2005年05月31日

2005年05月の記事一覧

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フウロケマン

フウロケマン Corydalis pallida


フウロケマンは、山地の比較的日当たりのよい草地に生えるケシ科キケマン属の越年草です。草丈は20cm〜40cm。茎は赤褐色で無毛ですが、細かい突起があります。花が咲くころにある根生葉や茎葉はやや白っぽく1回〜2回羽状複葉。1つ1つの小葉は幅の広い卵形で、深く切れ込みます。質は薄いです。触ってしまうと独特のにおいが。。。茎の液には有毒な成分が含まれるので、注意が必要。

花期は4月〜7月。総状花序の長さは2cm〜5cmほどで、花は2個〜8個くらいつくといいます。花冠の長さは1.8cm〜2cmくらい。淡い黄色〜黄色。花柄は花の中央につくので、花はT字型についた状態ですが、花は筒状でやや下向き。花弁は上下2枚ずつ、全部で4枚。一番上の花弁の後ろ側にはシッポのような「距」があり、先端は唇形に開いています。距の先端は丸く下向きによく屈曲します。この中では蜜が出ています。苞は披針形〜長楕円形で2枚。果実(さく果)は長さ2cm程度で、少し湾曲してやや数珠状のくびれがあります。中の種子は黒くて艶やか。白いエライオソームがついています。

フウロケマン Corydalis pallida


今回の写真、フウロケマンというよりは、本来ならその変種とされる「ミヤマキケマン (Corydalis pallida var. tenuis)」とした方がよかったのかもしれません。一般的な図鑑では、フウロケマンの分布は本州中部以西〜九州、ミヤマキケマンは本州近畿以東となっています。今回の写真の撮影地は神奈川県丹沢北部です。その分布域という点からのみ判断するとしたら、ミヤマキケマンとしてしまいたいところですが、やや疑問点が。。。

変種のミヤマキケマンは総状花序が3cm〜10cmと長くなり、花数もたくさんつける傾向があります。また、さく果には明らかな数珠状のくびれがあります。全体にフウロケマンより大きくて丈夫そうに見えます。

今回のものは草丈が低く、花が小さく数も少なめ、距がしっかり湾曲しているということで、フウロケマンとしましたが、いかがでしょうか。さく果の数珠状のくびれは少しあるし、湾曲もする。この点からは、やはり、ミヤマキケマンか。。。

【和名】フウロケマン [風露華鬘]
【学名】Corydalis pallida
【科名】ケシ科 PAPAVERACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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ヒナスミレ

ヒナスミレ Viola takedana


ヒナスミレは、北海道、本州、四国、九州に分布し、主に太平洋側の山地の林内に生える多年草です。日当たりのあまりよくないようなところでよく見かけます。といっても株はよく見るのですが、花はやや早めなこともあって、なかなか開花中の個体に出会えなかったりもします。

ヒナスミレ Viola takedanaヒナスミレ Viola takedana


草丈は開花中でも10cmに満たないくらいで、葉は地面に平たく横に広がります。葉の長さは5cmくらいで、葉柄があります。葉の形は先の細いハート型で、基部は深く湾入する心形。縁のギザギザ(鋸歯)は、比較的しっかり鋭く入ります。両面ともに毛がたくさん生えています。裏面は紫色を帯びることが多いです。

花期は4月〜5月。直径1.5cm〜2cm。淡い紅紫色。花柄は短めなので、よく地面近くで開花しています。下の1対の花弁は「側弁」といいますが、側弁の内側の基部、つまり花の中心付近は無毛かまたはまばらに毛が生えています。

葉の表面に白い斑が入るタイプを「フイリヒナスミレ (Viola tokubuchiana var. takedana f. variegata)」といいます。

【和名】ヒナスミレ [雛菫]
【学名】Viola tokubuchiana var. takedana
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/05/29、2004/04/21
【撮影地】神奈川県藤野町、東京都八王子市

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ミヤマハハソ

ミヤマハハソ Meliosma tenuis


ミヤマハハソは、本州、四国、九州に分布し、山地の落葉樹林の林縁などに生える落葉低木です。高さは3m〜4mほど。特に若い枝は細くて赤みを帯びています。

葉は互生。先のとがった倒卵形。長さは10cm前後です。表面は濃い緑色でやや光沢があるように見えます。質は少し厚ぼったい。縁のギザギザ(鋸歯)は、波を打つような感じで粗め。葉の両面や葉柄には細かい毛が生えています。

「コナラ」の葉によく似ています。コナラの別名が「ハハソ」。「ミヤマハハソ」は、アワブキ科、コナラはブナ科でまったく別の植物ですが、葉がコナラに似ていて、より深山に生育するところから、ミヤマハハソと呼ばれています。

花期は5月〜6月。枝の先から円錐花序が垂れ下がるように出ます。花序には淡い黄色の小さな花がたくさんつきます。1つ1つの花は、直径5mmに満たないような小さなものです。花弁は全部で5枚ありますが、そのうち3つは大きく円形で、残りの2つは鱗片状になっています。雄しべも5本ですが、こちらは2本が完全で花粉のできる雄しべ、3本は退化して鱗片状になり花粉はできないものです。この花粉のできない方を「仮雄しべ」といったりします。ガクは3個〜4個です。果実(核果)は球形で、秋に熟すと黒っぽくなります。

