2005年04月19日

アリアケスミレ

アリアケスミレ Viola betonicifolia var. albescens


アリアケスミレは、北海道、本州、四国、九州に分布し、道路脇や人里近くの日当たりのよい草地や、田畑のあぜなどに生える多年草です。九州南部〜沖縄には、「リュウキュウシロスミレ (Viola betonicifolia var. oblongo-sagittata)」が分布しています。

花期は4月〜5月。やや遅めに開花が始まります。花の直径は1.5cm〜2cmくらい。もう少し大きめのこともあります。花の色は白色に紫の筋がたくさん入るというパターンが多いですが、ほぼ白色のこともあれば、筋が多くてややかすれたような紫色に見えるようなものもあって、いろいろと変異があります。名前は、このように変化に富む花の色を明け方ころの空にたとえてつけられたそうです。

似たように白い花を咲かせる「シロスミレ (Viola patrinii)」は、やや標高の高い草原に生育し、特に「上弁」という上の1対の花弁は、かなり後ろに反り返ります。アリアケスミレの上弁はシロスミレほど激しく反り返らず、葉は水平方向に出るものが多く、葉の長さに比べて葉柄の部分が短いです。

アリアケスミレ Viola betonicifolia var. albescensアリアケスミレ Viola betonicifolia var. albescens


スミレの仲間の花は、左右同じ形をしています。ふつう5つの花弁があって、上の1対を「上弁(じょうべん)」、下の1対を「側弁(そくべん)」、一番下にあるものを「唇弁(しんべん)」といいます。花の中央部に注目すると、アリアケスミレの場合、「スミレ」や「ヒメスミレ」と同じように、側弁の基部にはモシャモシャとたくさん毛が生えています。さらに側弁だけではなく上弁にも毛のある場合もあります。中心から突き出しているのは雌しべの花柱で、先の方には膨らみがあります。唇弁の後ろに突き出ているシッポのような部分は、「距(きょ)」で、アリアケスミレの距は太くて短めです。

草丈は5cm〜15cmくらい。「タチツボスミレ」のような立ち上がる地上茎はありません。葉は細長いほこ形で、長さは4cm〜7cmほど。質は厚めで、表面には光沢があります。葉柄には葉身から流れるようについているひれのような「翼」という部分があります。

【和名】アリアケスミレ [有明菫]
【学名】Viola betonicifolia var. albescens
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/04/19
【撮影地】東京都日野市

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ヒメスミレ

ヒメスミレ Viola confusa ssp. nagasakiensis


ヒメスミレは、本州、四国、九州に分布し、人家近くの道ばたや日当たりのよい場所に生育する多年草です。特に乾燥気味の場所、例えば、道路脇のアスファルトやコンクリート、人家の石垣の隙間などに多く見られます。特に本州に生育しているものは、帰化植物とする説もあるようです。

ヒメスミレの分類学的な取り扱いは、台湾をはじめ東アジアの亜熱帯地域に分布する「タイワンコスミレ (Viola confusa)」の亜種とする説と独立種とする説があります。前者の場合の学名は「Viola confusa ssp. nagasakiensis」、後者の場合は「Viola minor」となっています。また、九州に分布し、葉の縁のギザギザ(鋸歯)が粗いタイプを「ツクシヒメスミレ」とすることもあります。

タチツボスミレのような地上茎はなく、草丈は花柄が伸びた状態で、3cm〜10cmに満たないくらいです。

ヒメスミレ Viola confusa ssp. nagasakiensisヒメスミレ Viola confusa ssp. nagasakiensis


花期は3月〜5月。花の色は濃い紫色、「スミレ (Viola mandshurica)」に似ていますが、大きさはスミレより小さめで細身です。直径は1cm〜1.5cmくらい。花の中央部をのぞいてみると、「側弁(そくべん)」という下の2枚の花弁の基部には、白いブラシのような毛が生えています。この様子は、図鑑などでは「側弁の基部は有毛」などと書いてあります。「タチツボスミレ」の場合は、「側弁の基部は無毛」です。雌しべの花柱の先には膨らみがあります。

ヒメスミレ Viola confusa ssp. nagasakiensisヒメスミレ Viola confusa ssp. nagasakiensis


葉は、長さ2cm〜4cmくらいのやや小さめで、長い三角状の披針形、縁にはやや粗めの鋸歯があります。葉の付け根の部分がグルンッと巻くような、張り出すような状態になることが多く、葉柄にはほとんど「翼がない」というのが大きな特徴です。「スミレ」の場合は葉が細長いヘラ形で葉柄の部分にはふつう翼があります。「ノジスミレ」の場合は、全体に微毛があって白っぽく見えます。

表面は濃いめの緑色で少し光沢がある感じ、裏面はやや紫色を帯びていることがあります。花の咲き始めくらいの時期では、葉は小さめで質もちょっと硬そうですが、次第に大きくなって、花が終わったころにはかなり大きな細長い二等辺三角形になっていることもあります。長さは7cm〜8cmくらいにもなって、その状態は、もはや「ヒメ」という感じではないかもしれません。

【和名】ヒメスミレ [姫菫]
【学名】Viola confusa ssp. nagasakiensis
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/04/19
【撮影地】東京都日野市

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