2005年04月13日

ヤブニンジン

ヤブニンジン Osmorhiza aristata
2004/04/21
ヤブニンジン Osmorhiza aristata
2004/04/30


ヤブニンジンは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の少し暗めの林縁などにはえる多年草です。草丈は30cm〜50cm。葉や茎には毛が生えていて、全体的に柔らかな感じがします。

花期は4月〜5月。枝先の「複散形花序」に白くて小さな花をパラパラと咲かせます。花のつく枝(花軸)の先からたくさん枝が出て、その先に1つずつ花がつくのが「散形花序」ですが、「複散形花序」では、たくさん出た枝先にさらに小さな散形花序(小散形花序)がつくんです。傘の柄の先にさらに傘の柄が開いている感じかな。

ヤブニンジンの花には、雄花と両性花があって、小散形花序の中心部分には雄花、周辺部分には両性花があります。果実は両性花の方にできるので、果実ができてくるとその差がさらにはっきりわかります。

果実は長さ2cmくらいの細長いもので、先のほうが太くなり、基部の方は細くなっています。花火のような状態でついている果実をよく見ると、まわりには刺毛がたくさん生えていて、白っぽくちょっとケバケバ感があります。

セリ科といえば、草の名前を覚えはじめたころに、イネ科やカヤツリグサ科についで、苦手分野になってしまう代表格。名前を調べようと図鑑をめくると、白くて小さい花をたくさんつけたセリ科の植物がいっぱい載っています。写真におさめるときは、花序の様子や葉はもちろん、「果実」を探して撮影しておくと名前が調べやすくなるはずです。

ヤブニンジン Osmorhiza aristata
2004/04/21

葉は「2回3出羽状複葉」で、長さ10cm〜20cmくらい。2回3出羽状複葉というのは少々複雑なので、まず「3出複葉」というのをおさえます。3出複葉というのは、「シロツメクサ」や「ヘビイチゴ」のように1つの葉が3つの小葉からなっている葉のことです。それが2回枝分かれを繰り返したものが「2回3出複葉」です。ところが、ヤブニンジンの場合はこれだけでおさまってくれず、さらに3出複葉が羽状についているのでこんがらがってしまいます。

質は薄くて両面に毛があって柔らかい感じがします。1つ1つの小葉は卵形で、縁にはギザギザ(鋸歯)があります。名前は、藪のようなところに生えていて、葉がニンジンに似ているところからきているそうです。しかし、似てますかね。。。

【和名】ヤブニンジン [藪人参]
【別名】ナガジラミ
【学名】Osmorhiza aristata
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影日】2004/04/21、2004/04/30
【撮影地】東京都八王子市

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ジシバリ

ジシバリ Ixeris stolonifera


ジシバリは、日本全土に分布し、「オオジシバリ」よりも乾燥に耐えるようで、道ばたや石垣の隙間、日当たりのよい草地や水田の周辺などに生える多年草です。茎は細長く、地面をはって伸びます。ちなみに、学名の種小名「stlonifera」は、「走出枝や匍匐する茎のある」という意味です。

名前は、細い茎が地面をはって、茎のところどころから根をだして増える様子が、地面を縛るように見えることからきています。同属でよく似た「オオジシバリ」はそのジシバリによく似ていて、花や葉など全体に大きいので、そう呼ばれています。総苞や果実の長さもオオジシバリの方がひとまわり大きめです。またジシバリは、別名「イワニガナ」ともいうので、まるで高山植物のようですけれど、これは、少しの土壌があれば生育できるので、岩の間などにも生えているところからきています。

葉は質が薄くて、色は明るめの緑色ですが、しばしば、紫褐色の縁取りがあったり、少し斑点があったりします。長い葉柄があります。

ふつう、ジシバリの葉は丸くて小さいので、細長い楕円形やヘラ形になるオオジシバリと区別できます。ただし、両者とも葉の大小は変異もありますし、羽状に切れ込みが入っていることもあったりして、わかりづらいときもあります。今回の写真のものは、羽状に切れ込んでいますが、オオジシバリだともう少し葉身が長くなるはずなので、ジシバリとしています。ふつうは、全縁の円形〜卵状楕円形のことが多いと思います。

花期は4月〜7月。長さ10cm前後の花茎を伸ばし、しばしば上の方で枝分かれして、1個〜3個の花をつけます。花(頭花)は黄色で、直径2cmほどのタンポポのように上向きに咲きます。ただし、タンポポのように花びらに見える舌状花の数はたくさんではありません。花が終わって果実が熟すころには、冠毛が広がって綿毛になり、少し平べったい紡錘形の果実の先は、細長くくちばしのようになります。

【和名】ジシバリ [地縛り]
【別名】イワニガナ [岩苦菜]、ヒメジシバリ
【学名】Ixeris stolonifera
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/04/21
【撮影地】東京都八王子市

