2005年02月08日

セイヨウノコギリソウ

セイヨウノコギリソウ Achillea millefolium


セイヨウノコギリソウは、キク科ノコギリソウ属(Achillea)の多年草です。同じ属の植物は北半球の主に温帯地域に100種ほどが知られていて、日本にも、エゾノコギリソウ (Achillea ptarmica var. macrocephala)やノコギリソウ (Achillea alpina)など数種が分布しています。

この仲間の花(頭花)は、茎の先の散房花序にたくさんつきます。1つ1つの花はさらにたくさんの小さな花(小花)が集まってできた集合花です。その小花は縁に1列〜2列に並ぶ舌状花(花びらに見える部分)と中心部の多数の筒状花からできています。縁の舌状花は雌花ですが、筒状花は両性花です。ちなみに「散房花序」というのは、花序の中心となる茎(花軸)のより下につく花の柄が長くなってより上部の花の柄が短くなるため、花がほぼ同じ高さについて平らに見える花序のことです。

セイヨウノコギリソウは花色も豊富で、白、ピンク、赤、黄色など華やかな品種がそろっています。草丈は30cm〜1mほどです。葉は地上付近でロゼット状についているものには柄がありますが、上部の茎につく葉には柄がなくなります。

葉は互生してつき、切れ込んだ部分をぬきに見たときの輪郭は細長い楕円形〜細長い披針形。長さは8cm内外、幅は1cm程度。何といっても、そのクシの歯状の深い切れ込みと切れ込んだ1つ1つの裂片の鋭いギザギザ(鋸歯)が大きな特徴ですね。「ノコギリソウ」という名前は、そんな葉の様子を鋸の歯に見立ててつけられています。クシの歯状の葉は、実際の鋸の形とは違っていますけど、日本の野生種の1つ「エゾノコギリソウ」はクシの歯状にならず、縁に鋸歯があるだけなので、鋸のイメージに近いかもしれませんね。

セイヨウノコギリソウは、花や葉も見所があって観賞用やハーブとしての栽培のほか、法面の緑化としても用いられているそうです。ただ、寒さにも強く種子で増えるほか、茎の根もとの方からは走出枝を出して増えるので、群生していることもあります。現在、日本各地で野生化し道ばたや草地などで見られます。

現在、こちら関東では、地面近くにロゼット状に葉を広げて越冬中です。越冬中の葉は、緑色のものもあれば、写真のように赤く色づいたものも見られます。根生葉の裂片はさらに小さな裂片に分かれていてそれにまた小さな鋸歯がある感じで、何だか海藻を見ているようでした。

【和名】セイヨウノコギリソウ [西洋鋸草]
【別名】アキレア、ヤロー
【学名】Achillea millefolium
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 19:49| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マツバギク

マツバギク Lampranthus spectabilis


マツバギクは、南アフリカ原産の常緑の多年草です。名前はマツの葉のように葉が細長く多肉質で、花がキクに似ていることからきています。ふつう「マツバギク」という場合、「ランプランサス属」をさすことが多いようですが、「マツバギク」というのは、1つの植物の名前というわけではなく、「デロスペルマ属(Delosperma)」と「ランプランサス属(Lampranthus)」の植物の総称ととらえることもあります。その中でもマツバギクという名前でもっともよく見られるのは「Lampranthus spectabilis」と「Delosperma cooperi」で前者を松葉菊、後者を耐寒性松葉菊ということもあるようです。また、ランプランサス属には、スペクタビリス (Lampranthus spectabilis)のほか、アウレウス (Lampranthus aureus)、ロゼウス (Lampranthus roseus)など多数の種が知られています。

草丈は10cmから品種によっては立ち上がるので40cmほどになります。花期は種によって違いがあって、春のみ開花するものや5月〜11月くらいまで長く咲きつづけるものなどがあります。花は直径5cmほどのツヤツヤとした光沢のある花で、色は桃紫色がふつうですが、そのほかに、白、赤、オレンジなどもあります。花は日の光を受けて開き、日が陰ると閉じます。

耐寒性は種類によって違いがありますが、乾燥や暑さにはとても強くて、ほったらかしでもよく地面をはうように伸びます。多肉質ということで、葉の表面はきっと光沢があってツルツルでなめらかだろうと思ってしまうんですが、マツバギクの葉は近づいてみると小さなツブツブがたくさんあって、触るとザラザラします。

このところときどき話をきくのですが、田畑のあぜの雑草防除として、背丈が低く地面をきれいに被って、管理に手間のかからない植物を用いる手法が注目され、アジュガヒメツルニチニチソウ、シバザクラなどとともに、このマツバギクも研究されているそうです。ただし、越冬中に傷んでしまうことや次年度の生育があまりよくないこともあるようですね。

名前や多肉質なところなどが似た印象の「マツバボタン (Portulaca grandiflora)」はスベリヒユ科(PORTULACACEAE)の植物で、マツバギクとはまったく別の植物です。マツバボタンは耐寒性がなく一年草です。

マツバギクは、ある程度の耐寒性があるので、それほど寒さの厳しくない地方では、屋外での越冬が可能です。現在、ここ関東の露地で越冬中の葉は、写真のように透明感のあるピンクっぽい朱色に染まっています。葉の数は少なくなっていて、茎頂に少し残っているという感じです。何だかカニのツメがあちこち転がっているようで、ちょっと不思議な感じでした。この状態だと、松の葉っぱに似ているって感じではないですね。それとも松葉ガニってことか。。。

【和名】マツバギク [松葉菊]
【学名】Lampranthus spectabilis
【科名】ツルナ科(ハマミズナ科) AIZOACEAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 多肉なPeople

目の前のマツバギクがランプランサスなのか、デロスペルマなのかよくわからないことが多いです。ここを見れば確実!というポイントや記述の誤りなどがありましたら、ぜひアドバイスお願いします。「多肉なPeople」は「My Garden - お花ダイスキ!」のすぅさんが新しく作られたTrackback Peopleです。

■記事中の間違いを訂正しました(2/8)
3段目の葉について書いてある部分の記述に間違いがありました。下線のある部分「マツバギク」が「マツバボタン」となっていました。大変失礼しました。

*ここの間違いは「はなだより」のWAKAさんに教えていただきました。WAKAさんどうもありがとうございました!さらにうれしいことに現在、蕾がたくさんついている「冬のマツバギク」のTrackbackもいただきました。耐寒性のあるなしで越冬中の姿がこんなに違うんだ!とまたビックリですよ。

posted by hanaboro at 15:35| 東京 ☔| Comment(11) | TrackBack(2) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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