2005年03月11日

オミナエシ

オミナエシ Patrinia scabiosaefolia


オミナエシは、日本全土に分布し、日当たりのよい山野の草地に生える多年草です。草丈は1m前後になります。花期は8月〜10月。「万葉集」で山上憶良が詠んだ「秋の七草」の一つとして有名ですね。葉は羽状に分裂して、対生します。分裂した裂片の縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。同じオミナエシ科の「オトコエシ (Patrinia villosa)」と比べると茎の毛は少なくツルッとした感じで、葉の裂片はより細くなっています。

茎の上部は黄色っぽくなって、よく分枝して黄色い小さな花をたくさん咲かせます。花序の形は「散房状(さんぼうじょう)」です。散房状というのは、たくさんの花が「散房花序」に似た状態でついていることです。それで、散房花序というのは、長くて中心となる花柄(花軸)に柄のある花がつく場合、より下部の花の方が柄が長く、上部の花の方が柄が短くなっています。そのため、花はほぼ同じくらいの高さで平たく咲きそろう形となります。オミナエシの場合も散房花序に近い状態で、黄色い花が茎の上の方で平たく咲きそろうような形で、花序についている1つ1つの花は、直径3mm程度のごく小さなものです。

また、オミナエシは種子で増える以外にも根茎を横にはわせて増えます。伸ばした根茎の先にはロゼット状の子株ができて、その後数年間は根茎がなくならず、元の株とつながったままになっているのだそうです。

オミナエシの生える環境は、日当たりがよく、適度に人の手が加わったような草原状の場所が多く、戦後そういった場所が少なくなってきたことで、その数が激減した植物の1つです。ランクは様々ですが、地域によっては「レッドリスト (絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)」に入っていることもあります。

【和名】オミナエシ [女郎花]
【学名】Patrinia scabiosaefolia
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県

■当ブログ内関連記事→オトコエシ

posted by hanaboro at 11:15| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月10日

ヨモギ

ヨモギ Artemisia indica var. maximowiczii


ヨモギは、本州、四国、九州に分布し、山野にふつうに見られる多年草です。草丈は50cm〜1mほど。都市部よりも自然度の高い場所の個体の方が、草丈が高くなる傾向があるとか。地下茎をのばして増えるのでよく群生しています。

冬を前に、花が終わり地上部が枯れるころには、根もとから新しく地上に芽を出して、ロゼット状に根生葉を広げて越冬します。白っぽいヨモギの根生葉は、霜が降りても輝き、春の光をあびてもキラキラと光って、まだ枯れ草色の場所でよく目立つ存在です。

ヨモギ Artemisia indica var. maximowicziiヨモギ Artemisia indica var. maximowiczii


根生葉や下部の葉は白い綿毛におおわれていて灰白色です。これらの葉は花が咲くころには枯れてしまいます。茎の上部につく葉(茎葉)は表面には毛が少なく緑色ですが、裏面には綿毛が密生しているので灰白色です。この綿毛を集めてお灸のもぐさ(艾)を作るのだそうです。上部の茎葉は長さ10cm、幅5cmほどで羽状に深く分裂しています。根生葉の裂片は短くて丸みのある感じなのに対して、茎葉の裂片は細長くスッーととがった感じです。いずれにしても裂片にはあらいギザギザ(鋸歯)があります。特に春の若い葉はお餅と混ぜて「草餅」を作ることでもおなじみですね。

花期は9月〜10月。茎の先の円錐花序に数mmの小さな花(頭花)をたくさんつけます。キク科の植物ですが、風媒花で頭花は下向きについています。またキク科の植物には、ふつう花びらに見える「舌状花」と、中心部にあって花びらのない「筒状花」の両方をつけるものが多いのですが、ヨモギには舌状花がなくすべて筒状花です。いわゆる花びらがないので、とても地味です。最近では秋の花粉症の原因となる植物の1つとなっているそうです。

【和名】ヨモギ [蓬]
【別名】モチグサ
【学名】Artemisia indica var. maximowiczii
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 19:07| 東京 🌁| Comment(19) | TrackBack(1) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヤマウルシ

ヤマウルシ Rhus trichocarpa


ヤマウルシは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野に生育する落葉小高木です。高さは3m〜8mほどになります。この仲間はふつう樹液にふれるとかぶれやすいです。個人差がありますので、注意した方がいいでしょう。

葉は長さ20cm〜50cmほどもある「羽状複葉」で、互生します。羽状複葉というのは、葉の中心となる柄(葉軸)に小さな葉(小葉)が左右に対になってついている「複葉」のことです。小葉は長さ10cm前後の卵状の楕円形です。これに対して、タンポポの葉も羽状に切れ込んでいますが、こちらは複葉ではなく「単葉」です。タンポポのような場合の切れ込んだ部分は小葉ではなく「裂片」といいます。