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コミヤマスミレ

コミヤマスミレ Viola maximowicziana


コミヤマスミレは、本州、四国、九州の太平洋側に分布し、山地の林内に生育する多年草です。やや暗めで、湿り気の多い林床に生えています。草丈は、花茎が伸びた状態で、10cmに満たないくらいです。

葉は長さ2cm〜4cmの卵形で、つけ根の部分はちょっとグルッと湾入した心形です。もうちょっと簡単にいうと、細身のハート形です。しかも、縁にギザギザ(鋸歯)のあって毛の生えた細長いハート形。表面の色は、濃いめの緑色で、紫褐色を帯びていたり、斑が入って白っぽい模様があることも多いです。紫褐色を帯びる程度や斑の入る程度も様々ですが、表面に毛が多いことは共通。

花期は、春咲くスミレでは遅い方。4月の下旬ごろからの開花です。花は直径1cmくらい。白色の花弁は細くて、5枚の花弁のうち2枚の「上弁」、2枚の「側弁」ともに、タチツボスミレなどに比べると横方向に開く傾向があります。そのため、花は横長な印象になります。花の内側に注目すると、一番下の「唇弁」には赤紫色の筋模様があって、側弁の付け根のあたりには毛が生えています。唇弁から後ろに突き出るシッポのような「距」は、太くてちょっと短めです。

コミヤマスミレ Viola maximowiczianaコミヤマスミレ Viola maximowicziana


花が白くて小さめで花期が遅めのスミレには、ほかにも「ニョイスミレ」や「フモトスミレ」などいくつか種類がありますが、それらと比べてもコミヤマスミレの重要な見どころの1つはその「ガク片」です。

ガク片は花の外側のつけ根にあって、粗い毛が目立ちます。ガク片がペタッーとはりついたようになっている種が多い中、コミヤマスミレの場合はガク片が反り返るところが大きな特徴です。正面から開きかけの花を見ていると、小さな羽根をつけけいるかのようで、そのままどこかへ舞って飛んでいってしまいそうな、そんなガク片です。

【和名】コミヤマスミレ [小深山菫]
【学名】Viola maximowicziana
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2004/04/21
【撮影地】東京都八王子市

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ツタバウンラン

ツタバウンラン Cymbalaria muralis


ツタバウンランは、ゴマノハグサ科シンバラリア属(キンバラリア属 Cymbalaria)の植物で、地中海沿岸〜西アジア原産の多年草ですが、一年草とされていることもあります。冬には地上部がなくなってしまいますが、暖かくなるとすぐに新芽を伸ばしてきます。

日本へは観賞用として大正時代に導入されたのだそうで、現在でもガーデニングのグランドカバーなどの素材として栽培されています。さらに、栽培されていたものが野生化して、人家付近の石垣や道ばたのちょっとした隙間などでも見られます。

ツタバウンランは、同じゴマノハグサ科の「リナリア」に近縁です。北アメリカ原産で日本にも帰化している「マツバウンラン」はリナリア属(ウンラン属 Linaria)です。

茎は細長い糸状で、地上をはって広がって上方向にはあまり伸びないので、草丈としては5cm程度です。吊り鉢に植えると、茎は垂れ下がって数十センチにもなります。よく分枝して地面に接した部分の節々から根を出します。葉は互生しで、長めの柄があって、5つ〜7つに浅く裂ける掌形。全体が無毛でなので滑らかな印象があります。

まだ芽生えたばかりの若い苗では、葉の形が丸っこく切れ込みが非常に浅いこともありますが、次第に掌状に裂けてきます。

ツタバウンラン Cymbalaria muralis


花期は主に夏ですが、5月〜10月くらいまで次々に花を咲かせます。花は葉腋から長い柄を出して、柄の先に1つ咲きます。花(花冠)は淡い青紫色〜白色。長さは1cmに満たないくらいのものです。同じゴマノハグサ科の「リナリア」をずっと小さくしたような形。花は上唇と下唇の2つにわかれて、さらに上唇は2つに裂けて、ウサギの耳のように立ちます。そして、花の後ろには「距」というシッポのようなものが突き出します。

今回の写真のものは、人家周辺なのですが、特定の個人のお宅のものというふうでもないので、現在も栽培管理されているものなのか、逃げ出して野生化したものなのか、ちょっと微妙なところがあります。

【和名】ツタバウンラン [蔦葉雲蘭]
【別名】ツタガラクサ [蔦唐草]、ウンランカズラ
【一般名】シンバラリア、キンバラリア、コリセウムアイビー、
コロセウムアイビー
【英名】Coliseum ivy
【学名】Cymbalaria muralis
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2005/04/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 00:28| 東京 🌁| Comment(8) | TrackBack(3) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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