2005年07月04日

ヒメヒオウギズイセン

ヒメヒオウギズイセン Crocosmia x crocosmiflora


ヒメヒオウギズイセンは、南アフリカ原産のアヤメ科クロコスミア属の種が、ヨーロッパで園芸品種として改良されたものだそうです。各国でよく栽培されるほか、逃げ出したものが野生化しているそうです。日本に入ってきたのは、明治の中ごろのことで、やはり観賞用にもたらされました。そのときの名は「モントブレチア」だったといいます。そして、現在では、花壇などでよく栽培されるほか、各地で野生化しています。

名前に「水仙」とついていますが、いわゆる「スイセン (Narcissus tazetta )」とはまったく別の植物です。ヒメヒオウギズイセンはアヤメ科、スイセンはヒガンバナ科またはユリ科に分類されています。

草丈は50cm〜80cmくらいまでなる多年草です。地下部には繊維におおわれた「球茎」があります。葉は先のとがった長い剣状。数枚が根もとから「束生」します。根もとの方を見ると、互い違いに出た葉が向き合って互いに抱き合うようについています。

ヒメヒオウギズイセン Crocosmia x crocosmiflora


花期は6月〜8月。細長い花茎をのばして、途中で数本、分岐します。分岐した花茎にも穂状にたくさん花をつけます。特に蕾のときは花序が丸く弧を描き、南京玉簾のような状態です。花色は橙色〜朱赤色、真夏の灼熱のイメージの色、情熱的な色。直径は3cmくらい。花には柄がありません。花被片は6枚ですが、根もとの方の半分はくっついて筒状になっています。花被片の先は、ほぼ平らに開きますが、横向きからややうつむき加減に咲きます。

花の中をのぞくと、花被片の筒になる入り口あたりには、花被片よりも濃い色の斑紋がみえます。雄しべは3本で、先端の「葯」は黄色です。そして一番長く突き出ているのは雌しべで、先は3つに分かれています。

ちなみに、属の学名「クロコスミア (Crocosmia)」には、「サフランの香り」という意味があります。乾燥させた花を湯に入れるとサフランに似た香りがするのだそうです。

【和名】ヒメヒオウギズイセン [姫檜扇水仙]
【別名】モントブレチア(Montbretia)、クロコスミア、ヒメヒオオギズイセン
【学名】Crocosmia x crocosmiflora (Montbretia crocosmaeflora )
【科名】アヤメ科 IRIDACEAE
【撮影日】2005/07/02
【撮影地】東京都日野市

■Trackback
私のお気に入り」さんの記事→「モントブレチアと野の花達
色鮮やかに咲く「ヒメヒオウギズイセン (モントブレチア)」。そのお写真や栽培方法が紹介されています。ほかの野の花たちの可憐な姿も必見。

■Trackback People : 帰化植物

posted by hanaboro at 20:47| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(3) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルースター

ブルースター Tweedia caerulea


ブルースターは、南米のブラジルやウルグアイ原産で、本来は常緑の半つる性の多年草なのだそうです。半耐寒性ではあるのですが、やや寒さに弱いところがあるため、日本の寒い地域では一年草扱いのようです。筆者の近辺、関東の丘陵地では、何とか越冬しているようです。

ブルースターは、最初に分類されたガガイモ科オキシペタルム属(ルリトウワタ属)の学名の「Oxypetalum」から、園芸店などでは「オキシペタルム」という名前でも売られています。オキシペラルム属の植物は、現在日本で栽培される「ブルースター」のほかにも100種前後が知られているそうです。ただし、ブルースターは現在では、トゥイーディア属「Tweedia」に分類されています。

草丈は50cm〜1mほどになります。葉や茎には白い毛がたくさん生えていて、全体に白っぽく見えます。また、葉や茎を傷つけると乳汁が出ます。この乳液は有毒なのだそうです。葉は対生。やや幅の狭い長楕円形。先の方は丸みを帯びていますが、一番先端の部分は少しだけとがった印象もあります。付け根の方は湾入する形になる「心形」です。質感はぜんぜん違いますが、形だけならヤマノイモ科の植物の葉にも似ているところがあります。

