2005年03月25日

ドイツトウヒ

ドイツトウヒ Picea abies


ドイツトウヒはヨーロッパ原産の常緑高木です。「ドイツ」とつきますが、ヨーロッパに広く分布しています。日本に入ってきたのは明治に中ごろのことだそうで、北海道では鉄道の防雪のために多く植えられたそうです。現在では各地で公園や庭によく植えられています。高さは20m〜30mほど。ヨーロッパではクリスマスツリーには「ヨーロッパモミ (Abies alba)」よりも「ドイツトウヒ」の方がよく用いられてきたそうです。

ドイツトウヒ Picea abies


樹皮は褐色で、老木になると鱗片状に厚くはがれます。長い枝は特に老木になるとつけ根から垂れ下がって枝の中央部分が湾曲したような形になり、先端は上を向きます。その長い枝から出た細かい枝下向きに垂れ下がる形になります。写真の株はまだ3mほどしかなく、枝は垂れ下がってはいませんでした。新しい葉が伸びてきた部分はかなり上向きで、日光が当たるとキラキラと輝いていました。

花期は5月。果実(球果)は、長さ10cm〜20cmの「松ぼっくり」状で、秋に熟して褐色になります。

ドイツトウヒの葉の先は裂けたりくぼんだりせず、スーッとつがっています。葉がよく似た「ツガ (Tsuga sieboldii)」は、葉先が少しくぼんでいるので区別できます。若い枝は褐色で、葉の基部にあるふくらんだ部分を「葉枕(ようちん)」といいますが、その部分が少しクッと横に曲がったようになってよく目立ちます。葉は四角く角ばっていて、裏表のはっきりしない感じです。

【和名】ドイツトウヒ [独逸唐檜]
【別名】オウシュウトウヒ [欧州唐檜]、ヨーロッパトウヒ [欧羅巴唐檜]
【学名】Picea abies
【科名】マツ科 PINACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 20:53| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シバザクラ

シバザクラ Phlox subulata


シバザクラは、北米東部原産の常緑の多年草です。草丈は5〜10cmほどで、地面をおおうようにのびる這い性。茎の途中から根を下ろして広がります。根もとの方の茎はやや木質化する感じです。葉は細い線形で先はとがっています。

暑さ寒さに強く、乾燥にも強いことから、グラウンドカバーとして用いられています。主な花期は3〜5月。花色にはピンク、白、赤紫、青紫などです。一斉に花が開いて、地面を覆って咲く様子はとても見事なものです。

花はサクラのような直径1.5cmくらいの5弁花で、株全体をおおいつくすほど、びっしりと咲きます。さらにたくさんの枝が密生して地面をおおって芝生のように見えるところからシバザクラと呼ばれています。サクラに似ているかどうかはそれぞれの見方があるところでしょうが、バラ科の「サクラ」とはまったく別の植物で、シバザクラはハナシノブ科フロックス属に分類されています。同じ属の仲間は、主に北アメリカに70種ほど知られています。例えば、宿根草の「クサキョウチクトウ (Phlox paniculata)」や一年草の「キキョウナデシコ (Phlox drummondii)」など、ふつう「フロックス」と呼ばれる多数の園芸品種があります。

シバザクラ Phlox subulata


写真のものは、今シーズンの花はまだつけていません。品種名は不明です。冬の間もあちこちで開花の便りがきかれましたが、この場所ではようやく冬を乗り切って、芽が動き始めたようです。高山植物のような姿がなかなかいい。葉の毛の状態は、品種によって違っているのでしょうか。とある園芸書には、特に上部の葉にはこんな毛のないタイプの写真がのっていました。

【和名】シバザクラ [芝桜]
【別名】ハナツメクサ [花詰草]、ハイフロックス
【英名】moss phlox
【学名】Phlox subulata
【科名】ハナシノブ科 POLEMONIACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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My Garden - お花ダイスキ!」さんの記事「シバ桜のつぼみ
もうすぐ花開きそうな蕾の様子がよくわかりますよ!

■当ブログ内関連記事→フロックス・パニキュラータ

posted by hanaboro at 17:26| 東京 ☀| Comment(7) | TrackBack(4) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニワトコ

ニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldiana


ニワトコは、本州〜沖縄に分布し、山野の明るい林縁などに生育する落葉低木です。北海道や東北に生育する葉の大きめのものは「エゾニワトコ (Sambucus racemosa subsp. kamtschatica)」といいます。高さは2m〜5mほど。根もと付近からよく枝分かれして、枝は弓なりになる傾向があります。まだ、他の樹木があまり芽吹いていない時期にいち早く芽吹いて、まだ春浅いころの野山ではよく目立つ存在です。葉の展開と同時に芽吹いてくる蕾は、たくさん集まっていて「ブロッコリー」のようです。

葉は、数対の小さい葉(小葉)からなる「羽状複葉(うじょうふくよう)」で、対生します。1つ1つの小葉は長さ5cm〜12cm、長楕円形で先は少しとがり気味、縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。

花期は3月〜4月。枝先の長さ10cmぐらいの円錐花序に、淡い黄白色の小さい花がたくさん咲きます。1つ1つの花をよく見ると、花弁は後ろに反り返り、5本の雄しべと1本の雌しべが前面に出ているので、ちょっと変わった形に見えます。果実は夏に赤く熟します。

ニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldianaニワトコ Sambucus racemosa subsp. sieboldiana


樹皮は灰褐色。コルク層が発達して、縦に深めに裂けてデコボコしています。そういえば、維管束の観察などで、切片を作るときに使う「ピス」はこの木だと教わったな。灰色っぽい褐色の若い枝は柔らかく無毛で、隆起した「皮目(ひもく)」が目立ちます。皮目では呼吸が行われています。ニワトコの冬芽には「葉芽」と「混芽」があります。葉芽の方は長卵形で細身。混芽は葉と花が同じ芽の中に入っているもので、球形です。いずれも2対〜3対の芽鱗に包まれています。

枝や幹を薄く切って乾燥させたものは「接骨木」と呼ばれ、煎じて骨折や打撲の湿布薬に使われるのだそうです。

【和名】ニワトコ [庭常]
【別名】セッコツボク [接骨木]
【学名】Sambucus racemosa subsp. sieboldiana
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 12:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芽吹き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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