2005年04月07日

マルバコンロンソウ

マルバコンロンソウ Cardamine tanakae


マルバコンロンソウは、本州、四国、九州に分布し、山地のやや湿り気の多い林内に生える越年草です。高さは5cm〜20cm。全体に長めの軟毛が生えていて、白っぽく見えます。茎はほぼ直立してくるのですが、どことなく柔らかな感じをかもしています。

葉は、羽状複葉で、1つ1つの小さな葉(小葉)は、円形で短い柄があり、縁には一見丸いギザギザ(鋸歯)があります。てっぺんの頂小葉の輪郭の形だけみると、同じアブラナ科の「ユリワサビ」、シソ科のカキドオシやユキノシタ科のネコノメソウ類のような感じかな。う〜、他にもっと似ているのがあった気がするのだが。。。それより、羽状複葉でみたら、「オオバタネツケバナ」に近い形かな。まあ、そういうふうな丸っこい感じの小葉が数対ついて、奇数羽状複葉になっています。小葉の長さは1cm〜2cmくらい、頂小葉が一番大きいです。

さらに葉をよくみて、頂小葉以外の小葉の1つ1つに注目すると、小葉の中央脈に対して左右対称の形でないことが多いです。ちょっとゆがんだような形をしています。これは、同じタネツケバナ属(Cardamine)の他の種やそのほかの羽状複葉をもつ種でもよく見られる傾向だと思います。

と、ここで葉のことをいろいろ言っても、写真にはあんまり写ってないんですけどね〜。

花期は4月〜5月。茎の上部の花序に数個、花をつけます。花はアブラナ科らしい白色の4弁花です。花弁は長楕円形で、長さ5mm〜6mmほど。花茎やガクは、ふつう紫褐色を帯びていて、花柄やガクにも白い毛があります。蕾の感じは、色や毛の様子など、どこかナデシコ科の「ミミナグサ」のような雰囲気もあります。果実は細長い「長角果」で、果実にも毛があります。

【和名】マルバコンロンソウ [丸葉崑崙草]
【学名】Cardamine tanakae
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE(BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

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ヘラオオバコ

ヘラオオバコ Plantago lanceolata


ヘラオオバコは、ヨーロッパが原産の帰化植物で、多年草または一年草です。日本には江戸時代の末期に入ってきたのだそうで、現在では各地の道ばたや空き地などで見られます。

葉はすべて根生葉で、長さ10cm〜20cm、幅は1cm〜3cmの細長いヘラ形。表面にはまばらな毛がありますが、大きく生長した葉では表面がほとんど無毛のこともあります。葉柄の部分には長い毛があります。根生葉はしだいに立ち上がってきて花のころには、ほぼ直立します。

花期は6月〜8月。葉の間から高さ20cm〜50cm以上になることもある花茎を伸ばして、先端に花序をつけます。花序は長さ2cm〜8cm、幅7mm〜15mm。ふつうの「オオバコ」よりもずっと背丈は高くなり、花もユニークで目立ちます。

花序を伸ばしながら舌から上へと咲きあがっていきますが、黄白色のピラピラが見えているのは雄しべで、その部分が花序に輪っかをつけたようになります。全体的に見るととんがり帽子をかぶったような状態で、とても個性的。帰化植物ではありますが、わかりやすく立体的な動きを見せるので、おもしろいものです。

このピラピラと雄しべが目立つ部分の花は、雄性期ということになります。咲き進むにつれて輪っかの部分は上へ上がっていきます。帽子よりも顔の方が長くなっていくわけです。雄性期の花も終わると、茶色の棒のようになります。

雌しべはというと、雄しべのある輪っかの部分より上で、雄しべよりも先に成熟しています。雌しべはごく短くて細長い棒状のもので目立ちませんが、よく見るとチラチラと見えているはずです。雌性期の花は、雄しべが見えている部分のすぐ上あたりにあります。このように、オオバコの仲間は、雌しべの方が雄しべよりも先に成熟する「雌性先熟(雌しべ先熟)」です。

雄しべが目立つので、なかなかその存在は目に入りづらいですが、一応、花びらに相当するものがあります。その花冠は白っぽくて4つに裂けて平らたく開きます。

ヘラオオバコ Plantago lanceolata


オオバコ類の場合、いろいろと帰化種があるのですが、特に困ってしまうのは、在来種の「オオバコ (Plantago asiatica)」と帰化種の「セイヨウオオバコ (Plantago major)」がとてもよく似ている点だと思います。セイヨウオオバコの方がオオバコよりも全体的に大柄で、できる種子の数が多いです。

