、すでにモワモワと冠毛(綿毛)つきの種子がわきでているんですが、写真では見当たりませんよね。

撮影中、雷鳴が次第に近づいてきて、この後、筆者は大雨にあって、ずぶ濡れになるのでした。。。

【和名】タムラソウ [田村草]
【学名】Serratula coronata var. insularis
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

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ウメハタザオ

ウメハタザオ Arabis serrata var. japonica f. grandiflora


ウメハタザオは、一般的な図鑑を見ると、「フジハタザオの変種のイワハタザオの高山型」となっていて、本州の東北〜中部の一部の高山に分布するとされています。「
フジハタザオ (Arabis serrata)」は、名前のとおり富士山の砂礫地に生える草丈10cm〜20cmほどの多年草です。長さ2cm〜3cm、幅は1cmに満たないくらいの根生葉をロゼット状に広げますが、この根生葉の縁のギザギザ(鋸歯)がやや深めです。ウメハタザオでは鋸歯が浅めになります。「イワハタザオ (Arabis serrata var. japonica)」は、本州中部以北の山地帯に生育しています。草丈は30cm〜40cmと大きめで、葉の鋸歯はフジハタザオよりは浅めです。

フジハタザオの仲間はとても変異が多くで、他にも種内分類群がいくつも記載されています。東北地方の一部には「イワテハタザオ (Arabis serrata var. japonica f. fauriei)」、北海道と東北の高山帯には「エゾイワハタザオ (Arabis serrata var. glanca)」が生育するとされています。ただし、これらを広く取り扱うか、細かく分けるかについては、いろいろと見解の分かれるところかもしれません。

ところで、今回の写真は、果たしてどうなのか。花も実もない状態で、同定するのはなかなか大変で、わざわざ名前を調べなくてもいいのでしょうが、まあ、どうにかやってみることにします。こういう場合はかなりの度合いで、既存の図鑑の記載されている分布域を信用することになります。あとは、生育環境を見たり、葉だけしかないのでじっくりと葉を観察するのみです。

撮影地は南アルプス北部の標高3000m付近の岩場です。そこで、葉の形に注目すると、真ん中より先の方にちょっと鋸歯があります。根生葉が岩にへばりついてこんな形をしていたら、ユキノシタ科の「クモマグサ」を思い浮かべるのですが、南アルプスには記録がないようです。それによく見ると葉の表面が高山帯のアブラナ科っぽいザラザラとした感じがあります。このザラザラ感は、ハタザオ属の大きな特徴でもあって、毛が放射状にいくつも分かれて星の形に見える「星状毛」、先が2つに分かれた「二分岐毛」、それにふつうの毛「単純毛」が茎や葉の両面に密生しています。クモマグサの場合はもっと肉質で、縁に腺毛が生えていますが表面には少なくもっとツルツル感があります。

そこで、高山性のアブラナ科植物にターゲットを絞りますが、これだけではまだ、たくさんの種類が候補にあがってしまいます。検索表から行ってもよいのですが、どうしても観察できる形質が足りなくなりるので、図鑑の写真と1つ1つ見比べていくことにします。分布域に頼る部分も大きくなりますが、もう仕方ありません。それで、何度もページをめくっているうちに、フジハタザオ付近に到達したわけです。そうすると、分布域と生育地から、「ウメハタザオ」だろうということに落ち着きました。ただし、これはいい加減なものでとても苦しい同定ですから、参考にはなりませんね。

【和名】ウメハタザオ [梅旗竿]
【学名】Arabis serrata var. japonica f. grandflora
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE
【撮影日】2004/08/26
【撮影地】長野県長谷村

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2005年02月21日

コメバツガザクラ

コメバツガザクラ Arcterica nana


コメバツガザクラは、国内では北海道と本州の東北〜中国山地に分布し、亜高山〜高山の砂礫地や岩の隙間などに生える常緑低木です。葉は長さ1cmあるかどうかというくらいで、2枚対生するか、3枚輪生します。ほぼ岩場にはりついた状態で丈は低く、高さは数cm〜10cmくらいです。葉の中央の主脈が下にくぼんでいるので、中央にまっすぐ1本筋が入っているように見えます。小さい長楕円形の葉は、本当にお米の粒のようです。また、葉の先を見るとごく小さい黄色い腺がわずかに見えることがあります。

