ボケ

ボケ Chaenomeles speciosa


ボケは、中国原産の落葉低木です。日本に入ってきたのは平安時代のことだったそうで、庭木や盆栽としてよく栽培されています。日本に自生する「クサボケ (Chaenomeles japonica)」との交配などによって、様々な園芸品種がつくられています。

高さは品種によっても違うようですが、だいたい2m〜3m。根もとからたくさん枝が伸びてきて、株立ち状になります。小枝はときに、かなり鋭い刺となっているので、要注意。写真を撮ったときは、まだあまり葉が展開していなかったので、トゲがすごく目立って、見ているだけでも痛そう。葉は長楕円形で、縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。質は硬めで表面には光沢があります。

ボケ Chaenomeles speciosa


花期は3月〜4月。花は前年の枝に数個かたまって咲きます。色は朱赤色、ピンク、白など。ふつうは丸みのある花弁が5枚。八重咲きや絞り、咲き分けの品種もあります。直径は2cm〜3cmほど。秋から咲き出して冬の間も咲いているものは、とくに「寒ボケ」と呼ばれて、「報春の花」としても知られています。

写真のものは品種名は不明ですが、春から開花するタイプで、高さは2m弱、花色は朱色です。

果実は長さ10cm近く、直径7cmにもなり、瓜のような形であることから「木瓜」といい、この読みが転じて、「ボケ」となったといわれています。果実は黄色に熟して甘い香りを放ちます。そのままでは堅く渋いので、生食には向かないのですが、果実酒にしてよく利用されています。

ちなみに、「クサボケ」の方は、関東以西や、四国、九州の山野の日当たりのよい林縁部などに生えていて、高さはあまり大きくなりませんが、ときに1mほどになっていることがあります。茎の下の方が地面をはって、「地下茎ができる」という点で、ボケと大きく異なっています。「クサ」とついていますが、落葉低木です。

【和名】ボケ [木瓜]
【学名】Chaenomeles speciosa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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ツルウメモドキ

ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus


ツルウメモドキは、北海道、本州、四国、九州、沖縄の丘陵や山地の特に林縁に生える落葉つる性の木本です。つるは長くのびて他の植物などにからみつきます。

葉の表面はやや濃いめの緑色で互生してつきます。長さは5cmくらいの楕円形。先は急にとがる感じで、やや細長くのびます。縁のギザギザはあまり鋭くありません。

花期は5月〜6月。雄花をつける株と雌花をつける株が別々の雌雄異株。葉の脇(葉腋)から出る「集散花序(しゅうさんかじょ)」に、黄緑色の花を10個程度咲かせます。花は直径6mm〜8mmくらいの小さなものです。集散花序というのは、まず花序の主軸の先に花がついて、そこで一旦生長がとまり、その下の部分から枝分かれをして次の花が咲いていくことを繰り返す花のつき方のことです。

花弁は5枚、ガクも5枚、雄しべも5本です。雄花の雄しべは長いですが、雌花にある雄しべは短く退化しています。

花の後には、直径8mm程度の球形の果実ができます。秋には黄色に熟して3つに裂けて、中からは赤い仮種皮に包まれた種子が出てきます。その様子はとてもきれいなので、この時期になってはじめてその存在に気づくことも多いでしょう。このころにはすでにほとんど落葉しているので、いっそう目立ちます。切花にもよく使われるのも納得です。

ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus


冬芽は長さ2mm〜4mmのごく小さいもので、三角形か球形、紫褐色の枝から突き出ています。特に三角形になっている場合は、芽を包む芽鱗が堅そうでトゲのような状態になります。冬芽の下の部分には、葉のついていたあとである「葉痕」が見えます。葉痕の形は半円形です。

この冬芽は、肉眼では観察する気力を失ってしまいそうなほど小さいです。しかし、冬芽としては、他に類を見ないような形状なんですよね。でっかい虫眼鏡で見ていましたが、写真の場所はちょっとした傾斜地で、こっ、腰が。。。

【和名】ツルウメモドキ [蔓梅擬]
【学名】Celastrus orbiculatus
【科名】ニシキギ科 CELASTRACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月30日

クコ

クコ Lycium chinense


クコは、日本全土のほか、朝鮮半島、中国、台湾などに分布し、日当たりのよい草地や土手などに生える落葉低木です。高さは1m〜2m。クコは果実や葉、根などに薬効があるそうで、古くから薬用に使われています。果実は酒や焼酎につけて「クコ酒」にしたり、乾燥させたものを料理に使ったり。葉も「クコ茶」にするなどいろいろと利用されています。

茎は根もとの方から何本も束になって出てきます。枝は弓なりに曲がって垂れ下がり、枝にはしばしばトゲ状の小枝があります。葉は、1つの節から数枚が束のようになって出ます。質は柔らかくて無毛です。

花期は8月〜11月。葉腋に直径1cmほどの紫色の花を咲かせます。ナス科の植物ということで、「イヌホオズキ」や「ヒヨドリジョウゴ」などの花を思い浮かべていると、クコは何だかぜんぜん違うような気がしてしまいます。確かに花冠は5裂しているし、ガクや果実を見ると、ナス科だな!と納得するのですけれど。果実は長さ2cmくらいの楕円形で、熟すときれいな朱赤色の「液果」になります。種子もその中に入っています。

