2005年07月30日

ユウスゲ

ユウスゲ Hemerocallis citrina var. vespertina


ユウスゲは、本州、四国、九州に分布し、山地の草地に生える多年草です。というふうに図鑑では、だいたい山地の草原に生えるようなことが書かれているのですが、日本海側の海岸近くの草地でもよく見かけました。夕日を浴びた日本海の波の音とレモンイエローのユウスゲの花。ちょっと贅沢な夏の夕涼みです。

葉は40cm〜60cmくらいですが、花茎がそれより高く伸びて、高さは1m〜1.5mくらいになります。葉は2列に互いに組み合わさったような状態で、そう生します。線形で幅は1cm前後の細長いもの。ユリ科ワスレグサ属(キスゲ属 Hemerocallis)の植物で、世界的に見ると、同属の植物は30種ほど、日本には5種ほどで、例えば、「ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)」や「ヤブカンゾウ」、「ノカンゾウ」などがあります。

ユウスゲ Hemerocallis citrina var. vespertina


花期は7月〜9月。長くのびた花茎の上部の花序は二又状に分岐します。花茎には葉はありませんが、上部には長さ2cm〜3cm程度の「苞」があります。その苞の脇から枝を伸ばして花序となり次々に花を咲かせます。花には芳香があります。

花は斜め上向きに開き、花披片は淡い黄色で6つ、付け根の方はくっついて筒状になります。花被裂片は長さ7cmくらい。そして花筒の部分(花被筒)は長さ3cmほどで、まるで花柄のように見えていますが、本来の花柄は花筒部より付け根の方にあって、少し細くごく短いものです。

花の中央からは雄しべや雌しべが伸びていますが、先の方は上向きに曲がっています。雄しべは6本。雌しべは1本で、雄しべより少し長く突き出しています。花の内部では、雌しべは花筒部の中を通って底の子房に到達しますが、雄しべは花筒部の上部で外側にくっつきます。子房の位置は花筒の奥底ですが、花被片との上下の位置関係からすると、子房の方が上にある「子房上位」です。花被が全部落ちてしまったのを見ると、それがわかるかもしれません。果実は長さ2cmほどの幅の広い楕円形の「さく果」です。

花は夕方開いて翌朝にはしぼんでしまう一日花。夕方に花が開き、葉が細長いところがカヤツリグサ科スゲ属のようだから、「ユウスゲ」という名前がつけられたといいます。

【和名】ユウスゲ [夕菅]
【別名】キスゲ
【学名】Hemerocallis citrina var. vespertina
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】東京都日野市

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タカトウダイ

タカトウダイ Euphorbia lasiocaula


タカトウダイは、本州、四国、九州に分布し、山野の草地に生える多年草です。トウダイグサ科トウダイグサ属の植物です。同じ属の植物は世界的に見ると、およそ2000種ほども知られていて、そのうち日本には10数種が自生しています。

茎はまっすぐ直立して、草丈は30cm〜80cmになります。特に茎の下部には白い毛があります。また、茎や葉からは白色の乳液が出ます。葉は互生。長さ5cm前後の長楕円形です。一見すると、ほとんど全縁に見えますが、縁にはごく微細な突起があります。タカトウダイの茎には、互生する葉のほかに、輪生する葉もあります。茎の先では4枚〜5枚の葉が輪生しています。

タカトウダイ Euphorbia lasiocaulaタカトウダイ Euphorbia lasiocaula


花期は6月〜8月。茎の先で葉が輪生している部分の中心から、数本の柄が傘の柄のように広がって、それぞれに3枚の「苞葉」がつき、さらにそこから3つの小さな柄が出ます。そして、その柄の先に2枚の「小苞葉」が出て、2枚の間につぼ形の「杯状花序(はいじょうかじょ)」がつきます。これは、5つの「総苞片」がくっついてつぼ形になったもので、花序なのですが1つの花のように見えています。杯状花序はトウダイグサ属の大きな特徴の1つです。

タカトウダイの花は花弁がありません。花被のない「無花披花」です。黄色の楕円形の「腺体」が4つあって、その間に雄花と雌花があります。雌花は腺体の間から外に長くのび出て、球形の子房が目立ちます。そして、その先にある柱頭は4つに裂けています。子房の表面にはブツブツした突起が縦に並んで数列ついているので、果実の時期にもその突起があります。果実は球形の「さく果」で、直径は3mmくらい。秋には紅葉して美しいものです。

【和名】タカトウダイ [高灯台]
【学名】Euphorbia lasiocaula
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県牧丘町

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2005年07月29日

スズサイコ

スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
夕方、開きかけの花

スズサイコは、北海道、本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい山野の草地に生える多年草です。草丈は40cm〜1mくらい。茎は細長く直立します。スズサイコという名前は、蕾が鈴に似て、全形がセリ科の「柴胡(ミシマサイコ)」に似ていることからきているそうです。

葉は対生。細長い線形〜披針形で、長さは10cm内外、幅は5mm〜1.5cm。先はとがっています。また、特に葉の長さが12cm〜17cmと長く、幅も1.5cm〜2.5cmと広いタイプを「ヒロハスズサイコ (Vincetoxicum pycnostelma f. latifolium)」といいます。葉の付け根のあたりを見るとは対生した葉が両方から茎を抱きこむような状態になっていますが、短い葉柄らしきものも見られます。

スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
まだ開花するまでには生長していない蕾

花期は7月〜8月。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)からごく細い柄のある花序が出て、垂れ下がるような状態になります。といっても垂れ下がらないこともありますけど。花は直径1cm程度。花冠は黄みがかった緑褐色〜濃い赤褐色で、なかなか渋い色合いです。花冠の裂片は5つで、長さ7mm〜8mmの三角形。開くと星型になりますが、縁が外側に巻いて裂片が細く見えます。ガク片は花が咲いているうちは目立たないものですが、5つあり先のとがった三角形をしています。