似た種類がいろいろとある場合、幼植物の状態で見分けるのはなかなか難しいのともあるのですが、今のところ、「ヘラオオバコ」は、わかりやすい方かもしれません。「葉が細身で、葉柄や葉にはやや長めの軟毛が生えている」というのを手がかりに、他種との違いをおさえます。

市街地などで、今回の写真のような根生葉を見つけたときは、まず、葉の幅が広くなりそうな「オオバコ」などは、消去できると思います。候補としては、いずれも帰化植物のヘラオオバコ、ツボミオオバコあたりになるでしょう。「ツボミオオバコ (Plantago virginica)」の場合なら、全体に短い毛が密生しているので、白っぽく見えるはず。葉はもっと丸みがあって細長くはならず披針形で、縁にはあまり目立ちませんが、ギザギザ(鋸歯)があります。ヘラオオバコの場合はほとんど全縁です。では、「ムジナオオバコ (Plantago depressa)」はどうかというと、こちらはほとんど葉に毛がないはず。ということで写真のものは、全体の幅で5cmくらいの小さな株ですが、まず「ヘラオオバコ」でOKでしょう。

【和名】ヘラオオバコ [箆大葉子]
【学名】Plantago lanceolata
【科名】オオバコ科 PLANTAGINACEAE
【撮影日】2005/04/06
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 16:09| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ネジバナ

ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena
2005/04/06

ネジバナは、日本全土に分布し、日当たりのよい草地や芝生に生えます。もっとも身近な場所で見られる野生のラン科植物です。草丈は花茎が伸びた状態で30cm〜40cmくらいまでなります。といっても、もっと小さい個体でも花を咲かせていますけども。ネジバナの花序には毛がありますが、奄美大島〜沖縄に分布し、花序に毛がないものを「ナンゴクネジバナ (Spiranthes sinensis var. sinensis)」といいます。

根もと付近からは数枚の根生葉が出ていて、その根生葉は長さ5cm〜20cm、幅は1cmもないくらいの細長いもので、先端はとがっています。花茎はこの根生葉の間からのびてきます。花茎には鱗片状になった細長く先のとがった葉が1枚〜3枚あって、茎にはりつくようにくっついています。冬には地上部がなくなって、春に地際から根生葉を出してきます。塊根は細長い紡錘形です。

ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena
2004/05/01

花期は5月〜8月。花序は長さ5cm〜15cmで、毛があり、名前のとおりねじれているように見えます。それによって、小さな花は花序の下から上へらせん状に咲いていきます。花はふつうは紅紫色か白色、個体によって花色の濃淡があります。といっても、紅紫色のものも花全体が紅紫色なのではなくて、ふつうは「紅紫色弁白舌」。1枚だけ白い「唇弁」には縁に細かいギザギザ(歯牙)があります。2枚の横に水平に開いている花びらは「側ガク片」です。

小さな花の基の部分には子房がありますが、それが、小さくて先のとがった卵型の「苞」に包み込まれています。花はその苞から顔を出して咲く感じです。ラン科の植物によく見られる「距」とよばれるシッポのようなものは、ネジバナにはありません。

ラン科植物の花にはふつう、「外花被片(ガク片)」3枚と、「内花被片(ふつうはこれが花弁)」3枚があって、外花被片3枚のうち一番てっぺんにある1枚を「背ガク片」、他の2枚を「側ガク片」といいます。そして、内花被片3枚のうち背ガク片と反対位置にある1枚を「唇弁」、他の2枚を「花弁(側花弁)」といいます。ラン科の唇弁はふつう舌のような形や、袋のような形をしています。

ネジバナの場合は、「背ガク片と側花弁」つまり、上の方に位置する3枚の花びらはあまり開かずに、前方にかぶさったような感じで、先は少し反り返っています。その3枚(背ガク片と側花弁)はほぼ同じ大きさで同じ形です。

こんなにいろいろ書いていても、花の図解がないと、何のことだかよくわかりませんね。花の各部の名前は、何が何だかめんどくさいので、筆者の場合は、昔、唇弁を「舌」、そのほかを「弁」といっておりました。今でもそういってますけども。。。

【和名】ネジバナ [捩花]
【別名】モジズリ [捩摺]
【学名】Spiranthes sinensis var. amoena
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2005/04/06、2004/05/01
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 12:12| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(2) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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