クコ Lycium chinense


写真の株のある場所は、定期的に草刈が行われるところで、2004年の秋にも枯れた夏草がきれいに刈られました。その後、晩秋〜初冬にかけて、こちら関東の丘陵地では、春のような暖かい日が続き、写真のクコもグングン枝をのばして1.2mほどまで生長し、瑞々しい葉を茂らせていました。しかし、年末からの本格的な寒さの訪れによって、展開した葉は枯れてしまいました。

3月下旬、新葉の展開が始まっていました。新芽も、角ばって白っぽい枝も、小枝が変形したトゲさえも、春の光に照らされて暖かな様子。

【和名】クコ [枸杞]
【学名】Lycium chinense
【科名】ナス科 SOLANACEAE
【撮影日】2005/03/30
【撮影地】東京都日野市

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アメリカイヌホオズキ

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サルスベリ

サルスベリ Lagerstroemia indica
2005/02/15
サルスベリ Lagerstroemia indica
2005/02/15


サルスベリは、中国南部原産の落葉小高木です。高さは5mほど。日本に入ってきたのは、江戸時代のことだそうです。寺院や庭、公園、街路などによく植えられています。

幹は滑らかで、すべすべしています。そのため、名前は「猿も滑る」ということからきているといいます。樹皮の色は、赤褐色〜淡褐色。薄い樹皮がはがれ落ちた部分が白っぽくなります。この樹皮が非常に特徴的なのですが、「ナツツバキ」や「リョウブ」でも同じようにはがれてよく似ています。幹はやや曲がりくねる傾向があります。

葉はふつうは互生で、長さ5cm内外、卵を逆さにしたような楕円形です。こういう形を「倒卵状楕円形」などといいます。葉の縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。ただし、互生の仕方がふつうの互生とはちょっと違っていて、2枚ずつが互生します。つまり、ふつうだと枝をはさんで左右1枚ずつが互い違いにつく形になりますが、サルスベリの場合は、枝の右に2枚ついたら今度は左に2枚つき、また右に2枚、、、というのを繰り返すわけです。このような葉のつき方をするものを「コクサギ型葉序」といいます。といっても、対生することも多いです。

花期は7月〜9月。夏の間の代表的な花木の1つとなっています。枝先の円錐花序にたくさん咲かせます。ガクは6つに裂け、花弁は6枚ありますが、しわしわに縮れていて、一見すると八重咲きのようにも見えます。色は紅紫色〜白色で、濃淡があります。花期が長いので、「ヒャクジツコウ (百日紅)」とも呼ばれます。

サルスベリ Lagerstroemia indica
2005/03/24 撮影

果実は「さく果」で、直径7mmほどの楕円形〜球形です。さく果というのは、雌しべの子房の「心皮」という部分がいくつか合わさって、1つの乾いた果実になったものをいいます。ユリ、アサガオ、ホウセンカの果実もさく果です。

冬芽は赤褐色で、3mm程度の小さな三角形。芽を包む芽鱗は1対か2対あります。芽吹くのは遅めなので、3月下旬の段階ではまだちょっと堅そうです。

サルスベリ Lagerstroemia indica
2005/03/24
サルスベリ Lagerstroemia indica
2005/02/15


サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の植物で、同じ属の仲間には、沖縄や種子島、屋久島、奄美大島などに分布する「シマサルスベリ (Lagerstroemia subcostata)」があります。シマサルスベリの方はもっと幹がまっすぐで高木になり、葉は大きめ、花色は白色です。

【和名】サルスベリ [猿滑]
【別名】ヒャクジツコウ [百日紅]
【学名】Lagerstroemia indica
【科名】ミソハギ科 LYTHRACEAE
【撮影日】2005/02/15、2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月29日

サジガンクビソウ

サジガンクビソウ Carpesium glossophyllum


サジガンクビソウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山地や丘陵の林内などに生育する多年草です。草丈は30cm〜50cmくらいになります。茎や葉には開出した毛がたくさん生えています。

同じ属の仲間に「ガンクビソウ (Carpesium divaricatum)」という種がありますが、その名前は、枝先に花首を曲げて咲く花の様子が煙管の雁首に似ているということからきていて、「サジ」は、根生葉がさじのような形に見えるところからきています。この根生葉は、花が咲くころまでちゃんと残っています。毛が多いわりには、光沢のある葉で、色は濃いめの緑色、葉脈が下面にくぼんでいるので、よく目立ちます。長さは10cm内外、幅は、3cm程度です。縁のギザギザ(鋸歯)は、少しウネウネとなるくらいで、ほとんどないようなものです。

根生葉が花期にも残って、上部の葉が少なくサジガンクビソウによく似た種に「ヒメガンクビソウ (Carpesium rosulatum)」がありますが、こちらは、花が小さく細長く、全体的に繊細な感じがします。

花期は8月〜10月。花は長い花茎の先端に1つだけ下向きに咲きます。その花茎にもまばらに長楕円形の葉をつけ、花茎は途中で数本枝分かれして、やはり先端に下向きに1つ花をつけます。