花の中央部には雄しべが雌しべにくっついた「ずい柱」があります。そしてそのまわりには肉質の「副花冠」があります。副花冠というのは、花冠そのものではないのですが、花冠の一部や葯が変形してできた付属物のことをいいます。スズサイコの副花冠は直立して、長さは中央のずい柱とほとんど同じか少し短い程度です。

花の開閉はやや気まぐれなところもありますが、基本的には、夕方ごろ開花して翌朝、日が差し始めると花を閉じてしまいます。1つの花の寿命は数日なので、一度閉じた花はまた夕方日が落ちるころに開花し始めます。そのためしっかりと花開いた状態をみるには、夕暮れ時か早朝ということになります。今回の写真は夕方、日が沈みかけのときでしたが、一番上の写真のようにまだ開きかけという感じでした。

果実は「袋果」で、細長い円錐形というか紡錘形というか、横から平面的に見れば披針形です。長さは5cm〜8cm。園芸的に栽培されている「ブルースター」の果実と形は似ていますが、ブルースターの方は果実が上を向いてつきますが、スズサイコは下にぶら下がります。

【和名】スズサイコ [鈴柴胡]
【学名】Vincetoxicum pycnostelma (Cynanchum paniculatum)
【科名】ガガイモ科 ASCLEPIADACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県牧丘町

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ヒメフウロ(Erodium reichardii)

ベニバナヒメフウロ Erodium reichardii


「ヒメフウロ」という名前で呼ばれる植物には、まったく異なる2つの種があって紛らわしいのですが、今回はフウロソウ科オランダフウロ属の「エロディウム・レイチャルディー (Erodium reichardii)」の方です。「ベニバナフウロ」とも呼ばれているようですが、多くの場合単に「ヒメフウロ」となっているのを見かけます。ただし、今回の写真のものが、「Erodium reichardii」という種そのものなのか、他種との種間雑種による園芸品種の1つなのかは定かではありません。

もう一方は、科は同じフウロソウ科ですがフウロソウ属の「ヒメフウロ (Geranium robertianum)」です。こちらの方は、本州や四国の一部の石灰岩地に生育し、独特のにおいを持つことから「シオヤキソウ」の別名があります。3つの小葉がさらに細かく裂けた繊細な葉を持っています。なお、フウロソウ科の植物は世界的に見ると、5属数百種が知られていますが、フウロソウ科の植物で日本に分布しているのは、「フウロソウ属」のみで数は12種ほどです。

ベニバナヒメフウロ Erodium reichardiiベニバナヒメフウロ Erodium reichardii


ヒメフウロ(Erodium reichardii)は、ヨーロッパ原産の多年草です。草丈は5cm〜10cmくらいで、株が横に広がり、しばしばグランドカバープランツとして栽培されます。

葉の表面や葉柄、花柄など全体に毛がたくさん生えています。葉は先の丸い広卵形で、長さは1cmちょっとくらい。縁には丸みのある鋸歯があります。

花期は6月〜9月。花は紅紫色〜白色、直径は1cm内外。花弁は5枚で、脈が濃い紅紫色に染まり、すじ状の模様が入っています。花の中央をのぞくと花弁の付け根のあたりには白い毛が生えています。雄しべは5本。花の開き始めの時期は、雌しべの柱頭がまだ開いてなくて、雄しべが中央に集まって見えるのですが、その後、雄しべは花弁にはりつくような形で開いて、中央にある雌しべの柱頭が5つに裂けます。雌雄の成熟時期に時間差があるような気がします。

ガク片の外側には粗い毛が目立ちます。雄しべの葯がなくなり、すっかり花弁が散ってしまった後の姿は、ガクと柱頭だけのまた別の花が開いているかのようです。

【一般名】ヒメフウロ
【別名】ベニバナヒメフウロ [紅花姫風露]
【学名】Erodium reichardii
【科名】フウロソウ科 GERANIACEAE
【撮影日】2005/05/12
【撮影地】東京都日野市

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2005年07月27日

ノカンゾウ

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/02/22 若い芽

ノカンゾウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、低地の草地や田のあぜ、溝の縁や湿地などのやや湿り気の多い場所に生える多年草です。ユリ科ワスレグサ属の植物で、同じ属には「ヤブカンゾウ」、「ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)」、「ユウスゲ」などがあります。特に近い環境に生えるヤブカンゾウはボッテリとした八重咲きですが、ノカンゾウは一重でシャープな印象。真正面から見るとヒトデみたいな感じ。

葉は細長い広線形で、長さは40cm〜70cm、幅は1.5cmくらい。付け根の方では2列になって、互いに抱き合うような形になっています。若い葉は主脈の部分で2つ折り、大きく生長した葉でも主脈が少しへこんでいます。長くなるとだらんと垂れます。葉に毛はありません。若い葉は食用になります。

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/07/27 花期の葉

花期は7月〜8月。花茎はまっすぐに伸び、高さは70cm〜90cmほどで、上部の花序に数個〜10個くらいの花を次々開きます。ふつう上部では2つに分かれて、Y字型になります。そして上部には小さな「苞」があります。

花は直径7cm。花被片は6つあります。付け根の方は筒状にくっついて、その花筒の長さは3cm前後。5mmくらいの短い花柄を持ちます。花色は橙赤色〜赤褐色。1つ1つの花被片の中心部には黄色っぽいすじ状の模様が1本入ります。雄しべは6本、雌しべは1本で雄しべより長く突き出します。

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/06/24
ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/07/27
花の終わった花序


朝開いて夕方しぼむ一日花。属の学名「Hemerocallis」には、「hemera(一日)+callos(美)」という意味があります。ふつうはほとんど結実しないので、果実にはなかなかお目にかかれません。

