2005年02月07日

ツルニチニチソウ

ツルニチニチソウ Vinca majorツルニチニチソウ Vinca major


ツルニチニチソウは、地中海沿岸地方原産の常緑のツル性植物です。ツルの長さは10cm〜50cmほどですが、ツル植物といっても他の植物に絡まって伸びていくというわけではありません。伸びはじめのころは上に立ち上がっていますが、しだいに地にはうようになります。長く伸びた茎の途中からは根をおろして、地面をはうように広がります。日本の風土になじんで旺盛に生育し、時折野生化していることもあります。葉は対生してつき、少し分厚くロウ細工のような質感で、濃い緑一色の品種や斑入りの品種があります。葉の縁にギザギザ(鋸歯)はありません。

花の時期には、花茎だけが立ち上がる感じになります。日陰でもよく育つのですが、花は日当たりがよい方がたくさん咲くかもしれません。主な花期は4月〜6月、葉の脇(葉腋)から上に伸びた花茎に、直径2cm〜3cmほどの淡い青紫色の花を1つずつ咲かせます。花冠は5つに裂けてプロペラのような形に見えます。花の中心には五角形の溝のような部分があって、中を見ると細かい毛がたくさん生えています。

プロペラ状に5つに裂けた花や、葉や茎に毛がなくツルツルしている様子などは、キョウチクトウ科の植物だな〜と思わせます。「キョウチクトウ (Nerium indicum)」は花や葉がたくさんつく常緑低木なので、ずいぶんパッと見たときの姿は違うんですけどね。

青紫色の花がもっともふつうだと思いますが、他にも、白やワインカラーの品種などがあります。また、花や葉が小さめのものは「ヒメツルニチニチソウ (Vinca minor)」とされています。

ツルニチニチソウ Vinca majorツルニチニチソウ Vinca major


比較的温暖な地域では葉を残したまま越冬しますが、寒さが厳しいと葉は枯れてしまいます。こちらは関東でもそれほど寒さの厳しい地域ではありませんが、長く伸びた茎についていた葉はほとんどなくなってしまいました。ところが、2005年立春の日、たまたま見かけたツルニチニチソウは、ちょっと早めに伸びてしまった芽は少し傷んでいても、さらに新しく瑞々しい新芽も見られました。この時期の新芽はかなり赤いものなんですね。

【和名】ツルニチニチソウ [蔓日々草]
【別名】ビンカ、ツルキキョウ [蔓桔梗]
【英名】Greater Periwinkle
【学名】Vinca major
【科名】キョウチクトウ科 APOCYNACEAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:42| 東京 ☁| Comment(15) | TrackBack(0) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ナズナ

ナズナ Capsella bursa-pastoris


ナズナは、日本全土に分布し、田畑や道ばたなどで見られる越年草です。草丈は、10cmから大きいものでは40cmくらいにまでなります。春の七草の1つで、「ペンペングサ」という名前でもおなじみです。

花は3月〜6月、白色で直径は3mmぐらい。この小さい花が終わった後には独特の果実ができます。果実は逆さにした三角形の平べったいもので、先はちょっとへこんでいます。長さは6mmぐらい。このように短い果実を「短角果」といいます。これに対して、「アブラナ」などの果実は長くて「長角果」といいます。また、「ペンペングサ」という別名は、この果実の形を三味線のバチに見立てて、その音からきています。

秋に芽生えたものは根生葉をロゼット状に広げて越冬します。この根生葉の形がちょっとつかみどころがないのですけれど、多くの場合、羽状に深く裂けた形になっています。この形は時期や個体によっていろいろと変化するので、なかなか微妙なものです。芽生えて初めのころに出る葉はあまり切れ込んでいない個体でも、徐々に切れ込みのある根生葉を出すものもあれば、比較的最初から切れ込みが深いものもあるようです。また、春が近づいて暖かくなって茎が上に伸び始めるころには、逆に切れ込みが少ない葉が出てきたりします。さらに伸びてきた茎につく葉はほとんど裂けなくなります。

まとめると、「越冬中の根生葉は、放射状に地面にへばりついて羽状に裂けていることが多いが、羽状にならずヘラ状のものもある」という感じでしょうか。

ナズナ Capsella bursa-pastorisナズナ Capsella bursa-pastoris


上の小さい2枚の写真は、一番上の大きい写真を部分的に切り取ったものです。冬に見られる根生葉はこんなふうに羽状に切れ込んだ裂片の1つずつが細長くて、全体として魚の骨のような形に見えるものもよくあります。同じような場所にあって花がよく似ている「タネツケバナ」との違いは、果実がない場合は、この根生葉または茎につく葉でわかることもあると思います。ちなみに一番上の写真で、左隣に写っているのは「キュウリグサ」の根生葉です。

学名は、「Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.」です。「Capsella」はナズナ属で、小さな袋という意味です。おそらく果実の形からきているのでしょうね。「bursa-pastoris」は、「bursa」がかくしポケットまたは嚢(のう)、「pastoris」は牧畜に適した、あるいは牧者、牧師という意味です。推測ですが、牧畜に携わる人の何かの入れ物と果実の形が似ているということだと思います。学名の後についている「(L.) Medik.」は、学名を命名したりその後学名を組み替えたりした人の名前が続いています。いずれも外国の人ですが、名前をつけるとき、やはりその果実の形に注目していたようです。

【和名】ナズナ [薺]
【別名】ペンペングサ
【学名】Capsella bursa-pastoris
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 14:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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