コメバツガザクラ Arcterica nanaコメバツガザクラ Arcterica nana


花期は6月〜8月、ふつうは3つずつ組になって咲きます。花が咲いているときは、下向きですが、果実の時期には写真のように、上を向きます。花の色はほとんど白色で、長さは5mmくらい、先が浅く5つにさけて少し開くか、心もち反り返り気味になりますが、裂けた部分の元のところでは細く締まったおちょぼ口のつぼ形です。果実はほぼ球形ですが、上の部分がちょっと平らになっています。そして、果実の中央からは、まっすぐ棒のようなものが1本立っていますが、これは「花柱」です。

花があれば見間違えることはないと思いますが、生育環境もほとんど同じで、葉だけの時期によく似ているのは、「コケモモ (Vaccinium vitis-idaea)」と「ミネズオウ (Loiseleuria procumbens)」ではないでしょうか。コケモモは、ふつうはコメバツガザクラより葉が大きめで表面の光沢が強めです。ミネズオウは、対生でより細身の葉です。

【和名】コメバツガザクラ [米葉栂桜]
【学名】Arcterica nana
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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posted by hanaboro at 18:28| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タテヤマキンバイ

タテヤマキンバイ Sibbaldia procumbens


タテヤマキンバイは、国内では北海道の一部、本州中部の一部に遺存的に分布し、高山帯の砂礫地などに生育する多年草です。ほとんど地面や岩の隙間にへばりついたよう草姿なので、丈はごく低く1cm〜高くなっても10cm程度です。

葉は3つの小さな葉(3小葉)からなっていて、小葉1つ1つの形は倒卵形(卵の幅の広い方を上にしたような形)で、先には3つまたは5つのギザギザ(鋸歯)があります。小葉の長さは5mm〜大きいもので2cmほど。写真では、まったくわからないのですが、もっと若い時期の小葉をよく見ると、葉先の鋸歯の先端がほんの少し赤くなっていることがあります。そこには、赤い腺があります。葉の色は、やや灰色っぽいような緑色で、葉の両面と縁には寝たような毛が生えています。

花期は7月〜8月、花の色は黄色、直径は1cmに満たないくらいの小さなものです。黄色の花弁よりも緑色のガク片の方が長く大きくて目立ちかもしれません。さらに、花弁の真下にも小さいガク片があって、それは目立つガク片よりもかなり幅が細いものです。その小さい方のガク片は、「副ガク片」といって、色はガク片と同じ緑色です。花弁もガク片も副ガク片もいずれも5枚ずつあります。

バラ科やキンポウゲ科の植物には、いわゆる高山植物と呼ばれるものの中で「○○キンバイ」と名のつく種類がいくつかあります。例えば、バラ科の「ミヤマキンバイ」、キンポウゲ科の「シナノキンバイ」などですが、いずれも鮮やかな黄色の花で、夏の高山を華やかに彩ります。それに対して「タテヤマキンバイ」の花はとても小さく控えめなものです。しかも、8月下旬ともなれば、写真のように、花茎はすっかり茶色くなってしまっていました。いろいろと花の様子など書いていても、これではさっぱりわかりませんね。

【和名】タテヤマキンバイ [立山金梅]
【学名】Sibbaldia procumbens
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/08/26
【撮影地】長野県長谷村

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2005年02月19日

キンコウカ

キンコウカ Narthecium asiaticum


キンコウカは、北海道と本州中部以北の低地〜高山の湿原に生える多年草です。地下茎が長く伸びてふえるので、しばしば群生し、花時期には湿原を黄色に染めるほどです。名前は鮮黄色の花の色からきています。葉は長さ10cm〜20cmほど、花茎は20cm〜30cmくらいです。花期は7月〜8月で、花茎の上部の総状花序にたくさんの花をつけます。花のついている花序の部分の長さは10cmほど。花はふつう花序の下の蕾から開いて上へと咲き進みます。星の形のように見える1つ1つの花の直径は8mm程度です。

いわゆる花びらに見える部分は、「花被片」で6枚、外側の中央に縦に緑色の帯のようなものが見えます。それで、蕾のときは黄色というより緑色に見えるかもしれません。雄しべ(花糸の部分)には縮れた毛がたくさん生えているので、雄しべがかなり太く見えます。花の中央部を見ると、細長くて先がとがったものがツンと突き出ていますが、これが雌しべで、緑色をしています。