花期は5月〜6月。葉の脇(葉腋)から円錐花序を下向きに多数吊り下げるような形で出します。花序の長さは20cmほどで、黄緑色の花がたくさん咲きます。

ヤマウルシ Rhus trichocarpaヤマウルシ Rhus trichocarpa


冬芽は芽鱗に包まれていない裸芽で、濃い褐色の短くねた軟毛におおわれています。枝のてっぺんに出ている芽(頂芽)は、長さ1cmほどですが、枝の横の葉腋につく側芽または(腋芽)は、頂芽よりもかなり小さいです。

ヤマウルシの枝では葉のついていたあと(葉痕)がよく目立ちます。葉痕は赤みがかっていることが多く縦長のハート形。さらに葉痕の中には、水分や養分の通り道だった組織のあとである「維管束痕」という点々が見られます。

枝は灰褐色でほとんど無毛で、「皮目(ひもく)」という褐色の点々がたくさんあります。皮目というのは、樹皮の表面に隆起した小さな点々のことで、呼吸のはたらきをしています。今回の写真でも何とか冬芽の下や葉痕のまわりなどにプツプツと見えています。

漆をとるために栽培される中国原産の「ウルシ (Rhus verniciflua)」の場合は、冬芽の毛がもっと白っぽいような黄色っぽいような色です。また、「ヤマハゼ(ハゼノキ Rhus sylvestris)」だと葉痕の形が横長のハート形です。

【和名】ヤマウルシ [山漆]
【学名】Rhus trichocarpa
【科名】ウルシ科 ANACARDIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 12:00| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

ムラサキシキブ

ムラサキシキブ Callicarpa japonica


ムラサキシキブは国内では北海道〜沖縄まで分布し、山野の林縁などに生える落葉低木です。高さは2m〜3mほどです。葉は先が細長くのび、長さは5cm〜10cmちょっとで対生します。

冬芽は芽が「芽鱗(がりん)」に包まれていない「裸芽(らが)」で、「星状毛(せいじょうもう)」が密生していて、ホコリをかぶっているかのような灰色っぽい芽です。裸芽なので、小さい葉の形がすでに見えていて2枚が向き合ってくっついています。それに葉脈があるのもわかります。長さは5mm〜1.5cmくらいです。

ムラサキシキブ Callicarpa japonica
花序の残骸
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
葉痕と維管束痕


冬芽の下には、円形か半円形の葉のついていたあと(葉痕:ようこん)も見られます。葉痕にある点は「維管束痕(いかんそくこん)」で、養分や水分などの通路になっていた部分の痕跡です。

花序(果実の柄の部分)の残骸も比較的長い間、枝に残っています。そのため花序の形は花時期以外でも観察できるわけです。ムラサキシキブの花序は「集散花序(しゅうさんかじょ)」です。集散花序というのは、まず中心となる花柄(花軸)の先端に花がつき、その下から枝分かれして花が咲きます。そして、その花の下からも枝分かれして花が咲くという花序のことです。よく見ると三又になった部分が残っているので、そのつど花の下から枝分かれして出る枝の数は2本だということがわかります。

*ちょっとだけ用語まとめ*
芽鱗冬芽を包む鱗片状の葉。
裸芽葉や花芽を包む芽鱗がない芽。
鱗芽芽鱗のある芽。
星状毛一か所から放射状に生える毛のこと。
葉痕落葉後、枝に残る葉のあと。
維管束痕水分や養分の通り道になる組織のあと。

図鑑では、より簡潔にするためにバシバシ専門用語で書かれています。ちょこっとずつでも覚えていくと、図鑑も使いやすくなっていくはずなんですが。。。

ムラサキシキブ Callicarpa japonica
しわしわになった実
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
冬芽の色は冴えない感じ


花期は6月〜7月。葉の脇(葉腋)から花序を出して桃紫色の小さい花をたくさんつけます。花序には、特に初めのころ少し星状毛が生えていますが、よく似た種の「ヤブムラサキ (藪紫 Callicarpa mollis)」ほど目立ちません。花の後、果実は直径5mm程度の鮮やかな紫色になります。晩秋のころ、葉がほとんど落葉してもまだ果実はよく残っているのが見られます。名前は、果実の美しさを源氏物語の作者、紫式部にたとえたことからきているのだそうです。

ヤブムラサキの場合は、花冠、ガク、花序に星状毛がもっと密生して目立ち、葉にも毛が多いのでさわるとフサフサしています。果実の時期にも星状毛が密生したガクが残ります。また、一般に「ムラサキシキブ」として流通し庭木によく植えられのは「コムラサキ (小紫 Callicarpa dichotoma)」が多いのだといいます。コムラサキの場合は枝が下垂し、葉が小さく縁にギザギザ(鋸歯)があるのは先半分だけです。

【和名】ムラサキシキブ [紫式部]
【学名】Callicarpa japonica
【科名】クマツヅラ科 VERBENACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 19:22| 東京 ☀| Comment(7) | TrackBack(1) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クロモジ

