2005年05月22日

ツルカノコソウ

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2005/04/03 春に出てきた若い葉

ツルカノコソウは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林内のやや湿り気のある場所に生育する多年草です。茎や葉は水分を多く含んだような感じで、柔らかい印象です。オミナエシやオトコエシと同じオミナエシ科の植物です。草丈は30cmくらい。

葉は対生。羽状に全裂します。越冬中の葉や「ランナー」につく葉は、小さく卵形です。縁のギザギザ(鋸歯)はウネウネとした波状で不明瞭、ほとんど全縁にみえます。

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2005/05/04 走出枝

花茎が伸びて開花するころには、直立した茎の根もとから、細長いつる状の茎を地面に伸ばします。このように匍匐する地上茎を「走出枝」または、「ランナー」といいます。よく似た形態で、途中の節々から根を下ろす場合は「ストロン」といいます。ツルカノコソウの場合、途中からは根を下ろさず、ランナーの先から根を下ろして、そこでロゼット状に葉を広げて越冬します。開花した茎の方は、結実後には枯れてしまいます。オトコエシも同じような生活史です。

ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
2004/05/30 果実

花期は4月〜5月。花は散房花序にたくさんつきます。1つ1つに花は、直径2mm〜3mm程度のごく小さい漏斗型です。ほとんど白色で、よく見ると少しだけ赤みを帯びていることがあります。雄しべは3本と雌しべは花冠より短くて、「カノコソウ」のように外に突き出ません。

雌しべの子房は3つの部屋(3室)に分かれていますが、そのうちの1つだけが果実になります。果実(そう果)は細長い楕円形で、ちょっと先端の方が細くなっています。長さは2mmくらい。
キク科の植物のような羽状の白い綿毛(冠毛)があります。

【和名】ツルカノコソウ [蔓鹿の子草]
【別名】ヤマカノコソウ
【学名】Valeriana flaccidissima
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影日】2005/05/04、2005/04/03、2004/05/30
【撮影地】東京都八王子市

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サツキヒナノウスツボ

サツキヒナノウスツボ Scrophularia musashiensis


サツキヒナノウスツボは、本州関東西部、中部地方にポツポツと隔離分布しているゴマノハグサ科ゴマノハグサ属の多年草です。あるところでは、猛烈に珍しいというわけではないのですが、かといって、どこにでもあるというわけではなく、花は咲いても地味なので、あまり目につく植物ではないかもしれません。草丈は40cm〜80cm。茎や花序にはちょっと長めの軟毛があります。

花期は4月〜5月。葉の脇(葉腋)からヒョロリと細長い花序を出して先の方に1個〜3個の花をつけます。花(花冠)は長さ1cm程度。「ヒナノウスツボ (Scrophularia duplicato-serrata)」よりちょっとだけ大きめ。

ゴマノハグサ属の植物の花冠は小さなつぼ型で、先端は5つに裂けています。大きく上下に分かれていて上は上唇、下を下唇といいます。そして、上唇は少し大きめで2つに裂け、下唇は3つに裂けます。サツキヒナノウスツボの上唇は暗紫褐色、下唇は黄緑色。下唇の3つの裂片はつぼ型の花を囲むように両脇に1片ずつ、下に1片が配置しています。そのうち下の1片は後に反り返ります。

本来は「5」を基本とした5数性なので、雄しべも5本あるはずですが、1本は退化して「仮雄しべ」になっています。子房は2つの部屋(2室)にわかれていて、それぞれの部屋には種子のもととなる胚珠がたくさんあります。

ガクは5つに裂けますが先は丸くなっています。ヒナノウスツボはこのガク裂片の先がとがり、果実になったときには小さな茄子のへたのようです。よく似た種のヒナノウスツボは、花期が7月〜9月と遅めで、花は茎頂に出る円錐花序につきます。

葉は対生。幅の狭い卵状楕円形で、長さは10cm内外。先の方は細長く伸びます。縁にはギザギザ(鋸歯)があり、質は薄めです。葉柄の部分には少し翼があります。

【和名】サツキヒナノウスツボ [五月雛の臼壺]
【学名】Scrophularia musashiensis
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/05/30
【撮影地】東京都八王子市

