2005年03月13日

マイヅルソウ

マイヅルソウ Maianthemum dilatatum


マイヅルソウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山地〜高山帯の林床などに生える多年草です。特に針葉樹林の林床でよく見られます。草丈は5cm〜20cm程度です。葉は2枚が互生します。葉はハート形、長さは5cm前後で無毛。名前は、ハート形の葉にある葉脈が形に沿って曲がっているところを、ツルが羽を広げて姿に見立ててつけられたといいます。

マイヅルソウを見かけると、よくその辺りにかたまって群生していることが多いと思います。それは、地下の細い根茎が網目状にのびて増えるからだそうです。

花期は5月〜7月。花は白色で総状につきます。花被片は4枚、雄しべは4本。花被片の先は反り返って、雄しべが突き出て目立ちます。1つ1つの花はごく小さいもので数mmですが、10個前後つきますので、咲いていたら目にとまる花といえるでしょう。

果実(液果)は、熟すと赤または紫褐色の斑紋のある果実となります。果実は直径5mm〜7mmの球形です。また、国内では北海道と本州中部以北の亜高山帯に生育する「ヒメマイヅルソウ(Maianthemum bifolium)」は、葉がやや細めで、葉の裏や縁、葉柄、茎、そして花序など全体的に短毛があります。今回の写真のものは、葉の縁に何やら突起状のものがあるのですが、葉や茎の短毛はなく全体的に無毛なので、「マイヅルソウ」としています。果実には、紫褐色の斑模様があります。

マイヅルソウ属の植物は、日本で見られる2種(マイヅルソウ、ヒメマイヅルソウ)以外に、もう1種「カナダマイヅルソウ (Maianthemum canadense)」という種が知られていますが、これは日本には生育していません。

【和名】マイヅルソウ [舞鶴草]
【学名】Maianthemum dilatatum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

posted by hanaboro at 19:05| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヤマアジサイ

ヤマアジサイ Hydrangea serrata


ヤマアジサイは、国内では本州関東以西、四国、九州に分布し、山地の沢沿いやちょっと湿り気のある林内などに生育する落葉低木です。北海道や主に日本海側の地域にはよく似た「エゾアジサイ (Hydrangea serrata var. yesoensis)」が見られます。

葉は対生します。長さは10cm前後の長楕円形で、先端は細長く尾状にのびています。縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。葉の質は薄くて、あまり光沢はありません。

花期は6月〜8月。枝の先に散房花序を出して花を咲かせます。花には2種類あって、中心部には小さな「両性花」がたくさんつき、周辺部には長い柄のある「装飾花」をつけます。装飾花というのは、文字通り飾りの花で、生殖機能はありません。果実をつけるのは、中心部の小さな両性花の方で、果実は長さ2mmほどです。装飾花の方は花びらのように見えるガク片が3枚〜5枚あって、色は白色、薄い青色、薄い紅色で、中央部の花よりもずっと色や形が目立ちます。ちなみに園芸種の「アジサイ (Hydrangea macrophylla f. macrophylla
)」の場合は、すべてが装飾花となっているので、よりボリュームがあります。

ヤマアジサイにも、色や形の変異が見られ、庭木としてもよく植えられています。「アジサイ」や「セイヨウアジサイ(ハイドランジア Hydrangea macrophylla f. hortensia)」のような派手さはありませんが、楚々とした美しさで、飽きのこない花です。梅雨のころ静かな山中で咲く姿は、幻想的ともいえます。

写真は、花が終わって、中心部の両性花は結実して、緑色の若い果実ができています。周辺部の装飾花は、はじめは白だったのですが、花が終わって長い柄が下向きに曲がり、ガク片の裏側が見えています。裏側は、赤紫色に染まっていました。遠くから見ると、まだ咲いているかのようで、これもまた楽しめると思います。

また、アジサイ属が分類される「科」ですが、10年ぐらい前までは「ユキノシタ科」となっていることが多かったのですが、最近では「アジサイ科」とされることが多くなってきました。ユキノシタ科とする場合は、新エングラーの分類体系に従ったもので、アジサイ科とする場合は、クロンキストの分類体系に従ったものです。どちらで表記しても、間違いというわけではありません。

【和名】ヤマアジサイ [山紫陽花]
【学名】Hydrangea serrata
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
(アジサイ科 HYDRANGEACEAE)
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市

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posted by hanaboro at 13:42| 東京 ☀| Comment(5) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ツルニンジン

ツルニンジン Codonopsis lanceolata


ツルニンジンは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林内に生育するつる性の多年草です。つるはフニャフニャとのびる感じで、近くに他の草などがあれば、それに絡まって、2mほどになります。傷つけると白い汁が出て臭いにおいがします。うぅ〜、標本作りはしたくない。

葉は互生しますが、上部では3枚か4枚が輪生状に集まってつきます。葉の質は薄めでヒラヒラとした感じです。裏面は粉をふいたように白っぽくなっています。

写真の個体は、それほど大きいわけではありませんが、葉の縁には毛がないことから、ツルニンジンとしました。よく似た「バアソブ (Codonopsis ussuriensis)」の場合は、葉の縁や裏面に白い毛が生えています。両者の違いは、本当は花や種子を見る方が確実なんです。ツルニンジンの種子は光沢がなく薄い褐色で大きな翼がありますが、バアソブの種子には光沢があって黒褐色、翼はありません。

ツルニンジン Codonopsis lanceolata


花期は8月〜10月。幅の広い釣鐘型、先は5つに浅く裂けて、後ろに反り返ってクルクルッと巻いたようになります。花(花冠)は長さ、直径ともに3cmほどです。外側から見るとちょっと緑がかった白っぽい花で、下向きに咲くので目につきにくいところがありますが、中をのぞいてみるとビックリします。内側には紫褐色の模様があります。

ツルニンジンの花には、5本の雄しべがあって雌しべが成熟する前に雄しべが成熟します。柱頭が3つに分かれる雌しべが成熟するころには雄しべは花粉を出し終えてしおれてきます。このような「雄性先熟」という仕組みによって、同じ花での受粉を避けることができるわけです。

一番上の写真は蕾の状態で、プクッとふくらんだ薄い緑色で、何かをはり合わせたようになっています。その何かというのは、「ガク片」なんですが、開くと5つあって、長さは2cmほどです。

名前は、根が太くて「チョウセンニンジン(Panax ginseng)」に似ていることからきています。また、バアソブに対して「ジイソブ」という別名もあります。ちなみに、バアソブというのはお婆さんのそばかすという意味だそうです。

学名の「Codonopsis」はツルニンジン属の属名で、「codon(鐘)+opsis(〜に似た)」という意味があります。また、種小名の「lanceolata」は、「披針形の」という意味です。

【和名】ツルニンジン [蔓人参]
【別名】ジイソブ
【学名】Codonopsis lanceolata
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

posted by hanaboro at 03:26| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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