2005年05月18日

トウバナ

トウバナ Clinopodium gracile
2005/04/15 若い芽

トウバナは、本州、四国、九州に分布し、山野の林縁や道ばた、田のあぜなどやや湿り気のある場所に生育する多年草です。根もとからたくさん茎を出して、根もとの部分はやや地面をはい少し斜めに伸びる傾向があります。上部はだいたい直立します。高さは20cm〜30cmほどになりますが、5cmくらいか、それよりももっと背の低い状態で開花しはじめます。

葉はシソ科らしく対生で、茎も角ばっています。卵形〜幅の広い卵形で、長さ、幅とも2cm前後で、1cmくらいの葉柄があります。縁には浅いギザギザ(鋸歯)があります。

トウバナ Clinopodium gracileトウバナ Clinopodium gracile
2005/05/14 開花前のガク

花期は5月〜8月。茎の先につく花(花冠)は長さ5mm〜6mmくらいのごく小さな「唇形花」で、淡い紅色。花冠は上下2つにわかれていて、下唇の方が大きくさらに3つにわかれています。本当に小さな花ですが、まばらに毛も生えています。中をのぞくと雄しべが上唇にくっついています。4本の雄しべのうち2本が長くなっています。このあたりの観察にはルーペが必要です。

ガクも上下に裂けていますが、さらに上は3つに、下は2つに裂けます。ガクの部分にはまばらに毛があって、しばしば赤みを帯びています。

花は咲き始めのころは花茎が短くつまっていますが、数コずつが段々にわかれて輪生し、花が咲き進むと花茎が伸びて塔のようになります。そこで、名前は花穂の形を塔に見立てて「塔花」といいます。

よく似た種の「イヌトウバナ(Clinopodium micranthum)」は、山地に多く葉の裏に「腺点」があって、ガクには長い軟毛があるところなどで見分けます。

【和名】トウバナ [塔花]
【学名】Clinopodium gracile
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2005/05/14、2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 18:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イヌガラシ

イヌガラシ Rorippa indica
終わりかけの花と若い果実

イヌガラシは、日本全土に分布し、山野の草地や道ばた、水田の周辺などに生育する多年草です。日本以外にも中国や朝鮮半島などアジア東南部に分布しています。草丈は20cm〜50cmくらい。根もとの方から枝分かれして株立ち状になり、さらに上部でも分枝します。茎は上方向に伸びることは伸びるのですが、グネグネと曲がりくねりながら伸びていきます。特に上部で枝分かれした茎は花が咲き進むにつれて横方向に曲がる感じです。

同じイヌガラシ属の植物は、在来種の「スカシタゴボウ (Rorippa islandica)」、「ミチバタガラシ (Rorippa dubia)」、「コイヌガラシ (Rorippa cantoniensis)」などがあります。さらに数種の帰化種も知られています。その中で、特によく見られる種で似ているのが「スカシタゴボウ」だと思います。

より湿ったところに多い一年草のスカシタゴボウの場合は、根生葉がイヌガラシよりも切れ込みが深くギザギザしています。茎葉のつけ根はスカシタゴボウの方がやや茎を抱く感じが強いです。ですが、ちょっと微妙なときもある。そこで今度は果実(角果)を見ます。角果が長さ5mm〜8mmくらいで短めだったら「スカシタゴボウ」、1.5cm〜2cmくらいの長い角果なら「イヌガラシ」です。花もスカシタゴボウの方が小さめです。

イヌガラシ Rorippa indica
葉の基部は小さく耳状にはりだす。

ミチバタガラシの場合は、全体的に小さくて、地面をはうような状態になります。花弁が退化していることも多く、果実はまっすぐに伸びます。

主な花期は4月〜9月。それ以外の時期でも、暖かい地方では花が見られることがあります。花は直径4mm〜5mmくらいの黄色の4弁花。花弁は細長く傷んでくるとさらにピラピラに。