冬芽は「芽鱗」のない「裸芽」です。葉のついていた痕跡の「葉痕」に見られる「維管束痕」はU字型に点々が並びます。梅雨入り間じかのこの時期に「冬芽」の話をするのも何ですが、この時期でも見ようと思えば、維管束痕だって見られるのです。

【和名】ミヤマハハソ [深山柞]
【別名】ミヤマホウソ
【学名】Meliosma tenuis
【科名】アワブキ科 SABIACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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2005年05月30日

キツリフネ

キツリフネ Impatiens noli-tangere


キツリフネは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の沢沿いや湿り気の多い林内などに生える一年草です。草丈は50cm前後。葉は互生。長さ5cm内外の楕円形で、縁のギザギザ(鋸歯)は粗く、ウネウネとした波状。

花期は6月〜9月。葉の脇(葉腋)から花序が垂れ下がって、花はそこからさらに細い花柄で吊り下げられたような状態で咲きます。色はやや淡い黄色。「ツリフネソウ (Impatiens textori
)」の場合、花の後ろ側に伸びるシッポのような「距」の先がクルッと巻いているのですが、キツリフネの距は、下向きに垂れ下がります。その距のついているふくらんだ袋状の部分は、3枚のガク片のうちの1つです。残りの2つのガク片は小さい。花弁も3枚ありますが、そのうち下の2枚がくっついて大きくなっています。

キツリフネは、開花初期のころ、通常の「開放花」に先がけて長さ2mm〜3mmの小さな「閉鎖花」もつけます。閉鎖花の方は、花が開かずに結実します。閉鎖花によってまず、確実に種子を作っておこうという堅実さを持っていたのですね。小さな個体では、より閉鎖花をつける確率が高く、花粉を運んでくれる昆虫がこなくても、少ない資源で確実に種子を残すようにと、うまくできていますね。

さらに開放花は、雄しべが雌しべより先に成熟する「雄性先熟」で、成熟する時期をずらすことで、自家受精をさける仕組みを持っています。開放花を咲かせるからには、遺伝的な多様性が高くなるように他家受精によって種子を作り出そうということのようです。

果実は「さく果」で、熟すとちょっと触っただけでも、パンッと弾けて中の種子が飛び散ります。それが、この仲間、ツリフネソウ属の学名「Impatiens (耐えられない)」の由来ともなっています。

キツリフネ Impatiens noli-tangere
まだ子葉が残っている。

葉は互生しますが、「子葉」は丸くて先が少しへこんだ形で2枚対生。子葉つまり双葉ですから、まあ、対生しているのはふつうのことですが、雰囲気は同じ属で、小学校などの教材としてもおなじみの「ホウセンカ (Impatiens balsamina)」にちょっと似ています。でも、生えているのがやや陰湿なところだし、ホウセンカよりはもっときゃしゃな感じ。もうしばらくは、子葉が残っているかもしれませんが、生長とともに子葉はなくなってしまいます。子葉の観察は幼殖物ならではのこと。今のうち。。。

【和名】キツリフネ [黄釣舟]
【学名】Impatiens noli-tangere
【科名】ツリフネソウ科 BALSAMINACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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ハクウンボク

ハクウンボク Styrax obassiaハクウンボク Styrax obassia


ハクウンボクは、北海道、本州、四国、九州、沖縄と、日本国内での分布域は広く、日本以外で中国や朝鮮半島などに分布しています。山地に生え、「エゴノキ (Styrax japonica)」によく似た花をたくさん咲かせるエゴノキ科エゴノキ属の落葉高木です。高さは10m前後になります。樹皮は灰白色、古木になると浅く縦に裂けます。

花期は5月〜6月。枝先の総状花序に白い花を、大量に咲かせます。長さ10cm〜20cmくらいの花序はやや下向きに伸びますが、先端の方は上を向くような状態になります。下に落ちていた花で観察すると、花(花冠)は、直径2cmくらいで先が5つに深く裂け、花びらが5枚に見えます。たくさんの雄しべがあって、花粉のある「葯」の部分が長めで、黄色く白の花冠との対比によって、清々しい印象になります。雌しべは花の中央に1本、長く突き出しています。

よく似たエゴノキとは花序の出方と葉の大きさで簡単に見分けられます。エゴノキの方は今年伸びた短い側枝の先に数個ずつ花がつきますが、ハクウンボクは長い花序が出て多数の花が咲きます。エゴノキの花は丸みがありますが、ハクウンボクの花びらに見える花冠の裂片は、やや細くとがった形。エゴノキの葉は、長楕円形で長さは5cm〜10cmくらいで、ハクウンボクより小さいです。

果実は、直径1.5cmくらいの球形。熟すのは秋。

ハクウンボク Styrax obassia


葉は互生。丸く大きな葉。長さは10cm〜20cm。縁のギザギザ(鋸歯)は、半分より上、先端の方に少し見られる程度。

赤褐色の若い枝を見ると、ところどころヒレのようなものが出たようになっていて、それは何だろうと思っていました。図鑑の記載を読むと、「若い枝の表皮が縦にはがれやすい」とあるので、きっとそのことをいっているのだろうと。相手はかなりの高木なので、背のちっちゃな筆者は、はるか上の枝を下からただ仰ぎ見るだけなのです。