写真は、すでに花の最盛期を過ぎている状態です。花被片の色は、黄色ではなく下半分が緑色、先のほうがオレンジ色という感じです。咲き始めのころはちょっと褐色を帯びた葯(花粉のあるところ)や花糸の毛が目立っていた雄しべも、まだ残ってはいるもののほとんど目立ちませんでした。それとは対照的に雌しべの方は、基部がだいぶ丸く膨らんでいました。

細長い剣状の葉は、秋には葉先の方からオレンジ色に紅葉して、静かに湿原の秋を彩ります。

【和名】キンコウカ [金光花、金黄花]
【学名】Narthecium asiaticum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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ダイコンソウ

ダイコンソウ Geum japonicum

2005/02/13 撮影

ダイコンソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林床や林縁、道の脇の草地などに生える多年草です。全体に軟毛が密生しています。草丈はだいたい30cm〜50cmくらいで、大きいものでは80cm程度です。

上の写真のようにロゼット状に地面に葉を広げて越冬しますが、この根生葉の形が「ダイコン」の葉に似ているということで、「ダイコンソウ」という名前がついています。ダイコンはアブラナ科の植物で、ダイコンソウはバラ科の植物ですし、根生葉が羽状複葉になっているとはいえものすごく似ているというわけでもありません。ただ、見立ててそう呼ばれているということなので、わざわざ「似ていない!」と目くじらを立てるほどでもないでしょう。

さて、このダイコンソウのロゼットですが、ダイコンに似ているかどうかは置いといて、この形や色は非常に独特です。似ている植物はそうはないので、一度、覚えてしまうと、結構目に入ってくるようになると思います。羽状複葉1枚の長さは10cm〜20cmほどで、一番てっぺんの小葉(頂小葉)が特に大きくて丸くなっています。途中についている小葉は「側小葉」といって、頂小葉よりもずっと小さく大きさも大きいものや小さいものなどがあって、一定しません。縁のギザギザ(鋸歯)もちょっと不ぞろいで鈍いギザギザです。色は特に冬の間は濃く暗めの深緑で、縁などは紫褐色の縁取りが見られることもあったり、葉脈が白っぽく光ったようになっていて、よく目立ちます。

ダイコンソウ Geum japonicum
2004/09/16 山梨県
ダイコンソウ Geum japonicum
2005/12/13 東京都


北海道や本州中部以北には、「オオダイコンソウ (Geum aleppicum)」というよく似た種類も分布していますが、オオダイコンソウのわかりやすいチェックポイントとしては、根生葉の小葉の先がとがること、葉の縁のギザギザがより鋭いこと、果実(集合果)の形が楕円形になることなどがあげられます。これで、だいたい区別できると思います。

花期は6月〜8月、花は直径1.5cm〜2cmの黄色の5弁花です。花の中央部はにぎやかで、雄しべや雌しべがたくさんあります。雌しべの先の花柱の部分にはカクッカクッと折れ曲がった部分があって、花の終わりごろには折れ曲がった先がなくなってしまいます。それで、先がカギのようになった果実ができるわけです。雌しべの下の部分は「花托(かたく)」といいますが、そこには長くて目立つ毛がたくさん生えていて、果実となった後にも毛が残ります。

果実は花の中央部にたくさん集まってできるので、集合果となりますがその輪郭は円形で、楕円形になるオオダイコンソウとは違う点です。花柱の花後にも残っている部分には腺毛がまばらにあり、先もカギ状になっているので、いわゆる「ひっつきむし」になる果実というわけです。

【和名】ダイコンソウ [大根草]
【学名】Geum japonicum
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/09/16、2005/02/13
【撮影地】山梨県山中湖村、東京都多摩市

■当ブログ内関連記事→ミヤマダイコンソウ

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2005年02月18日

シラカシ

シラカシ Quercus myrsinaefolia


シラカシは、国内では本州の福島県以西、四国、九州の山地に生え、高さ20mほどになる常緑高木です。葉は長さ10cm内外で、縁のギザギザ(鋸歯)は上半分にあって浅めです。形は幅の狭い長楕円形で、「アラカシ」よりも幅は少し狭めで細長く、先がとがります。葉の裏面は白っぽくなるので、名前はそこに由来すると思ってしまいますが、じつは、名前は「材が白っぽい」ということからきているのだそうです。

