2005年05月15日

ノミノツヅリ

ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia
2005/04/21

ノミノツヅリは、日本全土に分布し、道端や田畑、荒れ地などにごくふつうに見られる一年草、または越年草です。草丈は10cm〜25cm程度の小さなもので、アスファルトの隙間に生える植物の定番の1つ。根もとの方でよく分枝して、やや地面に寝そべって伸びる傾向もあるので、茎の長さはもうちょっと長いこともあります。全体に短い毛が密生しています。

日本国内に見られる同じノミノツヅリ属の植物には、「カトウハコベ (Arenaria katoana)」や「チョウカイフスマ (Arenaria merckioides var. chokaiensis)」などがありますが、これらは一部の高山帯にのみに見られるもので、花はノミノツヅリよりも大きくて、見栄えもよいものです。ノミノツヅリは路傍の雑草ですが、それら高嶺の花をずっと小さくしたようなものです。

葉はナデシコ科らしく対生。卵形の葉は長さ5mm前後。先は少しシャープな印象で、全体を遠めに見ると、三角形の葉が規則正しく並んでついて、どこか多肉植物を思わせるよな雰囲気もあります。といっても、実際はそんな多肉質というほどではなく、ハコベと大差ありません。小さい分しまって見えるかなという感じです。名前は、小さな葉を蚤の綴り、つまり粗末な衣にたとえたものだそうです。

ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia
2005/05/14

花期は3月〜6月。葉の脇(葉腋)から出た細い花柄の先に、直径5mm程度の白色の花を咲かせます。白色の5弁花で、ごく小さな花ですが、平たくパッ、パッと咲いている姿は、お箸やお碗の絵柄にもなりそうな整った形です。5枚のガク片は花弁よりちょっと長めで先がとがっています。

こちら、関東の丘陵地では、5月半ばともなると、ノミノツヅリはだいたい一通り咲き終わって、果実(さく果)がたくさんできています。先の細くなったつぼのような形で、先が6つに裂けます。

ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia


果実の中には細かい種子が入っています。肉眼では小さな黒のツブツブです。そこで、スキャナで取り込んでみたのが、上の3枚目の画像です。種子は腎円形で、表面には何か模様が見えます。筆者の技術では、スキャンもこれが限界。図鑑と照らし合わせると、この模様は、細かな凹凸なんだと思います。

この画像に写っている種子の一番上から、一番下までが5mmくらいなので、種子1つの長さは1mmに満たないものです。定規も一緒にスキャンしたのだけど、なぜだか取り込まれませんでした。う〜っ。

【和名】ノミノツヅリ [蚤の綴り]
【学名】Arenaria serpyllifolia
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/05/14、2005/04/21
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 野草people

posted by hanaboro at 17:11| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミツデカエデ

ミツデカエデ Acer cissifolium


ミツデカエデは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地に生える落葉高木です。高さは10mをこえるぐらいまでなります。

カエデ科カエデ属ですが、葉の形が特徴的。一般的なカエデの掌状の葉とはちょっと違っています。葉は3つの小さい葉(小葉)でできた「3出複葉」です。小葉の形は細長い楕円形で先が細く伸びます。長さは5cm前後で縁には粗めのギザギザ(鋸歯)があります。

ミツデカエデ Acer cissifolium


葉には白っぽい毛が多く、特に新葉が展開してくるころには、白い毛が目立ってフサフサしています。若葉は柔らかな感じ。薫風にフワフワとそよぎます。

葉柄の赤いのも特徴です。新緑の若葉とのコントラストはとても美しい。こういうときに、写真が上手に写せたらと思うのです。努力しましょう。

ミツデカエデ Acer cissifolium


花期は4月〜5月。長さ10cm前後の花序が垂れ下がって、黄色の小さな花がたくさん咲きます。雄花と雌花が別の株につく雌雄異株。花のつく様子も非常にさわやかです。カエデ属なので、花後にはやっぱりプロペラのような果実、「翼果」ができます。翼果の長さは2cm〜3cm。2つずつつきますが、2つの間はあまり開かない感じになります。