クロモジ Lindera umbellata


クロモジは、本州、四国、九州の落葉樹林内に生える落葉低木です。高さは2m〜5mほどになります。樹皮は緑色っぽい褐色で、黒っぽい斑点があります。

主な花期は3月〜4月。葉が展開してくるのと同時にたくさんの花を咲かせます。色は淡い黄緑色。雄株と雌株が別々の雌雄異株。樹皮などには独特の香りがあるので、高級爪楊枝の材料にもなっています。枝を少しもんでみると香りがするので、野外でそれらしいものに出あったときのチェックポイントともなります。

北海道南部や本州の主に日本海側の地域には、クロモジの変種としてより葉の大きい「オオバクロモジ (Lindera umbellata var. membranacea)」が知られています。しかし、中間的な形質を持つタイプも多いことから、はっきりとした区別はなかなか難しいこともあります。

そのほか、主に暖地に生え花柄の毛が赤い「ヒメクロモジ (Lindera lancea)」、西日本に生育し葉の表面に毛が密生する「ケクロモジ (Lindera sericea)」、ケクロモジの変種で葉の表面の毛がない「ウスゲクロモジ (Lindera sericea var. glabrata)」といったものもあって、なかなか複雑ですね。冬芽の段階で、これらを区別するなんてことは困難でしょう。

クロモジ Lindera umbellataクロモジ Lindera umbellata


写真は、クロモジの冬芽ですが、細長くとがったような形のものが葉芽で、先のとがった球状のものは花芽です。花芽は長さ5mm程度で柄には毛があり、弧を描くように斜め上向き〜横向きについています。この花芽の様子で、同属のよく似た種と区別できる場合があります。


花芽の様子
クロモジ花芽の柄に毛がある。弧を描くように斜め上向き〜横向きにつく。
アブラチャン花芽の柄は無毛。上や横などいろいろな向き。
カナクギノキ花芽の柄は無毛。上向き。
シロモジ花芽の柄は無毛。横向き〜下向き。
ヤマコウバシ花芽は葉芽と同じ冬芽に入っている。


クロモジの葉芽は長さ1cm内外で、中央が太くて上下の端が次第に細くなる紡錘形です。芽を包む芽鱗は2枚〜4枚で黄色っぽいような赤っぽいような褐色で、ごく短い毛がはりついたように密生しているので白い粉をふいたように見えます。

【和名】クロモジ [黒文字]
【学名】Lindera umbellata
【科名】クスノキ科 LAURACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 13:07| 東京 ☀| Comment(15) | TrackBack(2) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月08日

ウグイスカグラ

ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladra


ウグイスカグラは、北海道〜九州の山野の明るい林縁や雑木林に生える落葉低木です。高さは1.5m〜2mくらいでよく枝分かれします。名前の由来はよく分かっていないようですが、一説によるとウグイスがこの木の茂みにかくれていることからきているのだとか。

葉の縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁で、対生します。特に若い葉は縁に赤い縁取りがあることが多いです。花期はふつう4月〜5月。葉の脇(葉腋)から長さ1cm〜2cmの柄を出して、桃紅色の花がぶら下がるように咲きます。花(花冠)は細長い筒状で先端は5つに裂けます。中をのぞくと、雄しべよりも雌しべが長く突き出ているのがわかります。

果実(液果)は直径1cmほどの楕円形で、梅雨ごろには赤く熟して食用になります。

ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladraウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladra


この仲間には、各部の毛の多少などによって、いくつかの種内分類群が知られています。枝や葉柄、花柄などに毛が散生しているものは「ヤマウグイスカグラ (Lonicera gracilipes)」、葉や葉柄、花柄、花冠、果実などに腺毛が多いものは「ミヤマウグイスカグラ (Lonicera gracilipes var. glandulosa)」といいます。そしてほとんど全体が無毛のものが「ウグイスカグラ (Lonicera gracilipes var. gladra)」となっています。

今回の写真の場合、葉の縁や葉裏の主脈上には粗い毛が生えていましたが、葉柄、花冠、花柄、子房には毛がありませんでした。全体的に見ると毛は目立たないので、ウグイスカグラとしています。

まだ3月上旬ですが、関東の丘陵地では、すでにウグイスカグラの蕾はかなり膨らんで、ところどころ開きかかっていました。蕾の先から柱頭や雄しべがのぞいているものも見られました。

【和名】ウグイスカグラ [鶯神楽]
【別名】ウグイスノキ
【学名】Lonicera gracilipes var. gladra
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事→スイカズラ

■Trackback People : 身近な生き物

posted by hanaboro at 19:59| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タラノキ