ちなみに、「ハクウンボク」という名前は、白い花がたくさん群がるように咲く様子を「白雲」にたとえたところからきています。

【和名】ハクウンボク [白雲木]
【別名】オオバジシャ
【学名】Styrax obassia
【科名】エゴノキ科 STYRACACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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ミツバウツギ

ミツバウツギ Staphylea bumalda
2005/05/29 神奈川県

ミツバウツギは、日本では北海道、本州、四国、九州の山地の林内や林縁に生える落葉低木です。日本以外では、中国や朝鮮半島に分布しています。高さは3mくらい。

葉は対生。3枚の小さな葉(小葉)からなる「3出複葉」です。1つ1つの小葉は先の細くとがった幅の狭い卵形で、長さは5cm前後。真ん中の小葉(頂小葉)が他の2枚の小葉(側小葉)より大きめ。縁にはツンツンとトゲのように見える細かいギザギザ(鋸歯)があります。鋸歯の先が赤みを帯びていることが多く、この鋸歯の様子がかなり特徴的だと思います。表面の色は濃いめの緑色ですが、裏面はちょっと白っぽい。両面に細かい毛が生えています。

名前は、花が「ウツギ(卯ノ花)」に似ていて、葉が3小葉になっていることから、「ミツバウツギ」と呼ばれるという説と、「ウツギ」と同様に茎が中空であることきているという説があるようです。しかし、ウツギはユキノシタ科の植物ですが、ミツバウツギは「ミツバウツギ科」に分類されています。

ミツバウツギ Staphylea bumalda
若い果実
2005/05/29
ミツバウツギ Staphylea bumalda
若い芽
2005/05/04


花期は5月。今年伸びた枝の先に円錐花序を出して、白い花をたくさん咲かせます。花の直径は1cmに満たないくらい。花弁は5枚、ガク片も5枚あります。ガクは花弁とほとんど同じ形、色も白色なので、花弁がたくさんあるように見えます。花はあまりしっかりと開かないのですが、半分くらい開いているものをのぞくと、5本の雄しべと1本の雌しべが見えます。

果実(さく果)は、先が2つに割れた袋のような形です。花が終わってすぐのころは、まだ若い果実が上向きについていて、先がくっついた状態ですが、しばらくすると、くっついた部分がはずれ、果実は下に垂れ下がったような状態になってきます。そして、秋には褐色に熟して2つに裂けます。

【和名】ミツバウツギ [三葉空木]
【学名】Staphylea bumalda
【科名】ミツバウツギ科 STAPHYLEACEAE
【撮影日】2005/05/29、2005/05/04
【撮影地】神奈川県藤野町、東京都八王子市

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2005年05月28日

ツボミオオバコ

ツボミオオバコ Plantago virginica


ツボミオオバコは北アメリカ原産の一年草です。本州の関東〜沖縄の道ばたや荒れ地などに見られます。筆者の近くの関東の丘陵地では「ヘラオオバコ」よりは見る機会が少なめです。しかし、生えている場所ではしばしば群生します。

全体に毛が密生していて白っぽく、やわらかそうに見えます。葉はすべて根生葉で、ロゼット状になります。長さ3cm〜10cmの倒披針形。縁は少しだけ鈍い鋸歯(ギザギザ)が見られることもありますが、ほとんど目立ちません。それよりもたくさんの毛の方がずっと目立つ特徴です。花が咲くころにはやや葉が立ち上がってきます。

ツボミオオバコ Plantago virginica


花期は5月〜8月。根生葉の間から10cm〜30cmの花茎が出て、茎の半分より上にたくさん穂状に花がつきます。花は軟毛の生えた「ガク」と「苞葉」に包まれています。開花している花序を見たときに薄い褐色のピラピラしたものが見えますが、それが「花冠」です。花冠の先は4つに裂けていますが閉じていることが多いです。それで、「ツボミオオバコ」と呼ばれます。かなり小さな個体でもよく開花しています。

オオバコの仲間では、雌性期と雄性期があって、雌しべが雄しべよりも先に成熟する「雌性先熟」です。雄しべは雌しべが受精しその役目を終えた後、熟してきます。ツボミオオバコの雄しべはヘラオオバコのように長〜く伸びず、あまり目立たないので、ヘラオオバコほど雌雄の交代の様子がわかりづらい。でも、花冠の先は閉じていることが多くても、まったく開かないわけではなく、雄しべが見えていることもあります。

果実は「蓋果(がいか)」と呼ばれる果実で、熟すと横にパコッと割れます。種子は黒っぽい楕円形で2つ入っています。

【和名】ツボミオオバコ [蕾大葉子]
【別名】タチオオバコ
【学名】Plantago virginica
【科名】オオバコ科 PLANTAGINACEAE
【撮影日】2004/04/26
【撮影地】東京都日野市

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(注)カテゴリー、「蕾図鑑」に入れていますが、特に一番上の写真は蕾というわけではありません。開花中の個体も含まれています。