キク科植物の花は、しばしば「頭花(とうか)」と呼ばれています。頭花というのは、「頭状花」ともいって、小さい花(小花)がたくさん集まって、まるで1つの花のように見える花のことです。さらに、この場合、小花がたくさんついている花序のことを「頭状花序」といいます。この花序の形は、「マツムシソウ (Scabiosa japonica)」でも見られます。頭花はふつう、外側にある小花から咲いて中心部へと咲き進みます。

キク科の頭花には、花びらに見える「舌状花」と花びらのない「筒状花」がありますが、サジガンクビソウの頭花には、舌状花がないので花は地味で目立たないものです。しかも下向きですからね。形は半球形で、直径は1cm内外。頭花のまわりの「総苞片」は濃いめの緑色、毛がたくさん生えていて反り返ります。

ヒョロヒョロっとのびた花茎の先に1つだけ花がついていて、ピラッピラッと羽のようについた小さい葉(苞葉)が見える感じは、何か小さな生き物が飛んでいるみたいで愉快なものです。

【和名】サジガンクビソウ [匙雁首草]
【学名】Carpesium glossophyllum
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

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オカタツナミソウ

オカタツナミソウ Scutellaria brachyspica


オカタツナミソウは、本州、四国に分布し、丘陵地の雑木林の林内や林縁などに生育する多年草です。草丈は10cm〜30cmほどですが、特に草丈の競合する他の植物が多いようなところでは、もっと丈が高く50cmほどになっているように思います。茎には毛がたくさん生えていますが、その毛が生える向きが下向きのことが多いというのもポイントです。

葉は対生してつき、茎の下の方の葉よりも上部につく葉の方が大きく生長する傾向があります。葉は長さ2cm〜4cm、幅1cm〜3cm程度のやや三角形に近いような卵形です。縁のギザギザ(鋸歯)は鋭くなく丸みのあるもので粗め。葉の両面に毛があって、裏面には腺点もあります。

オカタツナミソウ Scutellaria brachyspicaオカタツナミソウ Scutellaria brachyspica


花期は5月〜6月。茎の先の花序に青紫色の唇形花をつけます。花軸にも毛が多く、腺毛も生えています。花冠は長さ2cmくらいで、筒の部分が細長い。花序から出るつけ根のあたりで、クッと上に立ち上がります。よく似た種の「タツナミソウ (Scutellaria indica)」よりも、花穂が短くて縦方向で見ると密に花がつく傾向があります。特に咲き始めのころなどは、一番上の葉のあたりにやや集まったような状態になります。

花序の様子を打ち寄せる波頭に見立てて「立浪草」といいますが、タツナミソウの波頭の方が縦に高く立ち上がる感じで、オカタツナミソウの波頭は低く横に広がる感じです。

【和名】オカタツナミソウ [丘立浪草]
【学名】Scutellaria brachyspica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事→タツナミソウ

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ハエドクソウ

ハエドクソウ Phryma leptostachya subsp. asiatica


ハエドクソウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野のや林内に生える多年草です。やや薄暗い林内に多く、草丈は30cm〜70cmほどです。根から煮出した汁を使って蝿取り紙を作ったそうで、「ハエドクソウ」または、別名「ハエトリソウ」といいます。

花期は6月〜8月。花は茎の先や葉腋から出た穂状花序につきますが、この花茎はひょろりと長くて、まっすぐに直立せず、クネッと曲がっていることもあります。花色は白色でしばしば淡紅色を帯びています。長さは5cmほどの唇形花で、花序の下から上へと咲き進みます。生えている場所や目立たない花など地味な要素たっぷりの植物ですが、花の動きは、それなりに劇的な?部分もあります。蕾のときは上を向いていますが、花が開くと横を向き、花が終わってできた果実は下を向きます。

果実は細長く長さは5mm〜6mm程度です。下を向いて花序(果序)にぴったりくっつく様子も、形も、「イノコズチ」によく似ています。

ガクは長さ5mm程度で先は5つに裂けます。そのうちの上の3つは先端が赤く、花が咲いているときから目につくと思います。3つのガク片は果実の時期になると、先がフック状になった3本のトゲになります。果実ができるとこのトゲによって動物の体や衣服にくっついて種子が運ばれる、いわゆる「ひっつきむし」の1つです。

葉は長さ10cm、幅5cmほどの卵形〜長楕円形で、対生してつきます。縁のギザギザ(鋸歯)はちょっと粗めです。表面は濃いめの緑色ですが、葉柄や主脈の茎に近い部分が白っぽく見えて、暗い林内で見るとちょっとギョッとします。とはいっても、それが結構、決め手となるもので、写真はまだちょっと若い時期の葉ですが、対生している状態と中心に近い部分の白っぽさによって、花がない時期から異彩を放っているようです。

【和名】ハエドクソウ [蝿毒草]
【別名】ハエトリソウ [蠅捕草]
【学名】Phryma leptostachya subsp. asiatica
【科名】ハエドクソウ科 PHRYMACEAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

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2005年03月28日

アリッサム・サクサティレ

宿根アリッサム Aurinia saxatilis


写真の植物は、「アリッサム・サクサティレ」あるいは、「宿根アリッサム」と呼ばれていて、学名も「Alyssum saxatile」が使われていることも多かったと思いますが、最近、学名は「Aurinia saxatilis」となっていることが多くなっています。本来は、記事タイトルも「アウリニア・サクサティリス」とするべきだったかもしれませんね。今回は、とりあえず「アリッサム・サクサティレ」としております。