カエデの仲間も、種類によっていろんな葉や翼果の形があって、それを見比べるのもおもしろい。そして秋には紅葉も楽しめます。

【和名】ミツデカエデ [三手楓]
【学名】Acer cissifolium
【科名】カエデ科 ACERACEAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 13:20| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コウヤボウキ

コウヤボウキ Pertya scandens


コウヤボウキは、本州関東以西、四国、九州の山野の林縁や林内などに生える草本のような落葉小低木です。乾燥した場所に多く、よく尾根筋で見かけます。枝はとても細くよく枝分かれして、高さは50cm〜1mほどになります。この植物の枝は「高野山」で「ほうき」に使われたのだそうで、「コウヤボウキ」といいます。何でも高野山では「竹」を植えるのを禁止されていたために、竹のかわりにこれが用いられたとか。

コウヤボウキ Pertya scandens


葉の形やつき方には2通りあります。1つは一年目の枝で、卵形の丸っこい葉が互生します。もう1つは2年目の枝で、一年目の葉よりも細長い卵形の葉が3枚〜5枚、束になってつきます。ということで、今回の写真の枝はどちらも2年目のものです。しかも枝先に昨年の秋に咲いたらしい花の残骸があります。その一見、花びらのように開いているものは「総苞(そうほう)」で、茶色のピラピラした1枚1枚は「総苞片」です。キク科の花が終わったあと、すっかり枯れてしまっても、よくこの総苞片だけは残っていることがあります。

コウヤボウキの花(頭花)は、1年目の枝の先端につきます。これに対してよく似た「ナガバノコウヤボウキ (Pertya glabrescens)」の場合は2年目の枝で、葉が束になっているところに花をつけます。この2種は葉にも違いがあって、コウヤボウキは毛が多く若葉のころはよく目立ちますが、ナガバノコウヤボウキの方は毛があまり生えていないのです。

花期は9月〜10月。花の直径は2cmくらい。キク科の花びらに見える「舌状花」はなく、すべて「筒状花」で、十数個の筒状花が集まって1つの頭花ができています。筒状花の先は5つに裂けてヒラヒラと反り返っています。舌状花はなくても、意外に静かなにぎわいの花です。

【和名】コウヤボウキ [高野箒]
【学名】Pertya scandens
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事
カシワバハグマ

■Trackback People : 野草people

posted by hanaboro at 11:46| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キンラン

キンラン Cephalanthera falcata
2005/05/14 下の方の花には唇弁が見当たらない

キンランは、本州、四国、九州に分布し、山野の林内に生える多年草です。草丈は40cm〜50cm。葉の長さは10cm内外、幅の広い長い楕円形。つけ根は茎を抱くように、互生してつきます。名前は、鮮やかな黄色の花色から「金蘭」といいます。

キンラン Cephalanthera falcata


花期は4月〜6月。花は黄色、幅1.5cmくらい。しっかりと開かず、ちょっとだけしか開かないところがまた、贅沢な感じ。ちらっと見える唇弁はほんのりと朱色を帯びているのですが、一番上の写真では、すでに唇弁は傷んで縮れたり、脱落したりしてよくわからない状態になっています。かなり花数の多い個体だったんだけど。新鮮な花だったら、こんなに開かないのに。。。

本来は唇弁は3つに裂けていて、そのうち中心の裂片(中裂片)には隆起したヒレのようなものが数本あって、「隆条」または「隆条線」などといいます。茎から枝分かれして花がついている感じですが、その枝に見えるところは子房です。花時期の子房の部分は細長いので、枝のような、花柄のような感じに見えますが、受精していれば花後には果実となります。

キンラン Cephalanthera falcata
2004/05/15
終わりかけの花
キンラン Cephalanthera falcata
2005/02/13
冬に見られた果実の残骸


キンランの花は上を向くので、花の後ろ側は下になる。その下の方には短い「距」があります。新緑の雑木林の中で、この黄色に輝く花はかなり目立ってしまう。林の中をパッと明るくするその花に目が留まる。同じようなところに生育する「ギンラン」の方は、ずっと小さくて花も白色だから、やや目につきにくい。開花個体も比較的見られるのだが、キンランの方は。。。

【和名】キンラン [金蘭]
【学名】Cephalanthera falcata
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2005/05/14、2005/02/13、2004/05/15
【撮影地】東京都

posted by hanaboro at 01:23| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。