シラカシ Quercus myrsinaefoliaシラカシ Quercus myrsinaefolia


樹皮には深い裂け目はなく若いときはほとんど滑らかです。古木になると少し縦の筋や横の縞模様が見られます。色は生育環境や樹齢でも様々ですが、あえていうなら、黒っぽいような灰色っぽいような感じ、若いときはやや緑っぽいです。

枝の先には3個〜5個くらいの茶褐色の芽がかたまってついていましたが、2月中旬の段階では、まだ少しかためでした。

花は4月〜5月、その年の秋には堅果という果実が熟します。シラカシの堅果は、いわゆる「ドングリ」で、長さ1.5cmほどの球形か幅の広い楕円形です。ドングリの帽子の部分は「殻斗(かくと)」といって、シラカシの場合は、6個〜8個の環があります。

【和名】シラカシ [白樫]
【学名】Quercus myrsinaefolia
【科名】ブナ科 FAGACEAE
【撮影日】2005/02/13
【撮影地】東京都多摩市

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アラカシ

アラカシ Quercus glauca


アラカシは、本州、四国、九州、沖縄の山野に生え、高さ20mほどのなる常緑高木です。樹皮の色は、灰褐色〜暗灰緑褐色という、ちょっと表現しにくい色です。若い木の場合だと滑らかで黒っぽい樹皮ですが、古い木になってくると表面が少しデコボコしてきます。

花は4月〜5月に咲き、その年の秋には長さ1.5cmくらいのずんぐりとした、いわゆる「ドングリ(堅果)」ができます。ドングリの帽子の部分は、「殻斗(かくと)」といいますが、アラカシの場合、殻斗には6個か7個の環があります。

アラカシ Quercus glauca


常緑樹ですが、春の花の時期に新葉を広げるアラカシは、春を前にした2月中旬、茶褐色の鱗片でおおわれた長さ1cmほどの新芽がよく目立つようになりました。春に新しい葉が展開した後は、古い葉は落ちてしまいます。まるで落葉樹のようで、葉の寿命は1年間です。

アラカシ Quercus glauca
葉裏は粉白色
アラカシ Quercus glauca
傷んだ葉(表面)


葉は長さ10cm内外の長楕円形で、互生します。葉の先端はやや急にとがる感じで、縁のギザギザ(鋸歯)は、葉の上半分にあって少し粗めのギザギザです。写真に写っている葉は、もう傷んだ葉なのでよくわかりませんが、表面は光沢のある緑色です。裏面は粉をふいたように白っぽくなっています。

樹木の撮影はまた大変です。葉っぱのあるところまで、背が届かないんだ。

【和名】アラカシ [粗樫]
【別名】クロガシ
【学名】Quercus glauca
【科名】ブナ科 FAGACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月17日

クサギ

クサギ Clerodendron trichotomumクサギ Clerodendron trichotomum
2005/02/15 撮影 

クサギは、国内では北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布する落葉小高木です。名前の由来は、枝を切ったり葉をもんだりすると、独特のくさい臭いがあるところからきています。その臭いのイメージとは対照的に、先が5裂した白っぽいプロペラのような花や、赤と黒のコントラストも鮮やかな羽根つきの羽根のようなユニークな実は、とても人目を引くものです。

とはいうものの、今回はクサギのもっと地味な部分を見てみます。上の2つの写真は、冬の時期のクサギの冬芽の部分です。枝の色は紫褐色で、まばらに縮れた褐色の毛が生えています。冬芽は今のところまだ、小さいのでわかりにくいのですが、芽鱗(がりん)はなく芽はむき出しになっています。つまり、「裸芽(らが)」なんです。冬芽の色は茶褐色、角の丸い三角形で縮れた毛に覆われています。