さらにややこしいことに、匍匐性のある「ヤマナズナ (Alyssum montanum)」の園芸品種も「宿根アリッサム」と呼ばれているようですね。ちなみに、ふつうは一年草として扱われる「スイートアリッサム (ニワナズナ Lobularia maritima)」も同じアブラナ科ですが、ロブラリア属という別の属に分類されています。

アリッサム・サクサティレは、ヨーロッパ原産の多年草で、水はけのよいロックガーデンによく植えられます。草丈は花序がのびた状態で、20cm〜40cmほど。茎は直立します。葉は白っぽく、根生葉はヘラ状で、長さは10cmほどです。

花は「散房状(さんぼうじょう)」の花序にたくさん咲きます。散房状というのは、より下の方の花の柄ほど長く、より上の花の柄ほど短くなっていて、花がちょうど同じくらいの高さで咲きそろう状態のことです。芳香のある濃い黄色の4弁花で、とても鮮やかなものです。花期は、スイートアリッサムに比べると、ずっと短く春に一度だけです。

写真は、すでに花が終わっていて、果実ができています。形はあまり厚みのない円形で、アブラナ科の植物の特徴でもある「角果」と呼ばれる果実です。わずかに花弁の残骸も見られますが、すでに鮮やかな黄色ではなく、カサカサに乾燥して白っぽくなっていました。

【一般名】アリッサム・サクサティレ、宿根アリッサム
【和名】イワナズナ
【英名】gold dust
【学名】Aurinia saxatilis (Alyssum saxatile)
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2004/05/18
【撮影地】東京都日野市

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イトバハルシャギク

イトバハルシャギク Coreopsis verticillata 'Moon beam'


イトバハルシャギクは、「コレオプシス」と呼ばれることが多いようですが、コレオプシスというのは、もともとはキク科ハルシャギク属(Coreopsis)の属名で、イトバハルシャギクのほかにも一年草の「ハルシャギク (春車菊)」、「キンケイギク (金鶏菊)」、多年草の「オオキンケイギク (大金鶏菊)」などが、「コレオプシス」という名前で呼ばれています。

また、イトバハルシャギクは北米原産の多年草で、花色は淡い黄色〜黄色ですが、コスモスにも似た印象の花をつけることから、「宿根コスモス」と呼ばれることもあります。葉は名前のとおり細長く輪生しています。全体に繊細な感じに見えます。草丈は、大きくても40cmくらいまでです。

主な花期は、6月〜8月。その後も切戻しを行うと再び開花してくるので、11月くらいまでは花が見られます。そして、花の時期が終了し冬を迎えるころには、そのシーズンの地上部は枯れてしまいますが、地上には来シーズンの新芽が出てきて越冬します。

写真は、園芸品種の1つで、淡黄色花を咲かせる「ムーンビーム ('Moon beam')」の葉です。春、葉の展開はややゆっくりめで、こちら関東では、5月半ばでようやく写真のような状態になります。

そのほか、ムーンビームよりも色の濃い品種で「ザグレブ ('Zagreb')」というのもあります。また、ピンク色の花を咲かせるコレオプシスの「ロゼア・アメリカンドリーム」という品種がありますが、これが、ときどきイトバハルシャギクとなっていることがあります。しかし学名を調べると、「Coreopsis rosea 'American Dream'」となっているようですので、イトバハルシャギク(Coreopsis verticillata)とは別の種の園芸品種なのではないでしょうか。

【和名】イトバハルシャギク [糸葉春車菊]
【品種名】コレオプシス・ムーンビーム ('Moon beam')
【学名】Coreopsis verticillata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/05/18
【撮影地】東京都調布市

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ギンドロ

ギンドロ Populus alba


ギンドロは、ヨーロッパや中央アジアに分布する落葉高木です。高さは20mほどになります。日本に入ってきたのは、明治の中ごろのことで、公園や街路などに植えらますが、特に北海道ではよく見られるようです。暑さは苦手な面があるようですが、成長が早く綿毛があることによって大気汚染には強い面もあります。「ポプラ (セイヨウハコヤナギ Populus nigra var. italica)」の仲間で、同じ属の日本国内の野生種には、「ヤマナラシ (Populus tremula var. sieboldii)」や「ドロノキ (Populus suaveolens)」などがあります。

葉は掌状に3つから5つに裂けて、分厚い感じがします。葉の裏は綿毛が密生していて真っ白。表面は濃い緑色なので非常に対照的です。また、新芽や若い葉や枝にも綿毛が密生しているので、新芽が伸びる時期には枝先が本当に真っ白で、日の光を浴びるとまばゆいばかりの輝きを見せます。葉の表面の綿毛はすぐになくなって、濃い緑色になってそのコントラストもまた、とても目をひくものです。

葉は長さ10cm内外、葉柄は2.5cm〜4cmほどで、やはり綿毛におおわれて真っ白です。花期は葉の展開時期よりも早く、3月〜4月です。花が咲き進むと垂れ下がった花序には、何やらモワモワとした白い綿毛が見え始めます。種子は綿毛におおわれて、ドロノキなどと同じように風に舞って飛ばされます。

