2005年03月22日

フヨウ

フヨウ Hibiscus mutabilis


フヨウは、もともとは中国原産といわれていますが、国内では四国や九州の南部、沖縄などの暖地の海岸に近い地域に自生が見られます。落葉低木で、高さは2〜4mほどです。全体に白い星状毛が生えています。樹形は株立ち状になります。葉は互生、長さは10cm〜20cmほど、掌状に浅く裂けて、縁にはあまり鋭くない鈍いギザギザ(鋸歯)があります。葉柄も長くて5cm〜20cmほど。

花期は7月〜10月。茎の上部の葉の脇(葉腋)に淡い桃紅色の花をつけます。花は一日花で、直径10cm以上の大きめの花です。花弁は5枚。花の中央から伸びているブラシのような形のものは、雄しべや雌しべが集まったもので、この仲間(Hibiscus属)の特徴となっています。たくさんの雄しべが合着して筒状になります。さらに雌しべとも合着して筒状になった雄しべの先から雌しべが突き出ています。

八重咲きの品種に「スイフヨウ (酔芙蓉)」というのがあります。この品種は花の色が、朝開いたときは白色ですが、昼過ぎにはピンク色となって、夕方には紅色に変化していきます。この色の変化を酒に酔った人の顔色にたとえてそう呼ばれているのだそうです。夏の午前中には、咲いている花は白なのに、しぼんでいるのは赤いという場面に出会うことがあると思います。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


暖かい地方では常緑なのだそうですが、だいたい冬には落葉してしまいます。写真は、前年度の枝が整理されずに冬を越した株です。一見枯れているように見えましたが、ちゃんと冬芽ができていました。一番上の写真はその冬芽です。もうすべて落葉していますが、枝先には裂開した果実が残っていて、上向きについています。その姿には一種独特の雰囲気があります。こんなふうに枯れたあとの姿も印象的なので、「枯れ芙蓉」とも呼ばれて、観賞対象にもなっています。

ただし、写真の株は茎が「帯化(たいか)」してしまっています。帯化というのは、成長点が横に広がったために起き、茎の一部が異常に平たくなる現象のことです。この現象は木本、草本を問わず、いろいろな植物に見られるもので、時に大量の花を咲かせたりします。原因は様々で、一時的に見られることもあれば、ずっとその状態が続くこともあります。いけばなの花材に使われる「セッカヤナギ(石化柳)」「セッカエニシダ」や花序が帯化する「帯化ケイトウ」では固定されているそうで、ときどき見つかる「タンポポ」や「ユリ」なども話題になることがあります。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


果実は直径2.5cmほどの球形。熟すと5つに裂けます。カサカサとした果実の中にはたくさんの種子ができます。種子は淡褐色の毛におおわれています。同じ属の「ムクゲ」とよく似ていますが、フヨウの果実には長い毛が多いのに対して、ムクゲの方は細かい毛が少し生えているくらいです。果実の大きさもフヨウの方が大きめです。

【和名】フヨウ [芙蓉]
【学名】Hibiscus mutabilis
【科名】アオイ科 MALVACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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posted by hanaboro at 15:39| 東京 🌁| Comment(9) | TrackBack(3) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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