長角果のアブラナ科によく見られることなのですが、花が咲き進むにつれて、先に開いた花の中心にある花柱がグングン伸びて目立ってきます。果実は熟すにつれて、細長い円柱形になって、上向きに弓のように曲がってきます。

イヌガラシ Rorippa indicaイヌガラシ Rorippa indica


今回の写真の個体はまだ、果実も若くて長さは1cm。スカシタゴボウではなくイヌガラシとしたのは、葉の切れ込みが少ないということと果実がもう少し長くなりそうなことからなので、ちょっと決め手に欠けるところがあります。両者の雑種もできるということでなかなかです。

【和名】イヌガラシ [犬芥子]
【学名】Rorippa indica
【科名】アブラナ科 BRASSICACEAE (CRUCIFERAE)
【撮影日】2005/05/12
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 15:46| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キバナスズシロ

キバナスズシロ Eruca vesicaria subsp.sativa
2005/05/14 若い果実

キバナスズシロは、この和名よりも「ロケットサラダ」または「ロケット」、「ルッコラ」などの名前で近年、すっかりおなじみの野菜になりました。スーパーなどでもよく売られています。ビタミンC等が豊富に含まれ、健康野菜として人気を集めています。若い葉は「ゴマ」のような香ばしさと、「クレソン(オランダガラシ)」に似た辛みもあります。多く加熱するとちょっと風味がとんでしまうので、サラダとしての利用がいいようです。また種子は油をとったり、マスタードの代用にもされるとか。

地中海沿岸〜アジア西部原産のアブラナ科キバナスズシロ属の一年草です。ヨーロッパではかなり古い時代から利用されていたそうです。日本でも、真夏をのぞけば栽培が可能。種まきの適期は3月〜10月の真夏以外です。

草丈は50cm〜80cm。よく生長したものでは1mをこえるぐらいにまでなります。写真のところはそれほど肥沃ではなさそうで、高さは80cmくらいです。茎には長めの軟網が生えています。葉はへら形〜長楕円形。縁は羽状に切れ込みます。緑色でやわらかな毛がまばらに生えています。やや質は厚めです。

キバナスズシロ Eruca vesicaria subsp.sativa
2005/04/15 下部の茎葉
キバナスズシロ Eruca vesicaria subsp.sativa
2005/04/15 根生葉


花期はだいたい4月〜8月。栽培開始の時期をずらせば、花期もちょっとずれてきます。花は白〜クリーム色の4弁花。花弁は細長く紫褐色のすじ模様が目立ちます。十字架を思わせる形です。キバナスズシロという名前は、野生種の花が黄色で、同じアブラナ科の「ダイコン(古名:スズシロ)」に似ているところからきているそうです。

キバナスズシロ Eruca vesicaria subsp.sativa
2005/04/15
キバナスズシロ Eruca vesicaria subsp.sativa
2005/05/14
終わりかけの花


果実は、アブラナ科なのでやっぱり「角果」をつけます。太めで長い円柱形の長角果です。

開花が始まったころは、まだロゼット状に地面に広がった根生葉も残っているのですが、花が咲き進むと、根生葉も次第に枯れていくようですね。長い期間、葉を食用にするには、やっぱり花を咲かせないように花芽を見つけたら摘み取らなければいけませんね。蕾も菜の花と同じように利用できるのかな。

【和名】キバナスズシロ [黄花清白、黄花蘿蔔]
【別名】エルーカ
【英名】ロケットサラダ (Rocket salad)
【イタリア名】ルッコラ (Rucola)
【学名】Eruca vesicaria subsp. sativa (Eruca sativa)
【科名】アブラナ科 BRASSICACEAE (CRUCIFERAE)
【撮影日】2005/05/14、2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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オランダガラシ

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ハーブについてよく知らないことだらけ。これから学ばせていただきたいな。

posted by hanaboro at 12:52| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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