【和名】ノカンゾウ [野萱草]
【学名】Hemerocallis fulva var. disticha
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/07/27、2005/06/24、2005/02/22
【撮影地】東京都日野市

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ヒペリカム・アンドロサエマム

ヒペリカム・アンドロサエマム Hypericum androsaemum


ヒペリカム・アンドロサエマムは、ヨーロッパ南西部〜中近東原産の半常緑小低木です。ヨーロッパでは古くから薬草として利用されてきたそうです。高さは60cm〜1mくらいになります。オトギリソウ科オトギリソウ属の植物で、同じ属の他種や園芸品種も含めて属の学名の「ヒペリカム」または「ヒペリクム」と呼ばれています。オトギリソウ属の植物は世界的に見ると500種ほど知られていて、日本にもいくつかの種が分布しています。日本の種についてだけ見ても、結構、同定の難しい分類群だと思います。

葉は大きいですが、花はビョウヤナギよりはずっと小さく、キンシバイよりも小さめ。黄色い花は美しいのですが、果実が主に観賞の対象となっているようで、切花にもよく利用されます。最近では、それなりの耐寒性があることから、鉢植えなどで栽培されているのを見かけるようになりました。葉は対生。葉の縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。葉は大きく、長さは5cm〜10cm近くになります。幅の広い長楕円形です。

ヒペリカム・アンドロサエマム Hypericum androsaemum


花期は6月から7月。茎の先端と上部の葉の脇(葉腋)から出た花序に、黄色い花をたくさん咲かせます。直径は2cm程度。花弁は5枚です。多数の雄しべがありますが、長さは長短いろいろ混じっていて、花弁より長かったり短かったり。「ビョウヤナギ (Hypericum chinense)」の場合はふつう雄しべが花弁より長く、「キンシバイ (Hypericum patulum)」では雄しべが花弁より短くなっています。花の中央には雌しべがあって丸い子房が花弁の上に見えています。

ガクは、円形〜楕円形の緑色で、開花中は花弁の下にかくれてしまいますが、蕾のときや花後にはよく目立ちます。果実の時期にもガクはしっかり残って、やや下垂して、果実を引きたてているようです。花後の果実は長さ1.5cmくらいで、色は赤色から熟すにしたがって濃い色に変化します。「コボウズオトギリ」という和名、あまり浸透していないようですが、それなりにかわいい響きがあると思います。

【一般名】ヒペリカム・アンドロサエマム
【別名】ヒペリクム・アンドロサエムム(学名の読み方が違うだけ)
【英名】Tutsan
【和名】コボウズオトギリ [小坊主弟切]
【学名】Hypericum androsaemum
【科名】オトギリソウ科 CLUSIACEAE (GUTTIFERAE)
【撮影日】2005/07/25
【撮影地】東京都日野市

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オニユリ

オニユリ Lilium lancifolium
2005/07/25

オニユリは、北海道、本州、四国、九州に分布し、野原や田んぼ、人里周辺などに生える多年草です。花が美しく古くからよく栽培されるほか、野生状態のものも多く見られますが、本来の自生のものかどうかはよくわかっていないようです。「鱗茎」をいわゆる百合根として食用にするため古い時代に渡来したといわれています。

草丈は1m〜2mほど、茎の色は黒紫色で、白いクモ毛があります。地下の「鱗茎」は、直径5cm〜8cmの卵球形。葉は互生。長さ5cm〜15cmくらいの被針形で、先はとがっています。葉柄はなく、葉の脇に「珠芽(ムカゴ)」をつけることが大きな特徴。葉は両面無毛で光沢があります。

また、珠芽は、地上茎の「腋芽」が養分を蓄えて大きくなったもので、地面に落ちて生長できれば、新たな個体になります。オニユリの珠芽は、葉のもととなったものが肉質となった「鱗芽」。これに対して、茎が球状に肥大してできた珠芽は「肉芽」といって、「ヤマノイモ」の珠芽がそれです。

オニユリ Lilium lancifolium
2005/07/05
オニユリ Lilium lancifolium
2005/06/24


花期は7月〜8月。茎の上部の総状花序に、斜め下向きに数個〜多いときで20個くらいの花をつけます。「花被片」は6つ、橙赤色で後に強く反り返り、黒褐色の隆起した斑点がたくさん散らばっています。1つ1つの花被片は長さ7cm〜10cmありますが、反り返っているため花の直径としては、10cmちょっとくらいです。内側の花被片がやや幅広め。

ユリ属は、基本的に2倍体が多いといわれていますが、オニユリの多くは3倍体です。つまり種子ができないわけです。そのかわりに葉の脇(葉腋)に黒紫色の「珠芽」をつけ、それによって繁殖します。日本に生育するユリの中で珠芽をつけるのは、このオニユリだけ。ただし、壱岐、対馬や朝鮮半島南部に生育するオニユリは2倍体で、花期がやや早めなのだそうです。また、よく似た「コオニユリ」は、2倍体で種子ができ、珠芽はできないし、より葉が細く全体にスレンダー。

雄しべは6本、先の花粉の部分は濃い赤紫色。雌しべは1本で先の柱頭は太く、花の中をのぞくと基部には緑色の子房が見えています。柱頭には花粉がついていたりするのですが、不稔なんですよね〜。

【和名】オニユリ [鬼百合]
【学名】Lilium lancifolium
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/07/25、2005/07/05、2005/06/24
【撮影地】東京都日野市

■おまけのオニユリ写真(JPEG画像のみ別窓 45KB、2004/09/15撮影)