ブルースター Tweedia caerulea


花期は5月〜9月。茎の上部の方の葉の脇(葉腋)から、花序が出て、数個ずつの花がつきます。花冠は直径3cmほど5つに深く裂けます。咲き始めはやや淡い紫色ですが、次第に淡い青色に変化します。その色と形から、「ブルースター」という名前、そのものです。ガク片も5つあります。

星型の花の中央をよく見ると、花冠ののどにあたる部分には先の部分が青く縁取られたような小さな鱗片状のものが合わさって、筒状になっているのが見えます。それは「副花冠」と呼ばれるものです。さらにその副花冠の中心からは、白っぽくて先のとがった「ずい柱」が突き出しています。

花後にできる果実は、長く先のとがった円錐形の「袋果」で、熟すと白くて長い冠毛のある黒っぽい種子ができます。

【一般名】ブルースター
【別名】オキシペタルム (オキシペタラム)
【和名】ルリトウワタ [瑠璃唐綿]
【学名】Tweedia caerulea (Oxypetalum caeruleum)
【科名】ガガイモ科 ASCLEPIADACEAE
【撮影日】2005/07/02
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事
イケマ

■Trackback People : ガーデニング

posted by hanaboro at 18:06| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トサミズキ

トサミズキ Corylopsis spicata


トサミズキは、四国高知県の一部、蛇紋岩地や石灰岩地に生育する落葉低木です。春を告げる花の1つとして人気が高く、庭木や盆栽としてよく植えられています。高さは3m前後。樹形は株立ち状、写真の個体では細かい枝があまり出ていなくてよくわかりませんが、ふつうは枝はジグザグ状にまがります。樹皮は灰褐色で滑らかなもの。

葉は互生。卵を逆さにしたような幅の広い卵形。先端は少しとがる感じがあります。付け根の方はやや浅めに湾入した心形。葉の長さは5cm〜10cmくらいです。マンサク科の植物だけあって、葉脈が深く刻まれてよく目立ちます。質は分厚くて時期がたつにつれて、しっかりした感じになってきます。縁の鋸歯は波を打つような状態で、鋭いものではないのですが、先端はごく小さな突起状で縁からプツプツ突き出しているような感じです。さらに葉柄や裏面には毛が多く、それが光に照らされると白くて美しかったりします。

トサミズキ Corylopsis spicata


開花しているときには、よく似た「ヒュウガミズキ (Corylopsis pauciflora)」とは1つの花序につく花数の多いことと「ガク片」や「花軸」に毛が多いなどで区別できます。トサミズキだと1つの花序に7個〜10個、ヒュウガミズキだと1個〜3個です。写真は6月半ばの撮影ですので、花はとっくにありませんでした。しかし、すっかり、広がった葉の緑陰には、まだ熟す前の若い果実が見られます。花弁はなくなっていますが、ガク片はこの時点ではまだ残っています。この時期になっても、花柄だった部分には毛があって、果実も5つできていました。

花期は3月〜4月。葉が展開するよりも先に、穂状花序を下向きに垂らします。色は早春の花らしい淡い黄色。5枚の花弁はヘラ形、5本の雄しべはふつう花弁より短くて、中をのぞくと、先端の紅色の「葯」が目に入ってきます。花柱は2本あります。

果実は直径1cm程度の「さく果」で、毛が多く、熟すと2つに裂けます。中には黒い種子ができます。果実をよくみると、ツンツンと突き出ているものが見えるのですが、それは雌しべの花柱だった部分です。熟すのは秋。

【和名】トサミズキ [土佐水木]
【学名】Corylopsis spicata
【科名】マンサク科 HAMAMELIDACEAE
【撮影日】2005/06/18
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事
ヒュウガミズキ

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 11:28| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月02日

オオチドメ

オオチドメ Hydrocotyle ramiflora


オオチドメは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の道ばたなどにごくふつうに生える多年草です。草丈は5cm前後。セリ科チドメグサ属に分類される植物ですが、この仲間は他のセリ科の植物とはずいぶん違った特徴を持っています。セリ科に多いのは、葉が「羽状複葉」で、花序が「複散形花序」というものです。これに対して、チドメグサ属は、葉が「単葉」で、花序は球形の「散形花序」になります。

