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キンコウカは、北海道と本州中部以北の低地〜高山の湿原に生える多年草です。地下茎が長く伸びてふえるので、しばしば群生し、花時期には湿原を黄色に染めるほどです。名前は鮮黄色の花の色からきています。葉は長さ10cm〜20cmほど、花茎は20cm〜30cmくらいです。花期は7月〜8月で、花茎の上部の総状花序にたくさんの花をつけます。花のついている花序の部分の長さは10cmほど。花はふつう花序の下の蕾から開いて上へと咲き進みます。星の形のように見える1つ1つの花の直径は8mm程度です。
いわゆる花びらに見える部分は、「花被片」で6枚、外側の中央に縦に緑色の帯のようなものが見えます。それで、蕾のときは黄色というより緑色に見えるかもしれません。雄しべ(花糸の部分)には縮れた毛がたくさん生えているので、雄しべがかなり太く見えます。花の中央部を見ると、細長くて先がとがったものがツンと突き出ていますが、これが雌しべで、緑色をしています。
写真は、すでに花の最盛期を過ぎている状態です。花被片の色は、黄色ではなく下半分が緑色、先のほうがオレンジ色という感じです。咲き始めのころはちょっと褐色を帯びた葯(花粉のあるところ)や花糸の毛が目立っていた雄しべも、まだ残ってはいるもののほとんど目立ちませんでした。それとは対照的に雌しべの方は、基部がだいぶ丸く膨らんでいました。
細長い剣状の葉は、秋には葉先の方からオレンジ色に紅葉して、静かに湿原の秋を彩ります。
【和名】キンコウカ [金光花、金黄花]
【学名】Narthecium asiaticum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村
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