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ムラサキセンダイハギ

ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
2004/04/26

ムラサキセンダイハギは、北アメリカ原産で、マメ科ムラサキセンダイハギ属(Baptisia)の多年草です。黄色の花を咲かせる「センダイハギ (Thermopsis caroliniana 先代萩)」の方は、センダイハギ属という別属に分類されています。また、「ハギ」と名前につきますが、「ハギ属」でもありません。

とても美しく観賞用に栽培に栽培されますが、耐寒性、耐暑性にすぐれているので、育てやすく露地植えでの越冬が可能とされています。

草丈は80cm〜120cmほど。茎や花序など、全体に粉を吹いたように白っぽくみえます。葉は3つの小さい葉(小葉)からなる「3出複葉」で、1つの小葉の長さは10cm前後。細長い楕円形〜倒披針形で、縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁。基部につく「托葉」も切れ込まず、小さくて細長い楕円形。

ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
2004/05/25

花期は5月〜6月。茎頂や茎の上部の葉腋から上向きに花序を出して、多数のとても鮮やかな紫色の花を咲かせます。長く伸びた花序は、葉のある位置よりも高く突き出して、花がよく目立ちます。整った形のマメ科の「蝶形花」で、一番上の「旗弁」と両脇の脇の「翼弁」は鮮やかな紫色ですが、2枚の翼弁に包まれるような状態の「舟弁(竜骨弁)」はちょっと色が薄め。ガクは粉を吹いたように白っぽくなっています。

【和名】ムラサキセンダイハギ [紫先代萩]
【学名】Baptisia australis
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/04/26、2004/05/25
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月27日

ヤセウツボ

ヤセウツボ Orobanche minor


ヤセウツボは、ヨーロッパ、北アフリカ原産で、葉緑素をまったく持たない一年生の寄生植物です。アジアやアメリカなどに広く帰化しているといいます。日本ではじめて確認されたのは1937年、千葉県でのことだったそうです。

現在は、主に東北〜近畿地方に見られますが、分布域は拡大中で、そのほかの地域でも見られるようになる可能性があるといいます。主に寄生するのは「ムラサキツメクサ」や「シロツメクサ」などのマメ科の植物ですが、「タンポポ」などのキク科やセリ科の植物にも寄生していることがあります。ヤセウツボは自分では光合成を行わず、それらの宿主の根に寄生根という根をからませ、侵入し、養分や水分を吸収します。

高さは15cm〜40cm。茎は褐色の肉質で、枝分かれせずまっすぐに直立し、全体が腺毛に覆われています。葉は互生ですが、退化して鱗片状で、先の方は細くなっています。葉柄はありません。

花期は4月〜6月。茎の上部に穂状に多数つけます。花は淡い黄褐色で、花冠には紫色っぽい筋模様があります。長さは1cm〜1.5cm。花にも全体的に腺毛が生えています。1つ1つの花はシソ科やゴマノハグサ科のような上下2つにわかれる「唇形花」で、鱗片状の葉と同じような「苞葉」の脇に1つずつつきます。下唇はさらに3つに裂け、それぞれの裂片の縁はビロビロと波打ちます。

花の中をのぞいたときに前面に突き出して見える赤紫色のものは、雌しべの柱頭です。柱頭の先はふくらんで横に張り出し、中心部分は少しへこんだ状態になっています。雄しべは4本ですがうち2本が長くなっています。先端の葯は黒っぽい。ガクは深く2つにさけた裂片が花の左右に分かれて位置し、さの裂片がさらに2つに裂けて、先はとがって長く伸びる感じ。

ヤセウツボ Orobanche minor


この寄生植物をはじめて見たときは、今回の写真のものよりもずっと大きくて、その異様な姿に圧倒されながら、一応カメラを向けていました。そのときのものはムラサキツメクサの茂みからニョキニョキ出ていました。今回のものはかなりこじんまりとしたもので、寄生している相手も恐らく隣接して生育している、まだ小さい株の「ネコハギ」と思われました。でも、ネコハギは多年草。来年も同じ場所で、ネコハギはヤセウツボに寄生されてしまうのだろうか。

果実の中には1mmにも満たない微細な種子が大量につまっていて、寄生できる相手が近くにあれば、発芽し、なければ何年もの間、発芽能力を保持したまま発芽しないのだそうです。

【和名】ヤセウツボ [痩靫]
【学名】Orobanche minor
【科名】ハマウツボ科 OROBANCHACEAE
【撮影日】2005/05/25
【撮影地】東京都日野市

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ナンバンギセル

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2005年05月26日

ムシトリナデシコ

ムシトリナデシコ Silene armeria
2005/04/26

ムシトリナデシコはヨーロッパ原産の一年草です。日本に入ってきたのは、江戸時代末期のことだったそうで、花が美しく観賞用に導入されたそうです。現在は、栽培されたものが逃げ出して各地で野生化し、道ばたや荒れ地、河原などでふつうに見られるほか、栽培もされています。