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2005年07月26日

ミソハギ

ミソハギ Lythrum ancepsミソハギ Lythrum anceps


ミソハギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の湿ったところに生える多年草です。ミソハギ科ミソハギ属の植物で、草丈は50cm〜1mくらい。茎は無毛で瑞々しい印象。地下の根茎は横に広がります。

葉はきれいに十字に対生します。長さ5cm内外の披針形で、ほとんど柄はありませんが、つけ根はあまり茎を抱かないという特徴があります。よく似た「エゾミソハギ (Lythrum salicaria)」はふつう茎を抱くので、チェックポイントの1つ。

ミソハギ Lythrum anceps


花期は7月〜8月。茎の先の花序に穂状にたくさんの花をつけます。花は直径1.5cmくらいの鮮やかな紅紫色。花弁の数は4枚〜6枚。長さ5mm〜8mmくらいの筒状のガクは、先が6つに裂けています。裂けたガク片は三角形で花弁にはりつくような状態になります。まだ、蕾の状態のガクを見ると、星のような形になっていて、ガク片よりも針状で横に突き出したものが目立ちます。これは、ガク片とガク片の間にある「付属片」です。

雄しべは12本、長いものと短かいものが6本ずつ。雌しべの花柱にも長、中、短の3型あります。そして、雄しべと雌しべの長さが同じにならないように長さの違う雄しべと雌しべがうまく組み合わさっています。同じ個体につく花は同じ組み合わせになっていて、違う組み合わせをもつ別の個体とでなければ受粉できない仕組みになっています。このような花を「異形花柱花」または「異形ずい花」といいます。

雌しべ→中雄しべ短雄しべ
雌しべ→長雄しべ短雄しべ
雌しべ→長雄しべ中雄しべ


よく似たエゾミソハギは、ガクに毛があり、ガク片とガク片の間の付属片が、ミソハギのように横に広がらず直立します。

【和名】ミソハギ [禊萩、溝萩]
【学名】Lythrum anceps
【科名】ミソハギ科 LYTHRACEAE
【撮影日】2005/07/25
【撮影地】東京都日野市

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ヤハズソウ

ヤハズソウ Kummerowia striata


ヤハズソウは、日本全土に分布し、野原や道ばたなどにふつうに生育する一年草です。日本以外にも中国や朝鮮半島にも分布しています。茎には下向きの毛があります。よく似た「マルバヤハズソウ (Kummerowia stipulacea)」の場合は、茎の毛が上向き。ヤハズソウの茎は、はじめやや地面をはうように斜めに伸び、よく枝分かれします。マメ科ヤハズソウ属の植物で、草丈は15cm〜40cmくらい。

葉は3つの小葉からなる「3出複葉」で、1つ1つの小葉は長さ1cm〜1.5cm程度の長楕円形。側脈がよく目立ちます。小葉の両端を持って先の方をピュッと引っぱると、こそ側脈にそってちぎれて、「矢筈」のような形になります。名前はそこからきています。小葉の縁には縁に沿って伏せた状態の毛が生えています。

ヤハズソウ Kummerowia striata


花期は8月〜10月。茎の上部の葉の脇(葉腋)に1つ〜2つずつつきます。花は長さ5mm程度の淡い紅色の「蝶形花」。蝶形花というのは「旗弁」、「翼弁」、「舟弁(竜骨弁)」からできていて、蝶が羽を広げたような、マメ科に多い独特の花です。まだ、昆虫が訪れていないうちは、雌しべや雄しべが舟弁の中に納まっているのですが、昆虫が訪れると、舟弁の外に見えるようになります。ガクは筒状で先は5つに裂けます。

ガクは果実の時期に長さ3mm〜3.5mm、まばらに毛があります。ガクと果実(豆果)の長さを比べると、豆果が少し長い程度です。マルバヤハズソウの場合は、ガクの長さは1.5mmで毛はなく、ガクよりも豆果の長さが2倍ほど長い。ヤハズソウの果実は、平べったい円形で先がとがっています。マルバヤハズソウの場合は先が丸いことも区別点。時に花を開かずに結実する「閉鎖花」をつけます。中の種子は1つ。熟しても裂けない果実です。

【和名】ヤハズソウ [矢筈草]
【学名】Kummerowia striata
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/07/25
【撮影地】東京都日野市

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ハナトラノオ

ハナトラノオ Physostegia virginiana
2005/07/25

ハナトラノオは、アメリカ北東部原産の多年草です。日本に入ってきたのは、明治のことだったとか。長い花穂に次々に花を咲かせ、たくさん群生して咲く様子は見栄えがよいので、観賞用によく栽培されています。また、それが逃げ出して人家周辺ではしばしば野生化しています。しかも、地下茎でよくふえるため群生しています。草丈は40cm〜1.2mくらい。シソ科の植物なのでふつうのことなのですが、茎はしっかりと四角形になっています。あまり枝分かれはしないのですが、上部のほうで花穂は数本出ます。

ハナトラノオ Physostegia virginiana
2005/07/25
まだ短い花穂
ハナトラノオ Physostegia virginiana
2004/12/08
枯れた花穂


葉は十字に対生するので、遠めにも規則正しい葉の並びに見えます。細長い披針形で先はとがり、縁には先のとがったギザギザ(鋸歯)があります。葉柄はありません。質はちょっと厚めで、表面には光沢があります。

ハナトラノオ Physostegia virginiana
2004/12/08

花期は7月〜10月。茎の先の花穂にたくさんの花をつけます。花穂の長さは10cm前後、シッポのような状態になるので、「トラノオ」とつけられています。ただし、トラノオという名前のつく植物は、多岐にわたっていて、分けられている分類群も様々です。例えば、「オカトラノオ」はサクラソウ科、「イブキトラノオ」はタデ科、「ルリトラノオ」はゴマノハグサ科です。