別名は、「ウラジロハコヤナギ」、「ハクヨウ」のほか、「ホワイトポプラ」とも呼ばれているようです。

【和名】ギンドロ [銀泥]
【別名】ウラジロハコヤナギ [裏白箱柳]、ハクヨウ [白楊]
【学名】Populus alba
【科名】ヤナギ科 SALICACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市

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2005年03月26日

トウカエデ

トウカエデ Acer buergerianumトウカエデ Acer buergerianum


トウカエデは、中国原産の落葉高木です。日本に最初に入ってきたのは長崎で、18世紀のはじめのことだったそうです。性質が丈夫で、紅葉がとても美しことから、街路樹としてよく植えられています。高さは20mほどにもなります。

葉は長さ3cm〜4cmで、基本的には3つに裂けます。ただし、ほとんど裂けないものや、切れ込みの深いもの浅いもの、5裂するものまで出てきてしまいます。表面には光沢があって裏面はやや白っぽく見えます。十分生長した木では、葉にギザギザ(鋸歯)はほとんどなくなってしまいますが、若い木では鋸歯があります。葉の形や鋸歯には変異が多いので、おやっ?と思うこともありますが、あわせて、樹皮を見ると確実になると思います。

樹皮は黒っぽい灰色で短冊状に縦に激しくはがれます。はがれた部分の先はやや反り返るような状態になっています。

花期は4月〜5月。枝先の散房花序に小さい淡い黄色の花をつけます。カエデの仲間の果実には翼があって、2つの「翼果(よくか)」がくっついたプロペラのような形をしています。この翼によって木から離れるとクルクルと回転しながら落ちていきます。その途中でやや強めの風を受けると風に乗り種子は親の木から離れた場所へ運ばれます。

トウカエデ Acer buergerianum


冬芽は、長さ5mm以下くらいの小さなもので、先はとがっています。芽を包むうろこ状の鱗片(芽鱗)が4列に並ぶので、角ばって見えます。芽鱗の縁には毛が生えていて、たくさん重なった芽鱗が強調される感じです。冬芽のすぐ下のあたりには、葉のついていた痕跡の「葉痕」があります。葉痕は横長のV字形で、葉は対生なので葉痕も対生して残っています。葉痕にある養分や水分の通り道のあとの「維管束痕(いかんそくこん)」は、小さな点々となって残っています。その維管束痕は3つです。

ちなみに、カナダの国旗に描かれている「サトウカエデ (砂糖楓 Acer saccharum)」は、同じカエデ科カエデ属ですが、まったく別の種です。

【和名】トウカエデ [唐楓]
【英名】trident maple
【学名】Acer buergerianum
【科名】カエデ科 ACERACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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ガマズミ

ガマズミ Viburnum dilatatum


ガマズミは、国内では北海道、本州、四国、九州の山野にふつうに生える落葉低木です。高さは2m〜4m。幹は下の方から分かれてのびる傾向があって、株立ち状になります。若い枝は灰褐色で「星状毛」が目立ちます。星状毛というのは、放射状に生えて星の形のように見える毛のことです。古い枝は灰黒色で「皮目(ひもく)」という隆起した部分が見えます。

葉は2枚の葉が同じ節から出る「対生」。長さは10cm前後の幅の広い卵形で、先端はとがったり、とがらなかったり。縁のギザギザ(鋸歯)は粗くうねうねとした感じです。ガマズミの仲間にはよく似た種類が多くて、少々大変なこともあるのですが、その中でもガマズミは葉が大きくて丸〜くなります。そして、一番外側にある葉脈からさらに細かい脈がたくさんしっかり出ています。また、他種よりも葉柄や若い枝には特にたくさんの星状毛が生えています。葉柄も長めで、長さ1cm〜2cm、「コバノガマズミ」の場合は5mmあるかどうかです。

花期は5月〜6月。枝先に散房花序を出して、白く小さな花をたくさん咲かせます。果実(核果)は、秋には赤く熟します。房状についた果実は次第に枝から垂れ下がってきます。

ガマズミ Viburnum dilatatumガマズミ Viburnum dilatatum


写真ではすでに芽吹いてきていますが、冬芽は長さ5mmぐらいの卵形で、芽を包む芽鱗は2対あって、外側の1対が小さめです。

【和名】ガマズミ
【学名】Viburnum dilatatum
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月25日

ドイツトウヒ

ドイツトウヒ Picea abies


ドイツトウヒはヨーロッパ原産の常緑高木です。「ドイツ」とつきますが、ヨーロッパに広く分布しています。日本に入ってきたのは明治に中ごろのことだそうで、北海道では鉄道の防雪のために多く植えられたそうです。現在では各地で公園や庭によく植えられています。高さは20m〜30mほど。ヨーロッパではクリスマスツリーには「ヨーロッパモミ (Abies alba)」よりも「ドイツトウヒ」の方がよく用いられてきたそうです。

ドイツトウヒ Picea abies


樹皮は褐色で、老木になると鱗片状に厚くはがれます。長い枝は特に老木になるとつけ根から垂れ下がって枝の中央部分が湾曲したような形になり、先端は上を向きます。その長い枝から出た細かい枝下向きに垂れ下がる形になります。写真の株はまだ3mほどしかなく、枝は垂れ下がってはいませんでした。新しい葉が伸びてきた部分はかなり上向きで、日光が当たるとキラキラと輝いていました。