草丈は20cm〜50cm。茎や葉など全体に白っぽいような青っぽいいような緑色。表面はツルッした感じで全体に無毛。質感は少し多肉植物のような印象。

この植物の大きな特徴は、やはりその茎の節間に粘液を出す場所があることでしょう。茎に茶色っぽくなった部分があるのですが、それが粘液の出ている部分です。その粘液によって虫がくっつくこともあって、「ムシトリナデシコ」と呼ばれます。しかし、その粘液の出ている部分では、「モウセンゴケ」などの食虫植物のように、養分とするために捕らえた虫を酵素によって消化し吸収するわけではなく、ただ、そこにやってきた虫などがくっつくだけです。地面から茎を登ってくる虫を避けているのでしょう。しかし、上部の方だと、よくくっついているのは小さなハエ類です。

ムシトリナデシコ Silene armeriaムシトリナデシコ Silene armeria
2005/05/24

葉はナデシコ科らしく対生。長さ3cm〜5cmほどの卵形。葉柄はなく茎を抱きます。花期は5月〜7月。直径1cmほどの紅紫色の5弁花。花弁には2つずつ小さな鱗片があって、それが花の中央部で飾りのようにピラピラと見えています。細長い筒状のガクにはよく目立つ脈があるのが特徴。その脈は蕾のときにも見えます。ガクは先に行くほど太く、先は浅く5つに裂けます。10本の雄しべの先の葯は黒紫色。雌しべは1つですが花柱は3つ。

【和名】ムシトリナデシコ [虫取り撫子]
【学名】Silene armeria
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/05/24、2005/04/26
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月25日

ヘラバヒメジョオン

ヘラバヒメジョオン Erigeron strigosus


ヘラバヒメジョオンは、北アメリカ原産の越年草または二年草です。ヨーロッパやアジアなどに広く帰化しているといいます。日本に入ってきたのは大正時代のことだったそうです。現在では、河原や道ばた〜山地、あるいは亜高山帯の草原まで生育し、主に乾燥したやせ地に多く見られます。よく似た「ヒメジョオン (Erigeron annuus)」と同所的に見られることも多いですが、ヘラバヒメジョオンの方がより自然植生に入り込みやすく、高原の草原でもしばしば生育しています。

ごくふつうに、秋に芽生えてロゼットの状態で越冬する越年性の一年草だと思っていたのですが、特に高原の草地などに生えている場合などは、ロゼットの状態で2年〜4年過ごすこともあるのだとか。

草丈は30cm〜1mほど。上部の方で少し枝分かれします。全体にヒメジョオンよりスレンダーに見えます。ヒメジョオンの茎の毛が開出してよく目立つのに対して、ヘラバヒメジョオンの茎の毛は伏した毛で、一見、わかりづらい。さわるとザラザラします。

葉は互生。細長いヘラ形。縁には低いギザギザ(鋸歯)があっても不明瞭なことが多く、ほとんど全縁に見えます。根生葉も幅は狭くほぼ全縁です。茎の上部の葉だけを見ていると、ヒメジョオンも葉の幅が狭く鋸歯が少なくなってくる傾向があるので、おや?っと思ったときは、茎の毛と下部の葉を見るとよいと思います。ヒメジョオンの葉はふつう粗い鋸歯があります。

ヘラバヒメジョオン Erigeron strigosusヘラバヒメジョオン Erigeron strigosus


花期は6月〜10月。枝の先に。花(頭花)は直径1.5cm。キク科の植物なので、1つの花に見えているものは、小さい花(小花)がたくさん集まっている「集合花」です。周辺部にあって、白色の花びらに見えている小花は「舌状花」です。中心部の黄色い部分の小花は、「筒状花」または「管状花」といいます。ヒメジョオンにそっくりの花です。

蕾のときにあまりうなだれないことや、茎を折ったときに中に白い「髄」がつまっている点などもヒメジョオンと同様です。この点で、両者とも「ハルジオン (Erigeron philadelphicus)」と区別できます。開花が始まる時期はハルジオンは早めで、関東の丘陵地ならふつう4月から、ヒメジョオンで5月半ば以降、ヘラバヒメジョオンは6月くらいからになります。

【和名】ヘラバヒメジョオン [箆葉姫女苑]
【学名】Erigeron strigosus (Stenactis strigosus)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/05/25
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月24日

フタリシズカ

フタリシズカ Chloranthus serratus
2005/05/19

フタリシズカは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林内などに生える多年草です。高さは30cm〜50cmくらい。茎の上部の節につく葉は、2対〜3対あって対生します。真上から見ると4枚ほどが輪生しているように見えなくもないですが、「ヒトリシズカ」に比べると、節の間隔が開いているので、明らかに輪生ではなく対生とわかります。ヒトリシズカも節間はつまっていますが、2対が対生しています。そして、両者ともに下部の節には、薄い膜のような鱗片状の小さい葉がついています。

フタリシズカの上部の葉は、ヒトリシズカのような光沢はなく、特に薄くも濃くもない緑色。長さは10cm前後。縁には細かく先のとがったギザギザ(鋸歯)があります。花時期の葉は少し二つ折りになっているような状態。花が終わるころには、花の最盛期に比べるとべラーッとだだっ広くなっています。

フタリシズカ Chloranthus serratusフタリシズカ Chloranthus serratus
2005/05/19

花期は4月〜6月。茎の先に穂状花序を出して、小さな白い花をプツプツとつけます。花穂の本数は1本〜5本。特に2本〜3本のものが多いですが、1つのパッチの中でもいろんな本数のものがあって一定していません。