花は桃紫色〜白色。長さ3cmくらいの「唇形花」。これが4列になって花穂を咲きあがっていくので、非常に立体的。花穂が見え始めた蕾の段階から、その4列で角ばった花穂の片りんが。ガクは先が5つに裂けます。

【和名】ハナトラノオ [花虎の尾]
【別名】カクトラノオ [角虎の尾]、フィソステギア、ライオンズヘッド
【学名】Physostegia virginiana
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/07/25、2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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ゴウシュウアリタソウ

ゴウシュウアリタソウ Chenopodium pumilio


ゴウシュウアリタソウは、オーストラリア原産の一年草です。日本で最初に認識されたのは1940年代のことで、その確認は1930年代に採られた標本をもとに行われたそうです。道ばたや、荒れ地、畑などの日当たりがよく乾燥した場所で見られます。夏の高温期によくふえ、畑地ではしばしば困った雑草となっているといいます。

根もとの方からよく分枝して地面をはうように広がります。そして、しばしば斜め上にのびるか、まっすぐ立ち上がることもあります。茎には短い毛が多く、腺毛も混じっています。茎の長さは15cm〜30cmほど。

ゴウシュウアリタソウ Chenopodium pumilio


葉は互生。長さ1cm〜2.5cmの楕円形で、縁には3対〜4対の波状の鋸歯(ギザギザ)があります。ギザギザの深さは浅いこともあれば、深いこともあります。小さいけれど分厚くしまった感じの葉です。裏面には柄のある腺点があり、脈上の毛は多細胞。独特のちょっと嫌なにおいがあります。

花期は7月〜10月。葉の脇(葉腋)に小さな花がかたまってつきます。かたまりは直径4mm。ガク片は5つ、ここにも多細胞の毛や腺点があります。このガク片は果実の時期まで残って、果実を包み込みます。

【和名】ゴウシュウアリタソウ [豪州有田草]
【別名】コアリタソウ、ゴウシュウアカザ
【学名】Chenopodium pumilio (Chenopodium carinatum)
【科名】アカザ科 CHENOPODIACEAE
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市

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2005年07月25日

ノブドウ

ノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophylla


ノブドウは、アジア東北部に分布し、日本でも北海道〜沖縄まで広く見られ、山地、丘陵、ちょっとした草むらなどに生育しています。茎の基部は太く木質化した落葉つる植物。先が2つに分かれる「巻きひげ」は葉と対生して出ますが、葉は互生です。若い茎には粗い毛がたくさん生えています。

葉はほぼ円形〜掌状。多くの場合、3つか5つに裂けていて、幅は5cm〜10cm以上にもなります。つけ根は丸く湾入する心形。縁には鋸歯があります。葉の形にはいろいろ変異が多いのですが、特に深く切れ込むタイプを「キレハノブドウ (Ampelopsis glandulosa var. heterophylla f. citrulloides)」といいます。裏面は淡い緑色で、脈上に粗い毛があります。また、葉が無毛のタイプは「テリハノブドウ (Ampelopsis glandulosa var. hancei)」といい、本州南部〜沖縄に見られるといいます。若い葉の裏を見たとき白色か褐色のクモ毛が密生していたら、ブドウ属の「エビヅル (Vitis ficifolia)」の方のあたりの可能性が高いでしょう。

ノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophyllaノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophylla


花期は7月〜8月。「集散花序」が葉と対生します。花は淡い黄緑色の小さなもので、多数咲きます。1つ1つの花は直径3mm、花弁は5枚あります。小さな花の中に5本の雄しべと1本の雌しべがあります。花にはちょっと肉質で盃形の「花盤 (かばん)」があって雌しべを取り囲むような状態になっています。「ヤブガラシ」のような色の変化はないですが、同じように、花盤からは花蜜が出ています。ノブドウもヤブガラシもブドウ科の植物ですが、ヤブガラシの花弁は4枚、ノブドウは5枚です。

果実は液果で、ふつうは5mm〜8mmくらいの球形。虫えいになっていることも多くて、大小混じっていることもあります。秋に熟すころには色がカラフルに変化していきます。淡い緑色から紫色、水色などになります。その様子はマーブルチョコのようですが、食用にはならないそうです。

【和名】ノブドウ [野葡萄]
【学名】Ampelopsis glandulosa var. heterophylla
【科名】ブドウ科 VITACEAE
【撮影日】2005/07/25
【撮影地】東京都日野市

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シナマンサク

シナマンサク Hamamelis mollis


シナマンサクは、中国原産の落葉小高木です。しばしば、庭木などに利用されます。高さは2m〜9mくらい。花や葉は日本産の「マンサク」より大きめ。若い枝には綿毛がたくさんあり、冬芽にも毛が密生しています。

葉は互生。だいたい丸みのある倒卵形〜幅の広い楕円形で分厚い感じです。左右対称でないことが多く、付け根は少し心形になります。縁には波状であまりとがらない鋸歯(ギザギザ)があります。長さは8cm〜15cmくらい。5対〜6対の側脈が目立ちます。葉柄は5mm〜1cm程度。葉柄や表面には軟毛が生えていて、裏面は白っぽい綿毛が生えています。

シナマンサク Hamamelis mollis
果実

花期は1月〜3月。花は葉の展開する前に咲きますが、花が咲いているときにしばしば茶色になった前年度の葉がぶら下がっていることがあります。マンサクという名前は、「豊年満作」あるいは「まず咲く」というところからきているのだとか。

花は鮮やかな濃い黄色で、強い香りがあります。花弁の長さは1.5cm〜2cmくらい。1つ1つの花弁はごく細い線形で4つあります。ガク片も4つです。中央部は濃い赤褐色。果実はさく果で、直径は1.5cmほど。茶色っぽい毛がたくさん生えています。

