2005年04月18日

アマチャヅル

アマチャヅル Gynostemma pentaphyllum


アマチャヅルは、日本全土に分布し、山野の草地や林内などに生えるつる性の多年草です。葉には、「チョウセンニンジン」と同様の成分(サポニン)が含まれているとか。ウリ科アマチャヅル属の植物で、名前はつる性で葉に甘味があることからきていますが、ユキノシタ科(アジサイ科)の「アマチャ (Hydrangea serrata var. thunbergii)」とはまったく別の植物です。葉の変形という「巻きひげ」の部分で他の草などにからみつきます。

葉は幅の狭い楕円形。ふつう5つの小さい葉(小葉)からなる複葉で、鳥の足のような形に見えます。学名の種小名「pentaphyllum」は「5つの葉の」という意味です。小葉の数は基本的には5つですが、3小葉のこともあれば、7小葉のこともあります。大きく生長してくると、「ヤブガラシ (Cayratia japonica)」の葉に似ていますが、アマチャヅルはやや小さめで、あっさりめ。ヤブガラシの方は紫色っぽい色で、ちょとギトギト感があります。つる性植物ですが、関東の丘陵地で、筆者が見た限りでは、「アレチウリ」や「ヤブガラシ」、「クズ」のように、大々的に茂るという様子もなく、このアマチャヅルだけで大群落になっているようなことはないようです。

花期は8月〜9月。つる性でもあるし、他の草とともに藪状の中で、総状の花序に咲く小さくて黄緑色の花は、目立つものではありません。雄花と雌花が別の株に咲く雌雄異株。雄花は直径5mmくらいで、花冠は5つに裂け、先は細長くとがって、星のような形です。ガク片はとても小さくて、尾状に長く伸びた花冠の裂片よりも、さらにまったく目立たないものです。中央には雄しべが5本あって基部はくっついています。その合着した雄しべの長さはごく短いです。果実(液果)は熟すと黒くなり、1つ輪のような模様があります。その模様は、花冠やガクがついていた痕跡です。

4月中旬、すでにアマチャヅルもヤブガラシも新芽が出てきています。アマチャヅルの場合は、小葉が小さめで色は濃い緑色。ヤブガラシの方は、赤褐色を帯びてギラギラとした芽吹きです。ちなみにヤブガラシはブドウ科の植物。

【和名】アマチャヅル [甘茶蔓]
【学名】Gynostemma pentaphyllum
【科名】ウリ科 CCUCURBIACEAE
【撮影日】2004/04/16
【撮影地】東京都八王子市

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ニオイタチツボスミレ

ニオイタチツボスミレ Viola obtusa


ニオイタチツボスミレは、北海道南部、本州、四国、九州に分布し、山野の明るい雑木林や草地などのやや乾燥したところに生える多年草です。花期に花柄が伸びた状態での草丈は、5cm〜15cmくらいです。「タチツボスミレ」と同じように地上茎のあるスミレ(有茎種)で、草丈は花の後もっと高くなることもあります。

主な花期は4月〜5月。地上茎はありますが、ほとんどの花が根もと付近から花柄を伸ばして咲きます。花は直径1.5cmくらい。花弁の色は丸く明るい濃い紅紫色で、タチツボスミレよりも華やかな印象。中央の白い部分が大きくてくっきり。花柄にはふつう細かい毛があります。とても細かい毛なのですが、花柄が紫色を帯びていることが多いので、結構、目立ちます。

ニオイタチツボスミレ Viola obtusaニオイタチツボスミレ Viola obtusa


一番下の花弁の「唇弁」から伸びているシッポのようなものは、「距」といって、長さ6mm〜7mmくらい、太くて紫色を帯びることが多く、ブニョッと上に向いています。スミレの仲間の名前を調べるときのチェックポイントを一応、確認。花の中央部あたりに注目して、下の1対の花弁、「側弁」の内側を見ると、「スミレ」や「コミヤマスミレ」のような毛はありません。中央に突き出している雌しべの花柱の先は、あまり膨らんでいません。

花には芳香がありますが、筆者の鼻はあまりにおいに敏感ではないもので、たまに、ホホッと思うこともあるくらいで、大抵は花に鼻をくっつけないとよくわかりません。時間帯や花の状態、天候なんかにもよるのかな。。。

花弁の開き方や明るく鮮やかな花色、色の入り方、距の太さや角度など、細く毛のある長い花柄。一度その姿を全体的にとらえることができれば、遠くから見てもタチツボスミレとの違いは案外はっきりしています。雑種ができている場合や地域によっては、そうともいえないこともありますけども。

ニオイタチツボスミレ Viola obtusaニオイタチツボスミレ Viola obtusa


葉は長短のある卵形で、先はあまりとがらないので、全体的に丸みのある葉です。花の咲き始めの時期には長さ1.5cmくらいですが、花後には3cmくらいまでなります。葉柄の付け根のあたりにある「托葉」という葉の付属物は、櫛の歯状に切れ込んでいます。地上茎は花期にはあまり目立たないですが、あるにはあって、そのうち、それなりに立ち上がってきます。

ちなみに、学名の種小名「obtusa」は、「鈍形の」という意味です。葉の先や鋸歯のことなのか、花弁のことなのかは、それともまったく別の部分に注目してつけられたのかはよくわかりませんが。。。

【和名】ニオイタチツボスミレ [匂立坪菫]
【学名】Viola obtusa
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:21| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | スミレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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