2005年03月14日

キブシ

キブシ Stachyurus praecox


キブシは、北海道南部、本州、四国、九州に分布し、山野の比較的明るい場所に多く見られる落葉低木です。高さは2m〜5mほど。上にグングンのびる感じではなく、よく分枝した長い枝が垂れ下がるようにのびます。枝は赤みのある紫褐色で、少しツヤツヤしています。葉は互生し、長い卵形か長い楕円形で、先は細長くシッポのようにのびます。長さは5cm〜10cm程度。縁にはちょっと粗めのギザギザ(鋸歯)があります。葉の形はサクラに似ているところがあります。

花期は3月〜4月、葉が展開するより先に花が咲きます。花は5cm〜10cmくらいの垂れ下がる穂状花序にたくさんつきます。1つ1つの花は長さ5mm〜7mm程度の鐘形で、色は淡黄色。花弁は4枚、ガク片も4枚で赤褐色。大小のガク片が花弁の基部の方に、ちょこっとはりついているように見えます。

基本的には、雄花と雌花が別の株につく雌雄異株。しかし数は少ないようですが、両性花をつける個体もあります。花の中をのぞいてみて、雄しべが目立っていたらだいたい雄花と思ってしまいますが、両性花の場合も雄しべはそれなりに目立ちます。雌花の場合も雄しべはありますが、雌しべに比べてかなり短く退化しています。

果実は雄花にはできず、雌花にはよくできます。長さ8mm程度の楕円形で熟すと黄色くなります。名前は、この果実をヌルデ (Rhus javanica)の「五倍子(ふし)」の代わりとして染料に用いることからきているそうです。ちなみに、「ふし」はヌルデに「ヌルデノフシムシ」というアブラムシの仲間が寄生してできた「虫こぶ」のことで、これから「タンニン」をとってインクや薬などに利用するのだそうです。

キブシ Stachyurus praecox


写真は、蕾のついた花序の部分です。徐々に垂れ下がってきているようで、風にゆらゆらと揺れていました。春の訪れを感じさせるキブシ。開花まであと少し。果たして、雄花か雌花か、それとも両性花か。。。

【和名】キブシ [木五倍子]
【別名】キフジ[木藤]、マメブシ[豆五倍子]
【学名】Stachyurus praecox
【科名】キブシ科 STACHYURACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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ノイバラ

ノイバラ Rosa multiflora

 
ノイバラは、国内では北海道、本州、四国、九州の山野に生育する落葉低木です。日本以外では朝鮮半島や中国にも分布しています。高さは2m程度ですが、ややツル状になってワサワサとした茂みをつくる感じに伸びます。名前は、野にある「イバラ」、つまり野にあるトゲのある植物ということからつけられたのだそうです。ただし、漢字は「野薔薇」となっていることもあります。

枝にはたくさんトゲがあるので、それに気づかずにブッシュに入ると、ガリッとあちこちやってしまって、思わず悲鳴をあげてしまうことがあります。そのトゲは、茎の表皮が変形したものなのだそうです。

葉は互生し、複数の小さな葉(小葉)から1枚の葉ができていています。小葉は3対〜4対あって先端部分には1枚の小葉があるので、小葉の数は奇数枚となるので、このような形の葉を「奇数羽状複葉」といいます。小葉は卵形か長楕円形で、長さは2cm〜5cmです。縁にはギザギザ(鋸歯)があります。

表面にはあまり光沢はありません。葉の裏面や柄の部分に毛が生えることが多いです。葉柄の茎に近い部分を見ると、くしの歯状に裂けた「托葉(たくよう)」が葉柄にくっついているのがわかります。この托葉があるのもバラ科に多い特徴です。といっても写真の状態では、まだよくわからないんですけどね。

ノイバラ Rosa multiflora


花期は5月〜6月。枝先に円錐花序を出して、芳香のある白い花をたくさん咲かせます。種小名の「multiflora」は、「たくさんの花の」という意味です。花は直径2cm〜3cmほどで、バラ科らしく花弁は5枚、雄しべは多数あります。ガクは後ろに反り返っています。

果実は7mm〜8mmくらいの球形で赤く熟します。果実の上の部分にはガクの名残りが見られます。この赤い果実は、子房と花床という部分がいっしょに発達してできています。子房以外の部分が果実のようになったものを「偽果(ぎか)」といいますが、その中にはごく薄い果皮で種子を包む「痩果(そうか)」が多数あります。このような果実(偽果)を「バラ状果」といいます。

よく似た種に「テリハノイバラ (Rosa wichuraiana)」がありますが、こちらは、海岸近くや山野の崖のような場所に多く生えます。葉の表面に光沢があって、地面をはうようにようにのびることが多いです。

【和名】ノイバラ [野茨、野薔薇]
【学名】Rosa multiflora
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:43| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(1) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アガパンサス

アガパンサス Agapanthus africanus


アガパンサスは、南アフリカ原産の常緑または宿根性の多年草で、英名は「アフリカンリリー」です。アガパンサス属の植物は、南アフリカを中心に20種ほどが分布していて、日本には明治の中ごろに渡来したそうです。はじめに入ってきたのは、「アフリカヌス(Agapanthus africanus)」だったとか。

肉厚の葉は根もとの方からたくさん出て、細長く光沢があります。この葉や花のつき方が「クンシラン (君子蘭 Clivia nobilis)」に似ているということで、別名は「ムラサキクンシラン」といいますが、クンシランとはまったく別の植物です。両者がそれぞれどの科に属するかについては、いいろいろと見解があるようですが、たまたま持ちあわせている園芸書では、アガパンサスはユリ科、クンシランはヒガンバナ科となっています。

草丈は50cm〜1mほど。花期は6月〜7月。花茎は長く伸び、その先端にたくさん花を散形花序につけます。1つ1つの花は漏斗型で、花冠は6つに裂けます。中からは雄しべが突き出して、その先はキュッと上に曲がります。花序の直径は10cm〜20cmほどにもなります。紫系の花色が多いですが、白やピンクのものもあります。ふつうは花序の外側の花から咲いて。次第に内側へと咲き進みます。

花が終わると写真のように果実がふくらんできます。果実は秋に成熟して、中には翼のある種子ができるはずです。写真のものにはラベルがついていて、学名は「Agapanthus africanus」となっていました。

アフリカヌスは草丈は低めで、やや寒さに弱いですが、現在の園芸品種の多くは、少し耐寒性の強い「プラエコクス(Agapanthus praecox)」の交配によってできた品種が多いそうです。こちらは、草丈が高く1m以上になることもあります。比較的温暖な地域では、地上部が枯れずに越冬しますが、寒さが厳しいと葉は枯れてしまいます。

学名の「Agapanthus」は「愛らしい花」で、アガパンサス属(ムラサキクンシラン属)をあらわしています。種小名の「africanus」は「アフリカの」という意味、また「praecox」は「早咲きの」という意味です。

【一般名】アガパンサス
【和名】ムラサキクンシラン [紫君子蘭]
【英名】African lily
【学名】Agapanthus africanus
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市

posted by hanaboro at 02:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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