【和名】シナマンサク [支那満作]
【学名】Hamamelis mollis
【科名】マンサク科 HAMAMELIDACEAE
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市

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2005年07月24日

スベリヒユ

スベリヒユ Portulaca oleracea
2005/07/16 瑞々しい葉

スベリヒユは、日本全土に分布し、道ばたや畑などの日当たりのよい場所にごくふつうに生える一年草です。古い時代から世界中に帰化していたそうで、原産地は熱帯アジアともいわれています。

スベリヒユ科スベリヒユ属の植物ですが、この科の分布の中心は南半球やアメリカ太平洋岸で、世界的に500種ほどが知られています。同じ属には南アメリカ原産の「マツバボタン (Portulaca pilosa subsp. grandiflora)」や「ハナスベリヒユ (ポーチュラカ)」などがあります。ハナスベリヒユの方は「Portulaca oleracea」という学名が表記されていることもあって、スベリヒユから改良された園芸品種なのだと思います。花の大きさ色の豊富さは違いますが、葉の感じは似ています。

茎は赤紫色を帯びることが多く、よく枝分かれして地面をはうように広がり、上部の方は斜めに立ち上がります。茎の長さは10cm〜30cm。葉や茎は多肉質で毛はなく、独特の光沢でツルツルと滑るような感じのあるところから「スベリヒユ」という名前がついています。「ヒユ」とはまったく別の植物ですが、スベリヒユも食用になります。葉は長さ1cm〜2.5cm。先のほうが丸みのある楕円形。茎の上部の方では葉がやや集まってつきます。

スベリヒユ Portulaca oleracea
2004/11/23 秋には赤みが増す

花期は7月〜9月。茎の上部で葉が集まった部分に数個、小さな花をつけます。日が当たると直径6mm〜8mmの黄色の花が開きます。黄色の「花被片(または花弁)」は5枚、そして「小苞(またはガク片)」が2枚あります。

果実は「蓋果(がいか)」といって、上半分がふたのようになっています。果実が熟すと横にわれて、そのふたの部分がはずれてなくなってしまいます。果実の長さは5mm程度。中には黒っぽい小さな種子がたくさん入っていて、褐色の「種柄」がちっちゃくモシャモシャッと見えます。

【和名】スベリヒユ
【学名】Portulaca oleracea
【科名】スベリヒユ科 PORTULACACEAE
【撮影日】2005/07/16、2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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育て方や増やし方の記事ではないのですが。。。

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2005年07月23日

トウゴマ

トウゴマ Ricinus communis


トウゴマは、アフリカ北東部原産の大型の一年草です。ただし、一年草というのは霜が降りたりトウゴマにとっては低温になる日本でのことで、熱帯〜暖帯では茎が木質化します。日本に入ってきたのは、かなり古い時代のことだったようです。その後、戦時中に栽培が奨励されたことから、主に西日本で野生化しているのが見られるのだといいます。

トウダイグサ科トウゴマ属の植物で、高さは1m〜2m、太い茎がまっすぐに伸び、枝分かれはまばら。茎に毛はなくツルツルしていて、赤みを帯びているものが多く見られます。特に茎や葉、果実が赤い品種は「ミズマ」または「アカトウゴマ」と呼ばれています。

葉は互生。5個〜11個程度、中ぐらいに裂ける大きな掌状で、長い葉柄があります。葉柄は葉の付け根につくわけではなく、葉身の基部より中心よりの位置につきます。縁のギザギザはちょっと不規則で、ところどころ先のとがった大きな鋸歯があります。葉柄や葉脈も赤いタイプが多いです。

トウゴマ Ricinus communisトウゴマ Ricinus communis


花期は夏〜秋。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)から花序を出して、雄花と雌花をつけます。花序の長さは20cmくらいで、上部に雌花、下部に雄花がつきます。これはよくあるパターンとは上下逆なので、ちょっと変わった配置といえるかもしれません。雄花の方はわかりやすいのですが、問題は雌花です。だいたいは、果実ができてきてから、そこが雌花だったのかと気づくようなものです。

雌花には3つ〜5つの「花被片」と1本の雌しべがあります。そして後に果実となる「子房」の部分にはトゲが密生しています。花柱は3本あって、それがさらに2つずつに裂けるので、花の先端部でヒラヒラとして見えます。雄花にはたくさんの雄しべとそれを包む「花被片」が5つあります。開くと花被片は後に反り返ります。雄しべの形状がまたとても変わっていて、たくさん枝分かれします。枝分かれしたそれぞれの先端に淡い黄色の「葯」があるので、全体としてみると、泡が立っているような状態に見えます。

しかし、この雄花と雌花の配置。どうしてこうなっているんでしょうね。どうやって受粉が行われているのでしょう。風によって花粉が運ばれ受粉する「風媒花」なら、やっぱり雄花が上にあるのがふつうのような。まったく、どこをとっても妙な植物。

果実はさく果で、ほぼ球形、まわりにたくさんトゲがあって、赤い「ウニ」みたいです。3室に分かれた果実の中には、各部屋1つずつ種子が入っています。種子には黒っぽい斑模様が入っていて光沢があります。この種子からはひまし油が採られ、薬用や機械油として利用されてきました。しかし、この種子は有毒なので注意が必要。

【和名】トウゴマ [唐胡麻]
【別名】ヒマ
【英名】Castorbean
【学名】Ricinus communis
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市

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ガクアジサイ

ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis


ガクアジサイは、本州の太平洋側の暖かい地域、四国に分布し、海岸沿いに自生するほか、庭木や鉢植えとして広く栽培されています。高さは2mほどになる落葉低木です。野生種から見出されたといわれる品種も多く、よく栽培されます。例えば、装飾花(飾り花)が八重になる「隅田の花火」などはとても人気が高い品種です。