花弁やガクのない「無花被花」、白いのは3つの雄しべの「花糸(かし)」という部分です。長さは3mm程度です。その花糸の部分が丸くなって雌しべを包んでいます。花粉のある葯もその内側にあります。花後の花序にできる果実(核果)は、直径3mm程度、熟しても濃い緑色ってぐらいです。

フタリシズカ Chloranthus serratusフタリシズカ Chloranthus serratus
2004/06/14

茎の下部の節からは通常の花が終わった後、ヒョロヒョロと花序が伸びてきます。その花序につくのは花を開かずに結実する「閉鎖花」です。

閉鎖花が、比較的上部に出てくることもあるようで、三段目の写真では花後に小さな葉まで出てきてしまっています。5本ほど花序または果序が見られるのですが、そのうちすでに緑の若い果実ができているのが開放花によってできたもので、残りの細くて白っぽい3本は閉鎖花のついた花序ではないかと思います。

【和名】フタリシズカ [二人静]
【学名】Chloranthus serratus
【科名】センリョウ科 CHLORANTHACEAE
【撮影日】2005/05/19、2004/06/14
【撮影地】東京都日野市、八王子市

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2005年05月23日

チダケサシ

チダケサシ Astilbe microphylla


チダケサシは、本州、四国、九州に分布し、山野のやや湿り気の多い草地などに生える多年草です。草丈は30cm〜80cmほど。名前は、「乳茸」というキノコをこの茎に刺して持ち帰ったことから「チダケサシ」というのだそうですが、筆者にとっては何ともピンとこない名前の由来です。

葉は互生。頂小葉のある「奇数羽状複葉」で、葉の両面にはまばらに毛があります。小葉は長さ3cmくらいの楕円形〜卵形。小葉の縁にはやや鋭い「重鋸歯」があります。重鋸歯というのは、大きなギザギザにさらに細かくギザギザが入っている鋸歯のことです。鋸歯は鋭い感じですが、小葉の形はそれほどシャープなものではなく、どちらかというと先は丸みがあります。

チダケサシ Astilbe microphylla


花期は6月〜8月。茎の先に細長い円錐形の花序を出して、多数の花を咲かせます。花序には褐色の腺毛がたくさん生えています。花序はいくつも枝分かれしますが、分かれて出た側枝は短くやや斜め上向きに伸びます。花は淡い紅色〜ほぼ白色。1つ1つの花は直径数ミリの小さなものです。細長い線形のピラピラした花弁は5枚あります。花弁の長さは5mmあるかどうかという程度。ガク片は5つ、雄しべは10本あって、はじめは葯が紫色っぽいです。

チダケサシ属の場合、1つの雌しべは2の心皮からできていて、角のように突き出た花柱が2つありますが、基部ではくっつています。子房室も2つなんだと思います。果実はさく果で熟すと2つに裂けます。

【和名】チダケサシ [乳茸刺]
【学名】Astilbe microphylla
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市

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キバナアキギリ

キバナアキギリ Salvia nipponica


キバナアキギリは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林内、林縁に生える多年草です。草丈は30cm前後。全体に毛が多いのですが、茎や葉柄にはかなり白くて長めの毛が目立ちます。葉は対生。三角状のほこ形で、長さは5cm〜10cmほど。付け根の方は横に張り出します。

名前は、秋に開花して、「キリ」に似たような形の花をつけるところからきているそうです。多種多様な種を含むサルビア(Salvia)の仲間で、基本的な花の形は園芸種のいわゆる「サルビア」と似ています。

ある程度大きく生長した個体になるまでは開花せず、林縁部などで光が十分に得られる場所では早い時期から開花が始まりますが、林内のやや暗い場所では遅めの開花になります。種子で繁殖するほか、特に日当たりのよくない場所では、倒れた茎が地面についた部分の節から根がおりて、そこから新しい個体ができるという栄養繁殖を行っています。

キバナアキギリ Salvia nipponica


花期は8月〜10月。茎の先の花序に数個ずつ段々に花をつけます。花は長さ3cmくらいの「唇形花」。花(花冠)は、淡い黄色です。上唇の先からは1本細長い糸状のものが伸びていますが、それは、雌しべの花柱です。

雄しべは全部で4つですが、そのうち2つは退化して小さく不完全なもので、花をのぞいたときに中央部に見えます。薄い紫色のものがその不完全な雄しべの葯です。完全な雄しべの葯は上唇にはりつくようになっています。弓なりになって不完全な雄しべとつながっています。その弓のように細長くて「花糸」のような部分は「葯壁」といって、このような構造がアキギリ属(Salvia)の特徴の1つ。

花を訪れたマルハナバチなどの昆虫が花の中に入ったとき、退化した方の葯に触れると、完全な方の葯が下に下がってきて虫の背中に花粉がつく仕組みになっています。

【和名】キバナアキギリ [黄花秋桐]
【学名】Salvia nipponica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

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2005年05月22日

ツルカノコソウ

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2005/04/03 春に出てきた若い葉

ツルカノコソウは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林内のやや湿り気のある場所に生育する多年草です。茎や葉は水分を多く含んだような感じで、柔らかい印象です。オミナエシやオトコエシと同じオミナエシ科の植物です。草丈は30cmくらい。