タラノキ Aralia elata


タラノキは、日本全土の日当たりのよい山野にふつうに生える落葉低木です。高さは3m〜5mほどになります。大きくなった木にはトゲがほとんど目立たないのですが、若い樹皮には、かなり鋭いトゲが目立ちます。葉柄や小葉の軸などにもトゲがあるので、注意しないといけません。柔らかい若い芽は食用になり「タラノメ」としておなじみ。山菜の王とも呼ばれるほどですね。

葉は枝先に集まって互生します。葉は長さ1mほどにもなる「奇数2回羽状複葉」で、葉柄の基部は茎を抱くようにつきます。2回羽状複葉というのは、羽状複葉がさらに羽状に並んで1つの葉ができている葉のことです。また、葉の先端につく羽状複葉の数が1枚で、1つの大きな葉についている羽状複葉の数は奇数枚。さらに羽状複葉の先端の小葉の数も1枚で、1つの羽状複葉につく小葉の数も奇数ということになります。

花は8月〜9月。大型の花序に小さい花をたくさんつけます。

タラノキ Aralia elataタラノキ Aralia elata


大型の2回羽状複葉も冬には完全に落葉してしまいます。樹皮はトゲだらけで、ほとんど枝分かれせず、1本まっすぐ立っているので、葉がなくなるとトゲトゲの幹がまっすぐ突っ立っているのみです。

しかし、葉がなくなった幹をよく見るととげの他にもいろいろ観察できるものがあります。例えば、幹を取り囲むようについているV字形やU字形のあとは「葉痕」といって、葉がついていた痕跡です。葉痕はかなり大きく目立ちます。さらに葉痕には小さい点々がたくさん見えます。これは「維管束痕」といって、養分や水分の通路となっていた管の痕跡です。維管束痕は30個ほどあって、1列に並んでいます。

今回の個体の冬芽はちょっとわかりづらいのですが、幹のてっぺんの頂芽は円錐形をしています。芽を包む芽鱗はありますが、あまりしっかりしたものではないようです。冬芽近くのトゲはねる傾向があります。また、トゲが小さくて少ないタイプを特に「メダラ (Aralia elata f. subinermis)」といいます。

【和名】タラノキ
【別名】タラ、タランボ、ウドモドキ
【学名】Aralia elata
【科名】ウコギ科 ARALIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 17:18| 東京 ☀| Comment(10) | TrackBack(1) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月07日

オオキンケイギク

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata


オオキンケイギクは、キク科コレオプシス属(ハルシャギク属)の植物です。同じ属の植物は、世界各地に100種ほどが知られていて、日本に入ってきたのは明治時代のことだったといいます。一般に「コレオプシス」といっているものには、いろいろな種類があって、大きく多年草として扱われるものと、一年草として扱われるのものがあります。

例えば、多年草のタイプでは、特に性質の丈夫な「オオキンケイギク(大金鶏菊 Coreopsis lanceolata)」、葉が糸のように細長い「イトバハルシャギク(糸葉春車菊 Coreopsis verticillata)」、大輪の「ホソバハルシャギク(細葉春車菊 Coreopsis grandiflora)」などがあります。

また、一年草のタイプでは、黄色に濃い赤の蛇の目模様の「ハルシャギク(春車菊、蛇の目菊 Coreopsis tinctoria)」、小型で黄花の「キンケイギク(金鶏菊 Coreopsis drummondiiまたはCoreopsis basalis)」などがあります。

そのほか、コスモスを小さくしたような淡いピンク色の「ロゼア」というのがありますが、これは、イトバハルシャギクの1品種なのか、まったく別の種なのかよくわかりません。

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata


写真は、最も多く見られるオオキンケイギクの越冬中の根生葉です。

オオキンケイギクは、北アメリカ原産の多年草です。地面近くにロゼット状にたくさんの根生葉を広げて越冬します。根生葉には長い柄があって3つ〜5つの小葉に分かれていますが、分かれていないこともあります。個体によって毛の多少はあるようですが、葉の両面には粗い毛が見られます。

草丈は20cm〜50cmほど。主な花期は7月〜9月。花は鮮やかな黄色で、直径5cmほど、中央部には筒状花がたくさんあって、そのまわりには舌状花があります。舌状花というのはいわゆる花びらに見えている部分で、先端にギザギザの切れ込みがあるので、コスモスによく似た形に見えます。

オオキンケイギクは、見た目も華やかで手もかからないのでよく栽培されていますが、現在では道路脇や河川などに野生化して、大群落となっていることもあります。写真は、ある月極駐車場の脇の芝生に生えていたものです。誰かが栽培しているものなのか、勝手に生えてしまったものかは定かではありません。

ちなみに、属名の「Coreopsis」は「ナンキンムシ(トコジラミ)に似ている」という意味だそうで、果実がナンキンムシに似ていることからきているのだとか。まったく先人の発想にはいつも驚かされますね。この花の果実を見て、いくら扁平だからといって、とてもそんなことは思いつきません。

【和名】オオキンケイギク [大金鶏菊]
【学名】Coreopsis lanceolata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/01/27
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事→イトバハルシャギク