葉は幅の広い卵形〜倒卵形。表面には光沢があり、質は厚めです。長さは5cm〜15cm程度。縁の鋸歯(ギザギザ)は細かく入ります。ヤマアジサイの場合だと、葉の幅が狭く先が細長くとがる傾向が強くて、質は薄め光沢はないです。

ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalisガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis


花期は6月〜7月。枝先の「散房花序」にたくさんの花を咲かせます。ふつう「アジサイ(あるいはセイヨウアジサイ、ハイドランジア)」といっているタイプの花序が、球形に盛り上がるのに比べると、ガクアジサイの花序はやや平面的で「散房花序」らしいかも。花序に周辺部にあって、ふつう花弁のように見えているのは「装飾花(中性花)」、中央部でツブツブのように見える部分が「両性花」です。つまり、ヒラヒラと目だってふつうの花のように見えるのは飾りの花で、中央の目立たない部分が雌雄両機能を備え、結実可能な花というわけです。

装飾花は、結実はしないけれど、花を訪れ花粉を運ぶ昆虫を誘導する役割を果たしていると考えられます。装飾花は花弁のようですが、これはガク片で3枚〜5枚あります。雄しべや雌しべは退化し、花弁もごく小さく目立たないものです。ガクアジサイの装飾花の色は、淡い青紫、紫、淡い紅紫色などです。ふつうのアジサイだとほぼすべてが、装飾花でできていて、非常にボリュームがあります。

両性花は、青紫色〜紫色のタイプをよく見ます。雄しべは10本、雌しべの花柱は3個〜4個。雄しべは花後にはなくなってしまいますが、花柱は花が終わった後も残っていて、ツンツンと角のように突き出ています。装飾花に比べて1つ1つが小さなものなので、花弁はないように思えるかもしれませんが、両性花にはしっかりと小さいながらも5枚の花弁と5枚のガク片があります。

写真のガクアジサイは、すでに花が終わって、中心部の両性花は結実し若い果実ができはじめています。花の最盛期には、装飾花は白っぽい淡い青紫色、両性花は濃いめの青みの強い青紫色だったのが、同じ花とは思えないような色に変わっています。装飾花は紅紫色で長い柄が下向きに曲がって、ガク片の裏側が上に見えています。両性花は若い果実の緑褐色。

【和名】ガクアジサイ [蕚紫陽花]
【別名】ガク、ガクバナ
【学名】Hydrangea macrophylla f. hortensia
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
(アジサイ科 HYDRANGEACEAE)
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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2005年07月19日

キバナセツブンソウ

キバナセツブンソウ Eranthis hyemalis


キバナセツブンソウは、キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草です。同属の植物はヨーロッパ〜アジアに数種知られています。日本では、主に石灰岩地に「セツブンソウ」が分布していますが、セツブンソウは「Eranthis pinnatifida」となっている場合のほか、球茎ができることによって「Shibateranthis pinnatifida」と別属にされることもあります。

また、日本で「キバナセツブンソウ」と呼ばれているは、「オオバナキバナセツブンソウ (Eranthis hyemalis)」と「キバナセツブンソウ (Eranthis cilicica)」の交配種だといわれて、学名は「Eranthis x tubergenii」となっているようです。これが、セツブンソウ、キバナセツブンソウ、エランティスなどの名前で呼ばれています。しかし、もともと、「オオバナキバナセツブンソウ」と「キバナセツブンソウ」は、掌状に切れ込んだ葉の裂片の数や花の大きさで区別されていたものですが、自生地では混生しているため同種「Eranthis hyemalis」として扱われています。つまり、同種同士の交配によってできた園芸品種ということではないでしょうか。

草丈は5cm〜10cmくらいにはなります。花茎の上部につく茎葉は、2枚が対生しているのだと思いますが、細かく切れ込んで掌状に茎を取り囲むような状態になります。葉はやや厚く表面には光沢があります。

花期は2月〜4月。茎の先に鮮黄色の花を1つずつつけます。直径は2cm〜4cm。咲き始めのころは、草丈も低く葉も小さいので、黄色の花だけが地面に開いているような状態です。ふつう花びらに見える部分は「ガク」で、ふつう6枚のことが多いようですが、5枚だったり7枚だったりするようです。花弁は退化しています。雄しべは多数。

果実は「袋果」で、長さは1cmくらい。熟して先が割れると中には数個ずつの種子が入っているのが見えます。種子は褐色。

【和名】キバナセツブンソウ [黄花節分草]
【学名】Eranthis hyemalis
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2004/04/22
【撮影地】東京都小平市

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オオアザミ

オオアザミ Silybum marianum


オオアザミは、ヨーロッパ南部〜アフリカ原産の一年草〜二年草です。草丈は60cm〜1.5mくらい、大きいものでは2mほどに達することもあります。花や葉は同じキク科のアザミ属に似ていますが、別属の「オオアザミ属」に分類されています。

観賞用や食用として栽培されるほか、オーストラリア、ニュージーランド、南米、北米などに帰化しているといいます。日本に入ってきたのは江戸時代のことだったとか。現在は本州で時折、帰化していることがあるそうです。若い葉や根は食べられるそうです。また、7月ごろに成熟する果実には、肝機能を改善する有効成分が含まれているとか。

根生葉はかなり大きくて、長さは40cmくらい、幅は10cm以上になり、短い柄があります。そして地面に広がって、大きなロゼット状になります。葉の縁は浅めにいくつか大きな波状に裂けて、その裂片の先には長く鋭いトゲがあります。上部につく茎葉には柄がなく、付け根は耳状にはりだして茎を抱きます。表面には光沢があって、葉脈に沿って白い斑模様が入っています。

