2005年02月05日

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシ Papaver dubium


ナガミヒナゲシは、もともとはヨーロッパ原産の越年草ですが、アメリカやアジアに帰化しいるといいます。日本での最初の発見は1961年のことで、東京で見つかったのだそうです。草丈は20cmから60cmになり、全体に開出した毛におおわれています。ただ、茎の上部の毛は伏せた状態になっていることが多いようですね。茎につく葉は両面ともに毛がたくさん生えていて、羽状に深く裂け(1〜2回羽状深裂して)、柄はなく、互生しています。

「互生」というのは、葉が茎に互い違いについていることで、言いかえると、1つの節に葉が1枚ずつついていることをいいます。これに対して「対生」というのは、茎の1つの節に2枚の葉が向き合ってついていることいいます。

花期は4月〜5月、蕾のついた花茎は初めキューッと折れ曲がって蕾を下に向けた状態で伸びてきます。高さ20cmぐらいに伸び開花が近づくと上を向いて、花は真上を向いて開きます。開く前の蕾は毛がたくさん生えたガクに包まれていますが、開花するとガクは落ちてなくなってしまいます。花の直径は3cm〜6cm。4枚の花弁は微妙なオレンジ色のようなサーモンピンクのような色です。結構華やかな花なので、園芸的に栽培されることもあります。また、かなり小さな個体でも花をつけることができるため、生育環境によって大小さまざまな個体が見られます。なかなか生命力がありそうですね。

花にはたくさんの雄しべがあり、黒っぽい色をしています。花の中央には円筒形の子房が見えていて、子房の上の部分には傘の骨の部分のようなものがあります。それは柱頭で放射状の円盤のようになっています。この特徴は他のケシ属(Papaver)の植物、例えば、「ヒナゲシ (Papaver rhoeas)」や「アイスランドポピー (Papaver nudicaule)」などにも共通です。

果実は2cm〜3cmの楕円形。アイスランドポピーなどの果実はずんぐりした感じですが、それと比べるとナガミヒナゲシの果実は細長い形です。その果実の形から、「ナガミヒナゲシ」という名前がついています。

ナガミヒナゲシ Papaver dubiumナガミヒナゲシ Papaver dubium


果実には小さな種子がたくさんできて、その種子は秋に芽生えます。ロゼット葉で越冬します。都市部の道路脇などをよく見ると小さな葉をロゼット状に広げています。葉の表面には毛が生えているんですが、それがツンツンと立っていておもしろい。葉の切れ込み方もなかなかユニークなものです。ちょっと分厚めの葉で、多肉質っぽい雰囲気もあったりして、葉の縁や柄の部分は赤みを帯びていました。

【和名】ナガミヒナゲシ [長実雛罌粟]
【英名】field poppy
【学名】Papaver dubium
【科名】ケシ科 PAPAVERACEAE
【撮影日】2005/02/05
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:17| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セイヨウジュウニヒトエ

セイヨウジュウニヒトエ Ajuga reptans


セイヨウキランソウは、シソ科キランソウ属(Ajuga)の植物で、一般に「アジュガ」または「ジュウニヒトエ」などといわれています。同じ属の仲間(アジュガの仲間)はヨーロッパからアジアにかけて40種ほどが知られていて、日本にも数種が分布しています。しかも、本州や四国の丘陵地などでは「ジュウニヒトエ (Ajuga nipponensis)」という種が見られます。日本の野生種のジュウニヒトエは、葉の表面の光沢はやや少なく全体が白い毛でおおわれていて、花は薄紫色か白色です。また人家近くでよく見られる「キランソウ (Ajuga decumbens)」は花茎は立ち上がりませんが、濃い紫色で花はアジュガとよく似ています。

花期は4月〜6月、花茎が立ち上がったときの高さは、15cm〜20cmほどです。花の基部は筒状にくっついたシソ科の植物によく見られる唇形花で、2つに裂けた上唇と大きくて3つに裂けた下唇にわかれています。こういうふうに上下に2つに分かれている形を「ニ唇形」といいます。群生したところで、穂状の花序に多数の花が咲いている様子はなかなか壮観です。

花色は青、紫、白、ピンクなどです。花色の違う品種のほかに、斑入りや緑葉、銅葉、紫葉などいろいろと葉色の美しい品種もあります。丈夫な性質で、耐暑性、耐寒性ともにすぐれていることや、日当たりのよい場所でも、日陰でも生育し走出枝(ランナー)を出してグングン増えるので、グランドカバーとしてよく植えられています。ただし、どちらかといえば日陰の方が葉の色がいいし、日当たりだと乾燥しすぎてよくしおれていますよね〜。

セイヨウジュウニヒトエ Ajuga reptans


寒い地域だともう少し地上部は少ないあるいは出ていないのかもしれないですが、こちら関東の雪の少ないいところでは、地面にロゼット状に葉を広げて越冬している姿がよく見られます。園芸的な取り扱いは、常緑宿根草となっていますね。写真のものは濃い紫色の葉で表面はかなり光沢があります。冬なので、葉の色は特に濃いめに出ていると思いますが、それにしても独特の光沢。葉脈や葉の根もとの方は紫紅色。ツルッした葉に見えますが、表面には短毛がたくさん生えていました。

写真は2枚とも立春の日に撮影したものですが、中央付近の新芽はすでに動き出しています。この株のある場所はそれほど日当たりのいい場所でもなく、冬でもポカポカという感じではなかったのですが、それでも、もうすでに春を感じ取っているように見えました。

ちなみに学名の「reptans」は「匍匐性の」という意味です。

【和名】セイヨウジュウニヒトエ [西洋十二単]
【別名】アジュガ、ツルジュウニヒトエ、ヨウシュジュウニヒトエ、
セイヨウキランソウ、ジュウニヒトエ
【学名】Ajuga reptans
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事→キランソウ

posted by hanaboro at 14:01| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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