2005年02月24日

マルバダケブキ

マルバダケブキ Ligularia dentata


マルバダケブキは、本州中部以北の主に太平洋側と近畿や中国や四国の一部に分布し、山地〜亜高山の日当たりのよい草地や林縁部に生育する多年草です。草丈は40cm程度〜1mちょっとぐらいですが、根もとから生える葉(根生葉)や花序が大きいので、草丈以上に迫力を感じることがあります。

根生葉は、長さも幅も20cm〜40cmほどもある大きく丸い腎円形で、表面にはちょっとテカテカした光沢があって、縁にはちょっと粗めのギザギザ(歯牙)があります。おなじみの「フキ(蕗)」のような形の葉で40cm以上もあるような長い葉柄があります。

花期は7月〜8月で、花(頭花)は、2個〜数個が散房状(さんぼうじょう)につきます。「散房状」というのは、たくさんの花が散房花序のようについている状態のことです。そして、「散房花序」では、長い花柄(花軸)にさらに柄のある花がたくさんつきますが、より下の花の柄が長くて、より上部の花の柄が短いので、花がちょうど同じくらいの高さで咲きそろいます。マルバダケブキもその散房花序のように、数個の花がだいたい同じくらいの高さで咲きます。

花の色は濃い黄色で、いわゆる花びらに見える舌状花は10枚ほど、やや後ろに丸くカーブするように反り気味になっていることが多いです。直径は8cmくらいになるのでかなり大型です。比較的オーソドックスなキク科植物の花に見えますが、ちょっと独特なのは、その花の下の部分の「総苞」です。マルバダケブキの総苞は濃い紫褐色をしていて、そこには10枚前後の細長い総苞片がぴったりくっついて並んでいます。といっても、写真にはちゃんと写ってはいませんけど。

「大きな丸い葉と紫褐色の総苞」という組み合わせで覚えておけば、同属の「トウゲブキ (Ligularia hodgsonii)」などと区別できると思います。もっともトウゲブキの頭花の柄にはすごく目立つ苞葉があるので、花があれば見間違うことはないかもしれませんね。

学名の「Ligularia」はメタカラコウ属、つまりマルバダケブキが分類されている属の学名で、「ligula」は「舌」という意味なのだとか。「dentata」は「歯の」という意味で、葉の縁に歯のようなギザギザ(歯牙)があるところからきているそうです。また、別名は「マルバノチョウリョウソウ」となっているのですが、この植物をこの名前で呼んでいる人にまだ出会ったことがありません。

【和名】マルバダケブキ [丸葉岳蕗]
【別名】マルバノチョウリョウソウ
【学名】Ligularia dentata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/08/26
【撮影地】長野県長谷村

posted by hanaboro at 18:38| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒヤシンス

ヒヤシンス Hyacinthus orientalis


ヒヤシンスは、20cm〜30cmほどの草丈で、甘いかおりのあるロウ細工のような花を穂状につける、おなじみの秋植え球根ですね。鉢植えや庭植えのほか、水栽培にも適していて、きっと子どものころ学校でみんなで育てた経験ある方も多いのではないかと思います。あの紫色っぽい玉ねぎのような球根(鱗茎)から、あんなに根がたくさん出て、あんなに派手な花の塊が出てくるなんて、すご〜い!と思ったものです。

同じ属の仲間は、主に地中海沿岸〜中央アジアに30種ほどが知られています。現在ふつうに見られるヒヤシンスは、もともとはギリシャ原産の「Hyacinthus orientalis」を改良したもので、日本に入ってきたのは1800年代後半、江戸時代末期のことだったそうです。現在、ヒヤシンスの品種は「ローマンヒヤシンス」と「ダッチヒヤシンス」という2つの系統に大きくわけられていますが、園芸品種として栽培されているのは、花の美しいダッチヒヤシンスの方が多いということです。ダッチヒヤシンスの方が、より大きな花がたくさん密につきます。

花色は白、ピンク、赤、黄、紫、青など、どちらかというと強烈なイメージでしたが、最近では、「シティーオブハーレム」とか「ジプシークイーン」など、オレンジやクリーム色の中間的なやや淡い色合いのものも見かけますね。逆に「ウッドストック」のような真っ赤なものや豪華な八重咲きもあって、正直もう覚えきれません。

ふつう、ヒヤシンスの球根は自然に分球しにくいので、ふやしたい場合は球根に傷をつけるといいます。しかし、一番上の写真のものは、どうやら勝手に分球してたくさんの芽が密集して、1つ1つの芽が小さくなっています。今のところ、まだ蕾は見えていません。

ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
2005/01/20 撮影
ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
2005/02/22 撮影


左は、ほぼひと月前の状態です。まだ、地面からようやく先が出てきたところですね。多肉植物を思わせるような分厚い芽の先には、独特のツヤツヤとした光沢があって何ともいえない形状です。植えてある場所は、とある広場の花壇なのですが、特に霜よけなどの対策はされていませんから、その後、ちょっとだけ雪がふったり、霜が降りたりで、芽の先は次第に傷んでしまったようです。葉は肉質の幅の広い線形で、長さは20cm程度。球根から叢生(そうせい)します。「叢生」というのは、茎や葉などが、地ぎわから束のように集まって出ている状態のことです。右の写真では、叢生している葉の先は傷んでしまったものの、中央からはちゃんと蕾がのぞいています。花開くまで、あともうちょっと。

【一般名】ヒヤシンス [風信子]
【学名】Hyacinthus orientalis
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/02/22
【撮影地】東京都日野市

■Trackback
はなだより」さんの「4年もののヒヤシンス」にトラックバックさせていただきます。濃いピンクのヒヤシンス「ヤンボス」が紹介されています。同じ植物を長く育てることの素晴らしさが感じられます。

posted by hanaboro at 13:10| 東京 ☁| Comment(10) | TrackBack(4) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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