2005年06月27日

マツカゼソウ

マツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. japonica


マツカゼソウは、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁などに生育する多年草です。しばしば林内で群生します。ミカン科マツカゼソウ属の草本で、葉には「油点」を持ち、独特のにおいがします。草丈は50cm〜80cm。名前は、一説によると、その姿がやさしくさわやかで、趣のあるところから「松風草」とつけられているとか。他にも諸説あるようですが。

葉は3回3出羽状複葉。1つ1つの小さな葉(小葉)は、卵を逆さにしたような形(倒卵形)、長さは1cmほど。ただし、小葉の大きさはいろいろだったりします。だいたいは、付け根の小葉からてっぺんの小葉(頂小葉)へと順に大きくなっていく感じで、頂小葉が一番大きい。小葉は葉の先端に向かって広がるようにつき、質は薄く柔らかいので、ふわ〜っと羽を広げたような印象になります。鋸歯はありませんが、先端が少しだけくぼんでいます。

まったく別の植物ですが、雰囲気はキンポウゲ科の「カラマツソウ」の仲間に似ているかもしれません。でも、葉の質や小葉のつき方、色合いなどマツカゼソウ特有の雰囲気を持っているので、一度、その葉を覚えると、葉だけでもそれとわかりやすいと思います。小葉の付け根は黄緑色っぽく、先の方は青っぽい緑色。葉の裏は白っぽく、油点がポツポツとあります。

葉や茎はふつう無毛。若い枝や若葉に毛があるタイプは、「ケマツカゼソウ (Boenninghausenia albiflora var. albiflora)」といって、中国〜ヒマラヤに分布するとされています。

花期は8月〜10月。枝先の「集散花序」に小さな花を多数パラパラとつけます。花は白色の4弁花。花弁は長い楕円形で、長さ4mmくらい。雄しべは7本〜8本あって、先端の「葯」は黄色、花弁より長く突き出しています。雌しべの形がとても変わっていて、子房には柄があります。子房は緑色で、さらにその先端には細長くて白い花柱がのびています。花が終わりに近づくとより目立つようになります。

果実は長さ3mm程度の4つに分かれた果実、「4分果」です。形は卵形、表面にはツブツブがあります。種子は1つの分果に数個できます。

【和名】マツカゼソウ [松風草]
【学名】Boenninghausenia albiflora var. japonica
【科名】ミカン科 RUTACEAE
【撮影日】2005/06/12
【撮影地】神奈川県津久井町

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オオバアサガラ

オオバアサガラ Pterostyrax hispida


オオバアサガラは、本州、四国、九州に分布し、山地の沢沿いに生育する落葉低木です。エゴノキ科アサガラ属の植物で、高さは10m前後までなります。枝は薄い茶色で柔らかく、材質ももろくて簡単に折れてしまいます。そのため耐久性の必要なものには用いられないとか。しかし、皮をはぐと美しいところから、飾りものなどに利用されています。名前は、皮をむいて乾かしたアサの茎、「麻殻」にたとえてつけられたそうです。

葉は互生。幅の広い楕円形〜よく均整の取れた形です。長さは10cm内外。先端は細長くのびます。縁には低くて細かいギザギザ(鋸歯)があります。花の咲くころの葉は、表面は若々しい緑色で、光沢があり、遠めにも艶やかに光っています。裏面は白っぽく、脈上には長めの毛がたくさん生えています。網目のように細かく入った葉脈は葉の裏面に隆起してよく目だっています。

オオバアサガラ Pterostyrax hispida


花期は6月。枝先から出て垂れ下がる花序にたくさんの白い花をつけます。長さ7mm程度の花冠は5つに深く裂けます。その裂片は細長く線形で雄しべや雌しべより少し短めです。雄しべは10本。雌しべは1本、雄しべよりも雌しべの方がほんの少しだけ長くなっています。ガクはやや細長い釣鐘型で、先の方は5つに浅めに裂けます。

たわわにぶら下がった白い花房の揺れる様子は、とてもさわやかな印象です。ただし、山中に生え、ちょうど花期が梅雨時に重なるため、同じ科の「エゴノキ (Styrax Japonicus)」や「ハクウンボク (Styrax obassia)」の花ほどは、馴染みがないかもしれないですが、梅雨の晴れ間にはぜひ見ておきたい花の1つ。白い小さなが刷毛がブドウの房のようにぶら下がっているのは見ものです。

果実には10個の隆起した部分があって、長さは7mmくらい、熟すのは秋。西日本に分布するよく似た「アサガラ (Pterostyrax corymbosa)」とは、葉が大きい点ともう1つ果実には長い毛が密生するところなどで区別されます。

【和名】オオバアサガラ [大葉麻殻]
【学名】Pterostyrax hispida
【科名】エゴノキ科 STYRACACEAE
【撮影日】2005/06/12
【撮影地】神奈川県津久井町

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ベニバナエゴノキ
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posted by hanaboro at 19:06| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ノボロギク

ノボロギク Senecio vulgaris


ノボロギクは、ヨーロッパ原産の一年草です。日本に入って生きたのは明治初期だとか。今では、道ばたや土手、田畑などにふつうに生育しています。草丈は30cm〜40cmほど。よく枝分かれします。一年草といわれていますが、年何回も発生するようで、暖かい地域なら一年中花が見られます。

葉は互生。縁はギザギザと羽状に裂けます。表面は濃いめの緑色。やや肉厚な感じで、光沢があります。特に葉脈上に毛が多くはえています。

ノボロギク Senecio vulgarisノボロギク Senecio vulgaris


「ボロギク」というのは、山地の木陰に生える「サワギク (Nemosenecio nikoensis)」の別名で、ノボロギクは「野に生えるボロギク」という意味だといわれています。ただし、サワギクの花には「舌状花」がありますが、ノボロギクの小花はほとんどの場合、すべてが「筒状花」です。つまり、花びらがありません。咲いていても蕾のような状態です。

花色は黄色という点は同じでも花は特に似ていません。似ているのは、果実の記事の白い「冠毛」がボワボワとほおける点です。この「冠毛がほおける」という点が共通で、別の属ながら同じように「ボロギク」という名前がついているものに、「ベニバナボロギク (Crassocephalum crepidioides)」、「ダンドボロギク (Erechtites hieraciifolius)」などがあります。ベニバナボロギクはアフリカ原産、ダンドボロギクは北アメリカ原産。両方とも、小花は筒状花ばかり。

また、名前の由来については、特に「サワギク」に似ているからというわけではなく、ノボロギクそのものの冠毛のほおけるようすからきているともいわれています。

ノボロギクの小花を包んでいる筒状の部分、「総苞」は、長さ1cm程度。そのつけ根のところにはさらに「小苞」がいくらかあります。その小苞は細く先のとがった線形で、先端は黒っぽくなっています。小苞の長さは長短まちまち。

【和名】ノボロギク [野襤褸菊]
【学名】Senecio vulgaris
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/06/24
【撮影地】東京都日野市

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サワギク
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posted by hanaboro at 12:44| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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