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セイヨウベニカナメモチは、中国産のオオカナメモチとカナメモチの雑種といわれていて、「レッドロビン」という品種名で呼ばれることもあるようです。
ここで、まずよくわからないのは、「ベニカナメモチ」という名称です。これは、カナメモチの中でも特に新芽が赤く美しいもののことをさしているのでしょうか。カナメモチの別名としては、「アカメモチ」と「ソバノキ」があがっているだけで、ベニカナメモチは特に別名とはなっていないようです。ベニカナメモチにはどの学名を当てたらよいのでしょう。Photinia serrulataとなっているものもありますが、この学名は「オオカナメモチ」の学名あるいは、その異名となっていることもあります。
ただ、今回の写真のものは葉の大きさと形が違うので、「オオカナメモチ」ではないと思います。「オオカナメモチ」だったら、葉の幅がもっと広くてやや葉の上部に一番幅の太くなる部分があって、さらに葉の基部が丸みを帯びているはずですが、写真のものはそうなっていませんでした。
写真は公園の生垣に植えられていたもので、「ベニカナメモチ」というものが、植栽に不向きで関東では現在、あまり植栽されていないという背景と、やや鋸歯が目立つという点から「レッドロビン」なのかもしれません。しかし、これだけでは「ベニカナメモチ」である可能性を否定できません。関東では不向きで少ないそうですが、西日本では「ベニカナメモチ」もよく植栽されているといいますし、なかなか難しいですね。
となると、今度は、「カナメモチ」との違いを見なければなりません。カナメモチは、東海以西、四国、九州の山地に生える常緑小高木で、高さは5m〜10mほどになります。葉の質がやや堅めで、新芽の色は赤くなるかまたはほんの少し赤みを帯びる程度。葉の大きさは小型で、葉の縁の鋸歯もおとなしめです。こうしてみると、どの形質も簡単に見分けられそうにありません。
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2月中旬〜下旬、ここ関東では、新芽はところどころ伸びたものもありますが、まだ赤い芽の状態のものが多いようですね。
今回は、レッドロビンだろういう思い込みから書き始めましたが、書いているうちにだんだん、「ベニカナメモチ」または「カナメモチ」ではないかと思い当たる点がチラホラと。。。レッドロビンにしては葉が小さいし鋸歯は鋭いというほどでもないと思えてきました。と、まあ、こんな感じではっきりしないんですよね。
【追記】2005/03/08
その後、「カナメモチ」と「レッドロビン」の違いはわかりました。葉柄を見て、そこに茶色っぽい点々があったら「カナメモチ」です。この点々は、葉の縁の鋸歯が葉柄にも現れたもので、「レッドロビン」にはその点々がないのだそうです。それで、この時期の写真のものは、葉柄の点々がなかったので、「レッドロビン」の可能性が少し高くなりました。
【和名】セイヨウベニカナメモチ [西洋紅要黐]
【品種名】レッドロビン
【学名】Photinia glabra x Photinia serratifolia
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市
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