2005年04月05日

ユリワサビ

ユリワサビ Eutrema tenue


ユリワサビは、本州、四国、九州に分布し、山地の谷沿いの湿り気の多い場所に生える多年草です。生えているところは、ワサビほど水分が豊富な場所ではなく、湿り気の多い谷沿いでもそれほど水びたしにならないところに多く生えています。登山道脇など表面的にはやや乾燥して見えるようなところにも生育しています。

名前は葉が「ワサビ (Eutrema japonicum (Wasabia japonica))」に似ていることと、秋に地上部が枯れた後、葉柄の基部がふくらんで、その様子が「ユリ」の鱗茎に似たような状態になることから、「ユリワサビ」といいます。とはいうものの、ユリワサビの根茎は細くて短いもので、根茎が太くなるのは、東北に分布する「オクノユリワサビ」。それにしても、オクノユリワサビの学名は何なんでしょうね。原記載はどこにあるのだろう。。。


茎は地面をはうようにのび、先の方は斜めに立ち上がります。高さは15cmくらいで、よく立ち上がっている場合は20cmくらいです。全体に毛はなく、ツルッとした感じがあります。

根生葉には長めの柄があって、直径2cm〜5cmほどの腎円形です。写真の葉は、やや茎の下の方にある茎葉で、根生葉よりはやや小さく細身の卵形で、縁には大きく粗いギザギザがあります。茎の丈夫になるほど葉は小さくなります。

こんなふうに、根生葉と茎の上部につく葉(茎葉)の大きさや形が違うので、オヤッ?と思うことがあるかもしれません。茎葉だけを見ると特に「ワサビ」に似ている感じはありませんが、根生葉の方は丸みがあって、ワサビをずっと小さくしたような葉です。

花期は3月〜5月。4月上旬ともなれば、関東の低山では、いろいろと華やかでよく名前の知られた春植物が咲き誇っています。ユリワサビもその中に混じって花を咲かせていますが、もっと寒い時期からもチラホラと花が見られ、多くの春植物に先がけて開花が始まります。

花は直径1cmほどの小さな白い花で、茎の先の短い花序にパラパラとまばらに咲かせます。派手さはありませんが、アブラナ科らしい十字状の4弁花です。花が開くとかくれて見えづらいですが、蕾のときは灰褐色に白い縁取りのある楕円形のガクがよく見えると思います。ガクも4枚です。ワサビの方が全体に大柄で、花もまとまってたくさんつけます。

【和名】ユリワサビ [百合山葵]
【学名】Eutrema tenue (Wasabia tenuis)
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE(BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

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ヤマルリソウ

ヤマルリソウ Omphaloides japonica


ヤマルリソウは、本州、四国、九州に分布し、山地の木陰や道ばたなどに生える多年草です。
草丈は10cm〜20cmくらい。茎や葉など全体にやや長めの毛が開出しているので、白っぽくてフサフサしています。

根生葉はロゼット状で、長さ10cm〜15cm、幅2cmくらいの倒披針形。縁はウネウネと波打つ感じで、全体の印象も柔からそうに見えます。上にのびる茎につく葉(茎葉)は、明瞭な柄がなくやや茎を抱いています。

花期は4月〜5月。茎の先の総状花序に、淡い青紫色の花を咲かせます。花(花冠)は直径1cmほどで、5つに裂けて平たく開きます。花冠の色には多少変異があって、ほとんど白色のものや、ピンク、青紫などの濃淡が見られます。また、咲き始めよりは開いてから少し時間がたった方が色が濃くなる傾向があるようです。

花茎は花が咲き進むにつれて茎の上部が上へ立ち上がってくる場合もあれば、そのまま地面をはうように花茎が伸びていることもあります。いずれにしてもあまり茎は直立せず、斜め上向きに伸びます。花序の下部の蕾から咲き始め、上へと先進み、終わった花から次第に花柄が下を向いてきます。

ヤマルリソウ Omphaloides japonica


ヤマルリソウは、「ワスレナグサ (Myosotis scorpioides)」や「キュウリグサ (Trigonotis peduncularis)」などと同じムラサキ科の植物ですが、ヤマルリソウは「ルリソウ属」、ワスレナグサは「ワスレナグサ属」、キュウリグサは「キュウリグサ属」と別の属に分類されています。花は淡い青紫色の5裂する花冠を持ち、大小の違いはありますが、よく似ています。また、花冠裂片の基部(花の中央部)には2つずつ鱗片があって、輪っかのように見えます。ワスレナグサだと中央にある黄色い輪っかの部分です。この輪っかは「ハナイバナ (Bothriospermum tenellum)」にもみられる特徴です。

学名の「Omphaloides」はルリソウ属の学名で、「omphalosはへそ、eidosは〜の形」という意味です。

【和名】ヤマルリソウ [山瑠璃草]
【学名】Omphaloides japonica
【科名】ムラサキ科 BORAGINACEAE
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事→キュウリグサ

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