上の写真に写っているのは、てっぺんの頂芽ではなく、枝の途中から出ている「側芽」です。その側芽の下の部分に注目すると、丸いハート形のようなものが見えます。これは「葉痕」といって、葉がついていたあとです。葉痕は枝からちょっと突き出たような状態で残っています。さらに葉痕をよく見ると、Uの字を描くように点々がついています。これは「維管束痕」です。葉は落葉してなくなってしまっても、葉がついていた痕跡や、葉と枝の間を水分や養分などが行き来する通り道は、こうして残っているわけです。

クサギ Clerodendron trichotomum
2004/12/30 撮影
クサギ Clerodendron trichotomum
2005/02/15 撮影


クサギは、花は主に夏に咲いて、秋には果実が見られるようになります。その果期にも残って赤くなる部分は「ガク」です。2004年の年末ごろまでは、まだ黒っぽい果実も赤いガクも残っていました。しかし、2月中旬の現在は、果実はなくなってしまい、ガクだけが茶色くなって残るのみ。このガク、かなり肉厚なものですね。

しかし、クサギの葉痕…源氏パイに見えるんですけど。それともリンゴを縦に切った断面ですかね。

【和名】クサギ [臭木]
【学名】Clerodendron trichotomum
【科名】クマツヅラ科 VERBENACEAE
【撮影日】2004/12/30、2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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イチョウ

イチョウ Ginkgo biloba


イチョウは、中国原産の落葉高木です。庭木や盆栽にするほか、公園や街路にもよく植えられていますし、ギンナンの木としてもおなじみですね。寺社の境内に植えられているものなどは、高さ30m以上になっていることもあり、かなりの高木です。灰色の樹皮には縦の割れ目が目立ちます。樹皮にはコルク層があって皮の質が厚いので、ちょっと押してみると弾力性があります。

イチョウ Ginkgo bilobaイチョウ Ginkgo biloba


長い枝から出ている短い枝は垂直に近い角度で出ています。冬芽は丸っこい形で色は濃いめの茶褐色。質の薄い鱗状の芽鱗(がりん)に包まれています。芽の下にある葉がついていたあと(葉痕:ようこん)は楕円形だったり、半円形だったり、滴のような形だったりします。葉痕を見ると点々が2つずつあります。この2つの点々は葉と枝との間で水分や養分などを受け渡しする管のあとで、「維管束痕(いかんそくこん)」といいます。維管束痕は、例えば「アジサイ」では3つ、「アカメガシワ」では多数というように樹種によって違うのですが、「2つ」というのは樹木ではイチョウだけです。

また、日あたりのよい場所のイチョウの冬芽付近を見ると、葉痕がギューッとかたまってついていて、下の葉痕との間がほとんどない状態になっています。つまり、前年度と比べて、葉痕の幅(長さ)の分だけしかその枝が伸びなかったということになります。

【和名】イチョウ [銀杏、公孫樹]
【学名】Ginkgo biloba
【科名】イチョウ科 GINKGOACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月16日

アジサイ

アジサイ Hydrangea macrophylla


冬の時期、すっかり葉はなくなって、白っぽいような褐色の枝しか見えず、まるで枯れてしまったかのように見えるアジサイの茎ですが、茎のあちこちから濃い紫褐色の冬芽が出ています。茎のてっぺんにできた頂芽は大きくてロウソクの炎のような、筆先のような形です。茎はつるっとして無毛ですが、葉のついていたあとがあちこち残っていて思いのほか茎の上部はデコボコしています。

葉のついていたあと(葉痕)はハート形に近い感じ。葉がより密集してつく茎の上部のものは、平たくひし形の模様のようになっています。さらに葉痕には維管束痕(点々のこと)が3つあって、動物か何かの顔のように見えておもしろいものです。

アジサイ Hydrangea macrophyllaアジサイ Hydrangea macrophylla


頂芽は基本的には芽鱗という鱗片に包まれていない「裸芽」で、葉の形が見えています。葉のギザギザ(鋸歯)や葉脈もすでに観察できる状態です。ただ、一番上の大きい写真では、頂芽の両脇に茶色の鱗片状のものがあるんですよね。かすかに縁にギザギザがあったり葉脈も見えたりするので、何だか芽鱗と葉の中間的な形状ですね。といっても、もう少し時が経つと落ちてなくなってしまうでしょうけど。

小さい写真の右は側芽で、茶色で質の薄い芽鱗がありました。薄い芽鱗はどうやら2対あるようです。1対は少し大きめで、もう1対は小さくて根もとの方にちょっと見えています。