茎は細長くて、地面をはいます。途中の節から枝を出します。茎の先端や節から出た枝はまっすぐ立ち上がるか、斜め上にのびます。

葉の形は、図鑑などでは「腎円形」または「円形」と書かれています。葉脈を見ると掌形のようでもありますが、縁の切れ込みが浅くて、付け根の方が深く湾入する形、「心形」になっています。縁の鋸歯(ギザギザ)は大小ありますが、あまり鋭くとがってはいません。表面には光沢があって葉柄の基部にはごく小さい葉の付属物、「托葉(たくよう)」があります。茎と葉テカテカしています。柄の分岐点あたりで、茶色っぽく見えているのがその托葉です。

オオチドメ Hydrocotyle ramiflora


花期は6月〜10月。葉の脇(葉腋)から花序が出ます。花序の柄が長く、ふつう葉のある位置より上に花序が突き出しています。この点で、同じように茎が立ち上がるタイプの「ノチドメ」区別できます。ノチドメの方は花序の柄が短く、花序が葉にかくれるような状態になります。花序は「散形花序」ですが、1つ1つの花の柄が短くて10個程度が集まってつきます。花は、白っぽいような淡い黄緑色。花弁は5枚です。雄しべも5本、先端の「葯」は黄色。子房は2つあって、したがって柱頭も2本あります。

ごくごく小さい花ですが、それなりに均整のとれた花。肉眼でも見えないわけではないですが、虫眼鏡かルーペ持参で観察したいところ。

果実はやや平べったい「分果」が2つずつくっついます。分果にはそれぞれ2本の触角のようなものがついています。これは雌しべの柱頭です。果実の長さはわずか数ミリ程度のもの。図鑑によれば、直径は1.5mmとなっています。

【和名】オオチドメ [大血止]
【別名】ヤマチドメ
【学名】Hydrocotyle ramiflora
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE (APIACEAE)
【撮影日】2005/07/02
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 野草people

posted by hanaboro at 19:52| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月01日

ヤエドクダミ

ヤエドクダミ Houttuynia cordata f. plenaヤエドクダミ Houttuynia cordata f. plena


ヤエドクダミは、ドクダミ科ドクダミ属の植物で、「ドクダミ」の品種です。ドクダミは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野のあまり日当たりのよくないところに多く生える多年草です。日当たりのいい場所でも見られ、そちらの方が花つきはよさそうな気がします。地下茎を横にのばして増えるので、しばしば大群落になっています。草丈は15cm〜50cm。茎や葉は暗紫褐色を帯びています。全体に独特のにおいがあることや、名前や生えている場所などのイメージも、いまひとつよくないドクダミ。それでも、花の最盛期には多くの人々の関心を集めているようです。

花期は6月〜7月。茎の上部から1cm〜3cmの花穂をのばします。「ドクダミ」の花には花弁がありません。白くて花びらのように見えているのは、花弁ではなく「総苞片(そうほうへん)」と呼ばれるものです。つまり、葉の変形した「苞」です。それで、肝心の「花」は、中央で高く盛り上がった部分にたくさん集まってついています。

花弁はないので、1つ1つの花には、3つの部屋からなる「雌しべ」と3本の「雄しべ」しかありません。花弁やガク片のことを「花被(かひ)」というのですが、花被のない花のことを「無花被花」または、「裸花」といいます。ということで、ドクダミの花は無花被花です。他に、センリョウ科の「ヒトリシズカ」や「フタリシズカ」やトウダイグサ科、ヤナギ科の植物でも見られます。

八重咲きの花では、ふつう「雄しべ」や「雌しべ」が花弁化したものが幾重にも重なっていることが多いのですが、ヤエドクダミの場合は、白くて花弁のように見えているものは、雄しべや雌しべ由来ではないようです。その白い花弁状のものの間には、通常のドクダミの花が見えます。つまり、ヤエドクダミの八重になった花弁状のものも「苞」に当たるわけです。ふつうのドクダミが、棒状の花のかたまりの最下部にだけ、大きな4枚の総苞片をつけるのに対して、ヤエドクダミは花の塊の間にも白い花弁化した苞をつけているということだと思います。