花期は5月。果実(球果)は、長さ10cm〜20cmの「松ぼっくり」状で、秋に熟して褐色になります。

ドイツトウヒの葉の先は裂けたりくぼんだりせず、スーッとつがっています。葉がよく似た「ツガ (Tsuga sieboldii)」は、葉先が少しくぼんでいるので区別できます。若い枝は褐色で、葉の基部にあるふくらんだ部分を「葉枕(ようちん)」といいますが、その部分が少しクッと横に曲がったようになってよく目立ちます。葉は四角く角ばっていて、裏表のはっきりしない感じです。

【和名】ドイツトウヒ [独逸唐檜]
【別名】オウシュウトウヒ [欧州唐檜]、ヨーロッパトウヒ [欧羅巴唐檜]
【学名】Picea abies
【科名】マツ科 PINACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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シバザクラ

シバザクラ Phlox subulata


シバザクラは、北米東部原産の常緑の多年草です。草丈は5〜10cmほどで、地面をおおうようにのびる這い性。茎の途中から根を下ろして広がります。根もとの方の茎はやや木質化する感じです。葉は細い線形で先はとがっています。

暑さ寒さに強く、乾燥にも強いことから、グラウンドカバーとして用いられています。主な花期は3〜5月。花色にはピンク、白、赤紫、青紫などです。一斉に花が開いて、地面を覆って咲く様子はとても見事なものです。

花はサクラのような直径1.5cmくらいの5弁花で、株全体をおおいつくすほど、びっしりと咲きます。さらにたくさんの枝が密生して地面をおおって芝生のように見えるところからシバザクラと呼ばれています。サクラに似ているかどうかはそれぞれの見方があるところでしょうが、バラ科の「サクラ」とはまったく別の植物で、シバザクラはハナシノブ科フロックス属に分類されています。同じ属の仲間は、主に北アメリカに70種ほど知られています。例えば、宿根草の「クサキョウチクトウ (Phlox paniculata)」や一年草の「キキョウナデシコ (Phlox drummondii)」など、ふつう「フロックス」と呼ばれる多数の園芸品種があります。

シバザクラ Phlox subulata


写真のものは、今シーズンの花はまだつけていません。品種名は不明です。冬の間もあちこちで開花の便りがきかれましたが、この場所ではようやく冬を乗り切って、芽が動き始めたようです。高山植物のような姿がなかなかいい。葉の毛の状態は、品種によって違っているのでしょうか。とある園芸書には、特に上部の葉にはこんな毛のないタイプの写真がのっていました。

【和名】シバザクラ [芝桜]
【別名】ハナツメクサ [花詰草]、ハイフロックス
【英名】moss phlox
【学名】Phlox subulata
【科名】ハナシノブ科 POLEMONIACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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My Garden - お花ダイスキ!」さんの記事「シバ桜のつぼみ
もうすぐ花開きそうな蕾の様子がよくわかりますよ!

■当ブログ内関連記事→フロックス・パニキュラータ

posted by hanaboro at 17:26| 東京 ☀| Comment(7) | TrackBack(4) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニワトコ

ニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldiana


ニワトコは、本州〜沖縄に分布し、山野の明るい林縁などに生育する落葉低木です。北海道や東北に生育する葉の大きめのものは「エゾニワトコ (Sambucus racemosa subsp. kamtschatica)」といいます。高さは2m〜5mほど。根もと付近からよく枝分かれして、枝は弓なりになる傾向があります。まだ、他の樹木があまり芽吹いていない時期にいち早く芽吹いて、まだ春浅いころの野山ではよく目立つ存在です。葉の展開と同時に芽吹いてくる蕾は、たくさん集まっていて「ブロッコリー」のようです。

葉は、数対の小さい葉(小葉)からなる「羽状複葉(うじょうふくよう)」で、対生します。1つ1つの小葉は長さ5cm〜12cm、長楕円形で先は少しとがり気味、縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。

花期は3月〜4月。枝先の長さ10cmぐらいの円錐花序に、淡い黄白色の小さい花がたくさん咲きます。1つ1つの花をよく見ると、花弁は後ろに反り返り、5本の雄しべと1本の雌しべが前面に出ているので、ちょっと変わった形に見えます。果実は夏に赤く熟します。

ニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldianaニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldiana


樹皮は灰褐色。コルク層が発達して、縦に深めに裂けてデコボコしています。そういえば、維管束の観察などで、切片を作るときに使う「ピス」はこの木だと教わったな。灰色っぽい褐色の若い枝は柔らかく無毛で、隆起した「皮目(ひもく)」が目立ちます。皮目では呼吸が行われています。ニワトコの冬芽には「葉芽」と「混芽」があります。葉芽の方は長卵形で細身。混芽は葉と花が同じ芽の中に入っているもので、球形です。いずれも2対〜3対の芽鱗に包まれています。

枝や幹を薄く切って乾燥させたものは「接骨木」と呼ばれ、煎じて骨折や打撲の湿布薬に使われるのだそうです。

【和名】ニワトコ [庭常]
【別名】セッコツボク [接骨木]
【学名】Sambucus racemosa subsp. sieboldiana
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月24日