■Trackback People : 帰化植物

posted by hanaboro at 18:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月05日

ミカヅキグサ

ミカヅキグサ Rhynchospora alba


ミカヅキグサは、国内では北海道、本州、九州の主に低山〜高山の湿原に生育しますが、海岸近くの低地にも稀に生育しています。高さは20cm〜60cmほどの多年草です。葉は端が内巻きになっていて、糸状でごく細く幅は1mmぐらいです。

花期は7月〜10月。茎の先に白くて小さな小穂がいくつか集まってつきます。白い塊の部分をさらに細かく見ると、まずある程度1つのまとまりに見えるのが小穂です。その小穂には数個の鱗片があって、ミカヅキグサの場合は、上2つの鱗片にのみ小花がつきます。その小花には刺針状になった花披片が10〜15本ほどあります。同じカヤツリグサ科でもスゲ属の植物には、この花披片が見られません。とはいっても、ミカヅキグサの花披片の長さは5mmにも満たないものですし、ごく細〜いですから、なかなかその数まで数えるのは大変です。それに、写真には細かい点は何も写っていませんから、いろいろ書いていてもここでは何のことかわからないですね。。。

丈の低い植物ですが、白い小穂は湿原の中でよく目立ちます。結構、きれいなんです。花が終わった後もやや濁るくらいで白っぽく、果実も薄い茶色です。名前は小穂が三日月に似ているところからきているそうです。

【和名】ミカヅキグサ [三日月草]
【学名】Rhynchospora alba
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

(注) 今回の写真、残念ながら花は特に終わっているわけではありません。

posted by hanaboro at 20:15| 東京 ☔| Comment(4) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アメリカヤマボウシ

アメリカヤマボウシ Benthamidia florida


アメリカヤマボウシは、北米やメキシコ原産の落葉小高木です。特に最近では「ハナミズキ」という名前の方がよく知られていて、4月〜5月ごろの花や赤く熟した果実や秋の真っ赤な紅葉も美しく庭木や街路樹としてもお馴染みのですね。日本には明治の中ごろ入ってきたそうで、その後大正初期には、東京がワシントンに贈ったサクラのお返しとして、この木がワシントンから東京に贈られたというお話は有名です。

冬の時期、葉はすべて落葉していますが、樹皮や花芽、葉芽はよく観察できます。かなり個性的です。一番上の写真は、花芽です。花芽は枝先に1つだけつき、玉ねぎを上から押しつぶしたような形で、先はとがっています。色は枝と同じように紅紫色がかっていて、白っぽいような灰色っぽいような細かい毛がたくさん生えています。葉があるうちは目立ちませんが、紅葉しているころにもすでにできています。

アメリカヤマボウシ Benthamidia floridaアメリカヤマボウシ Benthamidia florida


樹皮は、暗い灰褐色で、縦横に割れて「マツ」にも似た亀裂がたくさん入っていて、ある程度大きな木ではゴツゴツした感じになります。右の写真はまだ若い木で、表面はデコボコしていますが割れ目はほとんどありませんでした。もしかしたら、「ヤマボウシ」の方かもしれません。

アメリカヤマボウシ Benthamidia floridaアメリカヤマボウシ Benthamidia


左の写真は葉芽です。葉芽は細長くて芽鱗は2枚です。2枚がペタッと向き合って芽を包んでいて、芽を横から見ると1本縦に線が入っているように見えます。右の写真は先端に葉芽のある枝を写したものですが、枝にガタガタと節があるのが見えます。節の部分には葉のついていたあと(葉痕)があります。葉痕は枝から少し突き出て斜め上を向いています。ただし、右の写真は「ヤマボウシ」の可能性があります。

【和名】アメリカヤマボウシ [亜米利加山法師]
【別名】ハナミズキ [花水木]
【英名】flowering dogwood
【学名】Benthamidia florida (Cornus florida)
【科名】ミズキ科 CORNACEAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

もう何年も前のテレビ番組だったのですが、アメリカから贈られた「アメリカヤマボウシ」の大元の株が、どこか行方不明になってしまったそうで、それを探すという番組があったと思います。そこでたどり着いたのは、確か小石川植物園の株ではなかったかな。

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 12:14| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 樹皮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月04日

ミネズオウ

ミネズオウ Loiseleuria procumbens


ミネズオウは、北半球の北部に広く分布し、国内では北海道と本州中部以北の高山帯の砂礫地や岩場に生育する常緑矮性低木です。ツツジ科ミネズオウ属に分類されていて、現在のところ、1属1種となっています。

高さは5cm程度でごく低く、よく枝分かれして地にへばりつくように広がります。葉は分厚く細長い楕円形。長さは1cmあるかどうかという程度で、対生します。縁にギザギザ(鋸歯)はありません。一見、コメバツガザクラに似ていますが、より幅が狭く1.5mm〜3mmです。葉の縁は裏側に向かって少し巻くような形になっていて、葉に1本線が入っているのが目立ちます。これは葉の主脈がくぼんでいるためです。