こうしてみると、ヤエドクダミは八重咲きでも結実可能なように思えますが、いかがでしょうか。

ヤエドクダミ Houttuynia cordata f. plena


葉はハート型で先はほそくとがります。表面は濃い深緑。長さは5cm前後。ふつう縁や葉脈、あるいは表面に模様のように紫っぽくなっています。葉や茎の色合いは非常に奥深いものがあります。しかし、その反面、毒々しい印象もあるかもしれません。全草に整腸や利尿などの薬効があって、「十薬」とも呼ばれるドクダミ、どんな印象をもちますか。

【和名】ヤエドクダミ
【別名】ジュウヤク [十薬]←(ドクダミの別名)
【学名】Houttuynia cordata f. plena
【科名】ドクダミ科 SAURURACEAE
【撮影日】2005/06/18
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : ガーデニング

posted by hanaboro at 18:49| 東京 ☔| Comment(6) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クチナシ

クチナシ Gardenia jasminoides


クチナシは、中国や、日本の本州東海以西、四国、九州、沖縄などの暖地に生育する常緑低木です。アカネ科クチナシ属の植物で、高さは1m〜2mほど。庭や公園にもよく植栽されています。全体に毛はなく、葉やガク、花弁など艶やかなものです。

葉は対生。長楕円形で、長さは10cm前後。中央の主脈が裏面にへこみ、さらに側脈もへこんでいることが多く、葉の表面はウネウネと波打った状態に見えます。表面は濃い緑色で光沢があり、テカテカしています。縁にはギザギザ(鋸歯)がなく全縁です。

ところで、クチナシを食草とするスズメガ科の「オオスカシバ」。羽が透明で、ブーン、ブーンと大きなハチのような羽音をたてて空中でホバリングしながら吸蜜します。蜜を吸う植物は特定されているわけではないですが、クチナシの花にもやってくるようです。花粉の媒介者でもあるからなのでしょうか、丸坊主にされるほどに葉を食べられてしまっても、クチナシの方は、防御する成分を作り出したりはしないのだろうか。それともオオスカシバがいることで、他の害虫を寄せ付けない仕組みでもあるのでしょうか。新芽の部分に産卵されてもお構いなしのように見えます。

クチナシ Gardenia jasminoidesクチナシ Gardenia jasminoides
2004/08/02 まだ若い果実

花期は6月〜7月。ちょうど梅雨の時期に、甘い香りの純白の花を咲かせます。花弁は5枚〜7枚で、分厚いく花の直径は8cm程度です。雄しべは5本〜7本。雌しべは太くて1本。ガクも5本〜7本。一重のクチナシの花は1つの花の寿命は数日。すぐに瑞々しさを失って、花弁はダラ〜ンとしおれて、色も黄色から茶色になってしまいます。それでも、その後しばらくは次の芽が伸びてきて次々と開花していきます。

「ヤエクチナシ(オオヤエクチナシ)」は、クチナシが改良された園芸品種。クチナシとほぼ同じ時期に開花します。直径10cm前後。八重咲きのタイプにはほとんど果実ができませんが、一重のクチナシだと結構、結実するようです。果実は熟すと黄赤色になり、薬用や染料、きんとんなどの食品の着色料としても利用されます。もう1つの八重咲きの種類、「コクチナシ(Gardenia jasminoides var. radicans)」の花は直径5cmくらい。葉の幅も細く長さも5cmくらいと全体に小型で樹高は低く横に広がる形になります。

5本〜7本の細く長いガク片は、蕾から開花、結実そして、果実が熟すまでずっと残っています。果実にできる「稜」も5本〜7本。名前の由来には諸説あるようで、果実にあるガク片の様子が「くちばし」のようだから、それが転訛して「くちなし」、あるいは、果実が熟しても口を開けないから「口無し」などの説があります。

【和名】クチナシ [梔子]
【別名】コリンクチナシ、センプク、ヤクシマクチナシ
【学名】Gardenia jasminoides (Gardenia jasminoides f. grandiflora)
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影日】2005/06/30、2004/08/02
【撮影地】東京都日野市、調布市(いずれも植栽)

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 15:47| 東京 🌁| Comment(6) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。