オオアザミ Silybum marianum


花期は5月〜6月。茎の先に直径5cmくらいの頭花を1つずつつけます。オオアザミの頭花は、すべて「筒状花」からできていて、「舌状花」はありません。色は多くは紅紫色、時に白色です。

紅紫色の筒状花の下に見える「総苞」は直径5cmくらいで、そこにある「総苞片」が目を引きます。1つ1つの総苞片は幅が1.5cm以上、大きく長くて斜め上向きに突き出しています。総苞片の縁には細かいとげが多く、さらにその先端には長いトゲがあって、ゴツゴツした雰囲気をかもしています。

別名の「マリアアザミ」は、聖母マリアにミルクを捧げる娘が、この植物のトゲに触れて驚き、ミルクをこぼしたために葉に白い模様ができたという伝説によるものだそうです。

【和名】オオアザミ [大薊]
【別名】マリアアザミ
【英名】Milk thistle、St. Mary's thistle
【学名】Silybum marianum
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2004/04/22
【撮影地】東京都小平市(植栽)

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イモカタバミ

イモカタバミ Oxalis articulata
2005/03/24 開花前の葉

イモカタバミは、南アメリカ原産の多年草です。観賞用に栽培されるほか、しばしば人家周辺で野生化しているのが見られます。葉は3つの小葉からなる「3出複葉」。小葉は幅の広い丸っこいハート形で、長い柄があります。小葉には短毛が生えています。

花期は4月〜9月。花茎は葉柄よりも長く、ふつう葉よりも高い位置で花が開きます。花の直径は1.5cmくらい。紅紫色の5弁花。花弁はやや放射状で、ちょっと扇風機の羽みたいなつき方です。花弁は「ハナカタバミ」よりは細め。1つの花茎で10個〜20個ほどの花を咲かせます。

花弁には濃い紅紫色のスジ模様が見られ、特に花の中央が濃い紅紫色で、雄しべの先の「葯」は黄色です。この点で、同じように人家周辺でよく見られる「ムラサキカタバミ」と見分けられます。ムラサキカタバミの場合は、やや花色が薄い紅紫色で、中心部が淡い黄緑色、雄しべの葯は白色です。

イモカタバミ Oxalis articulataイモカタバミ Oxalis articulata
2005/07/05 花の終わった花茎

イモカタバミの雄しべは10本ありますが、長短5本ずつ。雌しべの花柱は5つですが、基部ではくっついています。花柱の長さは雄しべの長短の中間。花をのぞくと、上から長い方の雄しべ、雌しべ、短い方の雄しべという順で見えます。花が終わった花茎もよく見かけますが、「カタバミ」や「オッタチカタバミ」で見られるようなオクラのような果実はできる様子はありません。もっぱら栄養繁殖によってふえているようです。

イモカタバミの地下には、イモのような形状の「塊茎」をたくさんできます。この塊茎は茎が変形したものですが、イモカタバミはこれでふえるので、しばしば大きな株立ちとなっています。名前はそのイモ状の塊茎からきています。ムラサキカタバミの方は、株元に小さな鱗片が重なった「鱗茎」ができます。

【和名】イモカタバミ [芋傍食]
【別名】フシネハナカタバミ
【学名】Oxalis articulata
【科名】カタバミ科 OXALIDACEAE
【撮影日】2005/07/05、2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

■おまけの花図鑑
イモカタバミの花(JPG画像のみ別窓、32KB)

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2005年07月18日

カマツカ

カマツカ Pourthiaea villosa var. villosa


カマツカは、本州、四国、九州、それから朝鮮半島や中国などに分布し、山野の雑木林などに生えるバラ科カマツカ属の小高木です。高さは5mくらいまでなります。樹皮は黒っぽい灰色、はがれたりはせず、縦にシワが入る感じになります。花や赤く熟す果実、紅葉が美しいので、ときどき庭にも植えられています。

葉の両面はほぼ無毛。表面ににやや毛のあるタイプを「ケカマツカ」、裏面に綿毛がたくさん生えているタイプを「ワタゲカマツカ」ということもありますが、これらの変異は連続的なのだそうです。葉は倒卵形で、付け根は細くなるくさび形、ふつう葉の中心より上の部分で葉の幅が一番広くなって、先端はとがっています。縁のギザギザ(鋸歯)は、細かく鋭いもの。質はやや厚めで、しっかり展葉した葉は何となくごわつく感じがします。葉柄は短くて、4mm〜5mm。葉は互生ですが、短枝に数枚が集まってつくことが多いです。

カマツカ Pourthiaea villosa var. villosa


花期は4月〜5月。短枝の先から出た花序に、だいたい10個〜20個程度の花をつけます。直径8mmくらいの白色の5弁花。花弁は丸く、小さな受け皿のような形状。雄しべがたくさん突き出して目立ちます。3本の花柱は下の方で互いにくっついています。ガクの先は5つにさけます。

果実の時期になるとよく目立つのですが、「果柄」にはブツブツと隆起したものがあります。これは「皮目(ひもく)」といって、サクラ類だと樹皮の縞模様になっている部分が皮目です。果実は、熟すと長さ7mmくらいの楕円形になります。先端に見られるへたのようなものは、ガク片が残ったものです。果序は次第に下垂してきます。

名前は、材が丈夫で簡単には折れないので、鎌の柄に使われたことから「カマツカ」というそうです。大工道具の柄にもされるとか。また、牛の鼻輪に使われたから、あるいは、鼻輪を通す穴を開けるために使われたことから、別名を「ウシコロシ」というとか。ウシコロシという名前からすると、有毒ではないかという印象がありますが、特に有毒というわけではないようで、赤く熟した果実は食べられるそうです。熟すのは秋。

【和名】カマツカ [鎌柄]
【別名】ウシコロシ [牛殺]
【学名】Pourthiaea villosa var. villosa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/07/05
【撮影地】東京都日野市

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