花期は6月〜7月。枝先に2個〜5個、上向きに開きます。花(花冠)は直径5mmぐらい、色は白色か淡い紅紫色、雄しべの先の葯が紅紫色を帯びます。花冠が特に濃い紅紫色のものは、「ベニバナミネズオウ (Loiseleuria procumbens f. rubra)」といいます。花冠はだいたい5つに裂けて5枚の花びらがあるように見えますが、4枚のものも混じっています。

花が終わると、ちょっと先のとがった卵球形の実ができます。写真は、8月下旬の本州中部、標高3000m付近、花はとっくに終わっていて、果実もすでに赤くかなり熟しているようでした。

また、ミネズオウという名前は、葉が「イチイ(スオウ)」という針葉樹に似ていることからきているそうです。まあ、これには他説もあるようですけどね。

【和名】ミネズオウ [峰蘇芳]
【学名】Loiseleuria procumbens
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

posted by hanaboro at 18:02| 東京 🌁| Comment(8) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

チューベローズ

チューベローズ Polianthes tuberosa


チューベローズは、メキシコ原産の多年草で、日本での園芸的な取り扱いは、春植え球根植物です。日本に入ってきたのは江戸時代のことだそうで、現在は切花としての利用が多いようですね。「リュウゼツラン科ポリアンサス属(Polianthes)」に分類されているケースが多いようですが、このリュウゼツラン科自体がいろいろと分類学的に揺れ動いてきたようで、チューベローズも「ヒガンバナ科」となっていることもあります。

草丈は50cm〜1mほど。花期は7〜10月、茎の先に総状花序を出して、下から上へと咲き進みます。長さ5cmくらいの筒形で、基本は白い6弁花。強い芳香があります。どちらかというと八重咲き種の方がよく見られますが、香りは一重咲きの方が強いのだそうです。またチューベローズの場合、「球根」といっているのは「塊茎」です。塊茎というのはもともとは茎だったものが養分が蓄えられて変形し、大きな塊となった地下茎のことです。ちなみに学名の種小名「tuberosa」は「塊茎を持つ」という意味です。

写真は八重咲きの品種。乳白色の花びらはやや厚みがあって、花弁の先はわずかに紅紫色を帯び、ろう細工のような印象です。このときは、花がほとんど終わっていたからか、昼間だったからか、特に強い香りは感じませんでした。香りは特に夜になると強くなることから「月下香」、中国では「晩香玉」と呼ばれることもあるそうです。また、その香りは香水の原料としても利用されるとか。

花序はかなり長く伸び、全体としては花数もそれなりなのですが、同じ時期に開いている新鮮な花が少ないような感じがします。八重咲きでもあまり派手さはありません。露地植えで、雨風にさらされ放題だったからでしょうか。

【一般名】チューベローズ
【別名】月下香、晩香玉
【英名】tuberose
【学名】Polianthes tuberosa
【科名】リュウゼツラン科 AGAVACEAE
【撮影日】2004/09/20
【撮影地】静岡県浜松市

posted by hanaboro at 13:44| 東京 | Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月03日

イタチハギ

イタチハギ Amorpha fruticosa


イタチハギは、もともとは北米やメキシコ原産の落葉低木です。日本に入ってきたのは大正時代のことだそうで、砂防や護岸に用いられています。現在では、各地の崩壊して開けた場所などで野生化しているのが見られます。高さは1m〜5mほど。葉は長さ20cm〜30cmの奇数羽状複葉で、小葉は5〜12対あります。小葉の縁にはギザギザはなく全縁です。

葉の形は、植物の名前を調べるのときにはとても重要です。一般的な図鑑でも「奇数羽状複葉」というような用語がよく出てきます。そこで、まず「複葉」という用語を「単葉」との違いと一緒に覚えておきましょう。簡単にいうと小葉が複数ある葉が「複葉」で、複数の小葉がなく葉が一枚でできているのが「単葉」です。また、複葉はバラ科やマメ科の植物でよく見られ、イタチハギのように羽状になったものを「羽状複葉」といいます。

上の写真はわかりにくいですが、楕円形の小さい葉がたくさん見えているのが「小葉」です。この小葉が、羽状復葉の一番先端に1枚だけついています。それによって、小葉の数が奇数枚になるので「奇数羽状複葉」といいます。先端に2枚小葉がつく場合は「偶数羽状複葉」です。ただし、イタチハギの場合は奇数とは限らず、偶数になることもあるようです。

