2005年04月16日

ボタンヅル

ボタンヅル Clematis apiifolia


ボタンヅルは、本州、四国、九州に分布し、山野の日当たりのよい場所に生えるつる性植物です。茎が木質化して半低木状。葉は対生。「(1回)3出複葉」で、縁にはギザギザ(鋸歯)があります。つる性で、「ボタン」の葉に似ているのでその名がついています。

キンポウゲ科センニンソウ属(Clematis)の植物で、「センニンソウ (Clematis terniflora)」によく似ていますが、センニンソウの方は葉の縁には鋸歯がなく、花が大きめです。

花序にはたくさんの花がつき、白くて花びらに見えるのはガクで、4枚が十字に広がります。本来の花弁はありません。たくさんの雄しべが目立ちます。花の後にできる果実には花柱だった部分が伸びて羽毛状になります。花も果実もセンニンソウを縮小したような感じ。

また、本州の関東〜中部には、葉が細くて葉が「2回3出複葉」で、鋸歯が鋭い「コボタンヅル (Clematis apiifolia var. biternata)」というのがあります。ボタンヅルとは区別がつけにくいことも多くて、もともと変種関係だし形態的な変異は連続するようです。ちなみに、「2回3出複葉」については、「ヤブニンジン」の方でちょっとだけ説明してます。

今回の写真のものは、まだ新葉が出てきたばかりのものですが、よく見ると、「2回3出複葉」のようにも見えます。でも、葉の幅は細いという感じではない。この時期では、まだ、その個体の持つ本来の葉の特徴は、あまりしっかり出ていないかもしれません。なので、複葉の状態について、そんなにこだわったところで、あまり意味のあることではないでしょう。

大きく生長した個体で見ても、いろいろと中間的なものも出てくるし、果実の時期まで待って、果実の毛の多さによって判断することもあるわけで。。。ということで、今回のところは、広い意味での「ボタンヅル」としています。

写真の個体が生えているのは、歩道と緑地の間を遮るコンクリートの壁の隙間。秋の草刈のときに地上部は刈り取られたようですが、隙間でしっかり生きていたようです。木質化した茎が少しのぞいています。今のところ他に競争相手はなく、ツルをからませる相手もいません。その茎頂は上を向き、風にゆれ、この先どうツルを伸ばしていくのかを探しているようでした。

【和名】ボタンヅル [牡丹蔓]
【学名】Clematis apiifolia
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 18:50| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 芽吹き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オオバノトンボソウ

オオバノトンボソウ Platanthera minor


オオバノトンボソウは、本州、四国、九州に分布し、丘陵や山地の林内に生える多年草です。ラン科ツレサギソウ属の植物で、同じ属のほかの種類が、深山や湿地などに生えるものが多い中で、オオバノトンボソウは丘陵地や低い山の林に見られます。「キンラン」や「ギンラン」があるような明るめの場所よりも、どちらかというと暗めの林内に多いです。というのも、花期には樹木の新葉の展開もとっくに終わっているので、さらにその印象が強くなります。

一般的な図鑑では「オオバノトンボソウ」で登場していることが多いのですが、「ノヤマトンボ」となっていることもあります。
米倉浩司・梶田忠 (2003) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://ginkgo.bg.s.u-tokyo.ac.jp/bgplants/ylist_main.html(2005年4月16日).
によると、和名は「ノヤマトンボ」となっていて、「オオバノトンボソウ」、「ノヤマトンボソウ」は別名となっています。

草丈は、花茎が伸びた状態で30cmくらいから大きいもので50cmほど。葉は互生で、初めのころに出る地面に近い葉は大きく長さは10cm前後ですが、上に伸びた茎につく葉は上にいくにしたがって小さくなります。長い楕円形の葉はつけ根の部分で、茎を抱きこむようについています。写真は4月中旬、まだ葉を広げ始めた段階で葉は上を向いていますが、そのうちに、楕円形の大きめの2枚くらいはベロッと横に広がってきます。花期には葉の色は濃くなりますが、今はまだ、若々しい黄緑色。

4月に葉を広げはじめてから、しばらくの間は、花茎は出てくるものの背の低めの状態が続きます。開花期の6月〜7月の梅雨の時期、ようやく花茎も高く伸びてきます。そのころは、もう何度も雨に打たれたはずで、背丈の低いものの宿命のように、葉や花茎が泥まみれになっていることもあります。

その花の形もさることながら、必見なのは、その花茎です。花の大きさのわりにはずいぶんとしっかりした茎なんです。角ばったように隆起した筋があって、その様子を稜があるといったり、翼状になっているといったりします。茎の上部につく葉の裏側を見ると、葉の主脈が茎の稜につながっているのがわかります。

何とかその花茎が見られるのはこちら→前回の記事

花期が梅雨のさなかで、うっそうとした林内で淡い黄緑色の花を咲かせるオオバノトンボソウ。人目に止まることも少ないのかもしれない。この花を撮影するには、藪蚊に数箇所くらいは刺される覚悟が必要です。4月半ばの今ならまだ、蚊に刺されずに、蚋にたかられずに瑞々しい葉を撮影できるかもしれません。

【和名】オオバノトンボソウ [大葉の蜻蛉草]
【別名】ノヤマトンボ、ノヤマノトンボソウ
【学名】Platanthera minor
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 14:12| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(1) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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