2005年04月11日

ツリガネニンジン

ツリガネニンジン Adenophora triphylla var. japonica


ツリガネニンジンは、北海道、本州、四国、九州の高原や山野にふつうに見られる多年草です。花期は8月〜10月。茎頂の花序に釣鐘型の花を下向きに咲かせます。花冠は紫色〜白色、個体によって、やや濃淡があります。長さは2cm程度で、先は5つに裂けています。花冠から長〜く突き出したものは雌しべの花柱で、先は3つにわかれています。ガク片は5つで、細長い線形です。花はいろいろと変異があって、花冠の大きさや形などは、細かったり大きくふくらみがあったり、花冠の裂片の先が少し反っていたり、ほとんど反り返っていなかったりします。

草丈は30cm〜1mにほどになります。茎はあまり枝分かれしないのがふつうです。上部の葉の脇からたくさん花序が出ていることはよくあります。全体に毛が生えていて、茎の上部の葉は長楕円形でふつうは3枚〜4枚が同じ節から出て「輪生」します。葉柄はほとんどない状態です。ただし、葉のつき方は、互生や対生のこともあります。

根生葉は一応、柄がありますが、長いものもあれば、ごく短くて密集して葉がついているとよくわからないようなこともあります。根生葉も伸びてきた茎につく葉の形も個体差があって、おや?っと思うことも多いです。花時期になればそんなことも特にないのですが、葉っぱだけだと隣り合わせに生えている個体でも、何だか同じ種類の株なんだかどうだか、?マークが飛び交います。根生葉しかないときでも、どことなく茎が伸びたときに「輪生」しそうな素質が見える場合は、きっとそれだろうとわかるかもしれません。ちなみに、この根生葉、花が咲くころにはほとんど枯れてしまっているか、あっても草むらの中でよく見えないので、根生葉の現物を見るなら、4月上旬の今が旬。

若い芽は山菜の「トトキ」、根は肥大していて薬用として使われます。山菜取りの達人なら、?マークは出ないかもしれませんね。

【和名】ツリガネニンジン [釣鐘人参]
【別名】トトキ
【学名】Adenophora triphylla var. japonica
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2005/04/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 20:03| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タチイヌノフグリ

タチイヌノフグリ Veronica arvensis


タチイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の越年草です。日本で最初に帰化が認められたのは、明治の中ごろのことだったそうです。現在では各地でごくふつうに見られます。

草丈は10cm〜30cmほど。小さい個体では茎はほぼまっすぐに直立します。大きめの個体になると、茎の株の方はよく枝分かれしてやや地面をはうように斜めに伸び、途中から直立します。全体に短い毛がたくさん生えています。

葉は卵形でほとんど柄がなく対生します。長さ5mm〜1cmほど、幅は1cmあるかどうかっていう程度です。茎の上の方の葉は次第に小さくなって、特に花のついている花序のあたりでは細くとがった「苞」になっています。

花期は4月〜6月。花は茎の上部の葉の脇(葉腋)に、1つずつつきます。同じ茎に同時に咲いているのはせいぜい2つ〜3つのことがほとんどですが、株が生長してくると、たくさん分枝して、それなりに花をつけていることもあります。

花色は青紫色、直径は3mm〜4mm。花柄はほとんどなく、苞やガクの間にチョコチョコと咲きます。同じクワガタソウ属(Veronica)の「オオイヌノフグリ (Veronica persica)」をすごく小さくしたような花です。同じような場所に生えるので、よく隣同士で「タチイヌノフグリ」と「オオイヌノフグリ」が咲いています。大きさを比較した写真は、一度は撮影したくなるものでしょう。

果実の形はやはり、オオイヌノフグリに似た形で、長さや幅は3mm〜4mmで、縁には腺毛が生えています。中の種子は平べったい楕円形です。

タチイヌノフグリ Veronica arvensis


芽生えて間もないような幼植物では、葉の鋸歯が非常に少ないですが、それでもほんのちょっとだけある!というのがミソです。葉の縁がやや裏側に巻き気味みになるところもチェックポイント。とくに越冬中は、オオイヌノフグリよりもかなり小さいものが見られます。

4月上旬の、こちら関東の丘陵地では、まだ、小柄な個体が多いもので、草丈は数cmで、芽生えたばかりのようなものも見られます。大きくても10cm程度。

【和名】タチイヌノフグリ [立犬の陰嚢]
【学名】Veronica arvensis
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2005/04/08
【撮影地】東京都日野市

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ブタナ

ブタナ Hypochaeris radicata


ブタナは、ヨーロッパ原産の多年草で、世界中に広く帰化しています。日本では、1930年代に北海道や兵庫県で帰化が認められた後、各地でも帰化が確認されたといいます。現在では、似あたりのよい草地や道ばた、荒れ地などでふつうに見られ、特に牧場が近くにあるような、高原の道路脇などでは群生していることもしばしばです。

この草は、フランスでは「ブタのサラダ」と呼ばれているそうで、ブタナという名前は、その日本語訳なのだそうです。また、タンポポに似た花を咲かせることから、別名を「タンポポモドキ」ともいいます。

ブタナ Hypochaeris radicata


全体に剛毛が生えていますが、葉の両面にもたくさん生えています。葉はすべて根もとの方から出る根生葉で、地面にへばりつくようにロセット状に葉を広げます。葉の質は分厚くて堅く、縁には羽状に切れ込みがあります。切れ込み方には個体差があって、ちょっと深めに切れ込むものや、浅めに切れ込むものがあります。生育段階でも切れ込みの度合いがやや変わったりもするし、切れ込むというよりは、縁がウネウネしたような状態のことも多いです。全体の輪郭としては、細長い楕円形。

ブタナ Hypochaeris radicata


ソメイヨシノが満開の4月上旬の関東の丘陵地。サクラの木の下では、地面にベッタリはりついた状態ながらも日に日に葉を生長させているブタナの姿も見られます。

花期は6月〜8月。50cm〜80cmくらいになる花茎を伸ばして、その先端にタンポポに似た花を上向きにつけます。花茎は途中で枝分かれすることが多く、1本〜3本になります。花(頭花)は鮮やかな黄色で、直径は3cmほど。花びらに見える「舌状花」は、先端がふつう5つに浅く裂けています。また、花茎をじっくり見ると、一応、退化した葉がごく小さく薄い鱗片状になって、ついているのがわかります。

タンポポの観察では、よく在来種と帰化種を見分けるのに、「総苞片(そうほうへん)」が反り返っているかどうかを見ます。黄色の花の下をのぞいてみると、緑色の「総苞」という部分があって、そこに細長い鱗片状の「総苞片」があります。ブタナの場合は、その総苞片が「セイヨウタンポポ」のように激しく反り返ったりせずに、まっすぐにはりついた状態になっていて、白っぽい毛が生えています。

種子の表面には小さな突起がたくさんあって、ブツブツしています。「冠毛(かんもう)」は、羽毛状の綿毛になります。

一見するとタンポポに似ていますが、背が高くて、花茎が分枝するので株の大きさのわりには花がたくさん咲いていたり、葉に剛毛が多くて堅そうだったり、茎の緑が濃いめで花の黄色のコントラストは人目をひきます。その姿はやはりどこかエキゾチックな雰囲気です。

【和名】ブタナ [豚菜]
【別名】タンポポモドキ
【学名】Hypochaeris radicata (誤:Hypochoeris radicata)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/04/11
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 15:05| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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