2005年06月21日

クサマオ

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea


クサマオは、日本国内では、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野の道ばたや林縁などに生える多年草です。草丈は1m前後。茎はまっすぐに伸び、ふつう枝分かれせず、根もとから株立ち状になります。茎や葉柄には短くてやや寝た毛が密生しています。名前は蒸した茎から繊維をとったことから「カラムシ (幹蒸)」ともいいます。また、葉の裏面に綿毛がないタイプは「アオカラムシ」といいます。

葉は互生。長さ15cmくらいで、幅の広い卵円形、先は細く尾状にとがります。縁のギザギザ(鋸歯)は大きく粗めですが、「ヤブマオ (Boehmeria japonica var. longispica)」よりは鋸歯の大きさがそろっています。裏面には綿毛が密生し、白くなります。「メヤブマオ (Boehmeria platanifolia)」より質は厚め。葉柄は3cm〜9cm、付け根にある「托葉」は線形で長さは5mm程度。

写真のものは、葉の形や大きさなどは「ヤブマオ」に見えるのですが、今回は、互生であることと裏面の白っぽさなどによって、「クサマオ」としています。ですが雑種なのかもしれません。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea


花期は8月〜9月。葉の脇から円錐花序が出ます。花序には雌花がつく「雌花序」と、雄花がつく「雄花序」があって、同じ株に両方の花序がつく雌雄同株。茎の上部では雌花序、下部では雄花序が出ます。ヤブマオの場合だと、花序が穂状になることが多いですが、クサマオだと円錐花序になります。ただし、生育状況によっては穂状っぽいことも。

雄花にある雄しべの「花糸」の部分は、蕾の状態では曲がった状態で、開花すると花糸がバネのようになって、その勢いで花粉が飛ばされるのだそうです。花粉の受け渡しを昆虫の訪問によらない「風媒花」。風が弱くても花粉を飛ばせる仕組みを備えているのですね。

雌花序では、雌花がいくつか密集して球状に集まったものが花序にプツプツとつきます。雌花の花被の部分は先が細くのびたつぼ型で、短い毛が密生しています。

【和名】クサマオ [草苧麻]
【別名】カラムシ [幹蒸、茎蒸]
【学名】Boehmeria nivea var. nipononivea
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/06/12
【撮影地】神奈川県津久井町

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ヤブジラミ

ヤブジラミ Torilis japonica


ヤブジラミは、日本全土に分布し、道ばたや林縁などに生える越年草です。草丈は30cm〜70cm。オヤブジラミに比べると、茎が赤みを帯びることが少なめ。まったく帯びることがないわけではないので、赤いか赤くないかだけでは両者を区別する絶対的な決め手とはならないでしょう。名前は、藪に生えて、果実が衣服などにくっつくのを「シラミ」にたとえたものなのだとか。

葉は2回〜3回の羽状複葉。長さは5cm〜10cm程度。小葉はさらに細かく切れ込んでいます。一見、毛はなさそうに見えることもありますが、葉の両面や茎には短い毛がたくさん生えています。

ヤブジラミ Torilis japonica


花期は5月〜7月。よく似た「オヤブジラミ」よりも少し遅めに開花し始めます。6月も半ばを過ぎれば、ここ関東の丘陵地では、赤く染まるオヤブジラミの果実はもうほとんど見当たらず、変わってやや葉の緑色の強いヤブジラミの方が目に付くようになります。

花は枝先の「複散形花序」につきます。複散形花序は、小さな散形花序が2〜3段合わさって、全体として大きな散形花序になっています。セリ科植物には多い花序です。一番上の写真では、複散形花序全体が写っています。すでに若い果実ができている状態。花はありませんが、いくつかの果実が集まって小散形花序となっていて、その小散形花序が集まって複散形花序ができているのがわかると思います。

ヤブジラミ Torilis japonicaヤブジラミ Torilis japonica


花は白色の5弁花。小散形花序には4個〜12個の小さな花が咲きます。小花柄はごく短くて、果実ができるころだと2mm〜3mmくらい。1つ1つの花の大きさは、オヤブジラミの方がひと回り大きいです。

セリ科では、しばしば果実の様子が種類を見分ける決め手になります。ヤブジラミの場合、小散形花序に注目すると、1つ1つの花、または果実にある柄(小花柄)が短くて、ギュッとつまった密集した感じで果実(花)がついています。オヤブジラミの場合は、小花柄が長めでやや不ぞろいです。果実は長さ2.5mm〜4mm。上向きに曲がったとげがたくさんあって、動物の体などについて運ばれる「ひっつき虫」です。

【和名】ヤブジラミ [藪虱]
【学名】Torilis japonica
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影日】2005/06/20
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:10| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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