【和名】アジサイ [紫陽花]
【学名】Hydrangea macrophylla f. macrophylla
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE (アジサイ科 HYDRANGEACEAE)
【撮影日】2005/02/13
【撮影地】東京都多摩市

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はなだより」さんの「春待芽」にトラックバックさせていただきます。「ガクアジサイ」のほかにも、サツキ、アセビ、ユキヤナギの蕾や新芽が見られます。春を待つ木々の姿が楽しめますよ。

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ヒラドツツジ

ヒラドツツジ Rhododendron pulchrum


「ヒラドツツジ」というのは、琉球列島の「ケラマツツジ (Rhododendron scabrum)」、西日本の「モチツツジ (Rhododendron macrosepalum)」、「キシツツジ (Rhododendron ripense)」、キシツツジとモチツツジの雑種とされる「リュウキュウツツジ (シロリュウキュウ Rhododendron x mucronatum)」など数種をもとにできたといわれる変異の多い大型ツツジの品種群の総称です。

長崎県の平戸は、特に1500年代中ごろから1600年代の中ごろまでの間、海外との貿易が盛んだったところで、ツツジの仲間も海外のものや国内のものが多く集められ、たくさん植栽されていたのだそうです。そこで、様々な自然交配によってできたものから選抜されたものを「ヒラドツツジ」といいます。

濃い赤紫の花をつける「オオムラサキ(大紫 Rhododendron x pulchrum)」は最もポピュラーな品種だと思いますが、これもヒラドツツジの品種群の1つです。もともと、数種の交配などでできた品種群ですので、その大元が何であるかはやや定かではないところも多いようで、オオムラサキもケラマツツジとリュウキュウツツジの交配でできたとする説とケラマツツジとキシツツジの雑種とする説があるようです。

葉だけの段階では、どの品種か見極めるのは容易ではないでしょうね。一応、図鑑には特徴が書いてあったりしますが、残念ながら葉だけでは筆者には判別できません。公園などでふつうに植えられていて、花が咲いたとき、大きくて濃い赤紫なら「大紫」、ピンク色で上弁(真上に向いている花弁)に赤紫の斑点がたくさんついていたら「曙」かな。。。という感じで見ています。公園などの植栽では高さ1mほどのものが多いですが、3mくらいまではなるようですね。常緑の低木で、葉は枝の先に集まってつきます。

ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrumヒラドツツジ Rhododendron x pulchrum


2月中旬、こちら関東では場所によっては、茎頂に少し大きくなった花芽が見られるようになりました。白っぽいような薄い褐色の長い毛も目立ちます。花芽周辺や新しい葉には、かなり毛が生えています。花期は5月ごろですから、ふつうだと花が見られるのは、まだもう少し先ですね。

【和名】ヒラドツツジ [平戸躑躅]
【学名】Rhododendron x pulchrum
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2005/02/16
【撮影地】東京都日野市

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My Garden - お花ダイスキ!」さんの記事「雪下のツツジ」にトラックバックさせていただきます。管理人のすぅさんが雪の後に撮影されたツツジは、同じ時期でもずっと引き締まった姿をしていますね。

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平戸…子どものころ、何度か行きました。蒲鉾、おいしかったなぁ〜。

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2005年02月15日

アキノキリンソウ

アキノキリンソウ Solidago virga-aurea subsp. asiatica


アキノキリンソウは、北海道、本州、四国、九州の山野に生える多年草です。日当たりのよい場所を好むようですが、明るめの林床なら、それなりに花もつけます。北アメリカ原産の帰化植物「セイタカアワダチソウ (背高泡立草)」も同じアキノキリンソウ属の植物です。

花期は8月〜11月。草丈は30cm〜50cmほどで、大きいものでは80cmくらいまでなります。花序の形には変異があって、上部にかたまってつく場合と、縦に長くまばらにつく場合があります。パッと見た感じだけでは、高山型の「ミヤマアキノキリンソウ」との区別が難しいこともあります。そこで、花の細かい部分を見て区別することもありますが、それもなかなか容易ではないかもしれません。