アオハダ

アオハダ Ilex macropoda


アオハダは、国内では北海道南部、本州、四国、九州に分布し、雑木林などに生える落葉高木です。高さは10mほどにもなります。

葉は長い枝から出た短い枝の先に、集まってつくことがほとんどです。長枝につく場合は「互生」しますが、短枝につく場合は「束生」します。束生というのは、古い枝で節間がつまって短くなって3枚以上の葉が1つの節から群がるようについていることをいいます。

一番上の写真は、短枝にあった冬芽の部分です。冬芽は、先端にある長さ3mm程度の小さなもので、褐色の円錐形。芽を包む「芽鱗」は、先がスッととがっていて、芽が出た後も枝に残っていきます。それによって短枝の先の方は、遠くから見ると太くボテボテした感じがして、古い芽鱗と葉痕でデコボコの模様は入っているように見えます。「葉痕」というのは、葉がついていた痕跡のことで、アオハダの場合は半円形か三日月形です。一応、写真でも先端の芽のすぐ下あたりにかすかに見えているんですけども。

アオハダ Ilex macropodaアオハダ Ilex macropoda


樹皮は灰白色で、パッと見た外見では青くありません。枝を少し削ると緑色の内皮が見えてくるので、「アオハダ」と呼ばれています。樹皮の質は薄くて、ちょっとかたいものなんかでガリガリやったくらいでもはがれるので、緑色の内皮を確認するのは簡単だと思います。長枝から出る短枝は、葉のない冬の間、よく目立ちます。左上の写真は、青空に映える?ボコボコした短枝のシルエット。

葉は長さ5cm前後の卵形。表面には毛があり、裏面の脈上に立った短い毛があります。葉柄は1cm〜2cmで無毛です。葉のギザギザ(鋸歯)は低くて、モコモコした感じの葉縁です。ギザギザの部分はあまり外側にはり出さず、葉にくっついたようになっていてあまり目立ちません。

花期は5月〜6月。短枝の先にごく小さな花を咲かせます。色は白っぽいような緑色っぽいような色で、あまり目立つものではありません。雄花を咲かせる株と雌花を咲かせる株が別々の雌雄異株。花弁も雄しべも4〜5個、ガクも4〜5個に裂けます。果実は直径7mmほどの球形で、9月〜10月には真っ赤に熟します。葉は黄葉し、赤い果実には光沢もあってなかなか美しいものです。

【和名】アオハダ [青膚]
【学名】Ilex macropoda
【科名】モチノキ科 AQUIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月23日

ヤマブキ

ヤマブキ Kerria japonica


ヤマブキは、国内に広く分布するほか、中国や朝鮮半島にも分布しています。バラ科ヤマブキ属に分類される1属1種の植物。山地のやや湿り気の多い場所に生える落葉低木です。庭や公園などによく植えられていますが、万葉の時代からすでに庭に植えて観賞され、何首もの歌に詠まれています。

高さは1m〜2mほどで、枝は細く若い枝は冬の間も緑色。地下茎をのばして増え、樹形は株立ち状になります。細い茎が根元からたくさん群がってのびています。

葉は長卵形で、互生します。葉柄は1cmあるかないかで、まばらな感じに毛があります。表面の葉脈が下面にしっかりくぼんで、その脈を裏から見ると、白っぽい毛が寝たように生えています。葉の質は薄めです。ヤマブキの葉は葉脈や縁のギザギザなどとても特徴的なので、覚えやすいかもしれません。葉の縁のギザギザのことを「鋸歯」といいますが、ヤマブキの葉の縁にははっきりとした「重鋸歯(じゅうきょし)」があります。重鋸歯というのは、大きなギザギザにさらに小さなギザギザのある鋸歯のことです。

花期は4月〜5月。短い枝の先に1つずつ鮮やかな黄色の花をつけます。直径は3cm〜5cm。花弁は5枚です。花の中心部には、たくさんの雄しべと5個〜8個の花柱があります。ガク片は5枚あって、果実の時期にも残っていて、星形に見えます。花弁はパッと平たく開いて枝垂れた細い枝に一斉に咲いている様子は、とても見事なものです。

ヤマブキと全体的な見た目がよく似ている「シロヤマブキ (Rhodotypos scandens)」は、シロヤマブキ属という別の属に分類される全く別の種です。シロヤマブキは葉が対生、花は白色の4弁花、ガク片も4枚です。ヤマブキにも白花があって「シロバナヤマブキ (Kerria japonica f. albescens)」といいますが、花弁は5枚なのでシロヤマブキと区別できます。

また、ヤマブキには八重咲きの品種もあって、「ヤエヤマブキ (Kerria japonica f. plena)」といいます。ヤエヤマブキの場合、雄しべが花弁化して雌しべも退化していてしまっているので果実ができません。一方、ふつうの一重のヤマブキには果実ができます。ヤマブキの果実は長さ4mm程度、シロヤマブキよりは小さめで、熟すと暗褐色になります。シロヤマブキの果実は黒く光沢のあるもので、だいたい4つついています。

冬芽は、長卵形で赤褐色。5枚〜12枚の「芽鱗」に包まれた「鱗芽」です。写真はすでに、芽吹いていて赤褐色の芽鱗は少し残っているのみで、数枚はすでに落ちてしまっています。若葉が展開すると蕾も見えてくるはずです。