葉は対生。羽状に全裂します。越冬中の葉や「ランナー」につく葉は、小さく卵形です。縁のギザギザ(鋸歯)はウネウネとした波状で不明瞭、ほとんど全縁にみえます。

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2005/05/04 走出枝

花茎が伸びて開花するころには、直立した茎の根もとから、細長いつる状の茎を地面に伸ばします。このように匍匐する地上茎を「走出枝」または、「ランナー」といいます。よく似た形態で、途中の節々から根を下ろす場合は「ストロン」といいます。ツルカノコソウの場合、途中からは根を下ろさず、ランナーの先から根を下ろして、そこでロゼット状に葉を広げて越冬します。開花した茎の方は、結実後には枯れてしまいます。オトコエシも同じような生活史です。

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2004/05/30 果実

花期は4月〜5月。花は散房花序にたくさんつきます。1つ1つに花は、直径2mm〜3mm程度のごく小さい漏斗型です。ほとんど白色で、よく見ると少しだけ赤みを帯びていることがあります。雄しべは3本と雌しべは花冠より短くて、「カノコソウ」のように外に突き出ません。

雌しべの子房は3つの部屋(3室)に分かれていますが、そのうちの1つだけが果実になります。果実(そう果)は細長い楕円形で、ちょっと先端の方が細くなっています。長さは2mmくらい。
キク科の植物のような羽状の白い綿毛(冠毛)があります。

【和名】ツルカノコソウ [蔓鹿の子草]
【別名】ヤマカノコソウ
【学名】Valeriana flaccidissima
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影日】2005/05/04、2005/04/03、2004/05/30
【撮影地】東京都八王子市

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サツキヒナノウスツボ

サツキヒナノウスツボ Scrophularia musashiensis


サツキヒナノウスツボは、本州関東西部、中部地方にポツポツと隔離分布しているゴマノハグサ科ゴマノハグサ属の多年草です。あるところでは、猛烈に珍しいというわけではないのですが、かといって、どこにでもあるというわけではなく、花は咲いても地味なので、あまり目につく植物ではないかもしれません。草丈は40cm〜80cm。茎や花序にはちょっと長めの軟毛があります。

花期は4月〜5月。葉の脇(葉腋)からヒョロリと細長い花序を出して先の方に1個〜3個の花をつけます。花(花冠)は長さ1cm程度。「ヒナノウスツボ (Scrophularia duplicato-serrata)」よりちょっとだけ大きめ。

ゴマノハグサ属の植物の花冠は小さなつぼ型で、先端は5つに裂けています。大きく上下に分かれていて上は上唇、下を下唇といいます。そして、上唇は少し大きめで2つに裂け、下唇は3つに裂けます。サツキヒナノウスツボの上唇は暗紫褐色、下唇は黄緑色。下唇の3つの裂片はつぼ型の花を囲むように両脇に1片ずつ、下に1片が配置しています。そのうち下の1片は後に反り返ります。

本来は「5」を基本とした5数性なので、雄しべも5本あるはずですが、1本は退化して「仮雄しべ」になっています。子房は2つの部屋(2室)にわかれていて、それぞれの部屋には種子のもととなる胚珠がたくさんあります。

ガクは5つに裂けますが先は丸くなっています。ヒナノウスツボはこのガク裂片の先がとがり、果実になったときには小さな茄子のへたのようです。よく似た種のヒナノウスツボは、花期が7月〜9月と遅めで、花は茎頂に出る円錐花序につきます。

葉は対生。幅の狭い卵状楕円形で、長さは10cm内外。先の方は細長く伸びます。縁にはギザギザ(鋸歯)があり、質は薄めです。葉柄の部分には少し翼があります。

【和名】サツキヒナノウスツボ [五月雛の臼壺]
【学名】Scrophularia musashiensis
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/05/30
【撮影地】東京都八王子市

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ニョイスミレ

ニョイスミレ Viola verecunda


ニョイスミレは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の草地や林内、田のあぜなど少し湿り気のあるところにふつうに生える多年草です。国内でも分布域も広いですが、日本以外にも東アジアに広く分布しています。茎は斜めに伸び、草丈は5cm〜20cmくらい。

葉は先のとがった心形〜腎形。長さや幅は2cmほど。はじめは葉の基部はクルリと巻いたような状態になっていますが、しだいに展開してきます。その基部は深く湾入した形、つまり心形になっています。その心形になった部分の幅がより広く開いて、葉の幅が狭く口のとがったパックマンのようになったタイプを「アギスミレ (Viola verecunda var. semilunaris)」といいます。アギスミレは主に東日本の湿地などに見られるものですが、ニョイスミレと明らかに区別できないようなこともあります。

また、本州中部以北の高山帯には、「ミヤマツボスミレ (Viola verecunda nar. fibrillosa)」というニョイスミレの高山型が見られます。このタイプは葉が円形で先がとがらず、茎が地表をはいます。

ニョイスミレ Viola verecundaニョイスミレ Viola verecunda


花期は4月〜6月。低地のスミレの中では遅い方。花柄は立ち上がった茎の途中から出ます。花は白色。直径1cmくらいで、国内のスミレではかなり小さめ。上の1対の花弁(上弁)は2枚の間が開き気味で、後ろによく反り返ります。一番下の花弁(唇弁)には、紫色の筋模様がしっかり入り、下の1対の花弁(側弁)にも少し紫の筋があります。また、側弁の内側の花の中心付近には、短い毛がたくさん生えています。