花は6月ごろ、枝先に総状花序を出して、たくさんの長さ1cm内外の暗紫色の蝶形花をつけます。総状花序というのは、花序の中心となる茎(花軸)に柄のある花がたくさんついて、下から上に咲き進む花序のことです。ただし、花序が下に垂れ下がっている場合は、上から下へ咲き進むことになります。また、マメ科植物の多くが5枚の花弁が蝶のような形についている蝶形花をつけます。ふつうは、上につく1枚の花弁は旗弁といって大きく目立ち、翼弁と舟弁という少し小さめの花弁が、左右対称に2枚ずつついています。

ところが、イタチハギの場合はちょっと変わっていて、黒紫色の旗弁しかありません。それで、雄しべが花の外に突き出てオレンジ色の葯がよく目立ちます。花が咲き進むにつれて、下の花はどんどん終了していきます。咲いている花のある黒紫色とオレンジの帯は下から上に移動して、終わったところは色あせてしまいます。写真は、もう上までほとんど色あせてしまっています。変わった取り合わせに色のシッポのような穂が、あちこちたくさん立っている姿は、やはりどこか日本のものではないなという雰囲気を漂わせます。

写真では見えませんが、花の後にできる豆(豆果)は、長さ1cm程度の小さなもので種子は1個か2個です。

【和名】イタチハギ [鼬萩]
【別名】クロバナエンジュ [黒花槐]
【学名】Amorpha fruticosa
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県牧丘町

■Trackback People : 帰化植物

posted by hanaboro at 17:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヤマモモ

ヤマモモ Myrica rubra


ヤマモモは、国内では本州の関東南部や福井県以西、四国、九州、沖縄に分布し、暖地の山地に多く生育している常緑高木です。高さは20mを越えるほどにまでなりますが、庭木や街路樹としても植栽されています。

雌雄異株で、雄株と雌株があります。花は、4月ごろ。夏には雌株に直径1.5cmくらいの球形の果実ができます。赤い果実の表面にはツブツブがたくさんあって、飴やグミなどお菓子にありそうな見た目です。一見堅いタネなんて入ってなさそうですが、中には堅い「核」が入っています。果実は「外果皮(がいかひ)」が液質の「核果(かくか)」です。色は明るめの赤から次第に黒っぽくなってきます。たくさん実をつけるためには、近くに雄株と雌株の両方が必要で、赤く熟した実は甘酸っぱく、ジャムや果実酒などに利用されます。

いくつか、専門的な言葉が出てきましたので、少し説明です。ふつう、花が咲いて受精が行われると、「子房」が果実に、「胚珠」が種子になります。そして果実は外側から「外果皮」、「中果皮」、「内果皮」があって、その中に種子が入っている構造をしています。ヤマモモの果実は、外果皮が多汁で、内果皮の部分が堅い核となっています。そこでこのような果実を「核果」といいます。

ヤマモモ Myrica rubra
ヤマモモの葉 (裏面)
ヤマモモ Myrica rubra
ヤマモモの葉 (表面)


葉はやや枝の先の方に密集してつきます。長さは10cm内外、幅は2cm〜3cm程度の細長い倒披針形(とうひしんけい)で、互生します。「倒披針形」というのは、先端のほうは丸みを帯びて鈍く、付け根の方が細くとがっていて、真ん中よりもちょっと上よりの部分の幅が広くなる形のことです。「披針形」はその反対の形です。

葉脈に注目すると、葉の中央を走る主脈から、横に目立つ側脈がいくつか出ていて、その出方が主脈に対して直角に近い角度で出ているのがわかります。

ヤマモモ Myrica rubra
葉の裏面から見える細かい網の目

成木の葉だと、縁のギザギザ(鋸歯)は、まったくないか、わずかに浅い鋸歯が見られる程度ですが、まだ若い木の葉には鋭い鋸歯があって、これが「ホルトノキ (Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus)」によく似ています。ヤマモモの場合は、葉を透かしてみると、かなり細かい網の目のようになった脈がよく見えますが、ホルトノキの場合だともう少し大き目の脈までしか見えません。

上の画像だと、網の目の線が黒っぽく写っていますが、光に透かしてみると、線の部分が白っぽく見えます。画像の後ろから光を当てたように見えるように加工したかったんですが。。。

【和名】ヤマモモ [山桃]
【学名】Myrica rubra
【科名】ヤマモモ科 MYRICACEAE
【撮影日】2005/02/27
【撮影地】東京都日野市(植栽)

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 12:56| 東京 🌁| Comment(9) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月02日

サワラ

サワラ Chamaecyparis pisifera
2005/02/13 多摩市

サワラは、本州、四国、九州に分布し、山地のやや湿り気の多い谷すじなどに多く生育する常緑高木です。高さは30mほどにもなり植林もされますが、今では少なくなったと聞きます。また風呂桶に利用されたり、庭木や生け垣としても植えられ、様々な園芸品種もつくられています。

樹皮は、スギやヒノキなどとよく似ていて、灰色っぽいような赤っぽいような褐色で、縦にやや薄めにガシガシと剥がれます。樹形もヒノキによく似ていますが、ヒノキの方がより密に葉をつけ、サワラは葉が少なめなので比較的枝がよく見えます。葉は鱗状になっていて、先端はヒノキよりもとがっています。 