【和名】ヤマブキ [山吹]
【学名】Kerria japonica
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事→シロヤマブキ

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2005年03月22日

フヨウ

フヨウ Hibiscus mutabilis


フヨウは、もともとは中国原産といわれていますが、国内では四国や九州の南部、沖縄などの暖地の海岸に近い地域に自生が見られます。落葉低木で、高さは2〜4mほどです。全体に白い星状毛が生えています。樹形は株立ち状になります。葉は互生、長さは10cm〜20cmほど、掌状に浅く裂けて、縁にはあまり鋭くない鈍いギザギザ(鋸歯)があります。葉柄も長くて5cm〜20cmほど。

花期は7月〜10月。茎の上部の葉の脇(葉腋)に淡い桃紅色の花をつけます。花は一日花で、直径10cm以上の大きめの花です。花弁は5枚。花の中央から伸びているブラシのような形のものは、雄しべや雌しべが集まったもので、この仲間(Hibiscus属)の特徴となっています。たくさんの雄しべが合着して筒状になります。さらに雌しべとも合着して筒状になった雄しべの先から雌しべが突き出ています。

八重咲きの品種に「スイフヨウ (酔芙蓉)」というのがあります。この品種は花の色が、朝開いたときは白色ですが、昼過ぎにはピンク色となって、夕方には紅色に変化していきます。この色の変化を酒に酔った人の顔色にたとえてそう呼ばれているのだそうです。夏の午前中には、咲いている花は白なのに、しぼんでいるのは赤いという場面に出会うことがあると思います。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


暖かい地方では常緑なのだそうですが、だいたい冬には落葉してしまいます。写真は、前年度の枝が整理されずに冬を越した株です。一見枯れているように見えましたが、ちゃんと冬芽ができていました。一番上の写真はその冬芽です。もうすべて落葉していますが、枝先には裂開した果実が残っていて、上向きについています。その姿には一種独特の雰囲気があります。こんなふうに枯れたあとの姿も印象的なので、「枯れ芙蓉」とも呼ばれて、観賞対象にもなっています。

ただし、写真の株は茎が「帯化(たいか)」してしまっています。帯化というのは、成長点が横に広がったために起き、茎の一部が異常に平たくなる現象のことです。この現象は木本、草本を問わず、いろいろな植物に見られるもので、時に大量の花を咲かせたりします。原因は様々で、一時的に見られることもあれば、ずっとその状態が続くこともあります。いけばなの花材に使われる「セッカヤナギ(石化柳)」「セッカエニシダ」や花序が帯化する「帯化ケイトウ」では固定されているそうで、ときどき見つかる「タンポポ」や「ユリ」なども話題になることがあります。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


果実は直径2.5cmほどの球形。熟すと5つに裂けます。カサカサとした果実の中にはたくさんの種子ができます。種子は淡褐色の毛におおわれています。同じ属の「ムクゲ」とよく似ていますが、フヨウの果実には長い毛が多いのに対して、ムクゲの方は細かい毛が少し生えているくらいです。果実の大きさもフヨウの方が大きめです。

【和名】フヨウ [芙蓉]
【学名】Hibiscus mutabilis
【科名】アオイ科 MALVACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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2005年03月21日

サンショウ

サンショウ Zanthoxylum piperitum


サンショウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の雑木林などに生える落葉低木です。「イヌザンショウ (Zanthoxylum schinifolium)」としばしば一緒に生えています。高さは2m〜4m。若い葉や果実を利用するため栽培されることもあります。枝や葉柄に細く鋭いトゲが対生してついています。「イヌザンショウ」とはよく似ていますが、トゲのつき方が決定的に違うので、見分けることができるでしょう。「サンショウのトゲは対生で、イヌザンショウのトゲは互生」。また、トゲのない「アサクラザンショウ (Zanthoxylum piperitum f. inerme)」という品種もあります。

葉は奇数羽状複葉で互生します。小葉は5対〜9対あります。樹皮は灰褐色で、ボコボコとした突起が目立ちます。若くて細い枝は紫褐色で、小さな「皮目」という白っぽい模様も見られます。皮目は、枝に隆起した部分で、呼吸が行われている場所です。「サクラ」の場合だと横じま模様になっています。

サンショウ Zanthoxylum piperitum


冬芽は濃い褐色、長さ数mmの小さな丸い芽で、芽を包む芽鱗のない「裸芽」です。対生するトゲも目立ちますので、冬芽だけの状態でもわかりやすい木でしょうね。

花は、4月〜5月。枝先に黄緑色の小さな花をたくさんつけます。果実は秋に熟して、直径5mm程度の球形で赤褐色です。果実が2つに裂けると中から光沢のある黒い種子がでてきます。

サンショウは、香辛料や山菜としておなじみの木。若い葉は「木の芽」と呼んで山菜になりますし、種子も香辛料にするほか、果皮は薬用にも用いられます。葉をもむと独特のサンショウの香りがあるので、この香りだけでも見分けられるでしょう。イヌザンショウは、サンショウほど香りがよくありません。

【和名】サンショウ [山椒]
【学名】Zanthoxylum piperitum
【科名】ミカン科 RUTACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 樹皮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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