唇弁から後ろに突き出た「距」は、白色か少し緑色がかった白色です。ニョイスミレの距は、短く2mm〜3mmくらいです。花の中央から伸びている雌しべの花柱は、先が横に張り出してカマキリの頭のような形になっています。

ニョイスミレという名前は、葉の形を僧侶の持つ仏具の如意に見立てたものだそうです。

【和名】ニョイスミレ [如意菫]
【別名】ツボスミレ[坪菫]
【学名】Viola verecunda
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

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スズメノエンドウ

スズメノエンドウ Vicia hirsuta


スズメノエンドウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、道ばたや土手、畑などに生えるつる性の一年草または越年草です。カラスノエンドウよりも全体にずっと小型なので、スズメノエンドウといいます。

葉は互生。複数の小さな葉(小葉)でできた羽状複葉で、6対〜7対の小葉があります。1つ1つの小葉は幅の狭い卵形で、先は少しへこんで、長さは1cm〜1.5cm程度。縁にはギザギザ(鋸歯)はありません。カラスノエンドウよりはずっと小さく、カスマグサより小葉の幅は狭いですが、小葉の数は多め。

複葉の先は巻きひげになり、巻きひげは数本にわかれます。この巻きひげは小葉の変形したものです。つまり複葉のてっぺんの小葉(頂小葉)が巻きひげに置きかわったものと考えられていて、こういう葉のことを「巻きひげ羽状複葉」といったりします。こう考えると小葉の数は偶数枚でも、偶数羽状複葉ではないことになりますね。

スズメノエンドウ Vicia hirsuta


花期は4月〜6月。葉の脇(葉腋)から花柄を出して、先の方に数個の花を総状につけます。白っぽい淡い紫色の蝶のような形の「蝶形花」で、長さは5mm以内の小さなものです。よく似た種類の「カスマグサ」の方は、色がもっと濃く淡い赤紫色で長さは5mm以上。

花後の果実(豆果)は、長さ1cmくらいの楕円形。短い毛がたくさん生えています。この毛の有無で、カスマグサの豆果と区別できます。カラスノエンドウは豆果が斜め上向きにつきますが、カスマグサとスズメノエンドウは下向きにつきます。スズメノエンドウの豆果では、中の種子は2つです。カスマグサの場合は4つほど種子ができます。

【和名】スズメノエンドウ [雀野豌豆]
【学名】Vicia hirsuta
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2005/04/29
【撮影地】東京都日野市

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ナンテンハギ

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2005年05月21日

ナンテンハギ

ナンテンハギ Vicia unijuga


ナンテンハギは、北海道、本州、四国、九州の山野に生える多年草です。草丈は30cm〜90cmほど。茎や葉には細かい毛がたくさん生えていて、茎は角ばっています。「カラスノエンドウ」や「カスマグサ」などと同じマメ科ソラマメ属(Vicia)の植物ですが、カラスノエンドウなどの葉には小葉が多数あって羽状複葉になっているのに対して、ナンテンハギの小葉は2枚だけの「2出複葉」。または、巻きひげが発達しないので見かけ上は「偶数羽状複葉」となっています。属名の「Vicia」は巻きつくという意味からきていますが、ナンテンハギには巻きひげはほとんどありません。

小葉はやや幅の狭い卵形で、先の方はシャープな感じ。長さは5cm、幅は3cm程度。若いうちは縁がちょっと波打つことがあるので、細かいギザギザ(鋸歯)もあるように見えるのですが、ちょっと不明瞭、ほぼ全縁。鋸歯があるように見えるのは非常に細かい毛が周辺部に生えているせいだと思います。葉の付け根には、ヒレのようなものがついていて、茎を抱きこむような状態になっています。

ナンテンハギ Vicia unijuga


名前はメギ科の「ナンテン(南天)」の葉に似ているところから、「ナンテンハギ」といいますが、小葉が2枚一組になってつくので、「フタバハギ(二葉萩)」とも呼ばれます。さらに、特に飛騨地方では、若葉は「アズキナ」といって、山菜として利用されます。筆者はまだ試したことがないのですが、くせがなくとても上品なお味なのだそうです。

花期は6月〜10月。葉の脇(葉腋)から長めの花柄を出して、その先の方に総状に10個ほど集まってつきます。長さ1.5cmくらいの「蝶形花」で、色は紅紫色。蝶形花というのは、文字通り蝶のような形の花で、基本的には、一番上の1枚を「旗弁」、その内側の2枚を「翼弁」、雄しべや雌しべを包む「竜骨弁(舟弁)」からなっています。竜骨弁は2枚の花弁が合わさっているので、花弁は全部で5枚です。ガク片も5枚あります。「5」という数が基本となった「5数性」です。

花後にできる果実(豆果)は、熟すと長さ3cmほど。種子は5個前後できます。

【和名】ナンテンハギ [南天萩]
【学名】Vicia unijuga
【別名】フタバハギ、アズキナ、タニワタシ
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

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