と、まあ、区別点はいくつかあるのですが、ヒノキと区別する最も簡単な方法は、葉の裏の「気孔線(きこうせん)」を観察することです。葉を裏返すと白い模様が見えるのですが、これを気孔線といって、酸素や二酸化炭素などの通路となる「気孔」がたくさん並んでいる場所なのです。その白い気孔線の形が、アルファベットの「Y字形」に見えたらヒノキ、「X字形」に見えたらサワラです。

サワラ Chamaecyparis pisifera


身近なところに植栽されている針葉樹、パッと見たところがよく似ていてわかりにくいこともありますが、「サワラ」は、この気孔線がX字形というのを覚えておくとかなり楽です。2つ目の画像は、スキャナーで取り込んだものなんですけど、なかなか難しいですね。影ができるし、何だかすごく違和感があります。しかも、ファイルサイズが大きすぎる。攻略本が必要かな。

サワラ Chamaecyparis pisifera
2005/02/27 日野市

一番上の樹皮の写真は、おそらく野生種のものです。葉の写真は公園に植栽されていた木のもので、品種名までは特定できませんでしたが、園芸種ではないかと思います。逆光で見るとピカピカ光ってまぶしいくらいでした。

【和名】サワラ [椹]
【学名】Chamaecyparis pisifera
【科名】ヒノキ科 CUPRESSACEAE
【撮影日】2005/02/13、2005/02/27
【撮影地】東京都多摩市、日野市

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 18:28| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 樹皮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月01日

マサキ

マサキ Euonymus japonicus


マサキは、国内では北海道の一部、本州、四国、九州、沖縄に分布し、特に暖地に多く海岸の近くの林に生える常緑低木です。乾燥や寒さ、塩害など様々な条件に耐えられるし、よく分枝して刈り込みにも強いことから、庭や公園などの生垣によく使われています。葉は楕円形で、先はあまりとがらず丸みを帯びることも多いです。長さは3cm〜10cmほど、幅は2cm〜5cm程度で、対生します。やや分厚く表面は光沢のある濃い緑色、裏面はちょっと白っぽいような薄黄緑色でノッペリ感があります。縁のギザギザ(鋸歯)は、先のとがらない鈍いものですが、それなりにしっかりとある感じです。

花は6〜7月、葉の脇(葉腋)から集散花序(しゅうさんかじょ)を出して、直径5mm程度の小さな緑っぽいようなクリーム色のような色の花をたくさんつけます。集散花序というのは、まず、花がつく茎や柄の先端に最初の花が咲き、その花の下の部分が枝分かれして、分かれた先端に次の花が咲いて、さらにその花の下からも枝分かれして、その先端に次の花が咲くというような花序のことです。

11月ごろになると7mmほどの球形の果実ができます。この果実が4つに割れると、中からは鮮やかな艶のある朱赤色の種子が出てきます。この赤い部分は、「仮種皮」といいます。

マサキ Euonymus japonicusマサキ Euonymus japonicus


子どものころ住んでいた家の北側に「マサキ」の生垣がありました。2mぐらいに生長していたその木々は、当然、自分の背丈をはるかに越えていました。管理は何もされず、伸びすぎたところを適当にカットするぐらいで、ほったらかし。うどんこ病にかかっていたし、マサキの葉を食べる尺取虫も大発生していた。その尺取虫というのは、細長い黒い体に黄色い模様のあるユウマダラエダシャクという蛾の幼虫だ。誤って、マサキの木を揺らそうものなら、もう何匹もぶら下がってきた。そして、ほぼ、マサキの生垣が丸坊主になるころ、玄関の門柱やブロック塀やなんかに、成虫となったユウマダラエダシャクが現われ、白に灰色や茶色の斑紋のある羽を広げてペッタリとくっついている姿を目撃することになる。その当時、花が咲いた記憶はない。薄暗い北側のそういう一連の光景は、とても美しいものとは思えなかった。

それから、もうかなりの歳月が過ぎ、久々にマサキの若木に目がとまりました。丈はまだ、1mほどの小さなものですが、寒風が吹きすさぶ中、ほんの短い時間、日差しを浴びて輝いていたのです。葉先の丸みと艶やかな光沢。濃く明るい活力を感じる緑色。シャープではないけれど、カタカタカタッと小気味よい鋸歯。「マサキ」の葉って意外ときれいだったのね。そりゃあそうか、生垣に使われるぐらいの木なんだから。

【和名】マサキ [柾、正木]
【学名】Euonymus japonicus
【科名】ニシキギ科 CELASTRACEAE
【撮影日】2005/02/27
【撮影地】東京都日野市(植栽)

■当ブログ内関連記事→ニシキギ

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 17:13| 東京 ☁| Comment(11) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。