2005年07月08日

テッポウユリ

テッポウユリ Lilium longiflorum


テッポウユリは、種子島、屋久島、沖縄に分布し、海岸の崖などに生育する多年草です。草丈は50cm〜1m。茎はオニユリのような毛はなく、無毛。地下の「鱗茎」は、直径5cm〜6cm。広く栽培され、多数の園芸品種があります。そのため園芸植物としてのイメージが強いのですが、もともとは、日本の南の島に自生する野生のユリです。また、切花としてよく利用される「シンテッポウユリ」というのは、この「テッポウユリ」と、発芽から開花までに時間のかからない「タカサゴユリ」の交配によってできた品種なのだそうです。

葉は細長い披針形で、長さは15cm前後、幅は1.5cmくらいです。質は厚め。「ササユリ」や「ヒメサユリ」には柄がありますが、テッポウユリには葉柄はありません。両面ともに毛はなく、表面には光沢があります。

テッポウユリ Lilium longiflorum


花期は4月〜6月。茎の先に2〜3輪咲きます。蕾の間は下向きにカクッと折れ曲がっている感じが強いのですが、花はほぼ横向きに開きます。花筒の長〜い白色のラッパ形で、芳香があります。正確には、「ユリ形花冠」。長さは10cm〜15cmくらい。同形同質の「花被片」が6枚あって、1つ1つの花被片は、倒披針形。開いた先の方は外側に反り返ります。雄しべは6本、雌しべは雄しべよりも長く突き出しています。先のふくらんだ部分は「柱頭」。ちなみに、種小名の「longiflorum」には、「長い花の」という意味があります。

花の最盛期には長い花筒に包まれていてよくわかりませんが、花が終わって花被片がすっかり散ってしまうと、長い雌しべと、その付け根の方の太い部分が残ります。太い部分は「子房」です。花被片はその子房よりもより下の部分についていたことがわかります。つまり、「子房上位」だったことがわかります。この後、果実となる子房だけを残し、雌しべの花柱は脱落してしまいます。

【和名】テッポウユリ [鉄砲百合]
【英名】Easter Lily
【学名】Lilium longiflorum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/07/07
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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ナツツバキ

ナツツバキ Stewartia pseudocamellia


ナツツバキは、本州の東北南部以西、四国、九州に分布し、山地に生える落葉高木です。庭や公園などによく植栽されています。ツバキ科ナツツバキ属の植物で、同属には「ヒメシャラ (Stewartia monadelpha)」や「ヒコサンヒメシャラ (Stewartia serrata)」などがあります。幹は直立し、高さは10m〜20mにもなります。

樹皮は非常に特徴的で、うすくはがれて、茶色や灰色などの斑模様になります。その様子は、「リョウブ」や「サルスベリ」に似たところがあります。

ナツツバキ Stewartia pseudocamellia
まだ若い木の樹皮

葉は互生。倒卵形で裏面には細かい毛があります。長さは5cm〜10cmほど。縁のギザギザ(鋸歯)は低く、遠めには全縁のように見えてしまうかも。そのかわり、葉脈はしっかりと目立ちます。裏面に向かってくぼんでいるので、主要な脈が刻まれてように入っています。「ヒメシャラ」に比べるとしっかりめの葉脈、大きさもナツツバキの方が大きめです。

ナツツバキ Stewartia pseudocamellia
若い果実

花期は6月〜7月。花は「葉腋」につきます。直径5cm程度の白色の5弁花。花弁の縁には細かい切れ込みがあります。花の下の方には2枚の「苞」があるのですが、これがガク片よりも短いのが「ナツツバキ」。苞がガク片よりも長いのは「ヒメシャラ」。「ヒコサンヒメシャラ」だとほぼ同じ長さなのだそうです。果実は「さく果」で、先のとがった卵形です。長さは1.5cm〜2cmほど、熟すと5つに裂けます。

ナツツバキは、「シャラノキ(沙羅の木)」と呼ばれることもありますが、仏教で登場する「沙羅樹」はフタバガキ科の植物なので、まったくの別種です。

学名の「Stewartia」は、ナツツバキ属の属名で、イギリス人の「J.Stewart」という人の名前にちなんでいるそうで、種小名の「pseudocamellia」には、「pseudo偽の+camelliaツバキ属」という意味があります。花の形はツバキによく似ていますが、別属です。ツバキの葉は光沢がありかたくて常緑ですが、ナツツバキの葉は柔らかく冬には落葉します。冬芽は平べったい紡錘形、数枚の「芽鱗」がありますが脱落しやすくて、「裸芽」のようにも見えます。

【和名】ナツツバキ [夏椿]
【別名】シャラノキ [沙羅の木]
【学名】Stewartia pseudocamellia
【科名】ツバキ科 THEACEAE
【撮影日】2005/07/08
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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オオテンニンギク

オオテンニンギク Gaillardia aristataオオテンニンギク Gaillardia aristata
花の終わった状態

「テンニンギク (Gaillardia pulchella)」と「オオテンニンギク (Gaillardia aristata)」。筆者は、これまでの印象で、両者を勝手にイメージで区別していました。「テンニンギク」は一年草的で、背丈が低く花びらに見える部分が、「ヤグルマギク」のように筒状になったもの。「オオテンニンギク」の方は、多年草で背が高く花も大きくて、あまり筒状にならず、周辺にだけ舌状花がつき、赤に黄色の覆輪が入る2色のとても派手なタイプ。という思い込み。

でも、実際はそう単純なことではなさそうです。テンニンギクにも一重で赤と黄色の2色のタイプがあるようですし、テンニンギクとオオテンニンギクの交配によって改良された品種が「ガイラルディア (Gaillardia ×grandiflora)」と呼ばれて流通しているのだそうです。ガイラルディアは本来はテンニンギク属の学名ですが、日本では園芸的に改良された品種群をさしていることが多いようです。花色、形、大きさなど多様な品種が生まれていて、テンニンギクとオオテンニンギクの区別がしっかりわからない筆者にとっては非常に難解なグループ。

別種に分類されているわけなので、もっとしっかり理解したいところ。いずれも、原産地は北アメリカ南部〜中南米、花期は6月〜11月。テンニンギクは、草丈30cm〜90cm。オオテンニンギクは、草丈60cm〜90cm。花の直径5cm〜14cm。これでは、区別できませんね。

オオテンニンギク Gaillardia aristataオオテンニンギク Gaillardia aristata
蕾の状態

写真の個体は、草丈80cm、花の直径12cm。舌状花が周辺に一列だけ並び、色は赤に黄色の覆輪が入るタイプでした。筆者の中では、これが典型的な「オオテンニンギク」のイメージ。茎の下部の葉は羽状に浅く切れ込んでいましたが、上部の葉には切れ込みがなく長楕円形。葉は互生で、上部の方ではほとんど葉柄がありません。

舌状花が脱落するころには、中央部の赤い「筒状花」の部分が盛り上がって丸くなっています。一重のタイプでもそうなっていました。花の下の部分にある「総苞」は筒状になるわけではなく、蕾のときは上を向いていますが、咲き進むと垂れ下がるような状態になります。総苞片には長い毛が目立ち、先はとがっています。

写真のタイプとは別ですが、赤や黄色の単色で、ポンポンのように球形の頭花になるタイプの、あの筒状になった小花は、「筒状花」なんですかね?

【和名】オオテンニンギク [大天人菊]
【別名】ガイラルディア
【英名】Common perenial gaillardia
【学名】Gaillardia aristata
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/07/07
【撮影地】東京都日野市

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