2005年05月27日

ヤセウツボ

ヤセウツボ Orobanche minor


ヤセウツボは、ヨーロッパ、北アフリカ原産で、葉緑素をまったく持たない一年生の寄生植物です。アジアやアメリカなどに広く帰化しているといいます。日本ではじめて確認されたのは1937年、千葉県でのことだったそうです。

現在は、主に東北〜近畿地方に見られますが、分布域は拡大中で、そのほかの地域でも見られるようになる可能性があるといいます。主に寄生するのは「ムラサキツメクサ」や「シロツメクサ」などのマメ科の植物ですが、「タンポポ」などのキク科やセリ科の植物にも寄生していることがあります。ヤセウツボは自分では光合成を行わず、それらの宿主の根に寄生根という根をからませ、侵入し、養分や水分を吸収します。

高さは15cm〜40cm。茎は褐色の肉質で、枝分かれせずまっすぐに直立し、全体が腺毛に覆われています。葉は互生ですが、退化して鱗片状で、先の方は細くなっています。葉柄はありません。

花期は4月〜6月。茎の上部に穂状に多数つけます。花は淡い黄褐色で、花冠には紫色っぽい筋模様があります。長さは1cm〜1.5cm。花にも全体的に腺毛が生えています。1つ1つの花はシソ科やゴマノハグサ科のような上下2つにわかれる「唇形花」で、鱗片状の葉と同じような「苞葉」の脇に1つずつつきます。下唇はさらに3つに裂け、それぞれの裂片の縁はビロビロと波打ちます。

花の中をのぞいたときに前面に突き出して見える赤紫色のものは、雌しべの柱頭です。柱頭の先はふくらんで横に張り出し、中心部分は少しへこんだ状態になっています。雄しべは4本ですがうち2本が長くなっています。先端の葯は黒っぽい。ガクは深く2つにさけた裂片が花の左右に分かれて位置し、さの裂片がさらに2つに裂けて、先はとがって長く伸びる感じ。

ヤセウツボ Orobanche minor


この寄生植物をはじめて見たときは、今回の写真のものよりもずっと大きくて、その異様な姿に圧倒されながら、一応カメラを向けていました。そのときのものはムラサキツメクサの茂みからニョキニョキ出ていました。今回のものはかなりこじんまりとしたもので、寄生している相手も恐らく隣接して生育している、まだ小さい株の「ネコハギ」と思われました。でも、ネコハギは多年草。来年も同じ場所で、ネコハギはヤセウツボに寄生されてしまうのだろうか。

果実の中には1mmにも満たない微細な種子が大量につまっていて、寄生できる相手が近くにあれば、発芽し、なければ何年もの間、発芽能力を保持したまま発芽しないのだそうです。

【和名】ヤセウツボ [痩靫]
【学名】Orobanche minor
【科名】ハマウツボ科 OROBANCHACEAE
【撮影日】2005/05/25
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 18:47| 東京 ☁| Comment(5) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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