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キルタンサスは、南アフリカ原産のヒガンバナ科キルタンサス属(Cyrtanthus)の球根植物です。同属の植物は南アフリカに50種ほどが知られています。その中でも日本で最もよく栽培されているのは、マッケニー (Cyrtanthus mackenii)とその園芸品種群だといいます。花の色は、赤、ピンク、黄色、クリーム色などがあります。主な花期は冬から春にかけてですが、黄色やクリーム色の品種は花期が長く夏近くまで咲いていることもあります。
草丈は30cm〜50cmほど、葉は細長くて2枚〜5枚くらいあります。長い花茎を伸ばして散形花序に細長いラッパのような筒状の花を咲かせます。「散形花序」というのは、花序の中心となる茎(花軸)の先から数本柄が伸びて、その先端に1つずつ花がつく花序のことで、ちょうど傘の骨のような形になります。「ヒガンバナ (Lycoris radiata)」の花序も散形花序です。
上の写真では花がもう終わっていいます。終わったから花がうなだれているかのようですが、この植物、きれいに咲いている状態でもちょっと下向きかげんに咲きます。その花のつき方と細長い筒が、何とも言えないやわらかな曲線を描いて、筒の先は6つに裂け小さな花びらのようになって、やや後ろに反り返ります。属名の「Cyrtanthus」は、曲がった花という意味なんだそうです。
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日本での園芸的な取り扱いは春植え球根ですが、ほぼ常緑の多年草です。それほど寒さの厳しくない地方なら、屋外での越冬が可能ですが、鉢植えで花が咲いているものなどは霜よけのため軒下に避難させるなど、ちょっとは寒さ対策をした方がよさそうですね。2枚目の写真は、とある花壇で放置されていて、風雨にさらされ土壌が流出してしまったからなのか、球根(鱗茎)がむき出しになっていました。いくら浅めに植えつけるとはいってもちょっと浅すぎのような。。。
【一般名】キルタンサス
【別名】ファイアーリリー
【学名】Cyrtanthus mackenii
【科名】ヒガンバナ科 AMARYLLIDACEAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市