2005年03月29日

サジガンクビソウ

サジガンクビソウ Carpesium glossophyllum


サジガンクビソウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山地や丘陵の林内などに生育する多年草です。草丈は30cm〜50cmくらいになります。茎や葉には開出した毛がたくさん生えています。

同じ属の仲間に「ガンクビソウ (Carpesium divaricatum)」という種がありますが、その名前は、枝先に花首を曲げて咲く花の様子が煙管の雁首に似ているということからきていて、「サジ」は、根生葉がさじのような形に見えるところからきています。この根生葉は、花が咲くころまでちゃんと残っています。毛が多いわりには、光沢のある葉で、色は濃いめの緑色、葉脈が下面にくぼんでいるので、よく目立ちます。長さは10cm内外、幅は、3cm程度です。縁のギザギザ(鋸歯)は、少しウネウネとなるくらいで、ほとんどないようなものです。

根生葉が花期にも残って、上部の葉が少なくサジガンクビソウによく似た種に「ヒメガンクビソウ (Carpesium rosulatum)」がありますが、こちらは、花が小さく細長く、全体的に繊細な感じがします。

花期は8月〜10月。花は長い花茎の先端に1つだけ下向きに咲きます。その花茎にもまばらに長楕円形の葉をつけ、花茎は途中で数本枝分かれして、やはり先端に下向きに1つ花をつけます。

キク科植物の花は、しばしば「頭花(とうか)」と呼ばれています。頭花というのは、「頭状花」ともいって、小さい花(小花)がたくさん集まって、まるで1つの花のように見える花のことです。さらに、この場合、小花がたくさんついている花序のことを「頭状花序」といいます。この花序の形は、「マツムシソウ (Scabiosa japonica)」でも見られます。頭花はふつう、外側にある小花から咲いて中心部へと咲き進みます。

キク科の頭花には、花びらに見える「舌状花」と花びらのない「筒状花」がありますが、サジガンクビソウの頭花には、舌状花がないので花は地味で目立たないものです。しかも下向きですからね。形は半球形で、直径は1cm内外。頭花のまわりの「総苞片」は濃いめの緑色、毛がたくさん生えていて反り返ります。

ヒョロヒョロっとのびた花茎の先に1つだけ花がついていて、ピラッピラッと羽のようについた小さい葉(苞葉)が見える感じは、何か小さな生き物が飛んでいるみたいで愉快なものです。

【和名】サジガンクビソウ [匙雁首草]
【学名】Carpesium glossophyllum
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

posted by hanaboro at 17:54| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オカタツナミソウ

オカタツナミソウ Scutellaria brachyspica


オカタツナミソウは、本州、四国に分布し、丘陵地の雑木林の林内や林縁などに生育する多年草です。草丈は10cm〜30cmほどですが、特に草丈の競合する他の植物が多いようなところでは、もっと丈が高く50cmほどになっているように思います。茎には毛がたくさん生えていますが、その毛が生える向きが下向きのことが多いというのもポイントです。

葉は対生してつき、茎の下の方の葉よりも上部につく葉の方が大きく生長する傾向があります。葉は長さ2cm〜4cm、幅1cm〜3cm程度のやや三角形に近いような卵形です。縁のギザギザ(鋸歯)は鋭くなく丸みのあるもので粗め。葉の両面に毛があって、裏面には腺点もあります。

オカタツナミソウ Scutellaria brachyspicaオカタツナミソウ Scutellaria brachyspica


花期は5月〜6月。茎の先の花序に青紫色の唇形花をつけます。花軸にも毛が多く、腺毛も生えています。花冠は長さ2cmくらいで、筒の部分が細長い。花序から出るつけ根のあたりで、クッと上に立ち上がります。よく似た種の「タツナミソウ (Scutellaria indica)」よりも、花穂が短くて縦方向で見ると密に花がつく傾向があります。特に咲き始めのころなどは、一番上の葉のあたりにやや集まったような状態になります。

花序の様子を打ち寄せる波頭に見立てて「立浪草」といいますが、タツナミソウの波頭の方が縦に高く立ち上がる感じで、オカタツナミソウの波頭は低く横に広がる感じです。

【和名】オカタツナミソウ [丘立浪草]
【学名】Scutellaria brachyspica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事→タツナミソウ

posted by hanaboro at 17:03| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 花の後姿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハエドクソウ

ハエドクソウ Phryma leptostachya subsp. asiatica


ハエドクソウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野のや林内に生える多年草です。やや薄暗い林内に多く、草丈は30cm〜70cmほどです。根から煮出した汁を使って蝿取り紙を作ったそうで、「ハエドクソウ」または、別名「ハエトリソウ」といいます。

花期は6月〜8月。花は茎の先や葉腋から出た穂状花序につきますが、この花茎はひょろりと長くて、まっすぐに直立せず、クネッと曲がっていることもあります。花色は白色でしばしば淡紅色を帯びています。長さは5cmほどの唇形花で、花序の下から上へと咲き進みます。生えている場所や目立たない花など地味な要素たっぷりの植物ですが、花の動きは、それなりに劇的な?部分もあります。蕾のときは上を向いていますが、花が開くと横を向き、花が終わってできた果実は下を向きます。

果実は細長く長さは5mm〜6mm程度です。下を向いて花序(果序)にぴったりくっつく様子も、形も、「イノコズチ」によく似ています。

ガクは長さ5mm程度で先は5つに裂けます。そのうちの上の3つは先端が赤く、花が咲いているときから目につくと思います。3つのガク片は果実の時期になると、先がフック状になった3本のトゲになります。果実ができるとこのトゲによって動物の体や衣服にくっついて種子が運ばれる、いわゆる「ひっつきむし」の1つです。

葉は長さ10cm、幅5cmほどの卵形〜長楕円形で、対生してつきます。縁のギザギザ(鋸歯)はちょっと粗めです。表面は濃いめの緑色ですが、葉柄や主脈の茎に近い部分が白っぽく見えて、暗い林内で見るとちょっとギョッとします。とはいっても、それが結構、決め手となるもので、写真はまだちょっと若い時期の葉ですが、対生している状態と中心に近い部分の白っぽさによって、花がない時期から異彩を放っているようです。

【和名】ハエドクソウ [蝿毒草]
【別名】ハエトリソウ [蠅捕草]
【学名】Phryma leptostachya subsp. asiatica
【科名】ハエドクソウ科 PHRYMACEAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

posted by hanaboro at 12:44| 東京 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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