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ニョイスミレ

ニョイスミレ Viola verecunda


ニョイスミレは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の草地や林内、田のあぜなど少し湿り気のあるところにふつうに生える多年草です。国内でも分布域も広いですが、日本以外にも東アジアに広く分布しています。茎は斜めに伸び、草丈は5cm〜20cmくらい。

葉は先のとがった心形〜腎形。長さや幅は2cmほど。はじめは葉の基部はクルリと巻いたような状態になっていますが、しだいに展開してきます。その基部は深く湾入した形、つまり心形になっています。その心形になった部分の幅がより広く開いて、葉の幅が狭く口のとがったパックマンのようになったタイプを「アギスミレ (Viola verecunda var. semilunaris)」といいます。アギスミレは主に東日本の湿地などに見られるものですが、ニョイスミレと明らかに区別できないようなこともあります。

また、本州中部以北の高山帯には、「ミヤマツボスミレ (Viola verecunda nar. fibrillosa)」というニョイスミレの高山型が見られます。このタイプは葉が円形で先がとがらず、茎が地表をはいます。

ニョイスミレ Viola verecundaニョイスミレ Viola verecunda


花期は4月〜6月。低地のスミレの中では遅い方。花柄は立ち上がった茎の途中から出ます。花は白色。直径1cmくらいで、国内のスミレではかなり小さめ。上の1対の花弁(上弁)は2枚の間が開き気味で、後ろによく反り返ります。一番下の花弁(唇弁)には、紫色の筋模様がしっかり入り、下の1対の花弁(側弁)にも少し紫の筋があります。また、側弁の内側の花の中心付近には、短い毛がたくさん生えています。

唇弁から後ろに突き出た「距」は、白色か少し緑色がかった白色です。ニョイスミレの距は、短く2mm〜3mmくらいです。花の中央から伸びている雌しべの花柱は、先が横に張り出してカマキリの頭のような形になっています。

ニョイスミレという名前は、葉の形を僧侶の持つ仏具の如意に見立てたものだそうです。

【和名】ニョイスミレ [如意菫]
【別名】ツボスミレ[坪菫]
【学名】Viola verecunda
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

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スズメノエンドウ

スズメノエンドウ Vicia hirsuta


スズメノエンドウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、道ばたや土手、畑などに生えるつる性の一年草または越年草です。カラスノエンドウよりも全体にずっと小型なので、スズメノエンドウといいます。

葉は互生。複数の小さな葉(小葉)でできた羽状複葉で、6対〜7対の小葉があります。1つ1つの小葉は幅の狭い卵形で、先は少しへこんで、長さは1cm〜1.5cm程度。縁にはギザギザ(鋸歯)はありません。カラスノエンドウよりはずっと小さく、カスマグサより小葉の幅は狭いですが、小葉の数は多め。

複葉の先は巻きひげになり、巻きひげは数本にわかれます。この巻きひげは小葉の変形したものです。つまり複葉のてっぺんの小葉(頂小葉)が巻きひげに置きかわったものと考えられていて、こういう葉のことを「巻きひげ羽状複葉」といったりします。こう考えると小葉の数は偶数枚でも、偶数羽状複葉ではないことになりますね。

スズメノエンドウ Vicia hirsuta


花期は4月〜6月。葉の脇(葉腋)から花柄を出して、先の方に数個の花を総状につけます。白っぽい淡い紫色の蝶のような形の「蝶形花」で、長さは5mm以内の小さなものです。よく似た種類の「カスマグサ」の方は、色がもっと濃く淡い赤紫色で長さは5mm以上。

花後の果実(豆果)は、長さ1cmくらいの楕円形。短い毛がたくさん生えています。この毛の有無で、カスマグサの豆果と区別できます。カラスノエンドウは豆果が斜め上向きにつきますが、カスマグサとスズメノエンドウは下向きにつきます。スズメノエンドウの豆果では、中の種子は2つです。カスマグサの場合は4つほど種子ができます。

【和名】スズメノエンドウ [雀野豌豆]
【学名】Vicia hirsuta
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2005/04/29
【撮影地】東京都日野市

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