花(頭花)は黄色で、直径は1cmちょっと、いわゆる花びらのある「舌状花」と中央部の「筒状花」があります。花の下の部分は筒状になっていて、黄緑色をしています。この部分を「総苞」といって、いくつかの「総苞片」とよばれるものが並んでいます。キク科植物では、よくこの総苞片の形状が分類形質となるので、キク科の花を見たら花びらの下も見るようにするといいと思います。

そこで、その総苞片で見分ける場合、アキノキリンソウでは「4列で先がとがらない」、ミヤマアキノキリンソウでは「3列で先がとがる」という点などで区別します。

花が終わった後、種子ができて銀色に輝く冠毛(綿毛)が目立つころには、すでに根もとには新しい葉ができています。その葉はそのままロゼット状となって越冬します。写真に写っているのがその越冬中の根生葉です。写したのが曇りの日だったので、葉の色もより暗めになっていますが、実物もかなり濃く暗めの緑色でした。全体的に白っぽい毛がたくさん生えていて、葉柄や葉裏の主脈の部分には特に密生していました。

アキノキリンソウ Solidago virga-aurea subsp. asiatica


茎は細長いものですが、丈夫にできているようで、越冬中も、かなり長い期間立ち枯れた状態で茎が残っています。じつは今回も、立ち枯れた茎を見て、きっとそうだと近づいてみたら、根元に根生葉がありました。しかし、この根生葉は、だいたい花が咲く前には枯れてしまいます。背の高くなった株では茎の下部の葉から枯れ上がっていることも多いです。

伸びてきた茎につく葉(茎葉)はもっと細長くて長さ8cmぐらい。付け根の方は細くなって葉柄に流れる感じになります。いいかえると、葉柄の部分にはごく幅の細いものですが、翼のようなものがあるんです。

【和名】アキノキリンソウ [秋の麒麟草]
【別名】アワダチソウ 
【学名】Solidago virga-aurea subsp. asiatica
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/02/13
【撮影地】東京都多摩市

■当ブログ内関連記事
ミヤマアキノキリンソウ
セイタカアワダチソウ

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ハナゾノツクバネウツギ

ハナゾノツクバネウツギ Abelia grandiflora


「アベリア」というのは、本来はツクバネウツギ属(Abelia)の属名ですが、一般的には中国、台湾原産の野生種をもとに作られた園芸種群、または、その中の主に「ハナゾノツクバネウツギ (Abelia x grandiflora)」をさしていうことが多いようです。このハナゾノツクバネウツギは中国原産の「シナツクバネウツギ (Abelia chinensis)」と「ユニフローラ (Abelia uniflora)」の交配種ということです。

同じ仲間の野生種は日本にも数種が分布しています。例えば、「ツクバネウツギ (Abelia spathulata)」、「オオツクバネウツギ (Abelia tetrasepala)」「コツクバネウツギ (Abelia serrata)」などです。これら国内の種はみな落葉低木です。花が筒状の鐘形で先が5つに裂けた形をしていて、ガク片がプロペラのように並ぶ特徴があります。ガク片の数は5枚のタイプと、2枚のタイプがあります。

ハナゾノツクバネウツギは、あまり寒さの厳しくない地域では常緑または半常緑の低木で、ガク片は5枚です。花期はかなり長くて、5月〜11月。枝先に白、または淡いピンク色を帯びた長さ2cmほどの花が次々に咲きます。ガクの色が赤褐色でよく花を引き立てます。公園や生垣、道路の分離帯などでよく見かけます。

名前の「ツクバネウツギ」というのは、5枚のガクが残った実の形が羽根つきの羽根に似ていて、木の姿が「ウツギ」という木に似ていることからきています。

葉は、2枚対生していることが多いですが、3枚輪生していることもあります。葉の長さは3cm〜4cmほどで、先の方が少し細長くとがった卵形、堅くて表面はピカピカと光沢があります。縁のギザギザ(鋸歯)は、ぜんぜん鋭くなくて鈍いギザギザです。2月中旬、こちら関東では、すでに新芽が伸びてきています。開いていた葉は紫褐色で、分厚くよりいっそう光沢のあるものでした。

【和名】ハナゾノツクバネウツギ [花園衝羽根空木]
【別名】アベリア、ハナツクバネウツギ [花衝羽根空木]
【英名】Glossy abelia
【学名】Abelia x grandiflora (Abelia grandiflora)
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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